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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 ソマリア政府庁舎前で自爆テロ
2011-10-04 Tue 23:57
 ソマリアの首都モガディシオ中心部にある政府庁舎前で、きょう(4日)、イスラム過激組織アッシャバーブによる自爆テロでトラックが爆発。約70人が死亡、50人前後が負傷しました。負傷された方々にお見舞い申し上げるとともに、亡くなられた方のご冥福を心よりお祈り申し上げます。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

        ソマリア総督府

 これは、イタリア植民地時代のソマリアで1932年に発行された35サンチームの普通切手で、モガディシオの総督府の建物が描かれています。

 インド洋に面したソマリアの中心都市・モガディシュは、1871年にザンジバルのスルターンに征服されますが、1890年にザンジバルがイギリスの保護領となると、1892年にイタリアの租借地となり、イタリア語風にモガディシオと改称されました。その後、イタリアは1905年にモガディシオを買収。1908年に現在のソマリアの南部に相当するイタリア領ソマリランドを植民地化し(北部は英領ソマリランドとなりました)、モガディシオをその首都としました。今回ご紹介の切手に取り上げられている総督府の建物は、これに伴い建設されたものです。

 1960年にソマリアが独立すると、旧総督府の建物はそのまま新生ソマリア政府の庁舎となりましたが、1991年以降の内戦下では、政府庁舎の主もモハメド・シアド・バーレ(社会主義国家ソマリア民主共和国の独裁者)→モハメッド・ファッラ・アイディード(反政府勢力の統一ソマリア会議・議長)→イスラム法廷会議(いわゆるイスラム原理主義勢力)→ソマリア暫定政権(法廷会議以外の諸派連合)と目まぐるしく変転しています。

 おそらく、建物自体も長期にわたる内戦で大きく損傷しているものと思われますが、今回の自爆テロでもさらなるダメージを受けているのかもしれません。

 事実上の無政府状態に陥っているソマリアでは、現在、ソマリア正統政府としての正規の切手発行もストップしている状況です。正規のソマリア切手が復活し、そこに再び政府庁舎が取り上げられる日が来るのはいつのことになるのか、現状では全く見当もつきませんな。


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