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演習は台湾侵攻の予行演習?


【 中国の台湾演習:侵攻の予行 】

 


 2024/5/30、日経電子版に、『中国の台湾包囲演習「侵攻の予行」 米太平洋軍司令官』の記事が掲載された。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN295990Z20C24A5000000/

 

 以下は、一部抜粋。

 


米インド太平洋軍のサミュエル・パパロ司令官が29日、都内で日本経済新聞のインタビューに答えた。中国が23〜24日に実施した台湾を包囲する形での軍事演習は「(侵攻に向けた)リハーサルのようだった」と語り、日本を含む同盟国と抑止力強化の取り組みを急ぐと強調した。

 


中国が台湾への軍事侵攻に踏み切る可能性は「重要なのは彼ら自身の評価だ」としつつ「今日、明日、来月、来年の準備をしている」と警戒感をあらわにした。「もしそのようなことがあっても、同盟国が勝つと確信している」と断言した。

 

米国は同盟国、同志国とともに抑止力を高める「統合抑止」を進めている。日米同盟は「地球上で最も重要な同盟」と言及した。日米の部隊連携の水準は「戦術的な行動能力において、ほとんど区別がつかない」と評価した。

 

「完全な意思統一を達成することが急務だ。今後数年間は指揮統制のアップグレードでさらに良いものにするのが私の仕事だ」と抱負を語った。

自衛隊は陸海空の一元指揮を担う「統合作戦司令部」を2024年度末に発足すると決めた。米軍との調整窓口になり、日米での意思決定のスピードを高める狙いがある。

 

 

日米でサイバー防衛の能力を高めていくと強調した。「中国が全世界でサイバーシステムに侵入する悪質な行為を目の当たりにしてきた」と語り「人的インテリジェンスやシステムを全て結集することで我々は強くなる」と訴えた。

 

 

インド太平洋軍の将校を欧州・中東に派遣し、弾道ミサイルや無人航空機を迎撃した現場の分析をしていると明らかにした。台湾有事への備えに生かす。

中国がフィリピンに威圧行為を繰り返す南シナ海を巡っては「同盟国であるフィリピンを支援する用意がある」と唱えた。オランダやイタリア、ドイツが艦船派遣などを実施すると明かし、同盟国との連携強化で抑止力を高める方針を示した。

 

中国と偶発的な衝突を回避するための対話は進める。中国の東部戦区や南部戦区の司令官と数週間以内にオンラインで協議すると表明した。

インド太平洋地域では北朝鮮も軍事偵察衛星を積んだロケットの発射を27日に試みるなど、日米の安全保障への脅威が増す。

 

「この5年間で得た教訓は、私たちがますます混沌とした無秩序な世界に生きているということだ」と触れた。「我々は北朝鮮への警戒を怠らない」と力説した。

 


<感想>
23〜24日に実施した台湾を包囲する形での中国の軍事演習を「(侵攻に向けた)リハーサルのようだった」と語った米太平洋司令官。自衛隊の統合作成司令部による陸海空の一元管理を含め、早期の同盟国との「統合抑止」力の更なる強化が求められる。

 

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金融庁が政策保有株の適正開示を調査?

 

【 金融庁の役割 】

 


 2024/5/28、日経電子版に、「金融庁、政策保有株の適正開示調査へ 全上場企業を対象」の記事が掲載された。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO80979570Y4A520C2MM8000/

 

 以下は、一部抜粋。

 


金融庁は全上場企業を対象に、取引先との関係維持などを理由に保有する「政策保有株」を適切に開示しているか調査を始める。保有目的を純投資に切り替えたにもかかわらず、実態は変わっていない事例などがあるためだ。一部企業の行動によって、資本効率の向上を目指す日本市場全体に疑念が生じかねないと判断した。


 はて、金融庁の役割は、金融機関の検査で、企業の調査はやり過ぎではないのか?

 

 以下、確認してみた。

 


< 金融庁の概要 >
https://www.fsa.go.jp/common/about/fsainfo.html

 

金融とは、身体をめぐる血液のようなものであり、資金が適切に供給されていくことで、経済や国民の生活の向上が図られます。金融庁は、金融を取り巻く環境が急激に変化する中にあっても、(1)金融システムの安定/金融仲介機能の発揮、(2)利用者保護/利用者利便、(3)市場の公正性・透明性/市場の活力のそれぞれを両立させることを通じて、企業・経済の持続的成長と安定的な資産形成等による国民の厚生の増大を目指すことを目標とし、金融行政に取り組んでいます。

 


< コーポレートガバナンス・コード >
~会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のために~  2021年6月11日 東京証券取引所

 

【原則1-4.政策保有株式】
上場会社が政策保有株式として上場株式を保有する場合には、政策保有株式の縮減に関する方針・考え方など、政策保有に関する方針を開示すべきである。また、毎年、取締役会で、個別の政策保有株式について、保有目的が適切か、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか等を具体的に精査し、保有の適否を検証するとともに、そうした検証の内容について開示すべきである。

上場会社は、政策保有株式に係る議決権の行使について、適切な対応を確保するための具体的な基準を策定・開示し、その基準に沿った対応を行うべきである。

 

補充原則
1-4① 上場会社は、自社の株式を政策保有株式として保有している会社(政策保有株主)からその株式の売却等の意向が示された場合には、取引の縮減を示唆することなどにより、売却等を妨げるべきではない。

 

1-4② 上場会社は、政策保有株主との間で、取引の経済合理性を十分に検証しないまま取引を継続するなど、会社や株主共同の利益を害するような取引を行うべきではない。

 


< 質問 >
コーポレートガバナンス・コードの原則1-4「政策保有株式」について、コーポレートガバナンス・コードではその定義が示されておりませんが、どのような株式が該当しますか。
https://faq.jpx.co.jp/disclo/tse/web/knowledge6931.html

 

回答
「政策保有株式」には、一般的には、上場会社が純投資以外の目的で保有している上場株式のほか、企業内容等の開示に関する内閣府令における「みなし保有株式」などの、上場会社が直接保有していないが、上場会社の実質的な政策保有株式となっているものも含まれます。また、上場会社同士が互いの株式を相互に持ち合う、いわゆる株式の持合いのケースに限定されず、一方の上場会社が他方の上場会社の株式を一方的に保有するのみのケースも含まれます。

 


< 記述情報の開示の好事例集2023 >
金融庁 2024年3月8日(更新)

有価証券報告書のコーポレート・ガバナンスの状況等 8.「株式の保有状況」の開示例
https://www.fsa.go.jp/news/r5/singi/20240308/12.pdf

 

投資家・アナリスト・有識者が期待する主な開示のポイント

 

・政策保有株式の削減実績は、簿価ベースだけでなく、時価ベースでも開示することが有用

 

・政策保有株式の合理的な保有理由の一つとして、経営上の重要な契約等と関連付けた説明をすることが挙げられる

 

・政策保有株主から政策保有株式の売却等の意思表示が示された際に、売却を妨げることはない旨を記載することは、ステークホルダーにとって有用

 

・政策保有目的の株式を純投資目的に区分変更する場合には、区分変更をした理由や区分変更後の議決権行使基準、売却までの想定期間等を開示することが有用

 


< 全体のまとめ >
1.「政策保有株」について、保有目的等を適切に開示していないと、市場の公正性・透明性が担保されない

 

2.市場の公正性・透明性/市場の活力のそれぞれを両立させることは、企業・経済の持続的成長と安定的な資産形成等による国民の厚生の増大に繋がる

→ 金融庁の役割として、国民の厚生の増大のために、「政策保有株」について適切に開示されているかを調査/確認する必要がある

 


<感想>
これまで、金融庁の役割を極小的に考え過ぎていたようで、守備範囲が極めて広範なことを改めて認識させられた。

 

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二地域居住の支援を通じた定住化の促進?

