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最高裁の国会に対する抑止力?


【 最高裁の違憲判断に基づいた法律の改正 】


 以下は、2017/9/28の日経新聞朝刊からの一部抜粋。


『 
合区で是正を評価 1票格差「合憲」
  改革継続求める


 「1票の格差」が最大3.08倍だった昨年7月の参院選について、最高裁判決は27日、格差縮小などを理由に「合憲」と判断した。隣り合う県の選挙区を統合する「合区」を初導入した国会の取り組みに及第点を出した形だが、格差是正のため選挙制度の抜本的見直しを続けるよう念を押した。


 参院選の格差は長年5倍前後で推移した。最高裁は小規模な定数改正を繰り返すだけの国会に業を煮やし、2010年参院選(5.00倍)と13年参院選(4.77倍)について「違憲状態」と判断。「都道府県単位の現行方式を改めるなど、選挙制度の仕組み自体の見直しが必要だ」と踏み込んで言及した。

 追い込まれた国会は「鳥取・島根」「徳島・高知」を合区するなどして格差を3.08倍に縮め、昨年7月の参院選が行われた。しかし、選挙の効力に関する訴訟の一審となる高裁段階では、違憲状態が10件、合憲が6件と判断が分かれた。


 改正公職選挙法は19年参院選に向けて選挙制度の抜本的な見直しを検討し「必ず結論を得る」と付則に明記。最高裁判決はこの付則について「立法府の決意が示され、再び大きな格差を生じさせることのないよう配慮されている」との解釈を示し、さらなる格差是正を事実上求めた。国会が格差是正を怠れば、最高裁が厳しい判断に転じる可能性もあり、与野党は議論を急ぐ必要がある。』


 一方、2017/9/27の最高裁判所の判決*の概要は以下の通り。
 *
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/094/087094_hanrei.pdf

1.経緯

(1)参議院議員選挙法(昭和22年法律第11号)
・参議院議員250人:全国選出議員100人+地方選出議員150人
⇒憲法が参議院議員につき3年ごとにその半数を改選する
⇒定数を偶数として、各選挙区の人口に比例する形で、2人~8人の偶数の議員定数を配分

(2)昭和25年に沖縄県選挙区の議員定数2人を付加

(3)昭和57年改正
・各政党等の得票に比例して選出される比例代表選出議員100人+都道府県を単位とする選挙区ごとに選出される選挙区選出議員152人に
⇒従来の地方選出議員の名称が変更されたもの(4)平成12年改正
参議院議員の総定数242人:比例代表選出議員96人+選挙区選出議員146人に


2.選挙区間の最大較差(選挙区間における議員1人当たりの人口の最大較差)

(1)当初2.62倍⇒平成4年選挙6.59倍へ(人口変動により次第に拡大)

(2)平成6年改正
・7選挙区の定数を8増8減⇒最大較差は4.81倍に縮小

(3)平成12年・平成18年改正
・3選挙区の定数を6減・4選挙区の定数を4増4減
⇒平成7年~同19年の最大較差は5倍前後で推移

(4)平成24年改正
・4選挙区で定数を4増4減
⇒平成25年7月選挙の最大較差は4.77倍

(5)平成27年改正
・4県2合区を含む10増10減
⇒2.97倍へ。平成28年7月選挙の最大較差は3.08倍


3.最高裁判所判決

(1)平成6年判決
・平成4年選挙について、違憲の問題が生ずる程度の投票価値の著しい不平等状態が生じていた

(2)平成9年~12年判決
・平成6年改正後の2回の通常選挙については、上記の状態に至っていたとはいえない

(3)平成15~21年判決
・平成12年改正後の2回の通常選挙及び平成18年改正後の平成19年の通常選挙のいずれについても,上記の状態に至っていたか否かにつき明示的に判示することない

・平成18年判決:投票価値の平等の重要性を考慮すると投票価値の不平等の是正について国会における不断の努力が望まれる

・平成21年判決:最大較差の大幅な縮小を図るためには現行の選挙制度の仕組み自体の見直しが必要となる

⇒選挙区間の最大較差が5倍前後で常態化する中で、較差の状況について投票価値の平等の観点から実質的にはより厳格な評価がされた

(4)平成24年判決
・平成22年7月の通常選挙当時の定数配分規定が憲法に違反するに至っていたとはいえないものの、平成18年改正後は投票価値の大きな不平等がある状態の解消に向けた法改正が行われることのないことなどを総合考慮すると、違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあった旨判示するとともに、都道府県を単位として各選挙区の定数を設定する現行の方式をしかるべき形で改めるなど、現行の選挙制度の仕組み自体の見直しを内容とする立法的措置を講じ、できるだけ速やかに違憲の問題が生ずる上記の不平等状態を解消する必要がある

(5)平成26年判決
・平成24年改正法による前記4増4減の措置は、なお5倍前後の水準が続いていたのであるから、違憲の問題が生ずる程度の投票価値の著しい不平等状態を解消するには足りないものであったといわざるを得ず、都道府県を単位として各選挙区の定数を設定する現行の方式をしかるべき形で改めるなどの具体的な改正案の検討と集約が着実に進められ、できるだけ速やかに、現行の選挙制度の仕組み自体の見直しを内容とする立法的措置によって上記の不平等状態が解消される必要がある

(6)今回の判決
・平成27年改正法は、その附則において、次回の通常選挙に向けて選挙制度の抜本的な見直しについて引き続き検討を行い必ず結論を得る旨を定めており、これによって,今後における投票価値の較差の更なる是正に向けての方向性と立法府の決意が示されるとともに、再び上記のような大きな較差を生じさせることのないよう配慮されているものということができる。

・平成27年改正は、都道府県を各選挙区の単位とする選挙制度の仕組みを改めて、長年にわたり選挙区間における大きな投票価値の不均衡が継続してきた状態から脱せしめるとともに,更なる較差の是正を指向するものと評価することができる。合区が一部にとどまり、多くの選挙区はなお都道府県を単位としたまま残されているとしてもそのことは上記の判断を左右するものではない。

・以上のような事情を総合すれば、本件選挙当時、平成27年改正後の本件定数配分規定の下での選挙区間における投票価値の不均衡は、違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあったものとはいえず、本件定数配分規定が憲法に違反するに至っていたということはできない。


[公職選挙法の一部を改正する法律](平成27年8月5日法律第60号)
http://houseikyoku.sangiin.go.jp/bill/outline27060.htm
附 則
(検討)
第七条 平成三十一年に行われる参議院議員の通常選挙に向けて、参議院の在り方を踏まえて、選挙区間における議員一人当たりの人口の較差の是正等を考慮しつつ選挙制度の抜本的な見直しについて引き続き検討を行い、必ず結論を得るものとする。


[日本国憲法](三権分立)
第41条(国会の地位・立法権)
国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。

第65条(行政権)
行政権は、内閣に属する。

第76条1項(司法権)
すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。

第81条  
最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。


<感想>
 平成26年の最高裁判決に基づいて、平成27年改正が実施された。最高裁の違憲判断(司法権)に必ずしも拘束されるものではないが、国会(立法権)・内閣(行政権)に対する抑止力が働いたと言える。

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ゴルフに大切なのもマネジメント力?


【 中田英寿のゴルフ・マネジメント 】


 以下は、Web GOETHE*上での中田英寿のゴルフに関する記事からの一部抜粋。
*
http://goethe.nikkei.co.jp/article/111544815.html


『 HIDE plays GOLF in HAWAII

 中田英寿がゴルフにハマり続けている理由
 「ゴルフに大切なのはマネジメント力だ」

 HIDE's GOLF way


■200ヤード×3で、600ヤードでもパーオンできる
ティーショットでドライバーを使わなくても、600ヤードあるパー5で200ヤードのアイアンショットを3回続ければパーオンは可能。

■次の1打を考えれば、ドライバーの飛距離は要らない
アイアンでティーショットを行い、次打をよい場所から打つ選択肢のほうが、今の自分のレベルだとスコアがまとまると判断。

■飛距離を求めた時、理想の動きができなくなる
アイアンだと高い確率で理想的な動きができるようになってきた。飛ばそうとするとその動きの精度が落ちると理解している。

「ドライバーを使って飛ばしても、ミスの度合いが大きい。OBを打ってしまえばその時点で3打目からになるわけで、ダブルボギーは確定ということになってしまいます。それならアイアンでティーショットをして、フェアウェイでなくても次の1打が打てるところにあれば、なんとかグリーン近くまで運んで、アプローチ&パターでパーの可能性が残ります。ミスの幅を小さくするだけで、スコアは絶対に縮まると感じています」

「練習場ではできてもコースに出ると身体の向きや、ボールに当てようとする動きが入ってしまう。腕を使わないこと、切り返しのタイミングなど、いくつか決めているポイントに対して身体を上手く動かせた時は、ほぼイメージどおりの球が出るようになりました。少しずつ形ができてきたと思います」

「ゴルフは飛ばすことがすべてじゃない、
と感じています。コースには
ドライバーで打つと入ってしまう
池やバンカーが多く配置されていますよね。
それは設計者の罠(わな)であって、
そこに入れると難しくなるということ。
スポーツはリスクマネジメントが
本当に大切で、ゴルフもそのとおりだと
思います。そうやって頭を使って
攻略していくことが楽しいんですよね。
今はまだ上手く打てないことのほうが
多いのですが、どうすればよい球が出るか、
何がダメだったからミスになったかは、
最近わかってきたように思います。
奥深いゴルフの世界にもっと
入りこんでいきたいですね」
            ──中田英寿 』


<感想>
 ゴルフを始めてもう30年以上になる。「大切なのはマネジメント力だ」というのは、ゴルフに限ったことではない。なかなか実践できないのは、「分かったつもりになっているだけ」だからだろう。まずは明日ののゴルフから始めてみようと思う。

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関西の未来とともに歩む新たなリテール金融サービス?


【 みなと銀行、関西アーバン銀行及び近畿大阪銀行の経営統合 】


 2017/9/26、掲題に関するプレスリリース*が発表された。
*
http://www.resona-gr.co.jp/holdings/news/hd_c/download_c/files/20170926_1a.pdf

 以下は、その概要。


<概要>

1.関西未来FG(中間持株会社)の設立
(1)りそなHD:約 587 億円を出資(議決権数の16.8%程度)
(2)りそな銀行:274 億円を貸付

2.りそなHDによるTOB/優先株式買取
(1)みなと銀行へのTOB:総議決権数の 15%を上限に2,233 円/株(買付価格)
⇒関西未来FGの議決権数の 3.9%程度

(2)関西アーバン銀行へのTOB:総議決権数の15%を上限に1,503 円/株(買付価格)
⇒関西未来FGの総議決権数の 4.7%程度

(3)三井住友銀行が保有する優先株式の買取:740 億円
⇒関西未来FGの総議決権数の 25.6%程度

3.経営統合完了時の関西未来FGへの出資比率
(1)りそなHD:51%程度
(2)三井住友銀行:22.3%~26.3%程度
(3)一般株主:22.7%~26.7%程度
⇒近畿大阪銀行・みなと銀行・関西アーバン銀行:関西未来FGの100%子会社へ


<感想>
 縮小均衡が進む日本国内においては、今後、益々この種の経営統合が増えるに違いない。

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拉致被害者の救出に絞った特措法?


【 危機にこそぼくらは甦る 】(その4)


 以下は、「危機にこそぼくらは甦る」(青山繁晴著、扶桑社)(七の扉 危機を笑う)からの一部抜粋。


『 3

 朝鮮半島危機を議論した、自由民主党の部会でこういうことがありました。

 党の安全保障調査会長、大ベテラン今津博代議士(元・防衛庁副長官)が部会の冒頭であいさつされました。

 通り一遍のあいさつですまされることもできましたが、しかし安保調査会長はそうされませんでした。

「たとえば法改正といった新しい取り組みをしなくていいいのか。これまで、できないと思っていたことも考えるべきではないのか」

 ぼくは、この異例のあいさつにも励まされて、こう発言しました。

「安保法制が第二次安倍政権によって成立するまで、日本国は海外の邦人を何があっても保護できない、つまり救出できない国でした。それが安保法制で自衛隊の『やってもいいよ』リストの任務として初めて追加されました。しかし、この憲法の下で国会を通すために、条件がつけられました。それが、ご承知のように相手国の承認が要る、ということです。ところが、ほんとうはそれだけではありませんね。
 実際は三つある条件が全部そろうことが必要で、相手国、今の場合は北朝鮮の同意が不可欠なだけでなく、その北朝鮮がアメリカ軍の攻撃のさなかでなぜか人民軍を中心に治安を維持していて、つまり自衛隊が行っても戦闘に巻き込まれないことも不可欠です。これが第二の条件ですね。
 
 さらには、その朝鮮人民軍あるいは北朝鮮の秘密警察などともわが自衛隊が連携できることが三つ目の条件で、これが全部、そろわないと、仮に拉致被害者がどんな目に遭われても・・・・・・拉致されてから四十年も五十年も過ぎて、その果てにどれほどまでに苦しい、むごい目に遭われていても、日本は何もできない、しない、これが現状です。
 憲法の制約はあっても、これは戦争ではなく国際法の認める自国民の救出ですから、安保法制の改正か、それとも北朝鮮の拉致被害者の救出に絞った特措法(特別措置法)の成立かを目指すべきではありませんか。ぼくはふだん、安易な特措法に批判的ですが、今回はそんなことをいっている場合ではありません」

 東京湾の「かしま」艦上で、中堅代議士の山田賢司さんが「あの件は一生懸命やっています」と仰ったのは、このことなのです。


 しかし、その山田代議士も「これまでの憲法解釈は変えられない」という官僚の壁、それは圧倒的多数のマスメディア、ジャーナリスト、学者、評論家、芸能人を使いながら既得権益、すなわち日本が「戦争に負けた国で資源もない国」のままにしておいたほうが、これまでの仕事や生活を続けられるという保身の壁、これを打ち破るのはあまりに難しいという現実を東京湾でぼくに突きつけたとも言えます。

 この場合の「憲法解釈」とは何でしょうか。

 それは実は、日本国憲法にも全く書いてはいないことです。日本国憲法は全部で百三条もある長すぎる憲法ですが、いちばん肝心な「国民をどうやって護るか」に関する項はたったの一条しかありません。

