横浜スタジアム株式をTOBで取得した?
【 横浜ベイスターズによる横浜スタジアムのTOB 】
2017/11/5のNHKのFM番組*に、株式会社横浜DeNAベイスターズ(「ベイスターズ」)前社長の池田純氏がゲスト出演し、当時の苦労話(株式会社横浜スタジアムの株主である地元市民の同意を取り付ける等)をされていた。
今回は、2016/1に実施された、横浜スタジアムに対するTOBの意味を考えてみる。
*http://www4.nhk.or.jp/matsuodo/5/
1.ベイスターズによる横浜スタジアムに対するTOBのお知らせ
http://v4.eir-parts.net/DocumentTemp/20171106_052909007_dkdjjn55lawrwzm2bi5hhjiz_0.pdf
(1)TOBの目的
・横浜スタジアムの連結子会社化(完全子会社化は企図せず)
⇒ 公開買付者(ベイスターズ)の営業手法・ノウハウと、対象者(横浜スタジアム)が有する球場運営の知見・ノウハウをより一層融合することができる
⇒ 企業価値の向上、両者のシナジーによる新たな利益の獲得等のメリットがある
⇒ 両者のシナジーの実現が、両者の企業価値の向上及び市民・社会に対する貢献に資するものと判断した
(2)横浜スタジアムの大株主
a)ベイスターズ、テレビ朝日HD、東京放送HD、フジ・メディアHD、横浜市:各5.75%(計28.75%)
b)横浜銀行:4.86%
c)大林組、鹿島、清水建設、大成建設、竹中工務店:各0.86%(計4.3%)
(3)TOB期間
・2015/11/24~2016/1/20(36営業日)
(4)TOB価格
・1,500円/株(発行時額面:500円/株)
(5)買付数量
・656万株(下限308万1株*)
*発行済株式数696万株の過半数超から既保有分40万株を除いた株式数
2.非上場株式をTOBする背景
・対象者は非上場会社であるため対象者株式を譲渡する機会が制約されていることも勘案し、対象者の株主に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するもの
3.結果
http://v4.eir-parts.net/DocumentTemp/20171106_115635814_0025kxbyscd3p4aitgrver55_0.pdf
・応募/買付株式数:495万株
・既保有株式数:40万株
⇒ 保有株式総数:635万株(発行済株式数の76.87%)
⇒ ベイスターズは横浜スタジアムを連結子会社化
(下記4によれば主要株主の横浜市と横浜銀行(一部TOBに応募)は継続保有)
4.関連記事
https://www.nikkei.com/article/DGXLZO96388360R20C16A1L82000/
https://r.nikkei.com/article/DGXZZO92847180V11C15A0000000
<感想>
横浜スタジアムの連結子会社化による両者のシナジー効果が発揮され(たものと思われ)、入場者数*はTOB前の2015年の181万人から、16年は194万人、17年は198万人へと順調に増加している。DeNA になる前の11年(110万人)対比では8割増。球団運営に関する戦略の重要性を改めて感じさせられた事例である。
*http://npb.jp/statistics/attendance_yearly_cl.pdf
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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