2010-02-03 Wed 11:30
きょう(3日)は節分です。というわけで、鬼に関する切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1961年にインドで発行された「インド考古局100年」の切手で、インド西部マハーラーシュトラ州のピタルコラ遺跡から発掘されたヤクシャ像が取り上げられています。 ヤクシャは“夜叉”の語源となったインドの鬼神で、その女性形はヤクシーもしくはヤクシニーです。古代インドの神話では、ヤクシャは財宝の神・クベーラの眷属という位置づけで、森林に棲む神霊として、人を食らう鬼神である反面、人間に恩恵をもたらす存在でもありました。 後に、クベーラが四天王の多聞天(毘沙門天)として仏教に取り込まれると、その配下のヤクシャたちも天界八部衆、八大夜叉大将、十二神将などとして仏界を守護する護法善神になりましたが、同時に、人間に害をなす悪鬼に対しては、ヤクシャの音訳である夜叉の語があてられ、現在にいたっています。 なお、拙著『切手が伝える仏像』では、インドのヤクシャ・ヤクシーとその系統に属する仏教彫刻を取り上げた切手をいろいろと取り上げておりますので、機会がありましたら、ぜひ、ご覧いただけると幸いです。 ★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★ 総項目数552 総ページ数2256 戦後記念切手の“読む事典”(全7巻) ついに完結! 『昭和終焉の時代』 日本郵趣出版 2700円(税込) 2001年のシリーズ第1巻『濫造濫発の時代』から9年。<解説・戦後記念切手>の最終巻となる第7巻は、1985年の「放送大学開学」から1988年の「世界人権宣言40周年年」まで、NTT発足や国鉄の分割民営化、青函トンネルならびに瀬戸大橋の開通など、昭和末期の重大な出来事にまつわる記念切手を含め、昭和最後の4年間の全記念・特殊切手を詳細に解説。さらに、巻末には、シリーズ全7巻で掲載の全記念特殊切手の発行データも採録。 全国書店・インターネット書店(amazon、bk1、JBOOK、livedoor BOOKS、7&Y、紀伊国屋書店BookWeb、ゲオEショップ、楽天ブックスなど)で好評発売中! |
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