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村上ファンド等に対するコスモHDの反論?


【 コスモHD:村上ファンド等に対するコスモHDの反論 】

 


 2017/1/17、日経電子版に「コスモHDが、村上世彰氏側に反論」の記事が掲載された。(その2)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC178540X10C23A1000000/

 

 2017/1/17、コスモエネルギーホールディングス(HD)は17日、村上世彰氏が関わる投資会社のシティインデックスイレブンスが求める自社株買いなどについて「目先の株主還元を求めるのみで、建設的な議論をするつもりがない」などと反論する文書を発表した。シティ社などが保有するコスモHD株は12日時点で20.01%に達したという。コスモHDは11日に買収防衛策の導入を発表している。


< 1月17日の会社プレスリリース >
https://ceh.cosmo-oil.co.jp/press/p_230117/pdf/230117jp_02.pdf

 

1.1月12日:シティインデックスイレブンス書簡(一部抜粋)

 

桐山代表取締役社長は村上世彰との面談の際に、「弊社株式は最低でも4,500円以上の価値がある。」とおっしゃいました。

 

弊社らは、本買収防衛所定の手続きを経ることなく貴社株式を買い増す予定はありません。

 

弊社としましては、貴社の必要な自己資本及び株主価値向上についての建設的な対話を今後も継続して行なっていきたいと考えております。

 


2.2023年1月17日:コスモHDがシティインデックスイレブンスに送付した書簡(一部抜粋)

貴社と当社との対話における事実関係と全く異なっており、看過しがたいものです。

 

当社は、2023年1月6日の貴社との面談の場で、中長期の企業価値向上策について真摯に説明を試みたものの、貴社側から出席した村上世彰氏は、当社から説明を威圧的な言動で再三再四にわたって遮り、「結構です。要りません。」、「(自己株買いを)やるんですか、やらないんですか、どっちですか」、「(3月の中期経営計画の公表まで20%以上の買い増しを)待てません」、「中計まで待つ意味は僕らにとって何の意味になるんですか」といった発言を繰り返した経緯があります。

 


当社としては、面談日である2023年1月6日から僅か2ヶ月先の中期経営計画の発表すら待たず、ひたすら自己株買いの実施にのみ執着する村上氏の言動に強い不信感を抱き、村上氏及び貴社は、当社の中長期的な経営戦略や当社の中長期的な業績価値の向上については関心がなく、当社に対して目先の株主還元を求めるのみであり、当社との間で当社の中長期的な事業戦略や企業価値の向上について建設的な議論をするつもりが無いという強い疑義を抱くに至ったものです。

 


< 株価(円)>
年初来高値:4,305(2022/8/24)
 同 安値:2,216(2022/1/21)
2023/1/20終値:3,680

 


<感想>
 コスモHDの言い分は、(恐らく村上氏との面談を録音しており、)正しいものと思われ、威圧的な村上氏側との建設的な対話は期待できない。
 村上氏側の出口戦略(売却手法)には、注目してゆきたい。

 

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村上ファンド等に対する裁判所の認定?


【 コスモHD:村上ファンド等に対する裁判所の認定 】

 


 2017/1/17、日経電子版に「コスモHDが、村上世彰氏側に反論」の記事が掲載された。(その1)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC178540X10C23A1000000/

 


 以下は、1月11日の会社プレスリリースからの一部抜粋。
https://ceh.cosmo-oil.co.jp/press/p_230111/pdf/230111jp_01.pdf

 


< 村上ファンド等の過去の投資活動に関する裁判所の認定等 >

 

横浜地決令和元年5月20日決定(一部抜粋)

 

イ A(村上氏)は、債権者らが債務者(ヨロズ)の株式を10%程度取得した際、債務者に対し、具体的な事業計画や事業運営に関する改善提案等を全く示さないまま、債権者の配当が低い、配当性向を100%にせよ、株主還元を含めた新たな中長期計画を出せ等と要求し、Aが債務者の株主還元も含めた中長期計画に納得しない場合には、

『公開買付させてください。プロセスに入りましょう』、『11人の取締役を一応、クビ、やめてもらうと。それについては、3人は残して、4人うちから入れて、その7人の取締役会で配当政策を決める』などと述べる一方、

『大きな自己株[自社株買い]をやるのであれば僕はOK出しますから、撤回します』と述べ、『御社は株主価値を上げるのか、Aの会社になるのか、はたまたMBOをするのかの3択です』などと要求したが、結局、債権者らは、その後、債務者の株価が上がった段階で全株式を売却した。

 