 それが第九条です。

 
 第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

二、前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 第九条は侵略戦争を明らかに禁じています。しかしそれだけではありません。日本が主権国家なら国際法上、必ず持つべき権利、国民国家を護るために欠かすことができない権利をいくつも禁じてしまっています。

 ひとつ、戦わねばならない時には戦う権利。

 ふたつ、戦争を起こさせないための抑止力を発揮すること。すなわち日本国民に危害を加えれば、あるいは加えようとすれば痛い目に遭うと武力で威嚇する権利。

 みっつ、日本を侵害、侵略する国が武力をこうするときは反撃する権利。

 ここまでが第九条第一項にある禁止みっつです。

 よっつ、陸海空軍を持つ権利。

 いつつ、その他の戦力を持つ権利。

 むっつ、交戦規定(ROE)という国際法にとって最も大切な、ルールに基づく交戦権。

 これらが第九条第二項の禁止のみっつであり、合計で六件にわたって日本から主権の大切な、あまりに大切な主要項目を奪っています。

 その一方で、「ではどうするのか」、「国際法上の権利を全否定して、その変わりにどんな手段で日本国民を護るのか」はかけらも言及していません。だからぼくは「国民を護る手段が一字も書いてない」とずっと発信しているのです。

 前文には、どこの誰とも知れない「諸国民」に、われら日本国民の安全も命(生存)すらも委ねてしまうという、呆れた趣旨はありますが、これは本文ではなく序文にすぎません。

 しかし、「自衛隊は海外で武力行使してはならない」とは一言とも書いてありません。

 そりゃそうです。前述したように陸海空軍だけではなく、「その他の戦力」も保持できないと明記しているのですから、イージス艦に巨大なヘリ空母、潜水艦に戦車、装甲車、最先端の戦闘機まで日々、動かしている自衛隊の存在を想定しているわけがありません。

 その代わり、日本国憲法、は言わば自らの体内である第九十六条に、ちゃんと改正条項をもっています。国会の総議員の三分の二以上の賛成でやっと国民に提案(発議)できて、その国民の投票で過半数の賛成がないと改正できないという高いハードルではありますが、それでも、憲法をより良いものにしていく仕組みがビルトインされているわけです。

 ところが日本は国会議員も国民も、その改正条項を活かすことなく「解釈改憲」という奇妙な手にばかり依存してきました。これは全く同じ条文を「読み方を変えた」とこにして、実質的に憲法を改正したのに近い効果を出す、要はごまかしです。

    

 ありのままに申せば自衛隊など持てるはずもない憲法を、そのままにしておいて、読み方、解釈だけ変えて自衛隊を持っている代わりに「海外では戦わない」ということにしている。つまり、言い訳まで含めて憲法に書いてないことばかりをしているわけですが、そもそも「海外では戦わない」と決めてしまっていて、国民を護ることができるのでしょうか。国民は日々、仕事でも遊びでも留学でも、どんどん海外に出ているのです!」 』


<感想>
 北朝鮮情勢の緊迫が進む中、まずは、青山さんが指摘する、北朝鮮の拉致被害者の救出に絞った特措法を可及的速やかに成立させる必要がある。

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M&Aでは株主の税務メリットも重要?


【 米国Vios社の買収、第三者割当による自己株式処分に関するお知らせ 】


 2017/9/22、村田製作所(6981)が以下内容のプレスリリース*を発表した。
*
http://www.murata.com/~/media/webrenewal/about/newsroom/news/irnews/irnews/2017/0922/20170922_j.ashx?la=ja-jp


[ M&Aの概要 ](当社=村田製作所)
1.買収の対価
 ⇒Vios社**の株主(34名。除、当社)、ストック・オプション保有者(27名)宛て、約1.02億米ドル(約114億円、@112.50円/米ドル)
**2012年12月設立の米国のヘルスケアIT分野のベンチャー企業
(1)当社普通株式(自己株式507,104株を充当):約7,573万米ドル(約85億円)
(2)現金:約2,588万米ドル(約29億円)

2.買収の方法
(1)買収SPC子会社に対して自己株式処分
(2)当該子会社が同社を合併消滅会社、Vios社を合併存続会社とする逆三角合併(Reverse Triangle Merger。被買収企業の許認可等の継続利用が可能)を実施
(3)当該合併に際して、Vios社株主等は当社普通株式又は現金を受領(上記1)

3.ステップ
(1)買収SPCの設立・資金拠出(増資引き受けによる資金拠出)
(2)自己株式の処分(⇒買収SPCがVios社との合併の対価となる当社普通株式を取得。507,104株×@16,800(9/21終値))
(3)買収SPC・Vios社の合併
(4)Vios社株式の米国子会社への現物出資による移転(⇒米国子会社(Murata Electronics North America, Inc.)の100%子会社へ)

4.株主等の税務上メリット
(1)Vios社の株主:当社普通株式又は現金で受領
(2)同ストック・オプション保有者:現金で受領


【 感想 】
 今後も、(1)買収側企業のメリットのみならず、(2)被買収企業側の株主等に対する税務メリットを考慮したストラクチャー(株式+現金による逆三角合併等)のM&Aが増えるものと思われる。

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靖国神社の春と秋の例大祭に陛下が勅使を遣わす?


【 危機にこそぼくらは甦る 】(その3)


 以下は、「危機にこそぼくらは甦る」(青山繁晴著、扶桑社)(六の扉 危機を生きる)からの一部抜粋。


『9
 愛知政審会長にお会いするのは、この研究会と本会議のあいだの小さな隙間しか無いと考えました。

 そこで本会議のある二階から、三階の政審会長室に飛び込むように、しかし胸の裡ではしんと鎮まって、入っていきました。

 とても大柄な愛知政審会長は、椅子にどっかと座って迎えてくれました。その明晰な眼を見ながら、文書をお渡ししました。

 ここにそれを掲げます。


 愛知治郎・特別委員会筆頭理事へのお願い

            平成二十九年六月二日金曜
            参議院自由民主党有志

 たった今、参議院は、百年、千年に累が及ぶ禍根を生もうとしていると危惧されます。

 すなわち民進党の野田佳彦幹事長が、その総理大臣時に導入しようとした「女性宮家」の創設を野党となってなお固執し、それに加えて現・責任与党の自由民主党でも内部の議論や、国民に見える議論のいずれも何ら行われないまま突如として、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案」の附帯決議に「女性宮家の検討」が盛り込まれようとしています。

 これは野田政権から安倍政権への政権交代を促した多数の民意に反する懸念が強く、また、自由民主党は与党としての重い責任を放棄することになりかねません。

 これがなぜ、百年、千年に及ぶ禍根につながるかと申せば、まさしく二千数百年のあいだに、ただの一度も設けられなかったこともなき、「女性宮家」なるものを置くことを検討するとうたっているからです。将来な政権によってはその設置という不遜を行う根拠にされかねません。

 本来、宮家とは男系・父系による皇位継承を担保するために(本格的には)室町時代以来、設けられたものであり、当主を男系・父系とすることは自明の理であります。

 その根本伝統を知らずして、あるいは意図的に無視して女系・母系の当主を実質的に想定する「女性宮家」なる奇怪なものを、国会決議に初めて明記することに参議院が関与するならば、それはやがて天皇家の皇統を維持することを破壊し、女系・母系、すなわち新王朝への交代に道を開くことに、あろうことか良識の府、参議院が参画することになります。

 そこで件の附帯決議について、「女性宮家の創設等」の一節を削除することが望まれます。

 万一、それをもはや不可能とするならば、最低でも、参議院で成された附帯決議の冒頭部分に「一 政府は、安定的な皇位継承・・・」とある部分の「政府は」の後に「男系による」の五文字を補い、この部分を「一 政府は、男系による安定的な皇位継承・・・」とすべきです。

 愛知治郎「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案特別委員会」筆頭理事におかれては、男系・父系による皇位継承の維持が万世の重い意味を持つことを、すでに充分に認識されていると拝察いたします。つきましては、その高いご見解を日本国の維持のために十全に発揮してくださることを心よりお願い申し上げます。

          (文責、参議院議員 青山繁晴 拝)


10
 愛知さんは愛知さんらしく、その場でじっくり文書に目を通されました。


 これは余人を入りない一対一の場であり、しかも水面下の動きの一環ですから、愛知政審会長・兼・特別委員会理事の言葉をそのまま紹介するわけにはいきません。

 けれども、ぎりぎりの範囲内で、読者・国民にお伝えします。

 愛知さんは、ぼくの眼の前で最後まで文書を読まれてから向き直り、こう仰いました。

「良く分かりました。基本的には、この文書に賛成です」

 ぼくは覚悟もして、次の言葉を待ちました。

「ご承知のように私には立場があります」

 その通りです。

「しかし、できる限りの努力を致しましょう」

 はっとしました。

 これは望外の言葉だったからです。

 実質的には突き放されると思っていました。

 そうではなく愛知さんは女性宮家を作らせないための努力を約束なさいました。これは必ずしも「衆議院で可決された附帯決議を、参議院の独自性を発揮して変えるために努力する」ということでは無いことも気づいてしました。しかし女性宮家を作らせないという本来の目的のために努力していくという決意は、はっきりと感じられました。


15
 週が明けて、西暦2016年6月5日の月曜日です。

 ぼくも山田宏さんたちも「附帯決議をめぐる攻防はもはや勝負あった。衆参両院の正副議長が、実質的に附帯決議まで含めて合意し終わっている壁は、打ち破れない。極めて重大なことに、参議院の特別委員会でも、衆議院と同じ附帯決議が可決され、女性宮家という歴史を誤る造語が史上初めて、公に姿を現すことになる。これからは言葉ではなく、女性宮家というものを現実に決して、永遠に作らせないための、より腹を据えた戦いになる」という認識で一致していました。


 そして六月七日の水曜、参議院の特別委員会はたった一日、今上天皇のご譲位を特例として実現する法案を審議し、そのまま採決を行い、全会一致で可決しました。

 
16
 勉強会は正式名称を「皇室の伝統を護る勉強会」といったん定め、その後に、より広く祖国を護りぬくことを意味する名称に変え、そのなかに分科会を幾つかぶら下げて、そのひとつが「女性宮家を作らせない分科会」となる方向です。

 勉強会はその後、この新書版のための原稿の〆切までの段階では、六月十四日に第四回を開きました。

 講師は、ぼくの盟友であり、かつ異論を真正面から闘わせている議論仲間でもある神官の松本聖吾さんです。松本さんは靖国神社の権禰宜であると同時に、総務課長ですが、そのまえに靖国の戦争記念館である遊就館の展示課長でした。


 松本さんは、たとえば天皇陛下が靖国に参拝されないことについて「もともと戦死者を祀るのが靖国であり、新たな戦死者が出ないなら、参拝されないのは自然の事。A級戦犯が合祀されたのを昭和天皇がお怒りになって参拝されなくなったのなら、勅使もお見えにならないはず。勅使は、靖国神社にとって八月十五日より本質的なおまつりである春と秋の例大祭に、まさしく陛下によって遣わされており、A級戦犯うんぬんは基礎知識すら欠いている作り話です」と話されました。

 これはぼくの長年の持論と全く同じです。いまお読みになった方のなかには「なるほど。目から鱗だ」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。宮家についての知識と同じく、わたしたち敗戦後の日本人は誰も学校で、こうした分野の勉強をさせてもらっていないのです。

 そして松本さんは「問題なのは陛下ではなく、総理大臣が参拝されないことです。それはみなさま方、国会議員の責任ではないですか」と指摘され、これもぼくと全く同意見です。


 ここまで四回の勉強会にその全部か一部にご本人が参加されたのは、衆議院が鬼木誠さん、木原稔さん(財務副大臣)、長尾敬さん、前田一男さん、和田義明さん、簗和生さん、参議院が衛藤晟一さん(総理補佐官)、中西哲さん、中山恭子さん、山谷えり子さん(参議院拉致問題特別委員長)、山田宏さん、和田政宗さん、そして不肖青山繁晴でした。自民・こころの統一会派の議員にしか声をかけていません。今後に幅を広げることはあり得ますが未定です。』


<感想>
 (1)宮家とは男系・父系による皇位継承を担保するために(本格的には)室町時代以来、設けられたもので、当主を男系・父系とすることは自明の理であることや、(2) 靖国神社の春と秋の例大祭に、陛下によって勅使が遣わされていること、などは、本来、学校で教えるべき内容であると思われる。

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既存事業安泰時に新事業に乗りだす勇気?


