先日、米国産牛肉の輸入が再開されたばかりですが、はやくも、狂牛病の危険部位とされる脊柱が混入した商品が日本に持ち込まれていたそうで…。まぁ、牛たちには罪はないわけですが、日本人を相手に牛肉を売って一儲けしようと考えているアメリカ人たちは、我々のことを舐めきってるんじゃないかと、ちょっと頭にきてしまいます。
ところで、アメリカの牛といえば、やっぱり、この切手は避けて通れないでしょう。
これは、1898年にオマハ(ネブラスカ州東端の都市)で開催されたトランス・ミシシッピ博覧会を記念して発行された切手の1枚で、嵐の中を進む牛たちの姿が取り上げられています。
トランス・ミシシッピとは、19世紀のアメリカで広く使われていた地域概念で、ルイジアナ、ミズーリ、テキサス、アーカンソーの各州一帯をさしています。切手の主題となった博覧会は、トランスミシシッピ地帯開発事業のプロモーションのために実施されました。
この博覧会は、当時としては大規模な国際イベントだったようですが、現在では、その具体的な内容が話題に上ることはまずないといってよいでしょう。これに対して、博覧会にあわせて発行された記念切手の素晴らしさは、当時から評判になり、この切手はアメリカを代表する名品のひとつとしていまなお収集家の間で高い人気を誇っています。
僕は畜産のことは詳しくないのですが、切手に描かれている牛は食用としてはどうなんでしょうねぇ。まぁ、食べられないことはないでしょうが、ちょっと肉質が固そうな気がします。もっとも、ビールでマッサージされて育った霜降りの松坂牛なんかじゃ、こんな具合に嵐の中を格好よく進んでいくというような絵にはならないんでしょうけどね。