エ 債権者らは、平成24年から平成31年にかけて、株式会社J、K株式会社、L株式会社、M株式会社及び株式会社Nに対し、大量の株式を買い付け、対象会社の経営者に様々な圧力を掛けた上、対象会社自身又は対象会社の関係者に対し、買い付けた株式の全部又はその大半を高値で購入させ、転売益を得ている。

 

オ Aの強い影響力の下にあった株式会社O、株式会社Pは、平成14年から平成17年にかけて、上記エの債権者らと同様の手法により、株式の売却益を得ている。

 


<感想>

 本件は、横浜地裁判決において、コスモHDの大株主・村上ファンド等が改善提案等することなく、株式売却益・転売益を得た記載部分の一部抜粋。
 これを見る限り、村上ファンド等は悪者であるように思われる。

 

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村上ファンドの出口は自己株式TOBと第三者割当の組合せ?

 

【 大豊建設:旧村上ファンドの出口戦略 】

 


 2022/3/31、シティインデックスイレブンスが、大豊建設株式の大量保有変更報告書を摘出した。

 


< 当該株券等に関する担保契約等重要な契約 >

シティインデックスイレブンス
保有する株式6,873,824株について、発行者が実施予定の公開買付けに応募する旨の令和4年3月24日付公開買付応募契約を締結
取得資金:23,127,165千円(簿価:3,365円/株)

青山不動産
保有する株式326,816株について、発行者が実施予定の公開買付けに応募する旨の令和4年3月24日付公開買付応募契約を締結
取得資金:1,247,746千円(簿価:3,818円/株)

投資総額:24,374,911千円 
売却利益:9,684,116千円(TOB価格@1,720で全株売却時)

 


大豊建設の第三者割当&自己株式TOB

https://www.daiho.co.jp/irinfo/kessan/2022/20220324-stock.pdf

 

 

第三者割当増資について
募集の概要
(1) 払込期日:2022年7月19日 (予定)
(2) 発行新株式数普通株式:8,500,000株
(3) 発行価額:1株につき4,750円
(4) 調達資金の額:40,375,000,000円
(5) 募集又は割当方法 (割当予定先):第三者割当の方法により、株式会社麻生に発行新株式の全てを割り当て

 


自己株式TOB 
買付予定の株券等の数:普通株式8,850,000株
応募株券等の総数が買付予定数(8,850,000株)を超える場合は、その超える部分の全部又は一部の買付け等は行わないものとし、あん分比例の方式により、株券等の買付け等に係る受渡しその他の決済を行う
TOB買付価格:4,730円/株

 


異動する株主の概要(議決権)
シティインデックスイレブンス:40.36% ⇒ 0%
麻生:0% ⇒ 50.97%

 


ご参考)大豊建設、麻生が子会社化 村上系は出資引き上げへ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC248IL0U2A320C2000000/?msclkid=47e6d13cb12f11ec946668cd552844e8

 


<感想>
本件は旧村上ファンド系株主の出口戦略として自己株式TOB(@1,720円)を選択し、それらを含めて、麻生宛第三者割当(@1,750)して、麻生の連結子会社となることを意思決定したもの。
大豊建設としては、苦渋の選択であったものと思われる。

 

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西松建設が自ら安定株主を探索?

 

【 西松建設:伊藤忠との資本業務提携 】

 

 

 2021/12/15、西松建設が「伊藤忠商事株式会社との資本業務提携契約締結及び主要株主の異動に関するお知らせ」を発表した。

https://www.nishimatsu.co.jp/assets/upload/ir_news/1639542222_052803400.pdf

 

 

当社は、伊藤忠商事とこれまで共同事業や受発注の関係、資材調達等様々な場面で協業しており、異業種である伊藤忠商事とより一層の連携を深めていくことが当社の企業価値向上に大きく寄与するものと考え、2021年11月上旬から両社の協業に関する戦略やシナジーの協議・検討を開始しました。

そして、伊藤忠商事との協議・検討を通じて、伊藤忠商事の構築する国内トップクラスの資機材調達バリューチェーンの活用による資機材共同調達の実現や、住宅や物流特化型 J-REIT のスポンサーである伊藤忠商事グループの不動産運用ノウハウを取り入れた当社の開発・不動産事業における循環型不動産ビジネスの確立や資産効率の改善等、これまでにはない新しい建設業の在り方の可能性を確認することができ、異業種との協業によるシナジーの発現を実現する経営 モデルの確立が当社の企業価値向上に資するものと判断いたしました。

 

 