【 やってみなはれ みとくんなはれ 】



 以下は、「やってみなはれ みとくんなはれ」(山口瞳・開高健著、新潮社)(「青雲の志について──小説・鳥井信治郎──」山口瞳)からの一部抜粋。


『 赤玉ポートワインという製品がある。寿屋はこれで事業を起こした。これが当った。売れた。こういうときに、誰が、どの会社が、会社の基礎を危うくするような新事業(たとえばウイスキー)に乗りだすだろうか。食品で当れば、会社はまず安泰である。ほかの産業とはわけが違う。そいつが売れなくなってきたときに他の製品を考えるというのが普通の会社の行き方である。寿屋はそうではない。赤玉ポートワインの一番売れているときにウイスキーに乗りだすのである。ウイスキーの絶頂期にビールに突進するのである。前へ前へと進んでゆく。

 もうひとつ、例をあげよう。

 サントリーは株式を公開していない。ある人は、大阪商人の我利我利亡者と見るかもしれない。前だれの丁稚奉公を連想するかもしれない。一族で利益を独占しようとするガメツサを考えるかもしれない。

 この点に関して、佐治敬三は、つぎのように明言している。

「ビールが当ったら、株式を公開しましょう」

 不退転の決意である。鳥井信治郎の血と、寿屋の歴史が、彼にそう言わせているのである。危険は会社でひっかぶりましょう。そのかわりビールが成功したら、つまり、酒屋がインダストリーの列に加わることができたなら、みんなで喜びをわかちあいましょう。そう言っているのである。

 しかり。そのように困難な道を進んできたのだった。

 これは私の勝手な解釈である。あるいは筆がすべきすぎているかもしれない。しかし、寿屋に籍を置いたことのある人間として、いまもサントリーの宣伝にたずさわる男として、私はそう信じて疑わない。

 前へ前へ進んでいった。

 そのために社員が苦労した。』


 一方、以下は、2017/9/1~9/4付日経新聞「琥珀の夢──小説、鳥井信治郎と末裔(417~420)」(伊集院静著)からの一部抜粋。

『 同(平成十一)年十一月三日、佐治敬三は八十年の生涯を閉じた。“サントリーホール”での社葬には、父をしのぐ八千人の参列者が続いた。

 ここにあらたに“信治郎の夢”を継承する人たちがあらわれるのである。


 その年の十二月、サントリー本社、鳥井信吾副社長のデスクの電話が鳴った。

 信吾は受話器を取った。ビール事業の責任者からだった。

「副社長、先月のビール売上げの数字が出まして、十五パーセントを越えました。」


 平成十八年、“プレモル”は前年比の三倍の売上げを示した。平成二十年には“プレモル”が牽引するサントリーのビールのシェアが十パーセントを超えた。


 信忠社長の声が響いた。

「役員諸君、只今、素晴らしい報告を聞いて私も感無量です。しかし戦いはこれからです。初代信治郎社長に佐治敬三社長がビールの再挑戦の報告に行かれた折、祖父さん、いや初代社長は言われたそうだ。挑戦するからにはビール市場の三十パーセントが取れるまで石にかじりついてでもやり抜かなあかん、と。
 今日の数字は三十パーセントへのはじまりだ。何が何でもそれを達成するために全社一丸となってやり抜きましょう。“プレモル”の利益はすべて拡販のために投下する。ここで一気に攻勢をかけます。このくらいのことで喜んでいてはサントリアンの名が泣くぞ、諸君」』


<感想>
 寿屋(サントリーの前身)のPR雑誌『洋酒天国』の編集部は、在籍中に芥川賞作家・開高健(1930-1989)が芥川賞を、山口瞳(1926-1995)が直木賞を取れるような、おおらかで融通無碍であったという。
 2009(平成21)年2月に持株会社サントリーホールディングス(株)設立。2013(平成25)年7月に持株会社傘下の清涼・食品セグメントの中核企業・サントリー食品インターナショナル(株)(2587)は東証1部に上場。ビールの市場シェアが30%を超えた時に、初めて、国内酒類全体戦略の立案・実行・推進を担うサントリーBWS株式会社(英文表記Suntory Beer, Wine & Spirits Japan Ltd.)の上場が検討されることになるのかもしれない。

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特定者からの行使(ライツ・イシュー)は想定より少なめ?


【 エー・ディ・ワークス(3250)のライツ・イシュー 】


 以下は、2017/9/21の日経電子版記事*からの抜粋。
 *
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO2133811020092017DTA000/


『 ADワークス、「ライツ・イシュー」で38億円調達 

 投資用不動産を手掛けるエー・ディー・ワークスは20日、7~9月に実施した「ライツ・イシュー」と呼ぶ株主割当増資による調達額が38億円だったと発表した。7月12日に株主に割り当てた新株予約権のうち45%が行使された。増資発表前の時価総額は86億円で、市場での規模の割には資金を比較的多く調達できたといえる。

 ライツ・イシューは株主に対し保有株数に応じ、新株予約権を無償で割り当てる。株主は予約権を行使して増資に応じるか、予約権を市場で売却するか選べる。今回は証券会社の審査を受けない「ノンコミットメント型」で、9月12日が予約権行使の最終日だった。

 予約権の行使価格は増資を発表した4月25日の前日終値(39円、普通株ベース)と同額に設定した。これまで実施されたライツ・イシューは増資に応じてもらおうと行使価格を株価より大幅に安く設定して株価が下がる例が多かったが、同社は「既存株主に配慮し、あえて割引しなかった」という。普通株ベースの株価は4月25日以降、39円を下回っていない。

 今回の増資について野村総合研究所の大崎貞和氏は「行使価格を株価より割り引かなくても一定額を調達できると実証した」と話す。ADワークスは調達した資金を主に販売用不動産を仕入れるのに活用する。』


[ 変更報告書(大量保有) ]

 以下は、EDINET**で検索した変更報告書(大量保有)からの一部抜粋。
**
http://disclosure.edinet-fsa.go.jp/ (WT:新株予約権)


月日 種類 数量 割合(%) 市場内外 取得/処分 単価

1.共同保有者1:田中秀夫代表取締役社長
6/29 WT  1,446,000 0.63 市場外 処分 消滅
7/13 WT  48,448,853 21.15  市場外 取得 WT無償割当て
7/13 WT  20,000,000  8.73 市場外 処分 信託譲渡※
7/25 WT  6,462,100 1.97 市場内 処分(始値13円⇒84百万円)        
7/26 WT  7,000,000 2.14 市場内 処分(同10円⇒70百万円)    
7/27 WT  96,900    0.03 市場内 処分(同8円⇒0.8百万円)    
7/28 WT  1,000,000 0.31 市場内 処分(同9円⇒9百万円)    
7/31 WT  7,593,200 2.32 市場内 処分(同7円⇒53.1百万円)
8/1   WT  5,000,000 1.53 市場内 処分(同7円⇒35百万円)
9/12 WT  1,296,653 0.40 市場外 処分 WTの行使
9/12 普通株 1,296,653 0.40 市場外 取得(WTの行使。39円/株)
9/20 普通株 1,350,000 0.41 市場内 処分    
9/21 普通株 4,850,000 1.48 市場内 処分    

2.共同保有者2:有限会社リバティーハウス(田中社長の配偶者が社長)
7/13 WT  9,416,000 4.08 市場外 取得 WT無償割当て
7/13 WT  2,000,000 0.87 市場外 処分 信託譲渡※
7/25 WT  816,000  0.35 市場内 処分(始値13円⇒10.6百万円)
9/12 WT  6,600,000 2.04 市場外 処分 WTの行使
9/12 普通株 6,600,000 2.04    市場外 取得(WT行使。39円/株)

3.共同保有者3:田中弘枝(田中社長の配偶者)
     同   4:田中希幸( 同 長男)
     同   6:森山未来( 同 長女)
7/25 WT  520,000 0.16 市場内 処分(始値13円⇒6.8百万円)
9/12 WT  120,000 0.04 市場外 処分 WTの行使
9/12 普通株 120,000 0.04 市場外(WT行使。39円/株)

4.共同保有者5:田中尚幸(田中社長の次男)
7/25 WT  200,000 0.06 市場内 処分(始値13円⇒2.6百万円)
9/12 WT  120,000 0.04 市場外 処分 WTの行使
9/12 普通株 120,000 0.04 市場外(WT行使。39円/株)


[ ※7/13の信託譲渡に関する想定 ]
共同委託者:田中社長/リバティーハウス
受託者:三井住友信託銀行
信託財産:WT 22,000,000
目的:(受託者裁量による)WTの処分
⇒7/14に現物(WT)移管、7/18に市場内にて売却(始値@18で売却した場合:396百万円)


[ 田中社長の共同保有者(1~6)によるWTの帰趨 ]

1.WTの無償割当 60,104,853(48,448,853+9,416,000+64万×3+32万)
(7/13時点の発行済株式数(224,176,000株)の26.8%)

2.WTの処分 51,728,200(信託譲渡2200万+27,152,200+81.6万+52万×3+20万)
⇒WTを始値で処分した場合のWT処分総額:約681百万円

3.WTの行使 8,376,653(1,296,653+660万+12万×4)(上記1-2)
⇒WT行使割合:約13.9%(3÷1)。WT行使総額:326,689,467円(8,376,653×@39)


[ WT最終行使結果に関するプレスリリース ]
http://contents.xj-storage.jp/xcontents/32500/f27a4f6c/8ec1/4d17/b5d7/4b6d7b206638/140120170920475197.pdf

WTの権利行使期間:2017/7/13~2017/9/12
WTの発行総数:223,136,600 個(WT1個につき、普通株式1株)
行使されたWTの個数:99,714,993個(WT発行総数に対する割合44.7%)
交付株式数:99,714,993株
払込総額:3,888,884,727円


<感想>
 ライツ・イシュー(WT)における、田中社長の共同保有者による、(1)WT行使割合は14%弱(全体44.7%)と個人的な想定より少なく、また(2)WT行使総額もWT処分総額を下回っていると想定(上記試算2-3:+約355百万円。除、譲渡益課税・普通株売却)される。本ライツ・イシューは、特に会社にとって資金調達面で意義あるディールだったと言えよう。
         
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女性宮家創設は天皇家の危機?


【 危機にこそぼくらは甦る 】(その2)


 以下は、「危機にこそぼくらは甦る」(青山繁晴著、扶桑社)(六の扉 危機を生きる)からの一部抜粋。


『3
「ぼくしん」こと「ぼくらの真実」がハードカヴァーの単行本として世に出たときと、「危機にこそぼくらは甦る」と改題し新書に生まれ変わった今では、おおきな変化がみっつあります。

 ひとつはトランプ米大統領の登場、ブレギジット(イギリスのEU離脱)が象徴する破壊です。第二次大戦後にアメリカが造った世界秩序はたった七十年余りしか持たなかった。これから、もっと大きく深く壊れていきます。

 もうひとつが前項までに触れた朝鮮半島危機の勃発です。

 プレジデントよりデストロイヤーと呼ぶべきトランプ大統領が、世界でもっとも深刻な嘘つきである金一族の北朝鮮と直接に軍事力を誇示して角を突き合わせる。



 日本でこの時期、降って湧いたのが「女性宮家」を創設せよという奇怪な圧力です。
 具体的には、西暦2017年5月末に、天皇陛下のご譲位をめぐる特例法案の附帯決議に「女性宮家等の創設」を検討するという言葉が盛り込まれました。

 附帯決議というのは、法案の条文には入らなかった中身を、法案の末尾にくっ付けて議決する項目です。

 法的な拘束力はありませんが、政治的影響力はあります。つまり法律をつくった国会(立法府)が政治(行政府)に要求を突き付けるという力があるのです。

 これが無期限の力なのです。法律を廃止すれば別ですが、その附帯決議の付いた方がある限りは政治的影響力が続きます。


 宮家は鎌倉時代に端緒があり、本格的には室町時代に始まった制度です。何のための制度か。皇位継承、天皇陛下の即位が綿々と途切れることなく続いていくように、傍系から男子の皇位継承者、つまり次世代の天皇陛下を生むことができるように作られた制度なのです。

 だから宮家はこれまで全て、ご当主が男性であられました。これは男女差別ではありません。

 配偶者のいらっしゃる女性が天皇陛下に即位されれば、その御方は女性であっても男系天皇、父系天皇でいらっしゃる。

 しかしその御子様が即位されれば、男の子であっても女系、母系天皇です。この時、わたしたちと共に二千数百年を生きてこられた天皇家は終わります。
 
 この母系天皇のお子さん、つまり前述した最後の父系天皇であるお母様の配偶者、夫による王朝が始まります。

 なぜか。

 母系は系統をたどれず、たどれる系統は父系だからです。

 たとえば、ぼくには二人の男の子がいます。彼らとぼく、ぼくの父、祖父と父系はずっと遡れます。しかし、彼らの配偶者、ぼくの配偶者はそれぞれ当然ながらバラバラで一系を遡れません。

 そしていったんこうなると、父方であれ母方であれ、誰でも皇族、皇位継承者となることができます。そういう国に一変します。そしてこの「誰でも」が外国人であっても、もちろん中国人だとしても全く構わないことになります。

 アメリカにはこの先、アメリカで生まれてさえいれば中国系でも大統領になれるから中国系大統領が誕生する可能性が常に付いて回ります。そして日本では中国系天皇陛下が誕生する可能性が生れることになるのです。

 西暦2017年、平成29年の5月末に、ご譲位法案の附帯決議に「女性宮家の創設」という言葉をどうしても入れろと強硬に要求したのは・・・・・・野田佳彦・前内科う総理大臣です。

 わたしは「国賊」という言葉を使いません。しかしこの政治家の現状については使わざるを得ません。


 安倍政権の中枢では、(1)天皇陛下の仰ることを無条件に遂行はしない。それをやれば立憲君主制ではなくなり、むしろ大御心にも反する。(2)永い日本の歴史のなかでは時の権力が天皇陛下に退位を迫るといった事例もあり、恒久制度にすれば悪用される恐れがある。(3)したがって皇室典範(皇室をめぐる法律)は改正しない。(4)一方で憲法第二条に皇位継承は皇室典範の定めによって行うとの規定がある。(5)違憲とならないように皇室典範の附則にぶら下げる形で一代限りの特例法を整備する──という方針が早期に固まりました。

 政権中枢との議論でこの方針を知った、当時民間人のわたしは、強く支持しました。

 
 民進党の野田佳彦前総理がゴリ押しとも言えるほどの執念で民進党内の反対論をも押し潰して「女性宮家」を入れろと要求していることは、誰もが知っていました。


 このような重大な問題において、民意によって少数野党となった民進党の、それも野田前総理ら特定の人物が無理に進める要求に、民意によって多数与党を形成する自由民主党が膝を屈するとは、今も想像しがたいことです。


 まさしく、多くの与党議員にとって寝ているあいだに耳に水を入れられるがごとくに、「女性宮家」という日本語ではない日本語、基礎的で中立的な知識すら欠く間違った言葉が、衆議院・議院運営委員会の公文書(附帯決議)に記されてしまいました。


 第一に、なぜ女性宮家がいけないのか。

 もう一度、簡潔に記しておきます。

 女性宮家というもの自体がありません。あり得ません。宮家は男系・父系によって皇位を継承し続けるために端緒は鎌倉時代に、本格的には室町時代に創設されました。したがって当主は男性です。


 わたしたちは、ほとんど誰も宮家について学校で習ったことがありません。それが敗戦後の教育です。世代を問いません。日本国が初めて外国に占領されたときから70年を大きく超えても、ずっと変わらない教育です。天皇陛下のご存在と皇室についての教育が決定的に欠落しています。

 このために、「女性宮家」という奇怪な日本語が、こともあろうに立法府によって二千数百年の大河のような歴史に突如、投げ込まれてしまったことの重大な、重過ぎる意味が充分に国民に伝わりません。


 これまでの日本の天皇家は父系ですから、もしも神武天皇が神話的な存在あるいは国家の誕生を象徴的に表現した存在であっても、真っ直ぐに時を越えて初代の神武天皇まで辿ることができます。これが万世一系です。軍国主義うんぬんとは本来、まったく関係のない、客観的な事実です。

