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ソニーがToSTNeT-3でオリンパス株式を売却?


【 ソニー:ToSTNeT-3でオリンパス株式を売却 】


 2019/8/29、オリンパス(7733)が、自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)を発表した。
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120190829492800.pdf

 以下は、その概要。


1.自己株式の取得を行う理由 
・ソニー(6758)の売却意向を受け、当社は、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行するため、自己株式の取得を行うこととした

・当社株式需給への短期的な影響を緩和し既存株主への影響を軽減する観点とともに、資本効率の向上を図る観点からも、ToSTNeT-3による自己株式の取得を行うこととした

・ソニーからは、その保有する当社株式をもって応じる意向を有している旨の連絡を受けている

・また、ソニーとの間の業務提携は継続する


2.取得の方法 
 2019/8/29の終値1,165円で、2019/8/30午前8時45分の東証のToSTNeT-3において、買付けの委託を行う


3.取得の内容
(1)対象株式:普通株式85百万株(上限) (発行済株式総数(自己株式除く)の6.22%) 

(2)取得総額:99,025百万円(上限)


4.取得の結果
https://www.olympus.co.jp/ir/data/announcement/2019/contents/ir00021.pdf

(1)取得株式:普通株式80,153,100株 

(2)取得総額:93,378,361,500円


5.自己株式公開買付け(TOB)にしなかった理由
< ソニーのプレスリリース >

https://www.sony.co.jp/SonyInfo/IR/news/20190830_J.pdf
・今後の見通し 
 本応募による株式譲渡が、当社の2019年度連結業績見通しに与える影響は軽微

⇒ 自己株式TOBによる益金不算入制度による税務メリットを得る必要がなかったと推定されるが・・・


〜大量保有変更報告書*で確認すると〜
*http://www.kabupro.jp/edp/20171211/S100BWMW.pdf

1)取得簿価:約365円/株
(取得総額25,166,553千円÷17,243,950株÷4*)
*2019/3/31を基準日として1株を4株に分割

2)譲渡益:1,165円-365円=800円/株
⇒ 68,975,800株×800円≒552億円(a)
⇒ 自己株式TOBによる益金不算入制度*を利用して、受取配当金の50%を益金不算入とした方がメリットがあったのでは?

*https://www.eyjapan.jp/library/issue/info-sensor/2015-07-07.html

< 平成24年9月28日付資本提携契約書上の合意内容 >
1)株式の譲渡制限  
 資本提携契約の有効期間中は、発行会社の事前の書面による 承諾がある場合等を除いて、オリンパス株式を譲渡してはならない。
 但し、平成25年2月22日から1年を経過する等した場合には、市場売却、ブロックトレード等の一定の方法で、当該株式を譲渡することができる。
 なお、ソニーは、ブロックトレード等によって譲渡する場合には、譲渡先の選定についてはオリンパスの意向を合理的な範囲内で最大限配慮する。

2)買増しの禁止
 略


6.今期税引前当期純利益(予想):7700億円(b)
https://www.sony.co.jp/SonyInfo/IR/library/presen/er/pdf/19q1_sony.pdf

 552億円(a)÷7700億円=7.2%

⇒ 収益30%以上の修正時は、適時開示の必要あり


6.株価終値推移
 8/29 1,165円、8/30 1,244円


<感想>
 ソニーからすると、552億円は「連結業績見通しに与える影響は軽微」だと言う。
 税効果メリットを考えると、本件はToSTNeT-3ではなく、自己株式TOBの方がベターなように思われる。

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連結子会社の完全子会社化目的のTOB?


【 日本化薬によるポラテクノ株式のTOB 】


 2019/8/27、ポラテクノ(4239)は、親会社の日本化薬(4272)による株式公開買付け(TOB)への賛同を表明した。
https://www.polatechno.co.jp/report/item/data/ir00497-1.pdf

 以下はその概要。


1.TOBに関する意見等

(1)意見の内容
1)当社の企業価値の向上に資するもの
2)当社の株主に対して合理的な株式売却の機会を提供するもの
であると判断し、TOBに賛同する意見を表明するとともに、当社の株主に対して、TOBへの応募を推奨することを決議

(2)TOBの概要
・公開買付者(「日化」)は、JASDAQ上場の当社株式を 27,544千株(所有割合66.45%)所有し、当社を連結子会社としている

・日化は、本日開催の取締役会において、当社株式の全て (除、自社所有株式・自己株式)を取得し、当社を日化の完全子会社とすることを目的としてTOB実施を決議

・TOB予定数:1390万5885株
・下限:9,280千株(所有割合22.38%)
・TOB価格:993円(8/26終値511円に対して 94.32%のプレミアム)
・TOB総額:約138億円
・TOB期間:8月28日〜10月10日

