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同じ公募なのに、ディスカウント率が違う?


【 ディスカウント率の比較 】


 2017/11/27、次の3銘柄の公募売出し/公募増資(Public Offering)の条件が決定した。


1.マクセルHD(6810)
http://v4.eir-parts.net/DocumentTemp/20171127_085546310_qg3hyqu1tsvqmz45hdwdl355_0.pdf

(1)終値:2,351円
(2)ディスカウント率:2.51%
(3)引受手数料:3.90%


2.アサヒHD(5857)

http://www.asahiholdings.com/news/2017/pdf/20171127.pdf

(1)終値:1,978円
(2)ディスカウント率:3.03%
(3)引受手数料:4.00%


3.井村屋グループ(2209)
https://www.imuraya-group.com/common_files/media/2017/11/20171127n1.pdf

(1)終値:2,832円
(2)ディスカウント率:8.19%
(3)引受手数料:5.50%


4.有価証券の引受け等に関する規則(平 4. 5.13)
http://www.jsda.or.jp/katsudou/kisoku/files/a038.pdf

(1)定義(第2条)(社債券部分は除く)

16 ブックビルディング
 引受会員が株券等の引受けを行うに当たり行う投資者の需要状況の調査をいう。

18 仮条件
 引受会員がブックビルディングを行うに際して投資者に提示する募集若しくは売出しに係る株券等の価格等又はブックビルディング若しくはプレ・マーケティングを行うに際して投資者に提示する募集に係る発行価格等の範囲をいう。


(2)ブックビルディングによる価格等の決定(第4 章 公正な条件決定 第25条)

 引受会員は、株券等の引受けを行うに当たり、ブックビルディングにより募集又は売出しに係る株券等の価格等並びに募集に係る発行価格等の条件を決定する場合、当該ブックビルディングにより把握した投資者の需要状況に基づき、払込日までの期間に係る相場の変動リスク等を総合的に勘案して発行者又は売出人と協議するものとする。


(3)仮条件(3銘柄とも)

 日本証券業協会の定める有価証券の引受け等に関する規則第25条に規定される方式により、売出価格等決定日の終値に0.90~1.00を乗じた価格を仮条件として、需要状況等を勘案した上で、売出価格等決定日に決定する。


<感想>
 主幹事(引受会員)は、(1)仮条件(終値×0.9~1.0)を基準に、(2)プックビルディングによる投資家需要状況等を勘案し、(3)売出人/発行者と協議した上で、ディスカウント率を決定する。

 昔は、政府絡みの大型売出し等を除き、(1)ディスカウント率3(~5)%、(2)引受手数料4%(合計7(~9)%)が標準だったように記憶する。(上記2の事例)

 上記のバラツキは、「投資家需要」に加えて、(1)井村屋Gのような1部指定に伴う株価上昇を勘案したり、(2)売出人/発行者と主幹事の相対的な力関係等に基づいて、ディスカウント率(・引受手数料)が決定されているためと思われる。

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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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