 

【 「二地域居住」の支援を通じた「定住化」促進 】


 2024/5/15、日経電子版に『地方と都市の「2地域居住」を後押し 改正法が成立』の記事が掲載された。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA14DSH0U4A510C2000000/

 

 以下は、一部抜粋。

 


都市と地方の双方に生活拠点を持つ「2地域居住」の促進策を盛り込んだ広域的地域活性化基盤整備法の改正案が15日の参院本会議で、与党などの賛成多数で可決・成立した。市町村が2地域居住の促進に関する計画を作成し認定を受ければ、建築基準法などの特例措置として住居地域でもオフィスや作業場を整備しやすくする。

 


 ここでは、「二地域居住」の支援を通じた「定住化促進」について、住まいの国分寺市で検討してみた。

 


< 仮説 >
「二地域居住」=市民のニーズあり
市民宛て、「二地域居住」支援を通じて「定住化」を促進
⇒ 自然減解消 ⇒ 出生率の向上

 


1.国分寺市の人口推移(出所:住民基本台帳)
https://www.city.kokubunji.tokyo.jp/shoukai/jinkou/1007315.html

 

 1975年 30,396世帯  82,969人(平均2.7人/世帯)
 2000年 47,132世帯 105,381人(同2.2人/世帯)
 2024年5月 64,557世帯 129,342人(同2.0人/世帯)
 2050年 112,236人(想定:単身世帯が増加)

 


2.地方方自治体「持続可能性」分析レポート
https://www.hit-north.or.jp/cms/wp-content/uploads/2024/04/01_report-1.pdf

2050年 人口 112,236人へ:D-1
→ 自然減対策(出生率の向上)が必要

 


3.人口ビジョンの対象期間:2060年(令和42年) 
https://www.city.kokubunji.tokyo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/031/670/jinkouvision3.pdf

 

(1) 市の人口は増加傾向で推移し、令和22年の132,061人でピーク。その後、減少傾向となり、推計最終年の令和42年には126,554人まで減少

 

(2) 現状と課題:市の人口増加の多くは20歳代を中心とする若年世代の転入増により支えられているが,市民アンケート調査の結果を見ると,若い世代ほど定住意向が低く,人口移動の実績においても,20歳代後半の転出者数が多い傾向にある。

 

 将来的な少子高齢化及び人口減少の進行を見据え,デジタル技術を活用した業務の効率化などによる更なる行財政改革の推進や,公共施設・インフラ施設等の計画的な整備など,持続可能な市政運営を続けていく必要がある

 


4.総合ビジョンと国分寺市まち・ひと・しごと創生総合戦略の関係性の整理
https://www.city.kokubunji.tokyo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/030/715/com01_05_vision2_houkou.pdf

 

 国が令和4年12月に「第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略」を抜本的に改訂し,「*デジタル田園都市国家構想総合戦略」を策定するとともに,東京都も,令和5年1月に「東京都総合戦略」と一体の計画として「「未来の東京」戦略 version up 2023」を策定したことから,引き続き国や東京都の動向を踏まえながら,本市の実情に即した新たな『総合戦略』の在り方について検討

 

*https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_denen/pdf/20231226honbun.pdf

 


<感想>
「二地域居住」の支援を通じた「定住化」の促進により、自然減解消&出生率向上に繋がれば良いように思われる。

 

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消滅可能性自治体からの脱却?

 

【 消滅可能性自治体からの脱却 】

 


 2024/4/24、人口戦略会議から『令和6年・地方自治体「持続可能性」分析レポート―新たな地域別将来推計人口から分かる自治体の実情と課題―』が発表された。
https://www.hit-north.or.jp/cms/wp-content/uploads/2024/04/01_report-1.pdf

 


1.出身地・大月市の2050年の人口
・13,248人(P22)、消滅可能性自治体C-2
(1) 自然減対策(出生率の向上)が必要
(2) 社会減対策(人口流出の是正)が極めて必要

 


2.大月市の人口推移(10月1日現在。出所:https://www.city.otsuki.yamanashi.jp/shisei/tokei/otsukisijinkou.html)


1965年(昭和40年) 7,947世帯 40,436人
(平均5.1人/世帯)
2007年(平成19年) 10,887世帯 30,348人
( 同 2.9人/世帯)
2023年(令和 5年) 10,207世帯 21,835人
( 同 2.1人/世帯)

 

⇒ 想定:
1)直系の家族世帯から核家族世帯へ変化
2)子供世代が市外に移住

 


3.大月市:第8次総合計画(2024(令和6)年度~2035(令和17)年)(出所:https://www.city.otsuki.yamanashi.jp/shisei/shisaku_keikaku/files/8th_sougoukeikaku_all.pdf)

 

(1) 人口指標:設定数値
2027年20,000人、2031年18,750人、2035年17,500人と設定

 

(2) 基本理念:信頼と協働のまちづくり

 

(3) 将来像:ひとと自然をいかし、希望のもてる未来をみんなで実現していくまち 大月

 

(4) 新たな総合計画の特徴
特徴1:重点的に取り組む事項の設定
 1)安心してこどもを産み、子育てに喜びを実感できるまち
 2)持続可能な産業が育つまち
 3)心地よいコミュニティが育まれるまち
特徴2:成果指標の設定
特徴3:SDGsに関する取り組

 

 

(5) 二地域居住に関する記述
1)集落・農地保全地区(P11)

 空き家を二地域居住や工房付住宅等として活用するなど、自然環境との共生を志向する新たな居住者を受け入れ、新たなコミュニティの形成を支援します

 

2)関係人口の創出(P86)
 現況と課題

 本市においては、これまでも移住・定住施策に取り組んできましたが、移住ということに高いハードルがあると考えられるため、二地域居住なども含めた関係人口の創出が求められます

 

デジタル市民*登録数目標値:2027年度300人

 

*デジタルツールを使って市民社会に参加する人のことをデジタル市民といいます。そのための能力がデジタル・シティズンシップです。例えば、デジタル社会の倫理規範やしくみ、デジタルツールの使い方、批判的思考力を含むメディアリテラシーや課題解決のための市民社会への参加の仕方などがここに含まれます(出所:https://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-202304_02.pdf)