・第2位の大株主の有沢製作所との応募契約:同社所有の当社株式の全て(9,280千株、所有割合22.38%) についてTOBに応募する旨合意

・日化は、いわゆる二段階買収により、当社を完全子会社とする予定


(3)TOBに賛同する理由
ア.研究開発体制の一体化・効率的かつ迅速な製品開発の実現
イ.両者の技術を活用した新製品開発
ウ.効率的な生産体制の構築
エ.日化グループのグローバル販売チャネルの活用
オ.経営資源の効率的活用によるコスト削減


2.株価終値推移
     8/26  8/27  8/28
ポラテクノ 511円 517円 617円
日本化薬 1,130円 1,148円 1,148円


(ご参考)日化のプレスリリース
https://ssl4.eir-parts.net/doc/4272/tdnet/1747665/00.pdf


<感想>
 本件は、完全子会社化目的の、日本化薬による、約2/3の株式を保有する連結子会社ポラテクノへのTOB。
 非公開化に伴う事務面含めたコスト削減や両社の各部門の一体化による効率的経営の意味は大きいものと思われる。

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連結子会社の完全子会社化目的のTOB?


【 日本化薬によるポラテクノ株式のTOB 】


 2019/8/27、ポラテクノ(4239)は、親会社の日本化薬(4272)による株式公開買付け(TOB)への賛同を表明した。
https://www.polatechno.co.jp/report/item/data/ir00497-1.pdf

 以下はその概要。


1.TOBに関する意見等

(1)意見の内容
1)当社の企業価値の向上に資するもの
2)当社の株主に対して合理的な株式売却の機会を提供するもの
であると判断し、TOBに賛同する意見を表明するとともに、当社の株主に対して、TOBへの応募を推奨することを決議

(2)TOBの概要
・公開買付者(「日化」)は、JASDAQ上場の当社株式を 27,544千株(所有割合66.45%)所有し、当社を連結子会社としている

・日化は、本日開催の取締役会において、当社株式の全て (除、自社所有株式・自己株式)を取得し、当社を日化の完全子会社とすることを目的としてTOB実施を決議

・TOB予定数:1390万5885株
・下限:9,280千株(所有割合22.38%)
・TOB価格:993円(8/26終値511円に対して 94.32%のプレミアム)
・TOB総額:約138億円
・TOB期間:8月28日〜10月10日

・第2位の大株主の有沢製作所との応募契約:同社所有の当社株式の全て(9,280千株、所有割合22.38%) についてTOBに応募する旨合意

・日化は、いわゆる二段階買収により、当社を完全子会社とする予定


(3)TOBに賛同する理由
ア.研究開発体制の一体化・効率的かつ迅速な製品開発の実現
イ.両者の技術を活用した新製品開発
ウ.効率的な生産体制の構築
エ.日化グループのグローバル販売チャネルの活用
オ.経営資源の効率的活用によるコスト削減


2.株価終値推移
     8/26  8/27  8/28
ポラテクノ 511円 517円 617円
日本化薬 1,130円 1,148円 1,148円


(ご参考)日化のプレスリリース
https://ssl4.eir-parts.net/doc/4272/tdnet/1747665/00.pdf


<感想>
 本件は、完全子会社化目的の、日本化薬による、約2/3の株式を保有する連結子会社ポラテクノへのTOB。
 非公開化に伴う事務面含めたコスト削減や両社の各部門の一体化による効率的経営の意味は大きいものと思われる。

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今こそ韓国に謝る?


【 百田尚樹:今こそ、韓国に謝ろう 】


 先日、『今こそ、韓国に謝ろう そして、「さらば」と言おう』(百田尚樹著、飛鳥新社)を読んだ。
 以下は、「徴用工裁判」部分の一部抜粋。


「徴用工裁判」

 2018年、韓国でいわゆる「徴用工裁判」なるものがありました。これは戦時徴用された朝鮮人が当時の雇用主である日本企業を訴えたもので、韓国の最高裁判所が日本企業に「賠償金を払え」という判決を下しました。

 後述しますが、日本の戦後補償は1965年の「日韓請求権協定」ですべて解決済です。つまり今回の裁判は国際条約で解決したものを蒸し返すという無茶苦茶なものですが、実はもっと驚くべきことは、原告の韓国人は徴用工でもなかったのです。彼らは日本企業の募集に応じて自ら応募してきたただの労働者なのです。

 なぜこれが「徴用された裁判」となるのか、まったく意味不明ですが、これを悪くとってはいけません。彼らはもしかしたら漢字が読めないので「徴用」の意味がわからないかもしれません。もちろん日本企業は一円も払う義務はありませんが、彼らを起こるよりも、優しく丁寧に真実を教えてあげるこのが大切です。


<感想>
 まえがきに、『私たちの父祖が良かれと思ってしたことが、彼らにとってはすべて「余計なお節介」だったのです。』とある。
 本書は、余計なお節介をし過ぎたことが完全に裏目に出たことを嫌味的に冒頭の表題にしたもの。国家的には本当に「さらば」と言いたい。

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ユニゾHDが対HISの対抗TOB?


