2011-01-11 Tue 23:36
日本郵政グループの郵便事業会社(日本郵便)は、きょう(11日)、2012年度新卒採用を総合職と一般職の全職種で中止すると発表しました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)
![]() これは、1971年に発行された郵便創業100年の記念切手のうちの「郵便配達」を取り上げた1枚です。 郵便創業100年の記念切手を発行するにあたって、郵政省は原画を小学生から公募し、3点の優秀作品が切手の図案として採用されました。今回ご紹介の切手に取り上げられているのは、青森県柏村立第一小学校の葛西勝彦の応募作品「冬の郵便集配」で、切手としての構成は久野実が担当しました。なお、実際の切手発行に際しては、タイトルは「郵便配達」と改題されています。 さて、今回の郵便事業会社の新卒採用中止の直接の要因は、インターネットの普及に伴う郵便物の構造的な減少に加え、昨年7月に起きた「ゆうパック」遅配問題の影響などで2010年9月中間期に593億円の最終赤字を計上し、経営環境が悪化したことにあります。 もっとも、郵便サービスというのは人件費の塊のような仕事ですから、それ自体で黒字を出そうとすれば安価なサービスを提供するというのはかなり困難なわけで、それゆえ、現在なお、諸外国では、国民の基本的な通信インフラを維持するため、郵便事業を官営ないしは公営のままにしているケースが多いのが実情です。 まぁ、郵政民営化というのは、小泉政権時代に国民の圧倒的な支持の下に推し進められた政策でしたから、そのメリット・デメリットともに我々は享受しなければなりません。いずれにせよ、今回、毎年1300-1600人程度と新卒を大量採用してきた日本郵便が新卒採用を見送ることについては、今後も、同社の収益が劇的に改善される見通しが立っていないこともあって、さっそく、雇用情勢に与える悪影響を指摘する声も出ているようですが、そうした意見が小泉郵政選挙の頃にもあったかどうか、ちょっと記憶にありませんな。 ★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★ ![]() マカオ紀行:世界遺産と歴史を歩く 彩流社(本体2850円+税) マカオはこんなに面白い! 30の世界遺産がひしめき合う街マカオ。 カジノ抜きでも楽しめる、マカオ歴史散歩の決定版! 歴史歩きの達人“郵便学者”内藤陽介がご案内。 全国書店・インターネット書店(amazon、bk1、boox store、coneco.net、DMM.com、HMV、JBOOK、livedoor BOOKS、Yahoo!ブックス、カラメル、紀伊国屋書店BookWeb、ゲオEショップ、ジュンク堂、セブンネットショッピング、丸善、楽天ブックスなど)で好評発売中! |
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