 

 

(5) 当初予算規模(一般会計)(単位:百万円)

1)令和 6年度 12,413(1)民生費3,496、2)総務費1,800、3)衛生費1,699、4)教育費1,278)

 

2)グリーンワーケーション推進事業:1,532千円
 首都圏から本市への移住や二地域居住の促進を図るため、テレワーク及び余暇の充実を図る施策を展開していく

 


4.政策面でのサポート

< 前提 >
1)「一地域居住」の概念 ⇒ 二地域居住」を当たり前のスタンダードな概念にする
2)二地域居住の想定エリア:大月市内から2時間以内で通うことができる東京エリア

 


< 政策面でのサポート >
(出所:https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2024pdf/20240412098.pdf)

 

1)コワーキングスペース等の整備への支援
・地域の実情に応じ市町村が中心となり二地域居住等の促進のための計画を作成し、計画に基づき都市計画法や建築基準法等の各種法令手続きの円滑化や、シェアハウス・コワーキングスペースなどの整備等について財政的支援を行うことにより、取組を促進支援

 

2)官民連携による事業パッケージの促進支援
・二地域居住等の促進に関する活動を行う民間事業者やNPO法人等の指定制度を創設し、官民連携により、「住まい(住環境)」、「なりわい(仕事)の確保・新しい働き方」、「コミュニティ(地域づくりへの参加)」に係る事業をパッケージで促進支援

 

3)協議会設置による地域連携の促進支援
・市町村、都道府県、民間事業者(不動産会社、地域交通事業者、商工会など)、農協、NPO法人等からなる協議会を設置し、情報の連携や提供、「住まい(住環境)」、「なりわい(仕事)の確保・新しい働き方」、「コミュニティ(地域づくりへの参加)」のマッチングなどの地域連携を促進支援

 

4)その他
1)教育:区域外就学制・・・デュアルスクール(例:2つの学校に在籍可能に。月~木は東京 & 金・土は大月市内)

2)仕事:リモートワーク等に対する実践者支援・・・往復の交通費(高速道路費用/JR交通費等支援)

3)住民登録/納税/選挙権:ふるさと住民制(例:二居住地に1/2ずつ)・・・住民税の代替:「ふるさと納税」●円以上納付

 


<感想>
「二地域居住」の促進を通じた、自然減対策(出生率の向上)と社会減対策(人口流出の是正)により、消滅可能性自治体からの脱却を目指してみたい。

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着飾る恋から早3年?

 

【 9ボーダー:金子ありさ脚本 】

 


 現在放映中のTBS金曜ドラマ「9ボーダー」。以下は、添付サイトからの一部抜粋。
https://www.tbs.co.jp/9border_tbs/about/

 


■プロデュース・新井順子×脚本・金子ありさ×主演・川口春奈の『着飾る』チームが再タッグ!
本作のプロデューサーは、『下剋上球児』『石子と羽男―そんなコトで訴えます?―』『最愛』など数々の話題作を仕掛けてきた新井順子。

 

脚本を務めるのは、『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と』『恋はつづくよどこまでも』などを手掛けた金子ありさ。

 

新井と金子は『中学聖日記』や『私 結婚できないんじゃなくて、しないんです』でもタッグを組んでいるが、川口主演の火曜ドラマ『着飾る恋には理由があって』もそのひとつ。2021年の同作以来3年ぶりに3人が集結する。

 

そして、監督は小説家兼映画監督で、映画「ずっと独身でいるつもり?」「君が世界のはじまり」をはじめ、近年はテレビドラマの演出も手掛けるふくだももこがメインで担当する。

 


ご参考1)新井順子Pが『9ボーダー』の現場を語る 「『高校生か!』とツッコミを入れたくなるぐらい」
https://realsound.jp/movie/2024/04/post-1638072.html

 


ご参考2)『9ボーダー』齋藤潤&高橋克実の登場で大庭家が団結 ラスト10秒は“転落”の前兆?
https://realsound.jp/movie/2024/05/post-1671659.html

 


<感想>
金子ありさ脚本の「9ボーダー」。「着飾る恋には理由があって」から3年、月日の経つのが早いことを改めて感じる。

 

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2作ともマイノリティがテーマ?

 

【 VRおじさんの初恋:脚本家森野マッシュ 】

 


 先日、NHKの夜ドラ「VRおじさんの初恋」の放映が終了した。(その2)


 以下は、添付Webサイト『競泳で挫折し聴覚過敏で退職、残された脚本の道ではダメ出し…向田邦子の“写経”で生まれた「VRおじさん」』からの一部抜粋。
https://www.yomiuri.co.jp/culture/tv/20240430-OYT1T50136/

 


 大賞を受賞し、暴力とも子の同名コミックが原作の「VRおじさんの初恋」(NHK総合=月~木曜午後10時45分)につながった。

「お仕事で脚本を書く初めてのような作品。かなり迷惑をかけた。すごくたくさん勉強させてもらった」。

 主人公は、しょぼくれた独身中年・直樹(野間口徹)。恋人もいないし、職場ではやる気もなく、自分にも期待していない。唯一の生きがいはVR(仮想現実)ゲーム。その中で制服姿の女子高生(倉沢杏菜)の彼は、美少女ホナミ(井桁弘恵)と出会う。息を詰めて生きてきた彼は、初めて胸の高鳴りを感じるのだが……。現実と仮想の世界が交錯し、物語は広がっていく。


 自身の経験に基づいた「ケケケ」と今回の原作は全く違うが、「直樹を居場所がない人、(自分を)分かってもらえないと思っている人、分かってもらう努力をしようと思えない人と捉えた時、共通点がないわけではない」。

 制作陣には直樹と同世代もいる。その感覚も頼りに、原作者は何を書きたかったのかを考え、脚本をふくらませた。VRの世界への理解を深め、直樹という人を好きになってくれるよう、ゆっくりしたテンポにした。

 「生っぽさというか、一人の人物が立ち上がるように、その人の生活を書いた」。完成したドラマを見て、「想像していたよりずっと哀愁より愛らしさが勝っていた。愛せるキャラクターに(制作陣が)作ってくれた」。トーンが暗くなりそうな内容だが、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」などを手がけた演出の吉田照幸らが、ポップなエンタメ作品に仕立ててくれた。望んでいた「共同作業」の成果だ。

 期せずして2作ともマイノリティーがテーマに据えられている。昨今のドラマは多様性に重きを置く作品が多く、その延長線に位置付けられそうだが、

「(多様性のテーマは)書きやすい時代になったからこそ、都合よく利用しないように気をつけたい。自分も正直、賞を取るために打算的に書いたところはある」

と明かす。次作については、「マジョリティーの中にいる人だって競争社会で苦労しているので、むしろそこでの葛藤に興味があります。そこに居続けるためにマイノリティーのことが理解できずについ毒が出てしまうダークな人もいるでしょう。そういう人たちの失敗をコメディーにしてみたい」。


 また、SNSが発達した現代は「自分って最悪だな」と自覚しやすい時代でもあると指摘する。「大事なのは、その自分を受け入れた上でどうするか。『嫌なヤツでも楽しく生きていいんじゃない』という作品も書いてみたい」。構想は際限なく広がっている。

 


ご参考)夜ドラ「VRおじさんの初恋」新たな出演者が決定しました!
https://www.nhk.jp/g/blog/0lm51r_br599/

 


<感想>
「VRおじさんの初恋」の脚本は、「ケの日のケケケ」の森野マッシュ。次は、森野の言う、マジョリティの中のコメディーや嫌なヤツの楽しい脚本作品を観てみたい。

 

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様々な人の想いを乗せて映像化?