【 ユニゾHD:フォートレス・グループによるTOBに賛同 】


 2019/8/16、ユニゾHD(3258)が、HISによる公開買付け(TOB)に対抗した、サッポロ合同会社(フォートレス・グループ)によるTOBに関する「賛同」の意見表明をした。

 以下は、その概要。
https://www.unizo-hd.co.jp/news/file/20190816_4.pdf


< 公開買付価格の妥当性(4,000円は提示された最高値) >(P8)

・買付け価格は妥当であり、買付予定数の上限設定なし

○ 本公開買付価格は、提示のあった複数候補者の中で最高値

○ 当該価格は、当社が助言を受けている株式価値算定機関3社が算定したDCF法による価格レンジ内であり、当社企業価値に照らして妥当な価格

○ 予定買付株数の上限設定がなく、公開買付け後の完全子会社化の手続も全株主にとり 公平かつ強圧的でない



< TOBの概要 >(P2)

当社株式の全てを取得することを目的 
⇒ 当社をサッポロ合同会社の完全子会社とする取引を実施

○公開買付者: サッポロ合同会社(フォートレス・グループ) 

○ 買付予定数
下限: 22,813,500株(66.67%) 、上限: 全株(100%)
⇒ 応募株券等の総数が買付予定数の下限以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行う

○ 買付け等の価格
普通株式1株につき、4,000円

○ 買付け等の期間 
2019年8月19日~2019年10月1日(30営業日)

○ 決済開始日
2019年10月8日


< フォートレス・グループ >(P3)
公開買付者・サッポロ合同会社を設立

フォートレス・グループについて
○ 世界最大規模の不動産投資ファンドの運営会社 
・14カ国の拠点に約480名の不動産投資プロフェッショナル

○ 多様なファンドを組成、グローバルで総額約1,000億米ドルの不動産及び不動産関連企業へ投資

○ 日本においても約50名のプロフェッショナルにより、5本の日本特化型投資ファンドを運用

・コミットメントベースの出資額は合計約5,300億円 
・累計投資・運営物件数は約1,400件、ビジネスホテル・マイステイズも

・本公開買付け資金はフォートレス・グループより調達

○ 本公開買付けの資金調達
・自己資金 1,375億円(うちエクイティ性資金 375億円、ブリッジ資金 1,000億円)


< 特別委員会の答申内容 >(P5)
1.本取引の目的は正当であること
2.手続は公正であると認められること
3.当社の株主に交付される対価は妥当であると認められること
4.当社の少数株主にとって不利益ではないと認められること

から、本取引は当社の企業価値向上・株主共通の利益に資すると考える


< 株価終値推移 >
 7/9 1,990円、7/10 2,390円(ストップ高)、7/11 2,890円(同)
 7/12 3,115円、7/16 3,500円、8/7 3,710円
 8/15 3,600円、8/16 4,165円、8/20 4,305円


<感想>
 本件は、HISの(敵対的)TOBに対抗するために、複数の条件提示の中からフォートレス・グループによる非公開化目的のTOBに賛同したもの。
 株価はTOB価格を上回っているため、本件が成就するかは現状不透明であるが、HISのTOBを阻止するという目的は達成できたものと思われる。

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データが示す恐怖の夏?


【 データが示す「Summer of Fear (恐怖の夏)」 】


 2019/8/14の日経新聞に、『[FT]データが示す「恐怖の夏」 世界景気に収縮の予兆 』の記事が掲載された。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48494050T10C19A8TCR000/

 以下はその概要。


< 先週の市場の乱高下 >
・表向き:米中貿易摩擦が全面的な通貨戦争に発展したことがきっかけ

・本質的な原因:米連邦準備理事会(FRB)が7月に実施した利下げの理由が、将来の景気減速に対する「保険」だということに、世間が納得しなかったから

⇒ 米国、スペイン、イタリア、フランス、ドイツの購買担当者景気指数の低迷に企業の倒産件数の増加、米国のレイオフ(一時解雇)急増まで、今やいくつもの指標が示しているように、世界的な景気下降局面はすでに始まっている


