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「時代と闘った男たち」



「時代と闘った男たち」(監修:会田雄次、PHP研究所)より


 島津斉彬 ⇒ 希世の先見力大名


 幕末まで、日本には国旗、つまり日本を代表する紋章がなかった。

 諸大名にとってはそれぞれの領地が「国」であり、日本国の一部などという意識はほとんどなかった。したがって、日本の「印」なども不要だったのである。

 そうした中で、「日の丸」を国旗にしようと提案し、実現させたのが島津斉彬だった。斉彬はこれからの日本が国際社会の中で生きてゆかなければならないことを予見し、国旗の必要性を説いたのだ。

 これをもってしても、斉彬が初めてグローバルな眼を持って日本という国を認識した最初の大名だったといえよう。

 斉彬は希に見る先見性の持ち主だったが、それは日本を国際社会の一員として見るというところから生まれてきたといえる。

 組織の内部だけを見、組織の中だけで生きている人間からは、とうてい先見性などは生れてこようはずはないのである。


>>広い情報と深い学識に支えられた斉彬なくしては富国強兵理念の明治新政府、その後の日本の近代化はなかったに違いない



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