【 VRおじさんの初恋:原作者の考え 】

 


 先日、NHKの夜ドラ「VRおじさんの初恋」の放映が終了した。(その1)

 

 以下は、『夜ドラ「VRおじさんの初恋」キービジュアル完成と放送日・原作者コメントのお知らせ』からの一部抜粋。
https://www.nhk.jp/g/blog/3shxv8i-6dz/

 


【原作】 暴力とも子
<暴力とも子さんのコメント>

この作品は、社会をうまく乗り切れなかった人の、とても小さな初恋の物語です。


向こう岸に現れた人がなんだかこちらに手を振るので見つめていたら、凪(なぎ)の人生に少しだけ波が立つ。


そんな小さな事でなければ、それを掬い(すくい)取らなければ表現できない。そう信じて作ったのが直樹というキャラクターでした。

 

今回の映像化は、その原作に多くの作り手の想いが重なったものになります。


関わってくださった方々の分だけ、作品の上に載っている熱量が増しています。


そして、その熱量が「VRおじさんの初恋」という物語世界に少しだけ変化を与えました。

 

まるで私の中にいた「直樹」という人格が、野間口徹さんというアバターを着て新たな生き方を探っているようで少しくすぐったいような。その可能性を信じてあげたい親心に似た気持ちで脚本を監修させていただきました。

 

映像化というプロセスを通じて、原作と同じテーマから少しだけ背伸びをした、ドラマ版『VRおじさんの初恋』のラストを、皆さんと一緒に見届けていければと思います。

 


ご参考1)『VRおじさんの初恋』ドラマ版と原作の違いについて 暴力とも子
https://note.com/violencetomoko/n/n1779ede1bf9b

らせんの中心とその外側の関係
作品全体に載っているキャラの熱量が増して、さらに脚本の森野マッシュさん、吉田照幸さん、スタッフさんそれぞれがこの作品に託したい思いがある。そして野間口徹さんはじめ、キャストの方々が演技を通じて視聴者さんに向けて放った思いがある。
ドラマ版『VRおじさんの初恋』は原作を中心軸に添えつつ、様々な人の想いを乗せてらせん状に拡張された作品だと私は考えています。原作が原作にしかない意思を持っているように、ドラマ版にはドラマ版にしかない意思をもった作品になっている。

 

そしてその一番外側に、このドラマ版を見て何かを感じてくださった視聴者さんがいます。

 

私はそのことをかなり肯定的に捉えています!

 


ご参考2)2024/1/10 夜ドラ「VRおじさんの初恋」制作開始のお知らせ
https://www.nhk.jp/g/blog/2j5vx_r2j/

 


<感想>
ドラマ版「VRおじさんの初恋」。「原作中心軸に添えつつ、様々な人の想いを乗せてらせん状に拡張された作品だ」と考える原作者。ふと、セクシー田中さんの原作者もこのように肯定的に考えることができたらと思った・・・

 

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二地域居住促進を通じた地方再生?


【 二地域居住の促進 】

 


 2024/4/12、参議院常任委員会調査室・特別調査室から「二地域居住等の促進に向けた広域的地域活性化法の改正」について、公開されていた。
https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2024pdf/20240412098.pdf


 以下は一部抜粋(概要)。(その1)

 


1.法律案提出の背景

 

(1)移住・二地域居住等の近年の動向

 

1)テレワークや特定の企業に属さないフリーランスの拡大

2)副業を許容する企業が増加する

→働き方に関し変化が生じている


3)個人の価値観・人生観も変化:ライフスタイル(生活様式・営み方)が多様化

→これらにより生ずる時間的制約の低減や時間の使い方の多様化は、地域へ関心や興味を持つことの素地を形成することにもつながっている

 


政府:これまでも、地方創生等の取組において、地方への移住や二地域居住(後述)などを推進してきた

 

近年のライフスタイルの変化や新型コロナウイルス感染拡大による「新たな生活様式」の推進に伴い、テレワーク等が普及・拡大

1)地方移住・就労への関心が生まれ、その結果、一時的に東京圏からの転出超過が起こり、地方移住が増加

2)東京の企業に勤めたまま地方に移住しテレワークを行う「転職なき移住」など、個々人の価値観に応じた暮らし方・働き方の選択可能性が高まり、住む場所に縛られない新たな暮らし方・働き方が浸透

 


東京圏の転入超過数:現在は再び増加傾向に転じているが・・・

 

地方への移住希望者(含む若者世代)の数:増加

→東京圏在住の20歳代の約半数が地方移住への関心を示している

多様な価値・魅力を持ち、持続可能な地域の形成を目指すためには、地域づくりの担い手となる人材の確保を図る必要がある

→国全体で人口が減少する中、全ての地域で定住人口を増やすことはできない

→都市住民が農山漁村などの地域にも同時に生活拠点を有する「二地域居住」などの多様なライフスタイルの視点を持ち、地域への人の誘致・移動を図ることも一層重要となっている

 


二地域居住:必ずしも確立された定義があるわけではない

→国土交通省:近年、二地域居住を「主な生活拠点とは別の特定の地域に生活拠点(ホテル等も含む。)を設ける暮らし方」と捉え、三拠点以上の居住形態となるものも含め「二地域居住等」という用語を用いている(「二地域居住等」…多拠点居住・お試し居住・長期滞在等)

 


二地域居住:地方での豊かな自然・田舎暮らし、仕事・生活・教育環境、趣味、自己実現、地域コミュニティへの参加や社会参画・協働など、多様なライフスタイル等を実現する手段

→ウェルビーイング(Well-being(幸福度))の向上等につながる、いわば人生を2倍楽しむ豊かな暮らし方として実践され、関心が高まっている

 


国土交通省の「二地域居住に関するアンケート」(令4.9実施)の調査結果:

1)18歳以上人口(約1億495万人)のうち、約6.7%(約701万人)が二地域居住等を行っていると推計

2)二地域居住者の世帯年収:中間層がボリュームゾーン

3)二地域居住等を行っていない者を対象に質問したところ、約3割が二地域居住等に関心を持っている

 


< 二地域居住等の社会的意義 >
地方への人の流れを生む

→地域の担い手の確保や消費等の需要創出

→新たなビジネスや後継者の確保、雇用創出、関係人口の創出・拡大等につながる

→東京一極集中の是正や地方創生に資する

 