< 為替調査会社AGビセット・アソシエーツのウルフ・リンダール最高経営責任者(CEO)>
・「恐怖の夏」を迎えようとしている

⇒ 2018年1月から長期平均に回帰し始めたダウ平均が、10年続く弱気相場に発展するとみている


< 過去のデータ >
・ダウ平均が現在のようにトレンドライン(傾向線)から130%以上乖離した時期は、1906年以降、20カ月間しかない

・大恐慌が起きた29年、ITバブル崩壊前の99年、そして2018年近辺に集中

⇒「米国株は過去150年間で2番目の高値をつけている」とリンダール氏は言う。「株価が下がるのは必然だ」


< なぜ暴落がまだ起きていないか >
・実際、不安を募らせている市場参加者は大勢いる。マイナス利回りの債券が全世界に14兆ドル相当も存在することが何よりの証拠

・大損に対するヘッジとして少しだけ損をする「安心感」にお金を払う意思がある人がこれほど多ければ、世界がかなりおかしい状態にあることは明白

・より急激で持続的な調整がなぜまだ起きていないのか。先週まで、市場があえて3つの事象について目をつぶってきたため


1.米中間の貿易協定は成立しない
・両国とも協定を切実に必要としているが、中国は対等な立場でなければ取引には応じない。ただ、トランプ米大統領は心理的にこれを受け入れられない。過去の経歴をみると、トランプ氏は相手を一方的に倒せたと感じられる欲求を求め続けてきた。株価が下がるにつれて、この負けを認めない病的心理の傾向は激しくなる一方だろう。

・大統領の予測不能な行動の結果、株価が下げるたびに買いに回るアルゴリズム売買プログラムによっていくばくか覆い隠されてきた。そのため、市場が持続不能であることを示す現状に対する継続的なシグナルがかき消されてしまった。


2.トランプ氏が中国を「為替操作国」に指定した後、中国は元安を容認
・これにより、米大統領がフェアに戦わずに強硬策に出ようとした場合、中国は米国市場を打ち倒し、どんな痛みをも受け入れる覚悟があることを示した。誰もが無視しがたい新しい現実だ。

・新興国が覇権国に挑戦するとき、折り合えずに戦争が起きる「トゥキディデスの罠(わな)」が現実に起きているのだ。米国の外交政策は20年の大統領選挙後に大きな変化があるどころの情勢ではない(なお、民主党の有力大統領候補は誰も対中政策をはっきり示していない)。米国と中国は現在、今後数十年続き、世界の経済と政治を塗り替える冷戦に入っているのだ。


3.FRBの10年来の対策、つまり経済をお金であふれさせて市場を安心させ、正常化を期待する策は失敗
・そして次善策は存在しない。だからこそ、金の需要が旺盛になっている。一部のヘッジファンドが現金化への防衛策を備え始め、利回りが大幅なマイナス領域に入っている投資適格債をトレーダーが空売りして、過去10年間の米国株・米ドルへの資金流入が今にも反転しようとしているのもこれが要因だ。リンダール氏は、米ドルは今、ユーロに対して25%過大評価されていると考えている。

・FRBは間違いなく、追加利下げによってこうした状況を取り繕おうとするだろう。だが、資産運用会社グラスキン・シェフのストラテジストのデービッド・ローゼンバーグ氏が指摘するように、「米国の民間部門は大量の債務で窒息寸前で、信用コストを引き下げても、需要の反応は大して起きないだろう」。

・緩和策は当時もうまくいかなかったし、現在もうまくいかないだろう。債務の問題をさらに債務を積み上げて解決はできない。

・設備投資計画は延期され、住宅ローン金利が低いにもかかわらず、中古住宅の販売が減少している。グラスキン・シェフが指摘しているように、米国の消費者がクレジットカードの借入残高と自動車燃料の使用の両方を減らしている。この2つの支出の削減はどんな時期であっても珍しく、ましてや休暇シーズンの最中には、めったにないことだ。まさしく恐怖の夏だ。(12日付)


<感想>
 今後の世界経済がどちらの方向に向かうのか。
 私も、FTのグローバル・ビジネス・コメンテーターのラナ・フォルーハーの言う、恐怖の夏が(来て欲しくはないが)来つつあるように思う。

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ココカラファインがマツモトキヨシHDを選択?


