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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 小さな親切/大きなお世話
2010-03-25 Thu 19:21
 きょう(25日)発売の『週刊新潮』によると、中井洽国家公安委員長が知人女性に赤坂議員宿舎のカードキーを渡し、出入りさせていたとのこと。これに対して、中井委員長は“掃除にきてもらう”ために鍵を貸していると釈明したそうです。というわけで、きょうはお掃除ネタのこの1枚です。(画像はクリックっで拡大されます)

      日本列島クリーン運動

 これは、1983年6月13日に発行された“日本列島クリーン運動”の切手で、空き缶と掃除するウサギが描かれています。切手は、1983年が“小さな親切”運動本部の創立20周年にあたっていたことから、その記念の意味を込めて、小さな親切運動そのものを広めるためのキャンペーン切手として発行されました。

 “小さな親切”運動とは、毎年6月13日に一日一善をしようという運動で、日常生活の中での善意を広める事に重点を置き、個人や団体の顕彰、各種コンクールの実施、清掃活動の実施などが行われています。

 運動のきっかけは、1963年3月の東京大学卒業式で、総長の茅誠司が“小さな親切”の重要性を訴える告辞を行ったことで、その後、新聞などでその実践例が報じられて社会的な共感を呼び、同年6月13日、社団法人として「小さな親切」運動本部が設立され、茅が初代代表に就任しました。

 日本列島クリーン大作戦は、日本の社会に美しい自然環境を取り戻すとともに、社会的モラルの向上をはかることを目的として、“小さな親切”運動本部が主体となって行われたものです。運動期間は、1983年6-7月の2ヵ月間で、期間中は「わが日本を美しく」をテーマに、テレビ、ラジオ、新聞等の報道機関の協力の下、各種団体、地域住民の参加により、全国規模での環境美化運動が行われました。

 なお、“小さな親切”運動本部が行っていた運動の正式名称は日本列島クリーン大作戦でしたが、郵政省は“作戦”が軍事擁護で国民生活に溶け込んでいないとの判断し、切手の名称は“運動”に変更しています。
 
 今回報道された中井委員長は、すでに夫人とは死別しており、「俺が誰と付き合おうが大きなお世話だ」という心境なのかもしれませんが、やはり、国会議員にして閣僚という公人としての立場があるのですから、物理的な掃除云々ということではなく、ご自身の身辺もクリーンにしておいていただかないと困りますな。もっとも、“小さな親切”と“大きなお世話”は一対のものだといわれてしまえば、それまでですが…。

 ちなみに、今回ご紹介の切手を含む1980年代前半の記念・特殊切手については、拙著『近代美術・特殊鳥類の時代』で詳しく解説しておりますので、機会がありましたら、ぜひ、ご覧いただけると幸いです。
 

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