二地域居住等の促進:より良い地域づくりを進めるための「手段」

→全国各地で人口減少等により様々な課題が生じている中、その地域課題の解決の糸口とし有効

→人口減少により、担い手の確保が難しい中、出身地や趣味、職業等が多彩で、多様な個人的な経験や特技を有する二地域居住者が地域活動に参加する

 

1)人手不足を補う
2)地域に新たな価値が生まれるといった質的な向上も生まれる可能性あり

 


二地域居住先:災害等リスク回避の手段として、避難場所にも活用できる

 


第三次計画:
1)災害時には二地域居住先等が円滑な避難先となる

2)関わりを持つ地域が被災したときには支援を行う等、災害時の支え合いの基盤となり得る

 


これまでの二地域居住等:どちらかと言えば都市での生活を主とし、農山漁村等の地方を副とするものと観念されてきた

 

1)テレワーク等を前提として地方に就労を含む生活の主な拠点を移し、都市との関わりも副次的に残すという新たな二地域居住等が可能となっている

 

2)「アドレスホッパー」、「ノマド」と呼ばれる多数の地域を転々と移動して暮らす新たな形態も現れている

 

→二地域居住等の一層の進展、拡大が期待されている

 

3)二地域居住等を後押しする事業やサービス(定額制住居サービス、定額制オフィス・シェアオフィス、定額制移動費サービス、サテライトオフィス等)が生まれるなど

 

→二地域居住を取り巻く環境も変わり始めている

 


<感想>
地方への人の流れを生んで、1)地域の担い手の確保や消費等の需要を創出し、2)新たなビジネスや後継者の確保、雇用創出、関係人口の創出・拡大等につながり、3)東京一極集中の是正や地方創生に資する「二地域居住」を推進してみたい。

 

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強圧的買収に対する法制度が未整備?


【 経産省のM&A指針:強圧的手段への法整備 】

 


 2024/5/20、日経電子版に、「強圧的手段に法整備を 弁護士 石綿学氏」が掲載された。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD3047W0Q4A430C2000000/

 

 以下は記事の抜粋+1〜4の追記。

 


いしわた・がく 東大法卒、シカゴ大学ロースクール卒。M&Aやコーポレートガバナンスなどが専門。経産省の「企業買収における行動指針」策定に委員として関与

 


1.経営者が選択肢の一つと捉えるM&A

同意なき買収の提案が増え、M&A(合併・買収)が活性化しているのはいい傾向だ。経営者が選択肢の一つと捉えるようになり、潜在的な案件も増えている。良い経営資源を有効活用できていない企業の再編などが持続的に進めば、日本経済にプラスだ。

 

ただ、経営上の選択肢としてものすごく魅力的かというと、必ずしもそうではない。買い手は強気の買収価格でステークホルダーを説得する必要があり、投資コストがかさむ。買収後の減損や人材流出などが生じる恐れもある。

 

事業シナジー(相乗効果)など企業価値向上の相当な施策がないと成功につながりにくい。プライベートエクイティ(未公開株)ファンドで同意なき買収をしないところもあるのは、投資リスクが高いからだ。友好的、合理的な価格で買収できるならそれに越したことはない。

 


2.同意なき買収

ブームに乗って行われる同意なき買収の中には、最終的に成功と評価されないものも相応にあるはずで、「やはり友好的な買収の方がいいよね」と冷静になる時代がくると思う。米国では難易度の高さが既に認識されている。

 

同意なき買収そのものの経済効果というよりは、同意なき買収提案の対象になり得るという危機感が経営者の間で共有され、企業価値向上の意識が強まることの方が大事だ。変革に向けて果敢に挑戦する風土が生まれるといい。これまで一応幸せな企業社会が実現できてしまい、危機意識は乏しかったと思う。

 


3.強圧的買収への手当て

15日には、公開買い付け規制を18年ぶりに本格的に見直すことなどを盛り込んだ改正金融商品取引法が成立したが、(不当に低い価格での買収に応じるよう強いるなどの)強圧的買収への手当てはされていないなど、日本のM&A法制はいまだ発展途上の段階にある。引き続き改善の努力が必要だ。

 

裁判所が対抗措置(買収防衛策)の有事発動を認めるのは、通常、買収に強圧性があるケースだ。防衛策は問題だと議論するだけでなく、強圧的買収に対する適切な法制度があれば、防衛策の必要性も小さくなる。

 

金融審議会のワーキング・グループでは強圧的買収の対策として具体的な案がいくつか議論されたが、最終的に採用されなかった。日本では強圧的買収に対する法制度上の手当てがされていないため、防衛策が必要な状況が残る。

 


4.グローバルベースでの日本の対応

各国が日々刻々と変わる経済活動や実務ニーズを踏まえて制度間競争をするなか、日本も遅れないようにしなければならない。これだけ資本市場がグローバル化しているのに、海外にはある制度が日本にない場合もある。

 

例えばシンガポールなどは、世界的に魅力的な法制度のインフラをスピード感をもって世界の企業に提供するよう努めているようにみえる。日本もスピード感を持って取り組まないと世界から取り残されてしまう。

 

ルールメーキングの過程で様々なしがらみがあり、結果として適切な法整備が行われないこともある。立法過程での透明性向上や説明責任も重要だ。

 


<感想>
石綿弁護士の指摘の通り、グローバルベースで遅れることのないよう、日本国内の適切な法整備が望まれる。

 

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企業経営のギャップに気づくべき?


【 経産省のM&A指針:企業経営のギャップ 】

 


 2024/5/20、日経電子版に「企業価値の向上競え ニュートン・インベストメント・パートナーズ社長兼最高経営責任者(CEO) 大塚博行氏」が掲載された。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD3047W0Q4A430C2000000/

 

 以下は記事の抜粋+1・2の追記。

 


おおつか・ひろゆき 92年住友銀行(現三井住友銀行)入行。米カーライル日本法人副代表を経て2023年にエンゲージメントファンドのニュートンを立ち上げる

 


1.企業の経営陣がギャップに気づくべき

経産省指針の効果で同意なき買収は増えるかもしれないが、それは結果論に過ぎない。指針を検討した委員の一人として私が主張してきたのは、企業の経営陣がギャップに気づくべきだということだ。

 

自分たちが経営するより高い買収額を提示できる者がなぜ現れたのか、経営陣はそこを常に考えなければいけない。そのギャップの存在を気づかせる意味で、指針の果たす役割は大きい。日本企業はこれまでこうした形でチャレンジされることがなかった。経営者に気づきがなく、危機感も足りなかった。

 

企業の価値を示す時価総額は、足元の利益と、利益がどう伸びるかという将来の期待感からくる倍率、つまりPER(株価収益率)やEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)倍率の掛け合わせだ。成長期待が大きければ倍率は高く、利益が同じ100億円の会社でも将来期待値の差で時価総額は大きく変わる。

 

この倍率が不十分なままだと、もっとうまく経営できると考える買収者とギャップが生じる。同意なき買収提案が来て、そのギャップが白日の下にさらされる。自分たちは頑張れている、という手前味噌の経営では通じない。