【 ココカラファイン:マツモトキヨシHDとの経営統合 】


 2019/8/14(12時05分)、ココカラファイン(3098、「CF」)が、「マツモトキヨシホールディングス(3088、「MKHD」)との経営統合の協議開始についてのお知らせ」を発表した。
https://corp.cocokarafine.co.jp/news/pdf/20190814_TD01.pdf

 以下はその概要。


1.背景
(1)2019/6/1
 スギHD(7649)との経営統合に関する検討及び協議開始のお知らせ」及び「(開示事項の経過)株式会社MKHDとの資本業務提携に関する検討及び協議開始のお知らせ」公表
⇒ 各社との資本業務提携又は経営統合に関する検討及び協議を行ってきた

(2)6/10
「特別委員会の設置に関するお知らせ」公表
⇒ 判断過程の客観性と公平性を確保し、当社の恣意性を排除するために、特別委員会において、MKHD及びスギHDのそれぞれの提案について、総合的に検討

(3)8/7
 特別委員会による検討結果の報告を受た

 最終的に、上述の特別委員会の報告内容も踏まえ、以下のとおり検討及び確認を行い、当社の中長期的な企業価値及び当社株主の利益を向上させる観点から、MKHDとの経営統合に向けた協議を開始することを決定

1)当社の具体的な経営課題を克服する解決方法として、当社のみで実現することは容易ではな
く、他社と統合することが適切であること

2)MKHDとの統合により、店舗作業の効率性やプライベートブランド商品の開発などについて、大きなシナジー効果が生じる可能性があり、それらのシナジー効果をより効果的に発現させることにより、当社株主が保有する株式の価値が最大化する可能性があること

3)当社の中長期的な企業価値及び当社株主の利益の向上に資すること、また、経営統合を現時点で実施することについての合理的な理由も存在すること


2.今後の予定 
 当社とMKHDとの間の今後の協議に係る日程については、今後両社で検討し、決定し次第詳細をお知らせする
 可及的速やかにMKHDに対して独占交渉権を付与する予定
 MKHDとの基本合意を締結し、両社協議のうえ最終契約を締結する意向


3.株価終値推移
    8/13 8/14 8/15 8/16
MKHD 3,650 3,570 3,525 3,555
CF   5,950 6,030 5,550 5,430
スギHD 5,170 5,390 5,320 5,440


<感想>
 本件は、特別委員会による検討結果も踏まえて、CFが経営統合の相手をスギHDではなく、MKHDを選択した事例。
 この数日の株価の動きを見る限り、本件は、MKHDにはスクエアー、CFにはネガテイブ、スギHDにはポジティブとの評価か。
 独占禁止法上の問題がなければ、今後、スギHDを含めた統合の可能性も否定できないようにも思われる。

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ステムリムのIPO価格は妥当だった?


【 ステムリム上場:初値は930円 】


 2019/8/9、ステムリム(4599)が東証マザーズに上場した。
 以下は、2019/8/9の日経電子版の記事から。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48427120Z00C19A8000000/


1.ステムリムの冨田会長「調達不調でも計画達成できる」

初値:930円(公募・売り出し価格▲7%)
終値:951円
⇒ 時価総額は498億円(会社側が当初の仮条件で想定していた平均発行価格で計算した時価総額は約1500億円)

──当初想定していた株価や時価総額を大幅に下回りました。どう評価しますか。
冨田会長「投資家の評価は受け入れざるを得ない。ここから出発する。現時点で(バイオベンチャーの企業価値を評価する)公式に当てはめるとこうした数字になったということだ。ただ、公募価格を決める際の機関投資家からの評価は、当社が持つ可能性について否定的なものはなかった。再生誘導医薬のリーディングカンパニーとして地歩を固めるために、調達した資金で事業を進める」

──仮条件を大幅に下げた理由を教えて下さい。
岡島正恒社長「日本のバイオベンチャー、特に赤字段階で投資できる機関投資家の層が薄かった。機関投資家に一定額を買ってもらわなければならないという状況もあり、株式公開のプロセスも含めて厳しかったと実感している」

──仮条件段階での価格レンジはどのような経緯で設定したのですか。
冨田氏「当社側と証券会社側、双方(が妥当だと思う水準)だ」

──冨田氏は保有株の売り出しをやめました。
「理由は単純だ。(公開価格を)引き下げた形での仮条件が決まった。中期経営計画の達成に向けて会社が調達する金額が減ってしまいそうなので、会社が売り出す株に振り替えた。今後の売却については現時点では特に考えていない」
「当初200億円以上を調達するはずだったが3分の1になった。それでも知恵を使えば中期計画は達成できる。私も70歳でどれだけ役立つか分からないが、死ぬまでという気持ちでお手伝いする」


2.株価終値(安値〜高値)推移
8/  9 951円(900円〜1,010円)
8/13 985円(961円〜1,055円)


<感想>
 赤字のバイオベンチャー企業のIPOに対する、機関投資家の層の薄さが仮条件の大幅な引き下げに繋がった。
 上場後の株価は、IPO価格の1,000円を挟んだ値動きになっており、妥当な設定だったと思われる。
 同じ証券会社に勤務していた岡島COOの活躍に期待したい。

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SANKYOはオーナーの資産管理会社から自己株式TOB?


