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「日本人の誇り」


「日本人の誇り」(藤原正彦著、文春新書)より


 東京裁判の中で南京大虐殺が飛び出したことには二つの理由が考えられます。

 一つは、戦後に新しく考案された「人道に対する罪」として、ドイツのアウシュヴィッツ大虐殺に対する日本の「南京大虐殺」が欲しかったのではないでしょうか。もう一つは、悪夢中の悪夢とも言える原爆二発を相殺するために、二十万人というほぼ同数の被害者が欲しかったのだと思います。人道を掲げるクリスチャンの国アメリカにとって、無辜の民を標的に抹殺した原爆はとうてい神に許されるものではありません。何か大きな正当化が必要です。
 
 そのために偽証罪もない裁判で、中国とアメリカが結託して「南京大虐殺」をでっち上げたのかもしれません。かくて「罪意識扶植計画」の目玉となりました。

 宮沢官房長官が1982年に「近隣諸国条項」を出してからは、「南京大虐殺」が政治的に利用できると悟った中国は、戦後になってもそれまでほとんど黙っていたのに、突然大騒ぎを始めました。各地に虐殺を記念する施設を作り、本や映画を作り続けてきました。それは大きく功を奏し、今日でも我が国では、何かに脅えているのか、これを否定するような意見がテレビや新聞に現れることはまずありません。

 私は大虐殺の決定的証拠が一つでも出てくる日までは、大虐殺は原爆投下を正当化したいというアメリカの絶望的動機が創作し、利益のためなら何でも主張するという中国の慣習が存続させている、悪質かつ卑劣な作り話であり、実際は通常の攻略と掃討作戦が行われただけと信ずることにしています。さらに事を複雑にしているのは日本国内に、大虐殺を唱え続けることこそが良心と平和希求の証し、という妄想にとらわれた不思議な勢力があることです。「南京大虐殺」は歴史的事実ではなく政治的事実ということです。事実であるという決定的証拠が一つでも出るはるか前に、「カチンの森」が事件発生五十年後のソ連崩壊時に告白さたごとく、「南京大虐殺」の真実が、アメリカの情報公開で明るみに出るか、中国の一党独裁崩壊後に告白されるのではないかと考えています。

 だたし、アメリカは時が来れば何でも情報公開する公平でオープンな国のように見えますが、肝心なものは公開しません。真珠湾攻撃前一週間の暗号解読資料とかケネディー大統領暗殺犯などについては、今もすべてを出そうとしません。南京事件が原爆投下と関係しているとしたら容易には出さないでしょう。


>>「南京大虐殺」は政治的事実であるという認識を少なくとも日本国内では共有したい


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