 

この倍率は、現経営陣がビジネスの本源的価値の潜在力を発揮できるかどうか、にかかっている。経営陣はビジネスモデルのアップグレードを語り、それを有言実行しなければいけない。

 

買収に反対する経営陣は、そのギャップをどのようにどのくらいの期間で埋めるかを既存株主に説明し、実行しなければいけない。それができないのであれば買収されるしかない。感情的な反対は許されない。そもそも高い将来期待感を実現できていれば、買収提案など来ない。

 

物言う株主(アクティビスト)も無意味な資本のため込みはダメだと気づかせる効能はあるが、増配などで短期的にバランスシート(貸借対照表)のキャッシュを吸い上げようとする。将来投資に必要なリソースも奪う。同意なき買収者はそうではない。ビジネスモデルや期待値という本源的価値をどれだけ増やせるかで挑んでくる。経営者は本質的な問いに答えを見つけないと、対抗できない。

 


2.買収側の信頼性

同意なき買収に予告TOBが多い点は課題だ。買収価格を宣言しながらも最終的にTOBを実施しない場合、株価操縦につながりかねない。提案された企業にとっても、経営のノイズにしかならない。海外で予告TOBはリアルな提案とみなされないケースもある。法的拘束力のある提案を出し、覚悟を持って実際にTOBをかけるべきだ。

 

買収を仕掛ける側にも信頼性が求められる。よりよい経営ができる、言い換えればバリュエーション(価値評価)がつけられると主張するなら、自分たちのバリュエーションも高くないといけない。

 

つまり誰でもできることではない。あなたたちならできるよね、という蓋然性がないと市場から信用されない。そうでないのに高いお金を払って同意なき買収をするのは、暴走経営者とみられかねない。

 


ご参考)2023/8/31 経産省「企業買収における行動指針
https://www.meti.go.jp/press/2023/08/20230831003/20230831003.html

 


<感想>
上記は経産省のM&A指針の検討委員のインタビュー記事。特に、「企業の経営陣がギャップに気づくべき」「買収側の信頼性」については、双方の本質を突いており、肝に銘じるべき内容だと思う。

 

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経産省のM&A指針が与えた影響?

 

【 経産省のM&A指針の影響 】

 


 2024/5/20、日経電子版に『「同意なき買収」どう生かす コロワイド社長などに聞く』が掲載された。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD3047W0Q4A430C2000000/

 

 以下は一部抜粋。(その1)

 


実現すべきM&Aに弾み コロワイド社長 野尻公平氏

 

87年に岡三証券入社、93年コロワイドに転じ、2012年から現職。M&Aを駆使し、コロワイドの事業規模を拡大させてきた

 


経産省の指針には絶大な威力がある。長らく「敵対的買収」と表現されてきたものが「同意なき買収」と呼び名が変わり、「対象会社の取締役会の賛同を得ずに行う買収」と明確に定義されたからだ。

 


指針が株主利益、企業価値の最大化を掲げたおかげで、曖昧な理由での反対、曖昧な目的による買収提案はできなくなった。2020年に大戸屋ホールディングス(HD)を(同意なきまま)買収した際は企業価値向上に向けた真摯な議論を試みたが、先方の経営陣が「経営の独自性」だけ主張し、困惑した。

 

独自性とはなんですか、と質問しても、それ以上の答えが返ってこない。結局、保身だったのではないか。今なら大戸屋HDの経営陣も指針に沿って動かざるを得ず、感情論ではなく合理的な議論ができたかもしれない。

 

我々は経営陣と敵対しただけで、大戸屋HDという会社と敵対したわけではない。実際、買収後に経営陣を刷新しても退職者はほとんど出なかった。どこまでが影響かわからないが、買収でやめた社員は知る限り5人だけだ。

 

買収後は月次決算すら組んでいなかった大戸屋HDの情報と課題の見える化を進め、改革に取り組んだ。2024年3月期は売上高、経常利益とも過去最高を更新し、株価も買収時を大きく上回る。大戸屋HDの企業価値も株主価値も確実に上がった。

 

指針の効果で、今後は同意なき買収提案は増えるだろう。経営陣との対立を懸念し断念されていたM&Aが表に出てくる。そのこと自体は日本の経済活性化にとっていいことだ。同意なき買収案件に資金を出さなかった金融機関の姿勢も変わったと感じる。

 

とはいえ、正しい手順は踏まなければいけない。まず提案書を相手に渡し、話し合いを複数回試みる。それでも折り合わずTOB(株式公開買い付け)に至ることは仕方ないが、同意なきTOBを突如仕掛けることはあり得ない。

 

同意なき買収を持ちかけられた側も、抵抗するすべがある。MBO(経営陣が参加する買収)やホワイトナイト探し、買収防衛策もある。ただし、あくまで株主が認めてくれれば、だ。

 

買収者ににらまれたら終わりではない。上場企業の場合、株主に決定権がある。我々取締役はあくまで仕事を委託されているだけで、納得できないなら上場しないことだ。

 


ご参考)2023/8/31 経産省「企業買収における行動指針」
https://www.meti.go.jp/press/2023/08/20230831003/20230831003.html

 


<感想>
コロワイド社長の言うように、経産省のM&A指針に基づいて、企業価値最大化の観点から、買収者側・被買収者側の取締役双方とも、より真摯でより合理的な議論ができるようになったように思う。

 

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ローランドDGの裏に任天堂創業家あり?

 

【 ローランドDGをめぐるTOB:タイヨウに軍配 】

 


 2024/5/15、四季報ONLINEに、「ローランドDGをめぐるTOB合戦、ファンドが語る全内幕 タイヨウのヘイウッドCEOに聞く」が、掲載されていた。
https://shikiho.toyokeizai.net/news/0/754403

 

 以下は、掲載記事からの一部抜粋。

 


1.――ブライアンさんはブラザーの対抗TOBがどのように見えていたのでしょうか。

 

ブラザーがローランドDGに何か悪いことをしようとしているとは全然思っていない。ただ、2つの懸念点があった。

 

1つ目は、過去にこの2社は両社にとってプラスとなる取り組みを検討したものの、私の知っている限りでは大成功とはいえない結果に終わったこと。2つ目は、ディスシナジーをどうすれば解決できるかについて具体的な返事がなかったことだ。

 

ブラザーに買収されれば、主要サプライヤーとの関係が変わってしまい、ローランドDGの事業の継続性自体に疑問符がつく。またローランドDGの労働組合の調査によれば、9割に近い従業員がブラザーによる買収に反対の意思を示した。社員が逃げてしまう頭脳流出が起こる危険性もあった。

 


2.――ブラザーからの買収提案を受けてローランドDGはMBOに踏み切ったということでしょうか。防衛のようなMBOに問題はないのでしょうか。

 

2023年9月にローランドDGの取締役会がブラザーからの買収提案を受け取った際、私はこれを真剣に検討するべきだと助言した。確かにそれまでのブラザーとの協業は失敗だったが、ブラザーの提案が真摯な提案である以上、絶対に棚ざらしにしてはいけない。

