2009-07-29 Wed 09:01
きょう(29日)の午後から8月5日まで、アジア国際切手展<PHILAKOREA2009>(会期は30-4日)に参加のため、ソウルに行ってきます。というわけで、道中の無事を祈って、この1枚を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1969年10月1日に韓国で発行された通常100ウォン切手で、韓国の国宝第83号の弥勒菩薩像が取り上げられています。 1969年発行の通常切手は韓国では最初のグラビア通常切手のシリーズとなりましたが、そのうちの最高額がこの100ウォン切手です。1969年12月27日の郵便料金改正で書状基本料金が10ウォンになりましたが、切手の発行時には7ウォンでしたから、現在の日本の感覚だと800~1000円切手というイメージでしょうか。 韓国には著名な金銅弥勒菩薩半跏像として、国宝第78号と同83号があります。両者ともにその来歴等は不明ですが、ソウルの国立中央博物館に展示されている第83号については、日本の奈良・広隆寺弥勒菩薩像との類似性から、韓国側はこの像が広隆寺の像のルーツと主張しています。ただし、現在、韓国で確認されている木造仏は818年に作られたものが最古のものですから、7世紀の作とされる広隆寺の像との学術的な比較検証は不可能です。 なお、韓国では、広隆寺の弥勒菩薩像が朝鮮半島起源であることを主張するためか、対日国交正常化30周年の記念切手に中宮寺の像を取り上げていますが、拙著『切手が伝える仏像:意匠と歴史』では、僕の勘違いから、この像を“国宝第83号”として掲載してしまいました。この場をお借りして、お詫びして訂正いたします。 同書については、現在、韓国語版制作の話が持ち上がっていて、今回のソウル行ではその打ち合わせもしてくる予定です。新たな動きなどがありましたら、逐一、このブログでもご報告していきますので、よろしくお願いいたします。 * ソウルへは自分のパソコンを持って行き、あらかじめ、取り込んでおいた切手類の画像を元に、いつもどおり毎日1本ずつ記事を書いていく予定ですが、現地のネット環境等により更新できないことがあるかもしれません。その場合は、あしからずご容赦ください。 ★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★ 異色の仏像ガイド決定版 全国書店・インターネット書店(アマゾン、bk1、7&Yなど)・切手商・ミュージアムショップ(切手の博物館・ていぱーく)などで好評発売中! 『切手が伝える仏像:意匠と歴史』 彩流社(2000円+税) 300点以上の切手を使って仏像をオールカラー・ビジュアル解説 仏像を観る愉しみを広げ、仏教の流れもよくわかる! |
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