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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 ボロブドゥールの釈迦如来
2009-05-09 Sat 14:59
 シンガポール、マレーシア、インドネシアなどでは、今日(9日)が仏誕節です。というわけで、くどいようですが、仏誕節ネタということで、新刊の拙著『切手が伝える仏像:意匠と歴史』の中から、こんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      ボロブドゥール(1968)

 これは、1968年にインドネシアが発行したボロブドゥール遺跡保護の寄附金つき切手で、同遺跡の釈迦如来像が描かれています。

 インドネシア・ジャワ島中部にあるボロブドゥール寺院は、仏教を奉じるシャイレーンドラ朝が8世紀から9世紀にかけて建造した大寺院ですが、その構造は密教の曼荼羅を立体的に再現したものと言われています。

 曼荼羅とは、大日如来の説く真理や悟りの境地を視覚的に表現したもので、一般的には絵画など平面に表わされますが、ボロブドゥール遺跡のように諸尊の彫像を立体的に配置する羯麿曼荼羅(立体曼陀羅)と呼ばれるものも存在しています。

 ボロブドゥール寺院は、全体が基壇、方壇、円壇の3段の構成となっていますが、これは、それぞれ欲界、色界、無色界の三界を表現しており、人々はボロブドゥールに登る事で、三界を体験することができる構成になっています。そして、72基のストゥーパは三重円を描くように並び、頂上には釈迦の遺骨を納めたとされる巨大なストゥーパがあり、天上をめざしています。この中心塔は空洞になっていますが、これは大乗仏教の真髄である“空”の思想を強調しているのだそうです。

 今回ご紹介の切手は、そうしたストゥーパを背景に横向きの釈迦如来像を取り上げたものですが、色合いが石造りの遺跡にぴったりの雰囲気ですな。

 なお、拙著『切手が伝える仏像』でも、ボロブドゥール遺跡については、3ページほど取って、いろいろなマテリアルをご紹介しておりますので、よろしかったら、ぜひ、ご覧いただけると幸いです。

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