【 SANKYO:自己株式TOB 】


 2019/8/6、SANKYO(6417)が、「自己株式の取得及び自己株式の公開買付け(TOB)に関するお知らせ」を発表した。
https://www.sankyo-fever.co.jp/corporate/modify/tool/03/press20190806.pdf?r=corp_info

 以下は、その時系列等の概要。


1.2018年10月下旬
・更なる株主還元及び資本効率の向上を目的として自己株式の取得について検討を開始

・当社株式を自己株式として取得すること

(1)当社の1株当たり当期純利益(EPS)の向上
(2)自己資本当期純利益率(ROE)など資本効率の向上に寄与
(3)株主に対する利益還元に繋がること

⇒ 大株主が所有する当社株式を取得するのであれば、流動性を損ねることなく比較的短期間に相当規模の自己株式を取得できると判断

・当社株式を28,346,000株(所有割合34.92%、除自己株式)所有し当社の主要株主/筆頭株主の*マーフコーポレーション(「マーフC」)に対して、その所有する当社株式の一部の当社への売却を打診

⇒ マーフCより当社株式を売却の可否について検討する旨の回答を得た

*毒島秀行代表取締役会長が議決権の100%を所有する資産管理会社


2.2019年1月中旬
・マーフCに対して、市場価格より一定のディスカウントを行った価格でTOBを実施した場合の応募可否について打診


3.2019年6月下旬
・2,000万株程度での応募を前向きに検討する旨の回答あり


4.2019年7月
・中旬:TOBの具体的な条件についてマーフCと協議

・下旬:短期的な価格変動の影響を受けず、かつ直近の業績が十分に織り込まれていると考えられることから、TOBの実施を決定する取締役会決議日の前営業日(2019年8月5日)までの過去1 ヶ月間の東証終値の単純平均値を基準として 10%程度ディスカウントした価格でのTOBの実施についてマーフCに提案

⇒ マーフCは、その所有する株式の一部である2,000万株(所有割合 24.64%)をTOBに応募する意向を表明


5.2019年8月6日
・取締役会で以下内容を決議
(1)自己株式の取得を行うこと
(2)その具体的な取得方法としてTOBを実施すること
(3)TOB価格を前営業日(2019年8月5日)までの過去1ヶ月間の東証終値の単純平均値3,807 円に対して 10.01%のディスカウント価格3,426円とすること


6.株価終値推移
 8/5 3,655円、8/6 3,630円、8/7 3,630円
 8/8 3,600円、8/9 3,600円


<感想>
 オーナー株式の出口戦略を、本件のように「自己株式TOB(⇒自社独自路線の継続)」で行くのか、「ファンケル⇒キリンHD」や「ぐるなび⇒楽天」宛て売却による資本業務提携で行くのか。
 オーナー/会社の戦略次第で、その後の方向性が異なることが理解できる。

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野村HDが野村総研TOBで多額の特別利益?


【 野村ホールディングス:野村総研TOBへの応募で特別利益を計上 】


 2019/7/30、野村ホールディングス(8604「野村HD」)が。「野村総合研究所(4307「野村総研」)による自己株式の公開買付け(TOB)への応募結果および特別利益の計上に関するお知らせ」を発表した。
https://www.nomuraholdings.com/jp/news/nr/holdings/20190730/20190730.pdf

 以下はその概要。


1. TOBに応募した所有株式数
(1) TOB前の所有株式数
275,832,810株(野村ファシリティーズを通じて保有する株式67,518,000株を含む。発行済株式総数に対する保有割合36.59%)

(2) TOBへの応募株式数
101,910,700株 (同13.52%)

(3) TOBの売却株式数
101,889,300株 (同13.52%)

(4) TOB成立後の所有株式数
173,943,510株(同23.08%)


2. 本公開買付け等の日程
(1) 公開買付期間
2019年7月1日~2019年7月29日

(2) 決済の開始日(予定)
2019年8月21日


3. 売却価格および売却株式数
 TOB価格:1,570円
 売却株式数:101,889,300株
 売却総額:159,966,201,000円


4. 今後の見通し 
(1)2020年3月期の個別財務諸表において、関係会社株式売却益に約1,510億円を特別利益として計上する見込み
(2)また、連結財務諸表上は2020年3月期第2四半期に約730億円が税引前四半期純利益に計上される見込み
(3)なお、 TOB後においても、野村総合研究所は継続して当社の持分法適用関連会社


5. 2019年6月18日付ニュースリリース「野村総研による自己株式の公開買付けへの応募に関するお知らせ」
リリース「株式会社野村総合研究所による自己株式の公開買付
https://www.nomuraholdings.com/jp/news/nr/holdings/20190618/20190618.pdf