 ではなぜ、万世一系が尊いのでしょうか。

 
 日本国民の誰もがご存じのように、天皇陛下の本来のお住まいは現在の皇居、すなわち江戸城、一武家である徳川家の居城ではありませんね。

 本来のお住まいどころは京都の御所です。


 ではその場所の特徴は何なのか。お濠も城壁もありません。簡素な塀は低すぎて中が見えてしまいます。あろうことか、守りがほとんど無いのです。


 日本の帝は御自らのためではなく、ただ民のために祈り、務めておられていて、民に襲われる心配がないからです。


 中国が極端なのは事実としても、世界の諸国の皇帝、王、あるいは帝や王に擬した存在というのは、私欲のために争い、先の王朝が滅ぼされ、新しい王朝が開かれてはまた滅ぼされの歴史だったのです。

 唯一、日本だけが、父系でたどる一系だけが皇位を継ぐことができますから、争い、奪いあう余地が極めて少ないのです。

 過去の歴史をみれば、同じ天皇家のなかでの争いはありました。しかしそれを最小限にとどめようとする努力こそが、まさしく万世一系、父系による皇位継承なのです。

 みごとな智恵、民族の英知としか言いようがありません。

 もう一度言います。軍国主義うんぬんの浅薄な話とは関係ありません。

 第125代の今上陛下のお姿にも、「他のため、民のために生きる」という崇高な姿勢が貫かれています。

 
 附帯決議が衆議院で可決された段階から、不肖ながらぼくは行動を起こしました。


 そして西暦2017年5月31日水曜の朝9時20分、衆議院の第八控室で国会対策委員会が始まりました。


 真っ直ぐ手を挙げ、短く発生して発言機会を求めました。


「その附帯決議に女性宮家の創設の検討が盛り込まれたのは参議院で見直すべきだと考えます。宮家とは本来、男系と言うより父系による皇位継承を担保するために古くからの智恵としてあるものです。それを女系と言うより母系の天皇陛下を生むことになりかねない、すなわち天皇家が無くなり新たな王朝を作ることに繋がる女性宮家うんぬんについて、自由民主党、あるいは参議院はしっかりと、それは違うという意志を附帯決議で示すべきだと考えます」

「附帯決議は衆参同じものが原則だと、わたしに仰った議員もいらっしゃいます。しかしこの通常国会で、わたしも審議と採決に加わった外為法の改正において、衆議院の附帯決議を一項、削って、参議院の新たな附帯決議として可決しました。あるいは先の臨時国会で可決したIR(カジノ)法においては衆議院の附帯決議に一項を加えて、賭博中毒を減らす対策の必要性を強調する附帯決議を参議院では可決しています」

「陛下のご譲位をめぐっては、衆参両院議長、副議長閣下の調整によって立法が進められています。しかしそれは法の本体であって、附帯決議については衆議院で過てる附帯決議が成された以上は、参議院はその見識発揮という本来の役割を果たすためにも見直すべきではないでしょうか」

「法案はまだ衆院本会議でこれから採決に付される段階です。附帯決議と併せて、参議院にやってくるのは、その後のことです。しかし事態の重大さに鑑みて、あえて事前に、一年生銀ながらみなさまに問いかけを致しました。ありがとうございました」 』



[ 日本国憲法 ]

第二条 皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。



[ 天皇の退位等に関する皇室典範特例法 ]
第一条~第十一条 略

 譲位特例法に伴い、衆参両院それぞれの委員会で採択された付帯決議の全文は次の通り。

 一、政府は、安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等について、皇族方のご年齢からしても先延ばしすることはできない重要な課題であることに鑑み、本法施行後速やかに、皇族方のご事情等を踏まえ、全体として整合性が取れるよう検討を行い、その結果を、速やかに国会に報告すること。

 二、三 略


<感想>
 2017/6/9、上記附帯決議を含めて「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」が参院本会議にて成立。仮に、附帯決議にある女性宮家による新たな王朝が生まれた場合は、万世一系の天皇家が途絶えることになってしまう。(北朝鮮危機は一時的なものであろうが、)後戻りできない天皇家の危機は何としても回避せねばならない。

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自衛隊が拉致被害者救出のための訓練を開始?


【 危機にこそぼくらは甦る 】


 以下は、「危機にこそぼくらは甦る」(青山繁晴著、扶桑社)(六の扉 危機を生きる)からの一部抜粋。


『1
 危機とはそもそも何だろう。
 やられることか、やられそうになることか。
 それとも、やられていることにすら気づかないことか。



 にんげんには、受け身という生き方もあります。

 しかしその生き方では、平時には綻(ほころ)びをみせずとも、ひとたび本物の危機が向こうからやってくると、おのれだけではなく愛する人々、護るべき人々をも喪うことになりかねません。

 危機に立ち向かうには、どこかで必ず前に出る、攻めに転ずることが欠かせない。


 西暦2017年5月2日にハワイ真珠湾のアメリカ太平洋司令部(PACOM/ペイコム)を訪ねて、ハリー・B・ハリス司令官と通訳を入れずに眼と眼をみて、この半島危機について議論しました。

 司令官の言葉は一切、永遠に公開できません。

 けれども、僕の言葉は一部、公開できます。ひとつには、もしもアメリカ軍が北朝鮮攻撃の作戦を立てている途中なら、そこに必ず日本の拉致被害者の全員救出を組み込んでほしいということです。「これは救出をアメリカ軍にお願いするということではありません。自衛隊と連携してくださいという意味です」と申しました。

 ぼくは2017年3月2日、参議院の予算委員会で質問に立ち、「半島危機に直面していく今、自衛官と警察官、消防官、そして医師、看護師、保健師、さらに方言もこなせる朝鮮語の通訳で構成する包括的な拉致被害者救出部隊を編成し、北朝鮮と日本国民の眼に見える訓練も、水面下での立案・協議も早く開始してください」という趣旨を述べました。

 これに対し若宮健嗣防衛副大臣は「自衛隊は(拉致被害者救出のための)訓練を開始しています」という予想外なほど重要な答弁をなさいました。

 しかし多くの国民に知られることがありませんでした。NHKのテレビ中継はなく、新聞も通信社もテレビ・ラジオのニュース番組もすべてマスメディアはこの質疑を一切、無視したからです。それは、ぼくの質疑が拉致事件に触れると委員会室を出て行った福島瑞穂・社民党副党首ら一部野党の姿勢とそっくりです。傍聴の国民多数がこれを目撃なさいました。

 ハリス司令官に申したもうひとつは、こうです。

「かつてのオバマ政権がイランと結んだ核合意は、イランに核開発をあきらめさせることに成功したのではない。逆ですね。イランが十年間は大人しくして質も量も落とす核開発に留めるのなら、それを黙認するという合意でした。

 北朝鮮に対してもアメリカがそれをやるなら、日本は容認しません。それはアメリカに届く核ミサイルは駄目だけれど、日本をすでに射程内に収めている中距離弾は許すということだからです。ぼくも、おそらくは安倍総理も日本の核武装に反対ですが、そうなれば次世代の日本は核武装せざるを得ないでしょう。北朝鮮のボロ核で慌てるアメリカは、高度な技術で造る日本の核に、一体どれくらい慌てるのでしょうね」

 
 ハリス司令官が仰ったというのではありませんが、ぼくはこのときのアメリカ太平洋軍司令部の全体、それからハワイの太平洋軍司令部を訪ねる前夜にワシントンDCで話した軍人たちの様子から、次の本音を感じました。

「北朝鮮が制裁に苦しんで核ミサイルの開発を本当に放棄するということが起きれば別だが・・・・・・それはおそらくは起きないので、アメリカ軍が北朝鮮の核とミサイル、司令部、ソウルを狙っている長射程砲の群れ、特殊部隊などなど、そして独裁者そのものまで全面攻撃する、少なくとも準備は整え完成させていく。そのうえで判断するときが、いずれやってくる」

 これは、アメリカ合衆国が史上初めて、核保有国と戦争をする可能性が生じているのがたった今の現実だということを意味します。

 広島、長崎への原爆投下をほんとうは人体実験として行ったアメリカは、被爆国のわたしたち日本国民よりはるかに正確に核の底無しの恐ろしさを知っています。イラクもフセイン大統領が核開発を諦めていたから攻撃してフセイン大統領を死刑に処したし、リビアのカダフィ大佐も「核を断念したら援助してやる」と騙してから攻撃し、民兵の少年に殺されるという惨めな死へと導きました。

 北朝鮮の金一族は、その中東で核やミサイルの技術を売る商売をして生き延びてきたから、この現実をよく知り尽くしています。だからアメリカのクリントン大統領やブッシュ大統領を騙しながら、そして中国が何を言おうとも、核開発を続けてきたのです。

 ところが、その核開発に成功したがために金一族は人類史上最初の核保有国同士の戦争の恐れを今、膨らませているのです。』


<感想>
 1)拉致被害者救出のための自衛隊の訓練開始の答弁や、2)青山議員がハリス司令官に拉致被害者救出のための自衛隊との連携の申し出、があったことは知らなかった。対北朝鮮対策を考える上で、拉致被害者救出が大事な論点であることを忘れてはならない。

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ロヒンギャ問題の根底にイギリスの植民地支配あり?


【 ミャンマーのロヒンギャ問題 】



 2017/9/14に、有本香さんが、虎ノ門ニュース(https://www.youtube.com/watch?v=tJTXQttUkNg)や「ザ・ボイスそこまで言うか!」(http://www.1242.com/program/voice/)でロヒンギャ問題について「日本のメディアは、イギリスBBC放送の尻馬に乗るな!」的な発言をしていた。

 以下は、ネットサーフィンして、有本さんの主張と似た「ミャンマーのロヒンギャ族・イギリスの植民地支配」と題する記事(http://kasataro.sakura.ne.jp/archives/295)からの要約。


・ミャンマーにおける国籍付与者:1823年(第一次英緬戦争の前年)以前からミャンマーにいた人達(=正式な国民)
⇒ ロヒンギャ族はそれに該当していない(ミャンマー政府の主張)ため、無国籍


・ロヒンギャ族:第1次英緬戦争(1824-26)の結果、現在ロヒンギャ族が多く住むラカイン州が英国の植民地(その後、英領インドの一部)となり、イギリスの植民地支配の一環として連れてこられた外部の民族の位置付け
⇒ ビルマ人はロヒンギャ族のことをベンガル人と言っている


・イギリス:植民地支配の過程で、ビルマの人々を言語や外見で分類し、統治に活用したり、植民地の経験豊富なインド人を多数連れてきて植民地経営に利用
⇒ これらイギリスの植民地支配は、ビルマ人の民族意識を覚醒させた

   
・BBC/欧米メディア:ミャンマー政府を激しく非難しているが、イギリスの植民地政策のことについては黙殺。仏教とイスラム教の対立という形で報じる事が多い
⇒ ビルマ族とロヒンギャ族では外見が異なり「東南アジア」と「南アジア」の違いが明白で、宗教対立というよりは民族的な対立であるが、仏教徒がイスラム教徒を弾圧しているという形にしたい欧米メディアの意向が反映されているのであろう


・アウンサン・スーチー:この問題に対して沈黙
⇒ ロヒンギャ族の立場に立てばミャンマー族の反発を受けるし、ミャンマー政府と同じ主張をすればこれまでの※イメージが崩壊するから(※これまで、イギリスはじめ欧米各国が民主化の象徴として持ち上げてきた)


・多くの記事:第二次世界大戦中に日本軍がビルマに進駐した事が今日の民族問題の遠因であると指摘。ビルマ族が日本軍に、ロヒンギャ族が英軍について戦闘したことが民族対立の原因なのだから、日本にも責任がある、という論理
⇒ しかし、これでは、同じくビルマ族と戦闘した民族(カレン族など)がロヒンギャ族とは扱いが違っている事を説明できない


・ロヒンギャ問題:イギリスによる植民地経営の結果として生じた民族問題である
⇒ イギリスはミャンマー政府を非難するだけでなく、旧宗主国としてロヒンギャ難民を受け入れるべき


・日本:ミャンマーとバングラデシュ両国の債権を放棄したうえで、さらなる援助と続けている
⇒ 今後はロヒンギャ族の問題を抜きにして援助を続けることは困難となるだろう(日本はミャンマーからの難民を多く受け入れていきているが、難民を生みだしている国に援助を続けているのも変な話)



<感想>
 オスマン帝国領土の分割を定めたサイクス・ピコ協定(1916年)後、ファイサルをイラク王に据えたり、ファイサルの兄をトランスヨルダン(現ヨルダン)の首長に据えたのもイギリスで、(80年後の)今日のISを生んだ一因にもなった。ロヒンギャ問題もこれ以上大きくなる前に、批判を繰り返す旧宗主国イギリスを含めて確りと対応して行く必要があろう。

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国務大臣の約半数を民間人にしてみる?


