麻原彰晃の本能?
【 麻原彰晃:オウム真理教 】
昨日、「麻原彰晃の誕生」(高山文彦著、新潮文庫)を読了した。以下はその内容から。
はじめに
彼が求めたのは、保身と繁殖である。このもっとも醜い人間の本能を露骨に見せてくれたことは、私たち人類のこれからにとって大きな教訓となるだろう。
人が自己の正義を語りはじめたとき、それを待っていたように堕落と頽廃がはじまる。それは太陽が沈んだら月がのぼるのと同様、ごく自然な現象だ。
彼らは「正義とはなにか」という考え方をとらない。「なにが、どんなものがより正義に見えるか」、または「なにをどうすればより正義に見えるか」ということだけに神経を集中させる。
彼らはそれを計る天秤を持っている。正義のまえにおいて自分がどうあるべきか、などという思考は、彼らの自己実現にとってマイナスでしかないのである。自前の都合のよい正義さえつくったら、たとえ大量殺戮のスイッチであろうと躊躇なく押すことができる。
文庫本へのあとがき
麻原をはじめとする7名のオウム死刑囚にたいして刑が執行されたのは、今年(2018年)7月6日のことだ。つづいて26日、残り6名にたいする死刑が執行された。元号が変わらぬうちに大量処刑をやりおおせてしまおうと国家が考えたのも、同様の感受性から生まれたものではないか。
<感想>
平成に始まり、平成に終わる、オウム真理教。平成元年(1989年)の坂本弁護士事件、平成7年(1995年)の地下鉄サリン事件が、平成30年に死刑囚13名が処刑された。
多くの犠牲者に繋がった、保身と繁殖という、一人の醜い人間の本能に恐怖を感じる。
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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