< 本公開買付けへの応募の理由 >
(1)当社は野村総研との最適な資本関係について検討する中で、当社が保有する野村総研株式の一部売却の意向について野村総研と協議した結果、野村総研よりTOBへの応募について打診を受けた

(2)その後、野村総研より打診を受けたTOBの内容について検討した結果、TOBへ応募することを決定

(3)なお、TOBへの応募による野村総研株式の売却によって得られた資金は 、企業価値向上のために、株主還元や事業成長投資に活用する予定

⇒ 信託方式による市場買付(〜2019/7/31)は現状ゼロ
https://www.nomuraholdings.com/jp/news/nr/holdings/20190801/20190801.pdf

< 2019/6/18開催の取締役会における決議内容 >
 期間:2019/6/19~2020/3/31 (ただし、当社の各四半期決算発表日の翌営業日より10営業日の間は取得を行わない)
 取得総数:3億株(上限)(発行済株式総数の8.6%)
 取得総額:1,500億円(上限)
 取得方法:信託方式による市場買付 (信託契約の締結の時期およびその内容(買付開始時期含む)その他本件自己株式取得に関して必要な事項については、代表執行役または財務統括責任者に一任する)

 6/19〜7/31の株価推移:342〜382円
⇒ 信託契約で、自己株式取得の下限株価(例えば[340]円以下)を設定している可能性あり


<感想>
 本件は、野村證券と野村総研の「不適切な情報伝達事案」を契機とする、資本関係の見直しの一環としてTOBを実施したもの。
https://www.nomuraholdings.com/jp/news/nr/holdings/20190524/20190524.pdf
 証券会社グループとしての責任の取り方としてはやむを得ない事例であるものと思われる。

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武田薬品がメディパルHD株式も売却?


【 メディパルホールディングス:自己株式TOB 】

 2019/7/31、メディパルホールディングス(7459)は、自己株式の公開買付け(TOB)を発表した。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/7459/tdnet/1737171/00.pdf

 以下は時系列の概要等。


1.2019年6月上旬
 筆頭株主である武田薬品工業(「武田薬品」)より、保有する当社株式※の売却意向の連絡あり

※直接保有11,400,269株+取引先持株会117,548株=11,517,817株(保有割合:5.18%。除自己株式)

(1)一時的にまとまった数量の株式が市場に放出された場合の当社株式の流動性
(2)市場株価に与える影響
(3)株主還元政策の一環として自己株式の取得による資本効率の向上
(4)株主への利益還元
⇒当該株式を自己株式として取得するか否か及びその取得方法についての検討開始

< その結果 >
 当該株式を自己株式として取得すること
⇒ 1株当たり当期純利益(EPS)や自己資本当期純利益率(ROE)等の資本効率の向上に寄与
⇒ 株主に対する利益還元に繋がる

< 自己株式の具体的な取得方法 >
 株主間の平等性及び 取引の透明性の観点から十分に検討を重ねた結果、TOB手法が適切であると判断

< TOB価格 >
 TOBに応募せずに当社株式を保有し続ける株主の利益を尊重する観点から、当社の資産の社外流出を極力抑えるべく、市場価格より一定のディスカウントを行った価格で買い付けることが望ましいと判断


2.2019年6月中旬
 武田薬品に対し、ディスカウントを行った価格でTOBを実施した場合の応募について初期的な打診を実施


3.2019年7月上旬
 武田薬品より、その応募について検討する旨の回答あり


4.2019年7月30日
 TOB決議日(取締役会の開催日)7月31日の前営業日(7月30日)の終値2,345円に対して4%程度のディスカウント価格をTOB価格とすることを武田薬品に提案

⇒ 武田薬品より直接保有株式をTOBに応募する旨の回答(取引先持株会を通じて保有する株式も売却意向あり。具体的な時期や方法は未定)あり


5.2019年7月31日決議概要
(1)上限株式:12,500,000株(武田薬品以外の株主にも応募の機会を提供するため)

(2)TOB価格:前営業日7月30日の終値2,345円に対して4.01%のディスカウント価格2,251円とすること


6.その他
(1)TOB資金:借入れ250億円+自己資金約31億円

(2取得した自己株式の処分等の方法は現時点では未定

(3)株価終値推移
 7/30 2,345円、7/31 2,324円、8/1 2,376円
 8/2 2,332円、8/5 2,272円、8/8 2,261円


<感想>
 本件は、武田薬品の保有するメディパルHD株式の売りを自己株式TOBで受けるもの。
 武田薬品のシャイヤー買収に伴う多額の借入の返済の一部に充当するもの。
 武田薬品は3月にも大阪本社ビルを含む21の資産を*米グリーンオークに約500億円で売却しているが、3月末の有利子負債4.3兆円に比べると余りにも少額のように思えてならない。
*
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40565880Y9A120C1DTA000/

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キリンとファンケルが資本業務提携?


