2013-05-09 Thu 17:22
今年(2013年)はヴェトナムとの外交樹立40周年を記念して“日越友好年”に指定されていますが、その記念イベントのひとつとして、日越友好年記念のバナーをつけた“日越友好列車”が、きのう(8日)から、ハノイ=ホーチミン(旧サイゴン)間を結ぶ南北線(通称:統一鉄道)で運行を開始しました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1958年に北ヴェトナム(ヴェトナム民主共和国)で発行された“祖国再統一のために”と題する宣伝切手で、ハノイ=サイゴン間の鉄道路線図と鉄道再建工事を行う人々が描かれています。 ヴェトナムの南北線は、仏領インドシナ時代、延べ37年の歳月をかけて建設され、1935年に全長1726kmが全線開通しました。1945年に始まる第一次インドシナ戦争により鉄道路線は大きな被害を受けたほか、1954年のジュネーヴ休戦協定で北緯17度線を境界としてヴェトナム民主共和国とヴェトナム国の南北両政府が成立したことにより、全線通しての運行は不可能となりました。今回ご紹介の切手はこうした状況を踏まえて北ヴェトナム側が発行したもので、南北にまたがるハノイ=サイゴン鉄道を国土再統一の象徴として描いたものです。 その後、米国とのヴェトナム戦争で多くの橋梁が破壊されたほか、1975年の南北統一後も中国による侵略戦争(中越戦争)等があってメンテナンスが行き届かず、老朽化による鉄道の劣化は深刻な事態となっていました。 このため、ヴェトナム政府の要請を受けたわが国は、円借款事業による南北線63橋梁の改修・架け替え事業を実施。その結果、1994年から2005年にかけてはヴィン=ニャチャン間の19橋梁が、2012年10月までにドンハ=クアンガイ間の10橋梁の改修事業が完成し、現在は、残る34橋梁の改修事業が続けられています。 現在、ハノイ=ホーチミン間の鉄道での所要時間は、最短30時間ということで、ぶっ通しで乗っていても2泊3日になる勘定ですが、どうせなら、途中、フエあたりで下車して世界遺産の旧市街を散策するなどしたりして、1週間くらいかけてのんびりと楽しみたいですな。きのうスタートした日越友好列車は9月23日までの間に30往復程度の運行ということですので、この機会に、一部区間だけでも乗りに行こうかなぁ。 ★★★ 内藤陽介の最新作 ★★★ 『マリ近現代史』 北アフリカ・マリ共和国の知られざる歴史から混迷の現在まで、 切手・絵葉書等で色鮮やかに再現したオールカラーの本格的通史! amazon、e-hon、hontoネットストア、Honya Club、JBOOK、7ネット・ショッピング、紀伊國屋書店、版元ドットコム、ブックサービス、文教堂、丸善&ジュンク堂書店、楽天ブックスなどで好評発売中! ★★★ 予算1日2000円のソウル歴史散歩 ★★★ 毎月1回、よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)荻窪で予算1日2000円のソウル歴史散歩と題する一般向けの教養講座を担当しています。開催日は6月4日、7月2日、7月30日、9月3日(原則第一火曜日)で、時間は各回とも13:00~14:30です。講座は途中参加やお試し見学も可能ですので、ぜひ、お気軽に遊びに来てください。 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★ 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。 |
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