【 大直言(青山繁晴×百田尚樹) 】(その2)



 以下は、「大直言」(青山繁晴・百田尚樹著、新潮社)第2章「外交を議論する」からの一部抜粋。


『  官僚が敗戦を招いた

百田 海軍兵学校を卒業するときのペーパーテストの順位のことをハンモックナンバーと言うんですが、この順位がその後にもつきまとう。つまり、その順番に偉くなる。途中で才能を見抜かれて出生する、ということもなければ、逆に能力が低いから左遷されるということもない。二十歳くらいの時のペーパーテストがその後の人生を左右するわけです。

 しかし、実際の戦場に「正解」なんてあるはずがありません。何が起こるのかわからないのが戦場です。だから当時、司令官だった中将、大将あたりが、あたふたして何もできなかったケースがものすごく多かったんです。

青山 そのとおりです。そして大きな問題は、さきほど申し上げたようにすでに戦後世界が壊れて、さらに正解、模範解答はない世界になっているということなんです。アメリカが超大国として支配する構造が終わりつつあります。


 中小の商社マンたちは、地べたを這いずりまわりながら、世界中で売れそうにないものを売ってきた。彼らの凄いのは、巨大商社のようなカラクリもないなかで売ってきたという点です。カラクリというのは、相手国の巨大な既得権益との深い癒着です。中小商社にはカラクリをつくれるだけのカネがない。

 じゃあ彼らは何を武器にしているか。人間力です。本当にそうなんです。

 日本にはまだそういう人材がいるんだから、官民の交流をやればいいんですよ。アメリカのこれまでの強さは、官民交流人事のお陰という面があります。政権交代の時が顕著ですが、官僚はどんどん辞めて民間に移籍するし、逆に民間からどんどん政府にも入ってくる。

 これは建国からの歴史が浅い国だから出来たということもあるんですが、せっかくアメリカと仲がよい日本なんだから、良き制度は採り入れればいいんです。そうすれば外務省は音を立てて変わりますよ。

 こんなことは大臣によってはすぐにできます。ただし、岸田さんでは駄目です。八方美人で、安倍さんからの禅譲を狙っているような人では。

 あえて言えば、民間から外務大臣を登用していいと思う。


  正解のない問題に対応する能力を

百田 たしかにそのへんはアメリカに学ぶべきことはありますね。たとえば日本軍を徹底的にやっつけたニミッツ太平洋艦隊司令長官も、海軍兵学校での成績はトップではなかった。ところが実際に軍に入ってからは優秀なので、三十人近くゴボウ抜きで司令長官にまでなったんです。

 実はアメリカも平時には試験の成績で出世していきますが、いったん戦争のような何が起きるかわからない状況になると、そんなものは関係なくなる。答えの出ない状況でいかに臨機応変に答えを出すか。ここを見るんです。

 日本は、戦後七十年、まったくそれがないですね。だからあれだけ優秀だったはずの官僚が、経済政策や金融政策でどれだけ失敗してきたか。ぼくらの頭脳をはるかに超えるペーパーテストの成績を取りながら、こんなこともわからないのかということをいっぱい見てきました。

青山 おっしゃった人事の妙というのは、結局、軍事にも外交にも全部当てはまることですよね。人事が権力であり、権力は人事ですから。

 百田さんのお話を補えば、かつての日本ではそういう人事もあったんです。日露戦争でバルチック艦隊をうちのめして、世界を驚愕させた連合艦隊の司令長官を務めた東郷平八郎元帥は、その前まで冷や飯を食わされてたんです。しかし、軍の内部から「戦時には、この男が必要だ」という声があがり、実質的に引退状態だった東郷さんを呼び戻した。

百田 その東郷さんが、当時、回線では誰もやらなかった「T字戦法」を展開したわけですよね。まったく模範解答とは異なる作戦でバルチック艦隊を壊滅させた。ちなみにこれ以後、「T字戦法」は回線の常識になります。

青山 それを要するに保守本流じゃない頭脳を持ってたからなんです。日本でも、江戸期の教育を受けた人材がまだ健在な頃は、そういう大胆な発想の転換ができました。

 明治維新は、ぼくは世界に誇れる偉業だと思っています。それを全否定する向きもありますが、そんなことはないと思う。それは世界を歩けば歩くほどにわかる。

 でも、間違いもあった。特に教育です。西洋の真似をして年齢で輪切りするようになった。その教育を受けた世代から、ペーパーテストの成績を重視するようになり、しかもそれを戦時にも適用してしまう人事がまかり通った。これがその後の敗戦につながるわけです。』


[日本国憲法]
第六十八条  内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。但し、その過半数は、国会議員の中から選ばれなければならない。
2 内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免することができる。


<感想>
 政治、外交のみならず、あらゆる分野で、如何に正解のない問題に適時適切に対応できるかが重要な時代になっている。憲法第68条第1項では、内閣総理大臣は国務大臣の過半数は国会議員の中から選ぶことが規定されている。青山議員の言う官僚の官民交流に留まらず、10月に見込まれる衆院解散・総選挙後、思い切って大臣の約半数を民間人にしてみたら、失われた四半世紀から脱せられる可能性は増えるのではなかろうか。

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津田の愛にすがるより他ないお延?


【 漱石激読 石原千秋×小森陽一 】


 以下は、「漱石激読」(石原千秋・小森陽一著、河出ブックス)(第14章『明暗』──その愛はどこへ)からの一部抜粋。


『  漱石らしい終わり方とは

石原 まず確認したいのは、当たり前のことですが、『明暗』が最後の作品になってしまったのは偶然に過ぎない。漱石が辰野隆の結婚式に行って、奥さんから離れていたからピーナッツをぽりぽり食べてしまい、帰ってきたら息が苦しいと言い始めて、結局それが死につながった。

小森 やはりピーナッツがいけなかった。


石原 たとえば『道草』のお住みは近代女訓物から言えば全然ダメな奥さんです、この時期の漱石はそういうことがわかっていた。『行人』のお直だってアウト。若い女性が振る舞いとしては、藤尾だって美禰子だって皆アウトだった。そういう女性を漱石は書いてきた。それを踏まえると、お延だってアウトだと思うんです。病気の津田を放ったらかして芝居に行ってしまうわけだから。


 お延が京都の実家に手紙を書きますね。幸せに暮らしているかのように。あの手紙って「嘘や、気休や、誇張は、一字もありません」と言って、自分自身にあからさまに嘘をついている。だから、『明暗』はお延の手紙で終わるのがいちばんいいと僕は思うんです。

小森 なるほどね。誰宛ての?

石原 津田宛て。つまり、湯湯治に入っている津田に宛てたお延の手紙で終わるのがいちばんいいと思っているのです。しかもそれが届くか届かないかわからない。まさにデリダ的、郵便的不安。

小森 それは『こころ』の終わり方と重なりますね。いいですね。それは支持できるな。石原さん、書いてくださいよ。

石原 書きますけれども、書くときはもうちょっと本格的に書こうと思っています。


  嘘をつき続けるお延

石原 いずれにせよ、『明暗』はお延がある意味で自分自身に嘘をつき続けている小説です。

小森 そうした嘘をつけるのは、お延がまさに手紙を書く女だからでしょう。手紙を書く行為を通して、事実ではないことを事実かする。


石原 一方、津田のほうは、藤井の叔父というあまり豊かでない、フリーの批評家なのでしょうか、そういう人に育てられて、実家が京都にあって、でもそんなに裕福ではない。吉川夫人の夫の会社のサラリーマンになって、社長の友人が岡本の叔父であり、その岡本の叔父に育てられたお延を大切にすれば自分の地位も安泰。

小森 会社の中での地位が安定する。そういう人間関係ですよね。


石原 意識していれば隠せる、わかっているから。でも無意識はわかってないから隠せない。『明暗』の表面に書かれていることは、むしろ二人の無意識なのではないか。その意味では、それまで漱石が無意識を無意識のように書いていた書き方とはまるで違う。無意識をあからさまに書いたという気がするのです。

小森 たとえば?

石原 お延が従姉妹である岡本の娘の継子に愛を説くところがあります。「ただ愛するのよ、さうして愛させるのよ。さうさへすれば幸福になる見込は幾何でもあるのよ」と。あそこもあからさまに自分に嘘をついているとこです。嘘をついているというのは、お延は実感できていないことを語っている。


小森 お延を妻として貰うという決断を自分ではせずに、そうではない要素がそれを選ばせたということですよね。つまり、吉川夫人から勧められたから。吉川夫人は上司の妻であり、上司の吉川は父親の知り合いであり、その会社に勤めている以上、吉川夫人の勧めを受け入れてお延と結婚するのが得策だという判断、利害関係ですね。


石原 それをあらわしているのがお延の手紙。京都の実家に宛てた手紙を書いたとき、本当は自分は津田に愛されていないと思っている。だけれども、愛されていますと書く。だから読者には嘘をついているとわかるわけです。でも、お延の中ではそれが同時に起きていると思うのです。


  無意識を他人に読んでもらう小説

石原 清子は「あなたはそういふ方なんだから」と言いますね。しかし、津田はそれを理解できない。つまり、清子は津田の隠せない無意識をわかっているということです。

小森 つまり清子は津田とかかわる中で、津田の隠せない無意識を見てしまった。それでは津田を信用できないから、関と結婚した。そういうことでしょうか?

石原 そうそう。つまり、無意識を他人に読んでもらう小説になっている。
 

 『明暗』はかなり通俗的な要素があって、僕の関心の一つは、なぜサラリーマンを主人公にしたのかということ。漱石の小説の主人公はだいたい教員か役人。いわゆる知識人に設定してあったので、彼らの考えることは、悪く言えば浮世離れしているし、ある意味では哲学的であるわけです。それに対して現実的に即した思考ができる人物とするために初めてサラリーマンという設定にした。この設定自体が津田の無意識の質を決定している。でもそのラインだけが清子が読める津田の無意識だとすると、今言ったように非常に通俗的な結末で終わってしまう。


  愛って何?

小森 お延が自分は継子の引き立て役にされたのではないかと気づくということと、津田との結婚のどこにこだわっていたのかということがリンクしているわけです。岡本の叔父さんから、「お前はああいふ人が好きなのかね」と訊かれた裏側に、「ぢゃ己のやうなものは嫌ひだったんだね」といふ言葉が、ともに響いたらしく感じた時、お延は思はずはつとした」とありますね。ここもすごく大事です。岡本の家で育てられ、血がつながっていない叔父さんのほうは年上の男性でもあるわけです。
 それをうまく操る技量を身につけたというふうにお延は確信していて、お延が一目ぼれで選んだ津田は明らかに自分とタイプが違うと、叔父さんは言うわけですよね。岡本の叔父さんは最初から津田を良く思っていない、そういう思いがあったがゆえに、お延は自分は当て馬に使われたと気づく。

石原 そうです。お延は自分の美貌に賭けることもできないわけですよ。それは藤尾とは決定的に違う点です。

小森 そしてお延は、津田の妹のお秀が器量望みで嫁に貰われたということも意識している。女が美貌で男の性的な欲望を引いて結婚に至るということをお延は自覚していて、であるがゆえにお秀は器量望みかもしれないけれど私は本当の愛だというところにいくわけでしょう。微妙に切ないところでもあるのですが、でもそういうところにお延を置くあたりが『明暗』のすごいところですよね。


石原 「女は愛されて幸せなり、男は愛して幸せなり」というのが当時の一般的な愛に対する性差でしょう。しかし、お延は愛されているという実感がない。津田は愛しているという実感がない。だから当時の愛をめぐる言説そのものが問われている。それまで愛があれば解決だと思われていた漱石文学が、愛って何?ということを正面から問いかけたのが『明暗』だと思うんです。漱石文学の根底を掘り崩しうるインパクトのあるテーマ設定です。


  脱落する男・津田

小森 『明暗』を書き始める年の年頭に漱石は「点頭録」を書いている。第一次世界大戦が始まったとき、どんな影響が出るかを問われて、いちばん問題なのはドイツから始まった軍国主義が、英仏の個人の自由とどう渡り合っていくのかだと述べて、ビスマルクによって始められた軍国主義は強制徴兵制の問題だと言って、北ドイツ連邦が生れた1867年を挙げている。そこからビスマルクがナポレオン三世に仕掛けた普仏戦争で勝利したドイツ帝国が生れる。
 「点頭録」は1916(大正5)年というのを意識しながら、明治のはじめに生まれた自分の五十年分の人生を全部問うているわけです。そうした中で『明暗』を書いている。だから、明治という時代全体を問う中でお延の根源的な問いかけが芽生える。

石原 なるほど。

小森 お延が継子と比較されていると感じた見合いの場面に面白いやりとりがあります。

 見合い相手の三好に吉川夫人が何か話すように言うと、ドイツを逃げ出した話をする。第一次世界大戦が始まって、日本がドイツに宣戦布告をしたから退去しなければならない。1914年の8月末くらいに退去するわけですよね。そこに三好がいた。ここにいる男たちは全員洋行帰りという設定になっているが、津田はそうではない。吉川と岡本を媒介にお延に紹介された津田だけは違うという明らかな階級落差が見えてくる。


 つまり、明治という時代がトータルリコールされるのが、お延の屈辱の見合いの場面なわけですよね。だからこの小説の書き方の構えとして、漱石は自分が書いてきた小説群、まさに1902年の日英同盟以降の日露戦争後の小説を書いてきたわけだから、そのすべての問い直しが、お延の試練と比べられているのだと私は読みたい。その屈辱からどう立ち直るか。お延はもう一回継子に、私は愛ある結婚をしているのだと証明しなければならなくなる。


石原 いっぽうで39章の終わりを見ると、「津田は何にも云はずに、二箇月以上もかかつて未だ読み切れない経済学の独逸書を重さうに畳の上に置いた」。要するに、津田はだめなんですよ。


  追いつめられるお延

石原 お延は津田が不思議でしょうがない。津田も清子が不思議でしょうがない。しかし、不思議でしょうがないラインがずいぶん食い違っている。その落差を生み出すのが経済状態、お金であって、落差があるから津田はどうしても会社での地位を固めなくてはいけない。それでお延が必要だと思っている津田と、僕の言葉で言うと一目惚れした津田を自分の幸せにつなげたいお延と、このすれ違いです。


小森 小説の設定としては、津田は清子のことを愛していたかどうかは、お延のことを愛しているかわからないのと同じように、わからないわけですよね。

石原 だから問題になっているのは、女の側の、清子の愛の問題なんですよ、何回も繰り返しますが、『明暗』はずっと女の側の愛が問題になっているんです。

小森 それまでの男を中心とした小説とはそこが決定的に違う。


  答えは・・・・・・

石原 『明暗』の最後、「「そりゃ何とも云へないわ」清子は斯う云って微笑した。津田は其微笑の意味を一人で説明しようと試みながら自分の室に帰つた」。これは『浮雲』が二階に上がって終わるのと、めちゃめちゃ似ていますよね。

小森 似てる。ちょっと怖いくらい。

石原 はい、怖いくらい似てるんです。つまり物語としては簡潔してないけど、小説としてはこの後、津田は何を考えたんだろうと・・・・・・

小森 読者が考えればいい。』


<感想>
 津田の無意識を信用できなかった清子と津田の愛だけにすがるより他ないお延。サラリーマン津田の心理は現在社会にも通じる内容で、とても今から101年前(1916年)に書かれた小説とは思えない。夏目漱石の先見性に乾杯。

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GHQ民生局25人の素人が日本国憲法を作成?


