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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 觀音開庫
2011-02-28 Mon 11:35
 きょうは、旧暦の1月26日。年に一度、観音様の金庫が開く“觀音開庫”の日です。というわけで、この切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

        観音開庫

 これは、2010年に中国澳門で発行された“觀音開庫”の切手で、観音様に向かって一生懸命に祈りをささげる善男善女が描かれています。

 “觀音開庫”というのは、年に一度、観音様の金庫が開く日のことで、マカオや香港、廣州などでは、この日に観音様を詣でると、観音様がお金を貸してくれて財運が上がるとの言い伝えがあります。このため、マカオでは、もっとも有名な觀音廟である觀音堂こと普濟禪院が最も賑わう日となっています。ちなみに、普段の(“觀音開庫”以外の日の)觀音堂の境内は、こんな感じです。

        観音堂・実物

 觀音堂は明末の1627年に創建の古刹で、マカオ半島北部、中国との境界に近いエリアにあります。入ってすぐの伽藍には四大天王の石像があり、奥に進むと6つの仏殿がありますが、そのうちの大雄寶殿には三寶佛、觀音殿には觀音菩薩のほか韋駄天、十八羅漢などが、地蔵殿には地蔵王、閻魔様などが、武帝殿には関帝、馬大将などが祀られています。

 観光スポットとしては、1844年、アメリカがアヘン戦争に敗れた清朝にたいして押しつけた不平等条約の望厦条約が調印されたという御影石の円卓が有名で、日本のガイドブックにもそのことが記されていますが、まぁ、地元の人間にとっては、“觀音開庫”でお参りするところというイメージの方が強いんじゃないでしょうかねぇ。
 
 ところで、緊迫するリビア情勢では、いよいよ独裁者カダフィの命運が尽きかけています。なにせ、40年にわたって権力を独占してきた男ですから、フツーに考えれば、かなりあこぎな蓄財をしてきたんじゃなかろうかと思います。その“金庫”も、いよいよ40年ぶりにご開帳となりそうな気配ですが、リビア国民には、“觀音開庫”40年分のご利益があるといいですな。

 なお觀音堂を含むマカオ半島北部の名所旧跡については、拙著『マカオ紀行』でも1章を設けてご紹介しておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。

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