月例経済報告に見る日本経済の基調判断
月例経済報告
2016/12/21発表の内閣府の月例経済報告等に関する関係閣僚会議資料(http://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei/kaigi.html#h28)によれば、日本経済の基調判断が「一部に改善の遅れもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」と上方修正された。
過去からの日本経済の基調判断の表現を確認してみた。
<日本経済の基調判断>
[現状(H27/5以降の現状)]
H27/5~7 「景気は、緩やかな回復基調が続いている」
H27/8 「景気は、このところ改善テンポにばらつきもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」
H27/9 「景気は、このところ一部に鈍い動きもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」
H27/10~H28/2 「景気は、このところ一部に弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」
H28/3~11 「景気は、このところ弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」
H28/12 「景気は、一部に改善の遅れもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」
[先行き(H28/9以降)]
H28/9-10 先行きについては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復に向かうことが期待される。ただし、海外経済で弱さがみられており、中国をはじめとするアジア新興国等の景気が下振れし、我が国の景気が下押しされるリスクがある。また、英国のEU離脱問題など、海外経済の不確実性の高まりや金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある。
H28/11-12 先行きについては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復に向かうことが期待される。ただし、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある。
家計調査報告
一方、2016/12/27、総務省統計局から家計調査報告(2016年11月分速報、http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_mr.pdf)が発表された。
<消費支出>
1世帯当たり 270,848円
前年同月比 実質▲1.5%(名目▲0.9%)
・・・13ヶ月連続減(除、16/2月(閏年要因)) ↓
<勤労者世帯(2人以上の世帯)の1世帯当たり収支>
[実収入] 432,415円 前年同月比 実質+1.0%(名目+1.6%)
・・・10月の実質▲0.1%から改善 ↑
[可処分所得] 351,894円 前年同月比 実質+1.4%(名目+2.0%)
・・・10月の実質▲0.2%から改善 ↑
[消費支出] 294,019円 前年同月比 実質▲0.9%(名目▲0.3%)
・・・7か月連続の実質減少 ↓
[平均消費性向] 83.6% 前年同月 85.5%(▲1.9%) ↓
・・・季節調整値72.9%(前月比+2.0%) ↑
(太字は筆者)
家計調査の数値は強弱まちまちではあるが、政府としては、トランプ効果による株価上昇、円安基調等も踏まえて、日本経済の基調判断を上方修正したものと思われる。
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