【 キリン・ファンケル:資本業務提携 】


 2019/8/6、キリンホールディングス(2503)とファンケル(4921)の資本業務提携(~社会課題の解決を通じて持続的な成長を目指す~)が発表された。 
https://www.fancl.jp/news/pdf/20190806_kaikensiryou_kirinoyobifanclniyorusihongyoumuteikei.pdf

 以下は、その概要。


< 資本業務提携の概要 >
・キリンホールディングス(以下キリン)とファンケルは、資本業務提携契約を締結
・キリンはファンケルの株式を、ファンケル創業者である池森氏、その親族および資産管理会社等から譲り受ける
・株式の取得総額は1,293億円、議決権割合は33.0%となる。
・株式取得予定日は、2019年9月6日(予定)
・ファンケルはキリンの持分法適用会社となる予定


< シナジー創出領域 >
・両社の「ブランド力」、「研究開発力」、「販売力」を活かす


< 池森会長コメント >
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48294430W9A800C1TJ1000/

 「今年82歳の私が判断できるうちに、将来を託せる企業に譲った方が良いという結論になった。キリンならファンケルの独立性を維持しながら社員を大切にしてくれる。買値を競わせるような売り方をせず、1社に絞り話し合いを続けてきた。(キリンの磯崎社長は)申し出を喜んで受け入れてくれた」


< 株価終値推移 >
       8/6   8/7
キリン   2,377円 2,258.5円(▲5.0%)
ファンケル 2,425円 2,494円(+2.9%)


<感想>
 本件は、ファンケル・オーナー株式をキリンに承継するもの。
 オーナー一族が事業承継をしない場合、斯種の資本業務提携絡みの株式売却はあり得るオプションとなるであろう。

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ディスカウントTOB発表後の株価?


【 エスティック:自己株式TOB発表後の株価推移 】


 以下内容の質問があったため、私見をお伝えしました。ご参考まで。
http://tsuru1.blog.fc2.com/blog-entry-704.html 


< 株価終値推移 >
7/26 5,800円、7/29 6,740円
7/30 6,630円、7/31 6,500円
8/ 1 6,280円、8/ 2 5,910円


[ 質問 ]
このIR発表後、1Qにて良い数字であったのにも関わらず株価がふるいません。
合意したもののTOB価格に不満のある弘鈴興産が市場の中で売却している可能性はあるのでしょうか?


[ 私見 ]
1.オーナーの資産管理会社である弘鈴興産がTOBに応募する旨開示されているため、TOB価格に不満があったとは思えません。

2.また、弘鈴興産がTOB期間中に保有株式を市場売却することは、大量保有変更報告書で開示内容とは違う手法を取った(=虚偽の開示をした)ことが後日判明するため、考え難いです。

3.なお、TOB公表の翌営業日(7/29)に株価が急騰(終値6,740円、+940円)したのは、ディスカウントTOB価格での自己株式取得に伴う会社側メリット(=資本効率の改善等)が(瞬間的に)過大評価されたもので、

4.8/2終値5,910円(PER12.9倍、PBR2.7倍)という水準に株価も落ち着きつつある、

ように思われます。


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IPO価格が仮条件下限で決定?


【 ステムリム:IPO価格決定 】



 2019/8/1、ステムリム(4599)のIPOの発行・売出が仮条件(1000〜1700円)の下限1000円で決定した。


1.発行・売出価格決定の経緯
< 仮条件 >
当初:2370〜3730円(平均3050円)
修正後:1000〜1700円(同1350円)

< 発行・売出価格決定 >
1000円(修正後仮条件の下限)


2.冨田会長CEOコメント
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48064810R00C19A8000000/

「米国など海外に比べて、日本は赤字のバイオベンチャーに投資できる機関投資家の層が非常に薄い。目標とする金額に届かなかった」

< 冨田憲介最高経営責任者(CEO) >
これまでに東証マザーズ上場の新興バイオ企業、アンジェスエムジー(現アンジェス)とオンコセラピー・サイエンスの社長を務めた


3.大阪大学玉井克人教授
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48058380R00C19A8DTB000/
大阪大学の玉井克人寄付講座教授の研究成果をもとに「再生誘導医薬」という独自の治療薬を開発

< 目論見書 >
上位株主2人の所有割合(除自己株式)
玉井克人(大阪府)19.78%(含む新株予約権1.7%)
玉井桂子(青森県)10.17%


<感想>
 本件は、IPO仮条件を大幅に引き下げ後、発行・売出価格が引き下げ後の下限で決まった事例。
 8月9日上場日の値動きに注目したい。

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