【 大直言(青山繁晴×百田尚樹) 】


 以下は、「大直言」(青山繁晴・百田尚樹著、新潮社)第1章「憲法を議論する」からの一部抜粋。


『  憲法のとんでもない成り立ちを知るべき


百田 最初、日本人につくらせたんですが、出来上がった草案は気に入らなかった。

 そこで占領軍が自分たちで草稿をつくろうということになり、GHQの民生局が、職員を25人集めて、「今からお前たち、日本国憲法の草案をつくれ」と命じた。

 しかし、そこにいたのは素人ばかりですわ。法律家は3人しかいない。弁護士が三人いただけで、その弁護士も憲法の専門家でも何でもないんです。メンバーの中には、22歳の女性のタイピストまでいたくらいです。

 結局、そういう人たちで一週間でつくった。国家の憲法を素人集団が一週間でつくった。しかも、どうやってつくってええかわからへんから、東京の図書館に行って、スターリン憲法とかワイマール憲法とか、あるいはアメリカの独立宣言文とかから、「この文を使おう」「こっちもいいな」という感じで取りまくって、つくった。そう言うと、世界中のいいとこばかり集めた理想の憲法のように見えますが、出来上がったものは、日本という国家観も民族観も何もありません。

 この憲法ができてから、約40年近く経った時に、憲法学者の西修先生が、アメリカに行って、憲法草案を作成した当時の民生局のメンバーにインタビューしています。かなりの方は亡くなっておられたんですが、それでも十何人かが生き残っていた。それで、その中の8人に、あの時はどうやってつくったんですか、こういう細かいところはどういう経緯ですか、と質問した。

 すると、その彼らは一様に、

「えっ!君ら、まだあの憲法を使っているのか」

 と言ったそうです。つまり、彼らは、あくまでGHQが占領統治している間の暫定憲法だというくらいにしか思っていなかった。そら当たり前です。憲法の素人である自分たちが、たったの一週間でつくった憲法を、まさかその後40年も一字も変えていないなんて、思ってもみなかったでしょう。

 でも、その西先生の調査からもうすでに30年経ってるんです。それなのにいまだに一文字も変えられていない。

青山 これは本質的なお話ですよね。実は、西先生が体験なさったのと近いことをぼくも体験したことがあります。元のGHQ士官に会った時に、ぼくが彼に聞いたのは、実は憲法96条のことでした。向こうはぼくが天皇陛下の条項や、9条のことを聞きたいのかと思ったようですが、ぼくは96条のこと、すなわち憲法改正のハードルがなぜあそこまで高いのか、ということを聞いたのです。

 すると、彼は、こんな話をしてくれました。

「天皇陛下の存在をどうするか、また帝国陸海軍をどうするか、といったことについては皆、徹夜で議論をした。わたしたちなりに平和な世界をつくりたいという考えをもとに議論をしていたんだ。そのことは信じてほしい。ただ、96条については自分の知る限りでは議論していない。誰かがタイプしたんだろう」

 タイプしたのは、ひょっとしたら、あの女性かもしれないと、名前を言ってました。

百田 ベアテ・シロタさんか。彼女は日本育ちだったので、日本語ができました。ロシア出身のユダヤ人で有名なピアニスト、レオ・シロタの娘です。ちなみに都内の図書館から各国の憲法を借りてきたのも彼女です。


  憲法を変えるのは「ぼくらの問題」

青山 あとで調べたところ、議論をしていない、というおは本当でした。彼は、
「イオウジマ(本当はイオウトウですが、こう言ったのです)や沖縄での戦いで、日本人がどれほど誇り高い人々かはよくわかっていた。わたしたちがつくった憲法はあくまでも占領下の間だけで、いずれ自分たちで変えるだろう、つくるだろう、と思っていた。アメリカには日本を占領し続けようという領土的野心はなかったのだから」
 とも話していました。

 この領土的野心がなかったというのは本当でしょう。アメリカにそれがあればカナダやメキシコも存在していないでしょうから。別にアメリカ人を褒めているのではなく、カウボーイとはそういうものです。彼らは牧場を広げることよりも、孫の成長が大切な人種なのです。

「日本が独立を回復したら、at that night(その夜のうちに)全部変えるだろうと思っていた。ただし、わたしたちも平和を願ったんだということを思い出してほしいから、最初のハードルを高めにつくっただけで、それを変えないのは、わたしたちじゃなくて、君たちの問題だ」

 とも話していました。彼は、お別れが近づくとこう言いました。

“Ask your people, ask your administration”(君の同胞、君の内閣に聞くべきだ)

 これは百田さんの話と一致する話で、大事なことです。


  国民を分断しない議論を

青山 翌日、もう一回、ドイツ国防省に行った時に、またその彼とコーヒーブレイクで話をした。今度はぼくはこんな風に言いました。

「ドイツ人が賢くて、日本人が馬鹿だということではありません。あなたの国は戦争で負けて、負けて、負けて、また、負けてやっと勝とうと思って、ナチスをつくったら、もっと負けた。しかし日本は、モンゴル帝国の侵略を跳ね返した歴史をはじめ、ずっと自国の領土を一度も侵されたことがない唯一の主要国だった。1945年に初めて負けたから、負けた時にどうするかを知らなかった。勝った時じゃなくて、負けた時にどうするかを訓練されてなかっただけのことです。だから、1911年にハーグ陸戦条約を批准していても、その意味がよくわかっていなかった」

 最後の発言を補足説明しておくと、ハーグ陸戦条約の中には、勝った国は負けた国の法律を原則いじるなと明記されているわけです。

「だから、日本人は馬鹿なんじゃなくて経験がなかっただけだから、これからやるんだよ」

 そう言って、日本に帰ったんです。でも、それからずいぶん幾つも内閣が代わり、それでも憲法は変わりません。

 やはり、ask your peopleの精神で、わたしたち国民同士で考えるべきです。ただし、安倍総理はじめ政治家にお願いしたいのは、こういう改憲派、護憲派と分断しない話、立場の違いを乗り越えられる話をもっともっと提起してもらいたい。(※青山註 この対談当時、僕自身の選挙出馬はカケラも考えていませんでした)』


日本国憲法
第九章 改正
第九十六条   この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。


<感想>
 憲法の成り立ちを含め、戦後一度も改正されていない憲法に疑問を持つような教育が今こそ必要なのではないだろうか。

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「本当の幸せ」を得るため?


【 スピリチュアリズム「八つの法則」(後半) 】


 以下は「幸せになる100か条」(江原啓之著、徳間書店)より。(その7) 


『 スピリチュアリズム「八つの法則」


5 守護の法則
寄り添い、見守ってくれる守護霊の意義を知ること、これが「守護の法則」。守護霊の願いは、私たちのたましいを向上させ、輝かせることです。守護霊は役割によって 大きく四つに分けられます。生前から死後まであなたを見守り続ける中心的存在の「主護霊」、職業や才能を指導する「指導霊」、10年ほど先までコーディネートする「支配霊」、これらの守護霊の手伝いをする「補助霊」がいます。


6 グループ・ソウルの法則
私たちは決して一人ではない、誰もが霊的世界というたましいの故郷に「たましいの家族=グループ・ソウル」がある。これが「グループ・ソウル」の法則。コップの水をグループ・ソウルに例えれば、私たちのたましいは一滴の水。現世でさまざまな経験を積んだたましいは、霊的世界に戻るとコップの中のグループ・ソウルと混じり合います。それぞれの学びがグループ・ソウルの叡智になるのです。 


7 運命の法則
運命とは自らが切り拓くもの。これが「運命の法則」です。運命と宿命は違います。生まれた時代や国、家族などは宿命。運命は自分自身の発する言葉や行動で切り拓いていくものです。ケーキにたとえるならば、宿命がスポンジで運命がクリーム。スポンジの特性に合わせて、どんなふうにクリームをデコレーションするのかはあなた次第。つまり、自分の努力で人生を輝かせることができるのです。


8 幸福の法則
これまでに挙げた七つの法則は相互に作用しながら働いている。すべての法則を実践すれば、「本当の幸せ」を得ることができる。これが「幸福の法則」。「本当の幸せ」とはたましいを向上させる。霊的視点での「幸せ」。人類が幸せにならないのは、差別、争い、奪い合いなど、物質主義的価値観があるから。私たちの幸せはたましいの幸せだと知り、利他愛で人類の幸せのために実践することなのです。 』


<感想>
 1)守護霊の意義を知り、2)たましいの家族を思い、3)自分自身で運命を切り開き、4)利他愛でたましいを向上させる。その結果として「本当の幸せ」を得られたら、どんなに喜ばしいことであろう。

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たましいには八つの法則あり?


【 スピリチュアリズム「八つの法則」(前半) 】


 以下は「幸せになる100か条」(江原啓之著、徳間書店)より。(その6)  


『 スピリチュアリズム「八つの法則」

 「八つの法則」とは、国際スピリチュアリスト連合が定めた七大綱領をもとに、より理解しやすくまとめたものです。 


1 スピリットの法則
人はみな霊的存在であることを理解し、生きること。これが「スピリットの法則」です。私たちはそれぞれが課題を持ってこの世に生まれ、たましいを成長させるという学びを得て、霊的世界へ帰ります。そして死を迎えても、霊的世界でたましいとして永遠に生き続けるのです。この法則を理解することで、「死への恐怖」「死別の悲しみ」「人生を不幸ととらえる」という三つの苦しみから救われます。  


2 ステージ(階層)の法則
霊的存在である私たちは、死後、現世で培ったたましいの成長のレベルに応じた場所へと向かう。これが「ステージ(階層)の法則」です。霊的世界は、波長の高さによって無数の階層に分かれており、亡くなったときの自らの心境に合った階層に移行します。死後に問われるのは、たましいがどれだけ輝いているかの一点のみ。それを常に意識して生きることが大切なのです。 


3 波長の法則
類は友を呼ぶ。これが「波長の法則」。人が心に抱く思いは、理念という霊的なエネルギーを生み出します。この理念による波長の同じ人同士が、お互いを引き寄せあうのです。長所・短所と同様、人の波長には高い部分も低い部分もあり、よき出会いは波長の高い部分、悪しき出会いは波長の低い部分が引き寄せます。「人間関係が上手くいかない」と思うときは自らの波長を省みることです。 


4 因果の法則
自らまいた種は、自らが刈り取らなければならない。これが「因果の法則」です。因果とは読んで字のごとく、原因と結果のこと。今の状況は、すべて自分のあり方(原因)による結果です。ただし、ネガティブな思いや行動によって、ネガティブな結果がもたらされるだけではありません。よき行いにはよき結果が返ってくることも「因果」。すべての行いは自己責任であると気づくことができるのです。 』



<感想>
 人はたましいを成長させ、死後、現世で培ったたましいの成長のレベルに応じた場所へと向かう、と言う。「人間関係が上手くいかない」と思うときは自らの波長を省みて、また、すべての行いは自己責任であることを肝に銘じて、今日も生きて行きたい。  

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IPOとは違う主幹事構成も必然?


【 日本郵政(6178)の公募売出 】


 以下は、2017/9/12付日経電子版記事(http://mw.nikkei.com/sp/#!/article/DGXLASFL12HI4_S7A910C1000000)からの一部抜粋。


『 日本郵政株、反発 売却策は影響緩和に苦心、機関投資家から需要

 12日の東京市場で日本郵政株が反発した。財務省が11日の取引終了後、政府の保有株の追加売却を発表した。市場に流通する株式の増加は株価を押し下げかねないが、売却策には日本郵政による自社株買いも盛り込むなど影響緩和に苦心の跡がうかがえる。株価指数に連動して運用する機関投資家から一定の買いが見込めるのも株価を支えている。

 財務省による発表では、今回の売り出し規模は報道どおり最大1兆4000億円(10億6000万株)だったが、このうち1000億円は日本郵政が自社株買いに応じる。市場での売却は1兆3000億円(9億9000万株)となるが、このうち1000億円は投資家の需要に応じて調整することも盛り込んだ。市場では「需給の緩みを最大限和らげる措置」(国内証券のアナリスト)との評価があり、12日の株価を支える一因となった。』


[ 2015/11:IPO時点 ]
国内主幹事(ジョイント・ブックランナー。合計シェア:90.8%)
 野村・三菱MS:25%
 大和・みずほ・日興:9.8%
 GS・JPモルガン:5.8%
国内売出合計:396百万株(1)

グローバルオファリング
ジョイント・グローバル・コーディネーター(JGC):野村、三菱MS、GS、JPモルガン
海外合計:99百万株(2)

総売出株数:495百万株(1+2)
売出価格:1,400円
条件決定日:2015/10/26
総額:6,930億円(3)

[ 2015/12:自己株式取得(ToSTNeT-3) ]
取得株数:283,306千株
取得価格:1,907円
取得日:2015/12/26
取得総額:約5,403億円(4)

売出+自己株式取得:約1兆2,333億円(5=3+4)


[ 今回のPO ]
国内主幹事:野村、三菱MS、大和、みずほ
国内売出計:731,150,100株(6)
OA:60,929,200株(7)

グローバルオファリング
JGC:野村、大和、GS
海外売出計:182,787,500株(8)
追加売出:15,232,300株(9)

総売出株数:990,099,100株(10=6+7+8+9)
*9/12終値:1,373円
*ベース総額:約1兆3,594億円(11)

[ 今回の自己株式取得(ToSTNeT-3) ]
取得株数:72,833,200千株
取得価格:1,373円
取得日:2017/9/13
取得総額:約1,000億円(12)

売出+自己株式取得:約1兆4,594億円(*ベース)(13=11+12。13>5)

(https://www.japanpost.jp/pressrelease/jpn/20170911_01.pdf)



[ 支配株主との重要な取引等に係る遵守事項 ]

有価証券上場規程(
http://jpx-gr.info/rule/tosho_regu_201305070007001.html
(支配株主との重要な取引等に係る遵守事項)
第441条の2
 支配株主を有する上場会社は、次の各号に掲げる場合※には、当該各号に規定する事項の決定が当該上場会社の少数株主にとって不利益なものでないことに関し、当該支配株主との間に利害関係を有しない者による意見の入手を行うものとする。

※第402条第1号
 e 会社法第156条第1項(同法第163条及び第165条第3項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定若しくはこれらに相当する外国の法令の規定又は優先出資法第15条の規定による自己株式の取得


<感想>
 2015年のIPOと今回のPOの主幹事・JGCの構成に変化が見られた。その背景には何らかの理由があったものと思われるが、これも必然だったのであろうか。

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石破さんの「Nuclear Sharing」?


