2008-04-29 Tue 10:22
今日は“昭和の日”。というわけで、“昭和”を記念するモノということで、この1枚を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1983年10月に発行された国営昭和記念公園開園の記念切手です。 昭和記念公園は、昭和天皇の在位50年を記念して造成された大規模公園で、全体計画面積は180ヘクタール。これは、ロンドンのハイドパーク(145ヘクタール)を上回る、世界最大規模のものです。 建設テーマは“緑の回復と人間性の向上”で、公園内は文化施設、展示施設、広場、森、水の5つのゾーンで構成されており、現在も建設工事が続いています。 公園の土地は、もともとは、1922年に陸軍航空部隊の中核地点として開設された立川飛行場の一部で、第二次大戦後は米軍に接収され、立川基地として使用されていました。これが、1977年に返還されたのを受けて、跡地が三分割され、その東部には陸上自衛隊駐屯地のほか、海上保安庁・警視庁・東京消防庁など各官公庁の施設が設けられ、立川広域防災基地が建設されました。一方、その西部については現在も利用法が決まっていません。 今回ご紹介の記念切手は、昭和記念公園のうち、立川口広場、展示広場、花木園、みんなの原っぱ、駐車場、レストハウス、サイクリングコースなどからなる五十ヘクタール部分が開園し、1983年10月26日に昭和天皇ご臨席の下、第一期開園式が行われたのにあわせて発行されたものです。 さて、切手の図案は、昭和記念公園と公園内のモニュメントということですが、収集家の間では「よく分からない」との理由で不評でした。もっとも、原画作者の久野実によると、原画の制作にあたって提供された資料は公園の航空写真が一枚だけしかなかったそうで、これでは他に図案を作りようがなかったのもやむをえないかもしれません。 なお、今月20日付で刊行の拙著『近代美術・特殊鳥類の時代』では、この切手を含め、昭和50年代後半の記念切手について詳しく解説しておりますので、よろしかったら、ぜひ、お手にとってご覧いただけると幸いです。 もういちど切手を集めてみたくなったら 雑誌『郵趣』の2008年4月号は、もう一度切手を集めてみようかなと思った大人のための切手収集の再入門特集ですが、在庫がある限り、ご希望の方に無料でサンプルをお送りしております。くわしくはこちらをクリックしてください。 |
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