「永遠のゼロ」
「永遠のゼロ」(百田尚樹著、講談社文庫)
「紙にはこう書かれていた。『もし、大石少尉がこの戦争を運良く生き残ったら、お願いがあります。私の家族が路頭に迷い、苦しんでいたなら、助けて欲しい』と。おそらく一度、五十二型に戻った時に書いたんだろう。これでも偶然と思うか」
「宮部さんは五十二型に乗り込んだ時、エンジンの不調を見抜いたんだと思う。その時、あの人は自分が生き残りのクジを手にしたことを覚ったのだ--」
宮部は一度は五十二型に戻っている。彼は最後に逡巡したのだ。しかしその迷いを振り切り、生き残りのクジを大石に渡した--。
>>宮部と同じ選択をできただろうか