大量保有変更報告書

提出事由:株券等保有割合が1%以上減少したこと及び単体株券等保有割合が1%以上減少したこと等

大量保有者:シティインデックスイレブンス、エスグラントコーポレーション、南青山不動産

報告義務発生日

1.2021/11/12:保有割合25%⇒7.24%(自己株式TOBに応募@3,626、あん分比例方式)

2.2021/12/15:保有割合7.24%⇒0%(伊藤忠商事宛て@3,610)

 

 

2021/10/21 西松建設「自己株式の公開買付けの結果及び取得終了に関するお知らせ」

https://www.nishimatsu.co.jp/assets/upload/ir_news/1634798188_043277900.pdf

応募数:21,111,277株

買付数:15,000,000株

⇒ あん分比例の方式により買付

 

 

<感想>

 旧村上ファンドが、西松建設の自己株式TOBに保有株式を全株応募したものの、あん分比例方式で残った4,022,800株(7.24%)は、伊藤忠への譲渡で終わった。

 「2021年11月上旬から両社の協業に関するやシナジーの協議・検討を開始」とあり、西松建設から伊藤忠宛てへの働きかけたものと思われる。

 

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TOBに応じない旧村上ファンド?


【 旧村上ファンド:TOBに応じない背景 】

 

 

 今年の株式市場の振り返り(その1)。

 以下は、サカイオーベックスのMBOに対する旧村上ファンドの事例。

 

 

<大量保有変更報告書(一部抜粋)>

http://www.kabupro.jp/edp/20210803/S100M2ZG.pdf

 

報告義務発生日:2021/7/27

氏名:(株)シティインデックスイレブンス

 

提出事由:担保契約等重要な契約の変更

 

提出者とサカイ繊維(株)(「買付者」)との間において、買付者が予定している本公開買付け(「TOB」)に関し、2021/7/27(「本締結日」)付けで次の各号を内容とする公開買付不応募契約を締結しています。

 

(1) 本TOBが実施された場合、提出者は本締結日現在保有する525,600株すべてについて本TOBに応募しないこと。

 

(2) 提出者は、本締結日から発行者が本TOBの成立後に実施予定の発行者の株主を買付者及び提出者のみとするための株式併合の方法によるスクイーズアウトの効力が生じるまでの間、買付者の事前の書面による同意なく、その保有する発行者の普通株式の全部又は一部について市場又は一部について市場又は第三者に対して、売却、譲渡、質入れ、貸与その他の処分をしてはならず、かかる事項に関する、協議、交渉又は合意をしないこと。

 

(3) 提出者は、本TOBの成立後、買付者の求めに応じて、株主総会においてスクイーズアウトに関連する議案に賛成する旨の議決権を行使すること。

 

取得資金の内訳:1,524,877千円

取得簿価:2,957.48円/株

 

< TOB価格(3,810円)で全株売却した場合の利益 >

2,002,536千円(525,600株×@3,810円)-1,524,877千円=+477,659千円(投資額対比利益31.3%)

 

 

ご参考)2021/9/9日経電子版「サカイオーベックス、上場廃止へ MBOが成立」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC095UF0Z00C21A9000000/

 

染色加工のサカイオーベックスは9日、松木伸太郎社長が設立した企業によるMBO(経営陣が参加する買収)のためのTOB(株式公開買い付け)が成立したと発表した。買い付け予定としていた567万5533株のうち478万5854株の応募があり、設定した下限を上回った。同社のIR担当者は「年内にも上場廃止となる見通し。今後も企業価値向上に努める」と話した。

 

TOBは松木社長が1月に設立したサカイ繊維(福井市)が実施し、今回のTOBで議決権の77.27%を保有することになる。サカイオーベックスによると、松木社長は留任する。買い取り価格は1株あたり3810円で、9日時点の終値より5円高い。

 

MBOの募集開始時点では、今後は染色加工事業などの東南アジアでの新規拠点の設立、制御機器事業におけるM&A(合併・買収)などの事業構造改革に取り組むとしていた。同社のIR担当者は「9日時点で改めてお話しすることはない」とした。

 

筆頭株主で旧村上ファンド系投資会社のシティインデックスイレブンスは、保有する同社株式(51万5600株)について今回の買い付けに応募しない契約をサカイ繊維と結んでいた。今後も株主として残り、企業価値向上に向けた支援を実行することで同意しているという。

 

サカイオーベックスの2022年3月期の連結純利益は前期比3%増の14億5000万円の見通し。同社は2月にもMBOを実施していたが、不成立となっていた。

 

 

<感想>

 旧村上ファンドもTOBに応じないケースがある。

 非公開後の企業価値向上には相当期間がかかると思われる。

 旧村上ファンドの出口戦略がとても気になる。

 

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