【 Nuclear Sharing 再考 】


 以下は、石破茂さんのブログ(http://app.m-cocolog.jp/t/typecast/620049/523121/88051964)からの一部抜粋。

『 ニュークリア・シェアリング 2017/09/08 18:56:36 

 石破 茂 です。
 先月29日の北朝鮮によるミサイル発射に続き、さる3日は6回目となる水爆と思われる核実験と続いたため、3日の水月会研修会における講演では核抑止政策の在り方についてお話したのですが、予想外の反響となり、今週はいくつかのテレビに出演し、新聞各紙でも取り上げられることとなりました。

 このテーマについて言及したのは今回が初めてではなく、欧州のニュークリア・シェアリングをはじめとする核戦略については随分と以前から公の場でも論じてきたのですが、その時は全くと言ってよいほどに反応はありませんでした。本来このようなテーマは、平時に冷静な環境の下で論じられるべきなのですが、いつもながら、危機が顕在化してからでなければ議論が具体化しないのは誠に残念なことです。


 「米・露・英・仏・中は特権を有し、インドやパキスタンにも核保有が許されているのに、何故北朝鮮には許されないのか」という問いに正面から答えるのは意外と難しいのではないでしょうか。
 自国の体制を守るために核を保有することは認められないというのは、答えになっているようでなってはいない。「人権を無視し、特異な独裁体制を持つ国の核保有は認められない」という他はないように思われますが、これも「では人権を尊重する民主主義国なら核保有は許されるのか」という問題にすぐ逢着してしまいます。


 弾道ミサイルが速度が遅く、姿勢制御も多弾頭化も困難で比較的脆弱な状態にある、ブースト段階(発射直後)での迎撃能力を追求することは一つの解となりうるものであり、急務でしょう。

 「脅威」とは能力と意図の掛け算の積なのであって、意図はともかく、能力を持ち、意思決定が迅速に可能な国は、北朝鮮に限らず我が国周辺に存在しています。意思を軽減するのが外交であり、その重要性は極めて高いものですが、それだけで安全保障は十分なのではありません。

 かつて日本の首相がソ連の中距離核ミサイルSS20を知らず、世界を驚かせたのは40年近くも前のことですが、「持たず、作らず、持ち込ませず」の非核三原則に加えて「議論もせず」の四原則を、周辺情勢が激変した今もいまだに堅持することで平和が保たれると信じておられる方の多いことに改めて驚愕しています。いつまでもこんな思考不徹底の言論空間を続けている余裕など今の我が国にはないはずです。』


<感想>
 石破さんの消費税増税論(
http://www.asahi.com/sp/articles/ASK955GV5K95UTFK010.html)は賛成しかねるが、対北朝鮮の脅威(脅威=能力×意図)への備えが全く足りないとの考えには全面的に賛同する。本当の抑止力とは何か。国連安保理の制裁も中露との妥協の産物で殆ど意味がない。今こそ、非核三原則(の見直しや撤廃)を含めた、国民的議論(⇒世論の盛り上がり)が必要である。

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法廷って真実を明らかにする場所ではない?


【 三度目の殺人 】


 一昨日、是枝裕和監督の『三度目の殺人』を見た。

 以下は、是枝監督へのインタビュー記事(
http://crofune.com/4512/)からの一部抜粋。

『 実はね、今回映画を作るにあたり取材した弁護士さん達が「弁護士には、真実は分からないって。法廷というのは真実を明らかにする場所ではないと」明快に皆さん仰るんですよ。


 福山さんは、「真相が分からないと演じられないのではないかと」途中で仰ったんですよ。「僕(重盛)は分からない役なので分からないで良いんですけれども、『今日は寒いですね』っていう台詞の意味が本当に人を殺している人間とそうでない人間で全く違うんじゃ無いかと。演技として考えた時に。」

 役所さんは、少なくとも重盛に対しては「僕が言うことは、僕が全ての事を本当だと思って言っているように見えた方がいいと思うから、僕はその都度その都度本当の事を言っているように演じている。」と仰っていました。そこだけ決められて演じていると。

 すずは何も聞いてこなかったんです。すずに話したのは、「あなたの母親は被害者意識だけで自分を支えていて、そこにアイデンティティがあるし、守りたいものが明快にあって、守りたいものの為なら平気で嘘をつく人だっていう。で、あなたは逆に加害者意識がアイデンティティの中にあり、守りたいものがあっても、本当の事を優先する。そこが母親と娘の違い。そこから後は任せたと」という話をしたんです。


 映画の面白さって多分、観た後で世界が変わって見えるという事。


 この映画の中では、色んな登場人物が見て見ぬフリをするのね。で、それは裁かれない。色んな人が色んな場所で、もしかしたら見たいものしか観ていない。でも、その事は裁かれない。で、その辺りを引き寄せて考えた時に、事件から溢れてくるものがあるんじゃないかなという気がしています。』


 一方、以下は2017/9/8付日本経済新聞夕刊(
https://style.nikkei.com/article/DGXKZO20874040X00C17A9BE0P01/)からの一部抜粋。

『 『三度目の殺人』 心の奥深さ透かし見せる

 黒澤明の『羅生門』以来、真実の相対性というテーマを掲げる裁判ものの映画は少なくない。しかし、本作は、あくまで重盛という一人の人間の視点から殺人事件を見つめる。普通の人間には真実は簡単には見えない。にもかかわらず、裁判は神の視点に立って事件を裁こうとする。法廷を戦術の駆け引きの場と考えるニヒリストの重盛が、次第に裁判という制度そのものの矛盾に目覚めていく過程が説得力豊かに示される。
 推理小説のような明らかな謎解きは行われないが、それがまったくごまかしではなく、欲求不満を感じさせない。三隅と咲江だけが知る真実を示唆して、人間の心の奥深さを透かし見せる。役者たちの健闘、静謐(せいひつ)で力のこもった美術と映像の共同作業も素晴らしい。2時間4分。★★★★★(映画評論家 中条省平)』  


 また、「王様のブランチ」で、撮影の合間に、福山雅治が(セリフを完璧を覚えてきている)役所広司に、「ヤクショ」の呼び方(ヤクショ↓(ヤを強調) or ヤクショ↑(ショを強調))を尋ねた処、命名者の仲代達也は前者で呼んでいた(ので前者であろう)との回答であった。LiLicoも(私も)そうだったが、大半の人は後者だと思っていたのでは。


<感想>
 戦術を優先する(福山演じる)重盛が、裁判を通じて、それまでの姿勢とは真逆の心理を重んじるようになって行く。司法における真実の意味を考えさせられる秀作であった。

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人生のカリキュラムもまた必然?


【 人生のカリキュラムを愛する 】

 以下は「幸せになる100か条」(江原啓之著、徳間書店)より。(その5)


『 90 人生のカリキュラムを愛する

 先天的なものであるにせよ、後天的なものであるにせよ、病を患うというのはつらいものです。それと同様に、人生の不遇もつらいものです。

 どんな苦難を抱えている人にも共通して言えるのは、その苦難があるから不幸ではないということ。病気を抱えていても、苦難の意味を理解すれば、幸せを感じることはできます。

 病にしても苦難にしても、人生のカリキュラム。スピリチュアリズムの最大の福音と言えるのは、すべての意味を知ることです。

 苦労と言うものは、意味がわからないから苦しむのです。病にも自分自身の成長の意味があります。人生での苦難も同じ。人生には無駄なことも失敗もありません。

 病になって初めて、自分自身でそのことに気づく人もたくさんいます。家族のことが見えた、感謝することができた、自分を取り戻すことができた──など。人生の苦難とは、必ず正と負が背中合わせ。マイナスなことだけではないのです。

 もしもこの世の中に病がなかったら、優しさというものはなくなります。病である人も尊い社会貢献をしているのです。』


<感想>
 人生の苦難も、偶然ではなく、必然であろう。「病があるから優しさもある。正と負が背中合わせ、マイナスなことではない。人生には無駄なことなどない。」そんなことを思いながら今日一日をまた生きて行こうと思う。

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今こそ「Nuclear Sharing」?


【 Nuclear Sharing 】

 2017/9/7の「ザ・ボイスそこまで言うか!」(http://www.1242.com/program/voice/ )で、高橋洋一さんが「Nuclear Sharing」の話をしていた。

 以下は、高橋さんのツイッター(
http://twilog.org/YoichiTakahashi)より。

『ザボイス。今日は Nuclear Sharing の話をした。北朝鮮の核への対抗策。核保有よりスマートで現実的。NATOでドイツ、イタリアという日本に似た国でもやっている。非核三原則の見直しの後に出る話として議論はしておくべき。左派は非核三原則の見直しだけで思考停止になるかな笑』


 以下は、高橋さんの添付記事(
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52782?page=4)からの一部抜粋。

『 もっとも、いきなり日本が核保有国になるというと、国際社会の力学のなかで政治的に潰される可能性もあるので、核保有といわずに、「非核三原則の見直し」というのであれば理が通るし、国際社会の批判も受けにくい。実際、「核を持ち込まず」という原則が崩れていることはほぼ明白なので、見直しの好機だと言い出してもいいはずだ。

 日本が核保有となれば、韓国でも核保有の議論が始まる。そうなれば中国が黙っていないだろう。アメリカも反対するはずだ。結局、国際社会は、その「核保有論の拡散」を防ぐためにも、北朝鮮を押さえようとするだろう。朝鮮半島の非核化こそが、東アジアの安定になる、ということだ。

 こうした話は、実際に行うかどうかというより、国際政治的なメッセージとして、発することが重要だ。国際政治では、手を変え品を変え、言葉の戦いを繰り返している。その意味で、日本としてできるだけのことを、必要に応じて発信しなければいけない。

 目先のことを考えると、秋の臨時国会において補正予算で防衛費を大幅増にするというのも、北朝鮮(および国際社会)へのいいメッセージだ。実際にすぐ防衛力が高まるかというより、今の憲法の範囲内で備えをする、ということだ。』


 一方、以下は、日経電子版記事(
http://mw.nikkei.com/sp/#!/article/DGXMZO20720680U7A900C1000000/)からの一部抜粋。

『 ■迎撃ミサイル強化は思考停止

 MDによる迎撃も厳しくなった。北朝鮮が5月14日に実施した中距離弾道ミサイル「火星12号」は高度2000キロメートル超まで上昇したため、海上自衛隊の艦載MDシステム「SM3」では届かず、マッハ15以上の速度で燃え尽きずに着弾したことで航空自衛隊の「PAC3」では迎撃がほぼ不可能になったことがわかった。8月29日に日本列島を越えて火星12号を発射した際、米軍は迎撃に踏み切ってもよかったが、しなかった。米メディアの中には「失敗する可能性を恐れて迎撃できないのだ」との見方がある。

 防衛省はSM3と同様のシステムを陸上に配備する「イージス・アショア」の導入を概算要求に入れたが、同システムは固定式ゆえに有事には真っ先に攻撃を受け、つぶされてしまうだろう。空母と航空機の時代になったのに、巨費を投じて戦艦をつくり続けた旧日本軍と同じく、思考停止と惰性が安保のプロたちを覆っている。』


<感想>
 導入を検討している、固定式の「イージス・アショア」は、真っ先に攻撃を受けてしまうので、意味がない可能性が高いという。今の北朝鮮への効果ある抑止力として、国際政治的なメッセージ発信にも合致する、「Nuclear Sharing」を検討する他ないように思われてきた。

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この世に偶然は存在しない?


【 偶然はないと心得る 】


 以下は「幸せになる100か条」(江原啓之著、徳間書店)より。(その4)


『 88 偶然はないと心得る

 トラブルに遭遇するたびに「どうして自分が?」と首を傾ける人がいます。「どうして自分がこんな目に遭わなくてはいけないのか」と訴える人もいますが、私はそうした人を見るにつけ、「ずいぶんと恍(とぼ)けた人だな」と思うのです。なぜなら、すべてはその人の放つ波長によって引き寄せるものなのですから。「私は絶対によい種まきしかしていません」と胸を張って言える人がいるでしょうか?

 昔の人はトラブルに遭ったとき、自戒の念を込めて「前世で悪いことをしているから」などと言ったものです。

 この世に偶然はありません。上手くいかないことには必ず理由があります。だからこそ、常によい種まきを心がけようとしなければならないのです。あらゆる事象を偶然だと軽くとらえることは、たましいの向上の妨げ、一方、あらゆる出来事には意味があると、とらえることができれば、何事も受け入れる心の準備が備わります。

 すべては必然、そこから何を学ぶべきなのだろうと考え、改善すべき点は改善し、心に刻むべきことをしっかりと刻みつけて歩み続けることが大切なのです。

 苦難は苦難にあらず、たましいを向上させるために自らが選んだ感動なのだと気づいたとき、本当に揺るがない永遠の幸せに出会えます。


<感想>
 この世に偶然はなく、すべては必然だと考える。今からすぐによい種まきに着手して行こうと思う。

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上場会社がまた減少?


【 住友ゴム(5110)によるダンロップスポーツ(7825)の合併 】


 以下は、2017/9/1付日経新聞電子版記事からの一部抜粋。

『 住友ゴム、ダンロップスポーツ合併「タイヤ事業のブランド向上に期待」

 住友ゴム工業と同社が吸収合併するダンロップスポーツは31日、東京都内で記者会見した。スポーツ用品の「ダンロップ」ブランドの使用は日本や韓国などに限られていたが、4月に全世界での商標権を取得。合併で海外事業を拡大する。住友ゴムの池田育嗣社長は「ブランド価値向上でタイヤ事業の発展につなげる」と話した。

 経営の迅速化を狙い2003年に住友ゴムのスポーツ事業を分社化しダンロップスポーツを設立したが、18年1月に住友ゴムに戻す。池田社長は「ブランドを最大限に活用するには、経営資源をスポーツ事業に投資することが必要」と述べた。今年4月に住友ゴムは英社からブランドの商標権を取得。全世界でブランド展開が可能になった。20年度のスポーツ事業の売上高は1200億円と16年度から6割増やす。』


[ 合併に係る割当ての内容 ]
・合併比率 
 住友ゴム(吸収合併存続会社)1
 ダンロップスポーツ(吸収合併消滅会社)0.784
(ダンロップス普通株1株に対して住友ゴの0.784株を割当て交付)
・効力発生日 2018/1/1

(参考)
・ダンロップスポーツのIPO(2006/10 )
・3万株×19万円(※公開価格)×3万株(増資株数)=57億円
(2011/7 株式分割:分1→100⇒分割勘案後※1,900円/株)

・住友ゴム工業の9月7日終値:1,863円×0.784=1,460円<1,900円


<感想>
 パナソニック(6860)によるパナホーム(1924)の完全子会社化(by 現金によるTOB)や本件のような合併(by 株式交換)は、縮小均衡の経済下では益々増えることが想定される。効率的運営に伴うグローバルでの戦い。競合する世界での勝利を祈念している。

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全体時間の20%で達成度は8割?


