中国との3つの戦争に勝つ意志と覚悟?
「リベラルの中国認識が日本を滅ぼす 日中関係とプロパガンダ」(石平×有本香、産経新聞出版)
以下は掲題書(第6章「新中華秩序」から「日本」を守る方法)からの一部抜粋。(その3)
この戦争に勝たなければ未来はない
石 先にも述べましたが、日本は今後、中国と三つの側面で「戦争」を戦わなければなりません。
第一の戦争は、安全保障。つまり南シナ海、東シナ海で「法の支配」を守る戦争です。場合によっては軍事闘争にもなるでしょうし、軍事を含めての政治闘争にもなるでしょう。
第二の戦争は経済派遣。アジアインフラ投資銀行(AIIB)に対抗することに代表される、アジアの経済派遣を中国に握られないようにするための経済戦争です。
そして第三の戦争は、歴史認識をめぐる戦争、歴史戦です。
日本を待っているのは大変厳しい状況です。中国と、この三つの戦いを同時に行わなければならい。しかもすでに、歴史戦は負けています。
有本 では、いったいどうすれば現代の「日中戦争」に勝てるのか。間違いだらけの対中戦略を続けないためには、プロパガンダの影響を排すことが必要。「リベラル」の中国認識を信用しないこと。
石 まずは、勝つ意志と、勝つ覚悟ですね。
戦う前の、問題として、まず、勝たねばならないという意識を、日本人が持たなければなりません。どのように勝つかという方法論も重要ですが、まず何よりも日本人に、「勝たなければ未来はない」ことを知らせなければならない。それがなければ戦略も立てられない。有本さんとの対話の中で分かってきたのは、そんな日本の現実です
有本 日本列島という島々が残り、そこに何人かが生き残ったとしても、そこが「日本」でなくなったら終わりではないか、というメッセージですね。
石 まさに、その通り。
有本 私たち、いやその上の世代も含めて日本人は「戦い」というものが分かっていないし、戦いは今も常に私たちの周りにあることを知らない。
しかし、現状を悲観するばかりではなく、日中間のさまざまなせめぎ合いも、最終的には日本が勝つのだと信じて戦っていきたいですね。そしてそれは、日本人にとってはもちろん、アジアや世界にとってもよいことだと信じて、戦わないとね。
石 そうですよ。まずは勝つ意志と、勝つ覚悟です。
あとがき
日本人にとって中国は、永遠に分かりにくく、だからこそ魅力的でもあるが、しかし常に脅威である。そう、隣にあり続ける中国はいつの時代も脅威なのだ。このシンプルな認識を、なぜか日本人はずっと持ち得ないでいる。本来なら、石平さんと私がわざわざ対談をして、こうした本を出さなくても、常に、粛々と脅威への備えがあってしかるべき。それこそが、普通の国の姿というものであろう。
日本はずっと普通ではないのだ。今でも、中国を脅威と見るのはそれこそ危険な思想だ、などという人たちがいる。永田町の中にもいる。こんな認識では、戦略論も何もあったものではない。とにもかくにも、日本はまず、ごく当たり前の「中国認識」を取り戻さなければならない。
的なずれな中国認識から距離を置き、中国という隣国、あるいは日中関係を冷静に見つめ直すことは、二国間の関係云々ということをはるかに超えて、私たちの未来に待つ事柄のすべてについて考える作業となる。その有意義な時間を、同い歳の盟友、石平さんと共有できたことを幸いと感じ、いっそう問題の深掘りに努めてまいりたいと思うに至っている。
平成27年9月 有本 香
<感想>
中国は脅威であるという認識の下、中国との3つの戦争ーー安全保障、経済覇権、歴史戦ーーに対して勝利する意志と覚悟を持ち続けて行きたい。
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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