 

また、取締役会は真摯に株主利益を追求するために、ブラザーからの買収提案だけではなく、ほかの提案も比較検討すべきだと思った。

 

私は早い段階で検討メンバーから外れたが、取締役会はすぐに真摯な検討を始め、ローランドDGとその株主にとって何がベストかを複数の選択肢から議論したと理解している。その結果、われわれのMBO提案が企業価値と株主共同の利益の両方に優れていると取締役会は判断したのだと考えている。

 

ディスシナジーの詳細などかなりの開示が今回なされたことは、日本の資本市場にとってプラスであり、経産省指針の成果だと思う。

 


3.――経産省の指針は日本企業にさらなる影響を与えると思いますか。

 

日本の資本市場がより効率的なものになるきっかけになると思う。そうでないと日本の競争力が失われると心配している。

 

今の日本はアメリカの1980年代の状況に近い。アメリカの市場の歴史を振り返れば、1960年代に多くの合併買収があり、コングロマリットのような巨大企業が出現した。しかし、それらの企業は次第に経営が非効率となった。その状態を変えるため、1980年代に敵対的買収をやり始めた。

 

この時代には「敵対的買収がたくさんあった」というイメージがあるが、実はそうでもない。マーケットが活発化していく中で自発的な合併買収が増えた。日本も最初は敵対的な買収からだろうが、その後のフェーズではいろんな会社が自発的に合併買収を積極化していくのではないか。

 


< YFOが資金面でサポート >

4.――タイヨウも任天堂創業家の資産運用会社であるヤマウチ・ナンバーテン・ファミリー・オフィス(YFO)に買収されました。

 

YFOは過去にはアメリカのビッグテック企業に投資していたが、2019年ごろから日本市場に参加する方法を探していた。「敵対的な提案はせず、日本の企業をサポートしたい」というビジョンがタイヨウと一致していた。タイヨウの手法を学びたいということで買収に至った。

 

ローランドDGの件もYFOがいなかったらやりにくかったと思う。MBOを行うとなると短期で資金を集めないといけないが、YFOと一緒だったので助かった。

 

日本は海外からは入りづらいマーケットですよ。文化や言葉、会議中に居眠りしているおじさんをどう理解すればいいのかとか(笑)。われわれは日本のことを深く理解しているコンビ。今後はYFOと協力した案件が増えるだろう。

 


ご参考1)2022/2/7「任天堂創業家、対話型ファンドの米タイヨウを買収」https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB052CP0V00C22A2000000/

 

ご参考2)2024/5/11『ブラザー「3度目の変身」戦略練り直し ローランドDG買収断念』
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO80594230Q4A510C2TB0000/

 

ご参考3)2024/5/16 ローランドDG「XYZ株式会社による当社株式に対する公開買付けの結果並びに親会社及び主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ」
https://ir.rolanddg.com/ja/ir/news/auto_20240515597279/pdfFile.pdf

 

ご参考4)2023/8/31 経産省「企業買収における行動指針」
https://www.meti.go.jp/press/2023/08/20230831003/20230831003.html

 


<感想>
ローランドDGのTOBは、同意なきブラザー工業のTOBではなく、同意ありの任天堂創業家・資産運用会社YFO傘下のタイヨーのMBOで決着した。記事にもあるように、今後、様々な形態の自発的なM&A案件が増えてゆくものと思われる。

 

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ディスカウントTOBで三方よし?

 

【 ハウス食品:ディスカウントTOB 】

 


 2024/5/16、ハウス食品グループ本社が、「自己株式の取得及び自己株式の公開買付けに関するお知らせ」をリリースした。
https://housefoods-group.com/newsrelease/pdf/240516_osirase.pdf

 

 以下は、時系列での主な概要。

 


【 買付け等の目的 】

 

1.2023年4月上旬〜:第八次中期経営計画(2025年3月期-2027年3月期)(「第八次中期計画」)の具体的な検討を開始

 

株主還元策の基本方針:
・総還元性向 40%以上を目標とし、中間配当・期末配当あわせて46円/株以上を安定して継続配当する

 


2.2024年2月初旬:当社グループが保有するいわゆる政策保有株式の一部売却を原資とした自己株式の取得(総額150億円)を行う方針を決定


→ 総還元性向の目標を達成する

 


3.2024 年2月中旬:当社の主要株主である筆頭株主のハウス興産株式会社(「*ハウス興産」。所有株式数 10,711,116株(11.05%))より、現金化を目的として約60億円に相当する株式(「売却意向株式」)を売却する意向がある旨の連絡を受けた

 

*ハウス興産:当社代表取締役社長・浦上博史氏の配偶者が代表取締役を務め、浦上博史氏が議決権の82.25%及び浦上博史氏の母であり当社の第7位の株主である浦上節子氏が議決権の17.75%を所有する、株式・不動産等の投資運用を事業の内容とする会社

 


4.2024 年2月下旬:当社は、ハウス興産の所有の一部の売却(60億円)を自己株式として取得することについて、以下を勘案して、具体的な検討を開始

(1) 一時的にまとまった数量*の株式が市場に放出された場合の当社普通株式の流動性及び市場価格に影響を与える可能性があること
*売却意向株式数:2024/1/31の終値3,253円で換算すると1,844,451株(1.89%)

 

(2) 財務状況等

 


< 判断1 >
当社が売却意向株式を自己株式として取得する

(1) 当社の1株当たり当期純利益(EPS)及び自己資本利益率(ROE)等の資本効率の向上に寄与

 

(2) 株主の皆様に対する利益還元に繋がるものであり、2024年2月初旬時点で方向性が固まっていた第八次中期計画における自己株式の取得によって株主還元を行う方針とも合致

 

(3) 自己株式の取得に要する資金についてはその全額を自己資金により充当

・2023/12/31年12月31日の手元流動性(現金及び預金)は約671億円(手元流動性比率2.7月)

→自己株式の取得資金として約60億円を充当した後も、当社の手元流動性は611億円程度(手元流動性比率2.4月)と見込まれ、当社の財務状況や配当政策に大きな影響は与えない

 


< 自己株式の具体的な取得方法 >
以下を勘案して、一定のディスカウントを行った価格で買付ける

(1) 株主間の平等性
(2) 取引の透明性
(3) 市場価格
(4) 当社資産の社外流出の抑制に繋がる
(5) ハウス興産以外の株主の皆様にも一定の検討期間を提供した上で市場価格の動向を踏まえて応募する機会を付与することが望ましいこと

 


< 判断2 >
5.2024年3月上旬:公開買付け(「TOB」)の手法が適切である

 

本TOBにおける買付け等の価格の決定:
(1) 当社普通株式が金融商品取引所に上場されていること

 

(2) 上場会社の行う自己株式の取得が市場の需給関係に基づいて形成される株価水準に即した機動的な買付けができること

 

(3) 金融商品取引所を通じた市場買付けによって行われることが多いこと

 