【 全体時間の20%で達成度は8割 】

 以下は、2017/9/5のNIKKEI STYLE 記事※からの一部抜粋。
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO20658560R00C17A9000000?channel=DF280120166569&style=1

『 投資に必須 少ない時間で多くを学ぶ術(藤野英人)レオス・キャピタルワークス社長兼最高投資責任者

 投資の仕事をしていてよく思うのは、どんな体験も無駄になることはない、ということです。それは社会の全ての要素がマーケットを動かしているから。なるべく視野を広げて社会の仕組みについて理解することは、マーケットを深く知るうえで必須と考えています。


■取り組みは「八ヶ岳戦法」で

 もうひとつ、時間のかけ方で大切な考え方があります。皆さんは「ニッパチ(2:8)の法則」を知っていますか。経済学では「パレートの法則」ともいわれます。「全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出している」という理論です。例えば、「全商品売り上げの8割は、2割の商品で生み出している」「全社売り上げの8割は、2割の従業員で生み出している」が挙げられます。

 逆にいえば、残りの8割は全体の2割にしか貢献していないということです。私はこれをスキルの習得の事例に置き換え、「全体時間の20%で達成度は8割になるけれども、100%に近づくには残り8割の時間がかかる」と解釈しています。

 仮に1000時間あるとしましょう。それを1つの分野に集中して習得すると、かなり良い成果が出ると思います。ただ、私はそういうときはあえて5つのことにチャレンジします。200時間ずつ、5つの分野に取り組むわけです。1つの分野で完璧を期すのではなく、5つの分野で8割の出来を目指すのです。その5つで勝負するというのが私の考え方です。

 私はこれを「八ヶ岳戦法」と名づけました。八ヶ岳はひとつひとつの大きさでは富士山にかなわないかもしれません。でも、連峰をなすことによって全体で美しく、ひとつの個性となっています。

 実業家の堀江貴文さんは最近の本で「多動力」という表現をしていました。「いくつもの異なることを同時にこなす力」だそうで、私の「八ヶ岳戦法」も同じ主張です。


■投資家は複眼的視点が必要

 日本人はどちらかというと「ひとつのことをコツコツ極める」ことが美徳とされてきました。ですが、現代の情報化時代では激しい変化への対応力が問われます。タテのつながりではなく業界を横断して、ヨコのつながりを発想できる人が強くなります。

 ベンチャー企業の経営者にもヨコのつながりを生かし、新たな事業領域を切り開いた人が多くいます。日ごろから異分野にアンテナを張り、多くのことを同時並行でこなす能力があってのことでしょう。

 投資家も世の中の仕組みを複眼的に理解できるかどうかが勝負です。ある現象が一見関係ないと思われる出来事につながっていることもあります。頭の体操をしながらマーケットに向かい合いましょう。』



<感想>
 レオス・キャピタルワークスの藤野社長の「全体時間の20%で達成度は8割」との考え、公私ともに非常に参考になりそうだ。今日からこの考え方を実践してみたいと思う。

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守護霊の存在を意識する?


【 守護霊の存在を意識する 】

 以下は「幸せになる100か条」(江原啓之著、徳間書店)より。 (その3)


『 26 守護霊の存在を意識する

 守護霊はたましいの親です。「守護霊に守ってほしい」と言う人がいますが子どもに対して過干渉なのがよい親と言えるでしょうか。

 肉の親と違い、たましいの親はあなたの向上しか願っていません。私たちは霊界の操り人形ではないのです。

 そして、人生は旅。旅の中で私たちは喜怒哀楽を経験し、無知を知に変えながら成長します。守護霊はその旅を温かく見守るだけの存在です。

 もう一歩守護霊に対する理解を深めれば、自分自身であるとも言えるのです。守護霊は、あなたのたましいの大本である叡智を伴うあなた自身。あなたが自らの成長のために送り込んだ「分け御霊」なのです。そのような存在である守護霊が、たましいの実相を見ないで安易に助けたりするでしょうか。

 見守れながらも、ときに守護霊によって軌道修正させられることはあります。それは、あなたに経験と感動の多い実りある旅をしてほしいからです。

 守護霊はあなた自身である以上、あなたのすべてを知っています。愛ゆえに放任するのです。これは子育てでも人育てでも同じことです。守護霊から私たちは学ばなければいけません。


<感想>
 たましいの親である守護霊に見守られながら人生を実り多い旅にする、また楽しからずや。

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守護霊に可愛がられる生き方?


【 守護霊に可愛がられる生き方 】


 以下は「幸せになる100か条」(江原啓之著、徳間書店)より。 (その2)


『 4 守護霊に可愛がられる生き方をする

 「守護霊に可愛がられたい」。そう思うなら、正々堂々と生きてください。

 自分に起こることはすべて映し鏡。すべては自分の課題だと素直に受け止め、真摯に自分自身の未熟さを反省しましょう。そして「変わります!」と決意し、前向きに歩みを進めること。それが一番可愛がられるのです。

 自分を棚上げして、おまじないや占い、魔法を信じて幸せを望むのは姑息。パワースポットを訪れる際にも、「頑張ります!」と宣言することです。

 過去15年のカウンセリングで私が確信を持って言えるのは、幸せになった人は全員前向きで素直、自分が悪かったことは認めて、決して人のせいにしない。たとえ離婚しようが、仕事で失敗しようが、どんなふうに転んでも前向きに立ち上がった人が幸せになっています。

 それは、人生という旅のカリキュラムをきちんと履修する人、そういう人に奇跡は起こるのです。常に明るく、前向きで、どんなことも受け入れ、旅の主人公となっている人には、転んでもまた道が拓けます。

 守護霊に可愛がられる人は、周囲から可愛がられる人でもあるのです。


<感想>
 確かに、真摯に自分自身の未熟さを反省し、前向きに歩みを進めることができれば、
道は拓けるに違いない。

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W杯出場に監督の戦略あり?


【 祝・W杯出場! 】

 2017/8/31、久々に最初から最後まで、サッカーの試合をテレビで見た。テレビ朝日系で生放送された平均視聴率は24.2%、最高視聴率は35.0%だったという。サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会アジア最終予選B組。日本はオーストラリアに2-0で勝利し、6大会連続の6度目のW杯本大会出場を決めた。

 スターティングメンバーを見た時にはこれで大丈夫かと思ったが、監督の采配は的中した。

 以下は、朝日新聞デジタルの記事(
http://www.asahi.com/articles/ASK8Z4HC2K8ZUTQP016.html)からの一部抜粋。数字は、最終予選での今回のハリルホジッチ監督(9試合終了時点) vs 前回のザッケローニ監督(全8試合)の比較。
   
1.「激しい球際での攻防」
・タックル 23・1回 vs 18・8回

2.「縦への速い攻撃」
・ボール奪取 76・5回 vs 69・3回
・ボール奪取から10秒未満のシュート 3本 vs 1.13本

3.「その時点でベストと思える、プレーするのに値する選手を使う」
・最終予選での先発選手:前回のザッケローニ氏19人(全8試合)に対し、26人(9試合終了時点)


<感想>
 バヒド・ハリルホジッチ監督(65)が就任してから約2年半。監督は、オーストラリア戦を前に、自分が相手監督を出来ると思われるほど敵を研究し尽くしたと言う。20代前半の浅野と井手口のシュート。監督のしたたかな戦略が実を結んだ勝利だったと言えよう。

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幸せになる100か条?


【 幸せになる100か条 】

 2017/7/22の「サワコの朝※」のゲストは、スピリチュアリストの江原啓之さん。4歳で父を、15歳で母を亡くし、その両親の死が人生に大きく影響したという。※http://www.mbs.jp/sawako/sp/backno.shtml

 2曲目に選んだのが、ABBAの「EAGLE」。歌詞がスピリチュアルで生きる勇気が湧くと言う。一番の歌詞は次の通り。

 『 ABBA「EAGLE」

 作詞:ANDERSSON BENNY GORAN BROR(S1)
 作曲:ULVAEUS BJOERN K

 They came flying from far away
 Now I'm under their spell
 I love hearing the stories that they tell
 They've seen places beyond my land
 And they've found new horizons
 They speak strangely but I understand
 And I dream I'm an eagle
 And I dream I can spread my wings

 Flying high, high
 I'm a bird in the sky
 I'm an eagle that rides on the breeze
 High, high
 What a feeling to fly
 Over mountains and forests and seas
 And to go anywhere that I please 』


 一方、以下は「幸せになる100か条」(江原啓之著、徳間書店)より。

『 まえがき

 あなたがこの本を手に取ったとき。それは未来のあなたが、本当の幸せへの扉を開かせた瞬間なのです。私は誰が何を言おうと、幸せになるためには守るべき約束があるということをお伝えします。

 守護霊のいない人など存在しません。なぜなら守護霊は、「たましいの親」と呼べる存在だからです。曇りの日に太陽がいないということはないように、いつも天界からの導きはあります。ただ、幸せになるための約束を伝える導きからあなたが「手を振り払って」しまい、天界の導きに曇りという「間」をつくりだして、太陽の光を遠ざけていたいのです。

 天界はあなたが幸せになるように、いつも「幸せになるための約束」を伝えようとしています。それは、あなたには幸せになる権利があるからです。そのためには幸せになるための約束を守り、実践する義務も果たさなければなりません。

 私は天界に成り代わり、「幸せの約束」を100か条にまとめ、本書にてお伝えます。この100か条を実践すれば、あなたの人生は必ずや幸福となるはずです。

 しかし、大切なことは本当に実践すること。

 「笑うせぇるすまん」という漫画がありますが、主人公の喪黒福蔵がアニメの中で明言を語っています。「うぬぼれ鏡というように、鏡は決して真実を映しません。なぜなら人は自分の好きな角度でしか鏡を見ようとしないからです」と。

 決して自分自身の都合のようことだけの実践ではいけません。耳障りのよいことだけではなく、耳に痛いこともしっかりとあなたの人生の向き合って、実践してください。』


<感想>
 4歳で父を、15歳で母を亡くした、スピリチュアリストの江原啓之さん。「サワコの朝」をきっかけに初めて著書を読んでいるが、明日以降も内容を確認してみたい。

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ANAHDがCB発行?


【 ANAHDのCB 】


 2017/9/1の日経新聞朝刊に、以下内容の記事が掲載されていた。

『 ANAHD、CB発行1400億円調達 機体購入や自社株買いに

 ANAホールディングスは31日、ユーロ円建ての新株予約権付社債(転換社債=CB)を発行し、1400億円を調達すると発表した。調達資金は今後購入する航空機の支払いのほか、700億円を上限とする自社株買いに充てる。同CBは株式交付に上限を設けているのが特徴。低コストで資金を調達しながら、希薄化を懸念する既存株主にも配慮した。』



[ 発行概要(交付株数上限付CB)]

(出所:http://v4.eir-parts.net/DocumentTemp/20170901_115351291_yb3z50550t1klp45l1kcyb55_0.pdf

 発行金額:総額1,400億円(700億円×2本)
 年限:5年/7年

 クーポン:0%
 転換価額:518円(8/31終値@407.8円対比のアップ率27.02%)/ 510円(同25.06%)

 CB転換に伴う交付株数の上限(注):67,568千株/ 68,627千株(700億円÷(転換価額×2))
 資金使途:航空機購入資金700億円+自己株式取得700億円

 9/1の自己株式取得結果: 取得株式数 32,726千株(8/31終値@407.8円)


[ 交付株数上限付CBとは ]

 上記(注)の通り、予めCB転換時の交付株数に上限を付した枠組で、本件では以下の算式とされている。
交付上限株数:(額面金額の総額)÷(最終日転換価額×200%)


<感想>
 本件は、昨年スズキが発行したCB※と同種の仕組み。※http://www.suzuki.co.jp/ir/news/pdf/20160307news02.pdf

 CB転換時には、取得した自己株式を充当するため、希薄化することなく、ゼロクーポンで700億円調達したと言えるが、ローンチ日翌日のToSTNeT-3では(投資家(ヘッジファンド等)が充分な借株を手当て出来ずに)目標の19%程度しか取得できなかった。(http://v4.eir-parts.net/DocumentTemp/20170901_013909584_qfnndc45ipoxs3551mmir545_0.pdf

 ゼロ金利下でのCB発行の意義を疑問視する見方はあるものの、翌営業日の株価も下落することなく
(2017/9/1終値419.7円(前日比+11.9円))、まぁ許容範囲のあり得る手法と考えらよう。

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今こそ自衛隊の存在を憲法に明記すべき?


【 自衛隊の存在 】


 2017/8/30の「※ザ・ボイスそこまで言うか!」で潮匡人さんが以下内容の発言をされていた。※http://www.1242.com/program/voice/

[ 潮匡人さんの発言概要 ]
 日本国憲法の所謂前文(第一条の前の部分)は平和主義と言われており、それを具現化したのが九条になったとの通説がある。この前文上の「平和を愛する諸国民」の「諸国民」とは国際法上の定説では「国連加盟国」を指す。北朝鮮は国連加盟国である。現状において、北朝鮮の「公正と信義に信頼」することができる訳がない。(せめて自衛隊の現状を憲法に明記することを議論して行きたい。)


[ 日本国憲法 ](昭和二十一年十一月三日憲法)
(所謂前文からの一部抜粋)
 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。


 一方、「私の履歴書」最終回(2017/8/31付日経新聞朝刊)で、高村副総裁が次のように言っている。

『 衆院議員になった37年前、ある新聞に9条について聞かれ、「1項の平和主義を堅持しつつ、自衛隊の存在を明記すべし。機は熟さず」と答えた。

 法理論でいえば、2項を削除する方がよい。しかし、政治家が求めるべきは、理論的にベストの案ではなく、実現可能なベターな案である。

 正しいことを100年間、ただ主張し続けるのと、数年後に自衛隊が違憲といわれる余地がなくなるのと、どちらがよいか。まずは自衛隊を憲法に明記する。そこから始めてはどうだろうか。

 1項と2項を維持するというのは、自衛隊の合憲性についての神学論争にのみピリオドを打つということだ。その他の神学論争は現状のまま残す。』


<感想>
 私も憲法に自衛隊の存在を明記することに賛成だ。北朝鮮の脅威に晒される今日、国民一人ひとりがその方向でまとまるよう、マスコミにも期待したい。

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