2008-04-27 Sun 10:37
スタンプショウ’08はきょうが最終日で、表彰式が行われます。併催の競争切手展(オープン切手展とトピカル切手展)には、僕も特別賞として賞品を提供しているのですが、今回は、その嫁入り先は「ドイツ航空のあけぼの」をご出品の樋口豊さんに決まりました。というわけで、 きょうは樋口さんに敬意を表して、こんなモノを持ってきてみました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、バイエルンで1912年に発行された航空郵便用のラベルです。 南独ミュンヘンを首都とするバイエルンの地は1180年からヴィッテルスバッハ家の支配下に置かれていましたが、ドイツ帝国の成立後も、王国は帝国の領邦として維持されました。切手に関しては、1849年にドイツの諸邦として最初の切手を発行し、ドイツ帝国の成立後も帝国郵政とは別の切手を発行し続けています。1918年、第一次世界大戦でドイツ帝国が敗れ、革命が勃発すると、バイエルン国王ルートヴィヒ3世も退位に追い込まれ、王国は滅亡し、バイエルン自由国の成立が宣言されました。その後、バイエルン自由国はワイマール共和国に合流しますが、バイエルンでは1920年3月31日まで独自の切手が使われていました。 ドイツの帝国郵政は、1912年3月19日、マンハイム=ハイデルベルク間で航空郵便を開始しますが(それ以前にも、たとえば、1911年11月13日にベルリン周辺での試験的な航空郵便が行われるなど、郵政当局の承認を得ないプライベート・エアメールの例はあります)、これを受けて、バイエルンでも1912年10月3日、ミュンヘン=ニュルンベルク間で航空郵便が行われました。 今回ご紹介のモノは、バイエルンでの航空郵便の実施にあたって、航空料金(25ペニヒ)を別途徴収するためのラベルとして発行されたもので、1912年から1913年にかけて、ミュンヘンとニュルンベルクの郵便局で販売されました。デザインは、翼のあるライオンで、BAECの文字はBavarian Aero Clubの略です。“切手”として扱うべきかどうかは微妙な存在ということで、ミッヘルにはリストされていますが、スコットやギボンズ、イベールなどには記載がありません。 さて、『近代美術・特殊鳥類の時代』の刊行を記念して、昨日スタンプショウ会場内で行なった講演とサイン会は無事終了いたしました。お越しいただきました皆様には、この場を借りて、改めてお礼申し上げます。 切手を集めてみたくなったら 雑誌『郵趣』2008年4月号は切手収集再入門の特集号で、在庫がある限り、無料でサンプルをお送りしております。くわしくはこちらをクリックしてください。 |
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