「人生の収穫」
「人生の収穫」(曽野綾子著、河出書房新社)より
冒険しないで面白い人生はない
2002年3月12日に、女性だけ三人の英国人チームが、ガイドなしで徒歩で北極圏に到達するために、カナダのワード・ハント島を出発した。ここは、カナダで最も北のイヌイットの土地だという。
彼女たちは、体重の倍の重さの橇を引いて、六十日かかる旅に出たのである。
隊員の一人、アン・ダニエルスは「すばらしい自分への挑戦です。それと子供たちが、誇りに思えるようなことをしたいんです」と語った。彼女は三十七歳。元銀行の管理職だった。そして、三つ子の娘たちを持つシングル・マザーである。
私の実感によると、人生の面白さは、そのために払った犠牲や危険と、かなり正確に比例している。冒険しないで面白い人生はない、と言ってもいい。
>>これからどれだけの冒険が出来るだろう