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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 世界漫郵記:ハバロフスク③
2011-02-27 Sun 17:24
 ご報告が遅くなりましたが、『キュリオマガジン』2011年3月号が出来上がりました。僕の連載「郵便学者の世界漫郵記」は、極東ロシア・ハバロフスク篇の3回目。今回はアムール川沿いの遊歩道から、氷結した川面を歩いた話を書きました。その記事の中から、こんなモノをご紹介します。(以下、画像はクリックで拡大されます)

        シベリア出兵絵葉書・アムール川(絵面)     シベリア出兵絵葉書・アムール川

 これは、1918年、シベリア出兵の際に日本の第12師団の郵便長が差し出した絵葉書で、ハバロフスクにおかれていた第4野戦局の10月12日の消印が押されています。

 絵葉書の写真(モノクロに彩色したもの)には、右上に「ハバロウスクの公園と黒龍江(アムール川)」、左下に「黒龍江の湾曲せるところ 幅員一里に及ぶ」との書き込みがありますが、現在のような展望台はなく、丘の上にムラヴィヨフ=アムールスキーの銅像がそびえ立っています。差出人の郵便長がムラヴィヨフ=アムールスキーのことを「黒龍江沿岸を支那からロハで取った偉人」と説明書をつけているのが面白いですな。ムラヴィヨフ=アムールスキーの銅像は、ソ連時代の1929年のにいったん撤去され、ソ連崩壊直前の1989年に元の場所に再建されましたが、シベリア出兵の時期には銅像が残っていたことが絵葉書からも確認できます。

 ちなみに、昨年3月、この絵葉書と同じような角度で撮ってみたのが、下の写真です。

        アムール川から銅像を望む(現況)

 この写真では、展望台とともに復活したムラヴィヨフ=アムールスキーの像もしっかりと見えています。なお、絵葉書では、岸辺に集まっている人々の群れが写っていますが、写真を撮影した3月の時点では、川面が氷雪に覆われており、ほとんど人影がありません。

 今回の記事では、このほかにも凍結したアムール川の写真をいくつか紹介しております。日本ではなかなか見ることのできない独特の風景ですので、機会がありましたら、ぜひ雑誌をお手に取っていただき、ご覧いただけると幸いです。


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