→本TOB価格の基礎:明確性及び客観性を重視し、当社普通株式の市場価格

 


< 判断3 >
当社普通株式の市場価格に一定のディスカウントを行った価格で買付けることが望ましいと判断
→本TOBに応募せず当社普通株式を引き続き所有する株主の利益を尊重する観点から、資産の社外流出を可能な限り抑える

 


< 判断4 >
2024年3月中旬:本TOB価格について検討を進め、以下を考慮して、当社普通株式の市場価格に対するディスカウント率を10%とすることが適切である

 

(1) 本TOBと同様に特定の株主からの取得が予定されたディスカウント価格による自己株式のTOBの事例:2022/1/1〜2024/2/29の東証における自己株式のTOB事例42件中

 

1)基礎となる株価に対するディスカウント率を10%程度(9%から11%)とした事例が31件と最多

 

2)東証におけるTOBの実施にかかる決議の全営業日
(ア)終値
(イ)同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値
(ウ)同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値
のいずれかを基準として算出している事例が36 件と最多
→ 上記ア・イ・ウのうち、最も低い価格を基準とすることが妥当であると判断

 

3)当社普通株式の株価のボラティリティ

 


6.2024/4/30:ハウス興産から、上記内容で本TOBに応募することに合意する旨の回答あり

 


7.2024/5/16:取締役会決議
(1) TOB価格:2024/5/15の東証終値 2,960円に対して10%のディスカウントを行った2,664円
(過去1ヶ月間の単純平均値3,071円に対して 13.25%ディスカウント、過去3ヶ月間の単純平均値3,096円に対して13.95%ディスカウント、過去6ヶ月間の単純平均値3,151 円に対して15.46%ディスカウントした金額)

 

(2) 買付予定数:2,477,420株(2.55%)
1)本事例 42 件のうち、特定の株主が応募を予定する株式数に対して10%程度(9%から11%)上乗せした株式数を買付予定数に設定している事例が25件と最多

 

2)ハウス興産以外の株主の皆様にも応募の機会を提供するという観点

→ハウス興産が応募を合意した株式2,252,200株(売却意向金額60億円÷本TOB価格2,664円×1.1=2,477,420株(2.55%))

 


< 当社連結ベースの手元流動性(現金及び預金)>
約808億円(手元流動性比率3.2月):自己株式の取得資金として約60億円を充当後の手元流動性は748億円程度(手元流動性比率3.0月)

→当社の財務状況や配当政策に大きな影響は与えない

 


< 当社代表取締役社長である浦上博史氏 >
ハウス興産の議決権の 82.25%を所有する株主であり取締役を兼務
→ 本TOBに関して特別な利害関係を有する

 

(1) 当社とハウス興産との事前の協議:ハウス興産の立場からのみ参加

 

(2) 当社の立場からは参加しておらず、本TOBに関する当社取締役会の審議及び決議には参加していない

 


< 取得株式の消却 >
本TOBにより取得する自己株式については、本TOB終了後速やかに、その全部を消却する予定

 


< 自己株式の取得に関する取締役会決議内容 >
株券等の種類:普通株式
総 数:2,477,600株(上限)
取得価額の総額:6,600,326,400円(上限)
買付期間:2024/5/17〜2024/6/13(20営業日)
(発行済株式の総数100,750,620株に対する取得する株式の割合:2.55%)

 


ご参考)ハウス食GがTOB、創業家が株一部売却
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC167SG0W4A510C2000000/

 


<感想>
本件は、売り手を創業家の資産管理会社とするディスカウントTOB。1)会社側は市場価格より低価で自己株式が取得でき、2)創業家側はみなし配当の益金不算入が利用でき、3)投資家側にもメリットがあり、三方に良い手法と言えよう。

 

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ショート動画によるファンの囲い込み?


【 ILLITに見る世界戦略 】

 


 以下は、ILLIT「Magnetic」に関する添付Webサイトからの一部抜粋。(その2)

 


ルセラとNewJeansの記録を塗りかえた、ILLITのデビュー曲「Magnetic」の凄さ
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/50e9e1588799c9281df80db3b0159d5a17a1566d

 


リリースから10日でTikTokに20万本の動画投稿

 

今回の「ILLIT」のタイトル曲であ「Magnetic」は、非常に印象的なダンスがサビの部分に組み込まれています

 

そして、それを強調するかのように、デビュー日の3月25日以降、メンバーによるダンスのショート動画がTikTok、Instagramのリール、YouTubeショートなどに公式から次々にアップされている

 

デビューの翌日からはメンバーと、他のアーティストやグループとのダンスコラボ動画が次々にアップされていますし、2日後に早くも倍速のスピードアップバージョンも公開されているのが象徴的

 

明らかに、たくさんのショート動画を通じて、世界中のILLITのファンやショート動画視聴者に、ダンスへの挑戦を呼びかけている


この取り組みが大きく成功していることは、既にリリースから2週間弱しか経過していないのに、「Magnetic」を使った動画がTikTokにはなんと20万本、Instagramのリールにも10万本も公開されている

TikTokのダンスチャレンジを通じて世界で大ヒットしている楽曲と言えば、日本ではCreepy Nutsの「Bling-Bang-Bang-Born」が有名ですが、その「Bling-Bang-Bang-Born」でも最初の2週間での動画投稿数は4万5千本ほどで、昨年大ヒットしたYOASOBIの「アイドル」も6万本

 

単純比較すると、ILLITの「Magnetic」は、「Bling-Bang-Bang-Born」や「アイドル」の3〜5倍の勢いでユーザーの投稿動画を増やしている


TikTokなどのショート動画におけるダンスチャレンジのブームが、楽曲のヒットに直結することは、新しい学校のリーダーズの「オトナブルー」が3年越しで大ヒットしたように、日本でも広く知られるようになってきている

 

今回のILLITの「Magnetic」は、それを最初から狙って見事に大ヒットにつなげることができた事例

 


HYBEはTikTok活用の独自路線を模索

 

2月に、世界の音楽レーベル最大手であるユニバーサルミュージックグループが、TikTokとの交渉が決裂した結果、TikTokから所属アーティストの楽曲を全て引き上げるという判断をし、HYBEの看板グループであるBTSの楽曲もTikTokから全て消えるというニュースが大きく注目

 

その後、実はHYBEは3月27日にユニバーサルミュージックグループと10年の長期契約を締結した際に、「グローバルアルバム・音源流通を独占的に任せる一方で、今回の流通契約の対象から韓国、中国、日本、TikTok・YouTubeなどのSNSは除外された」と報道

 

この発表と同時期にリリースされた今回のILLITの「Magnetic」の、TikTokも含めたショート動画のダンスチャレンジ展開は、そうしたHYBEのユニバーサルミュージックとの棲み分けを選択した流通戦略の一つの結果とみることができる

 


日本のアーティストとのコラボにも注目

 

日本人にとって嬉しいニュースなのは、そんなHYBEの最新の戦略の元に世界的大ヒットをしているILLITに、日本人メンバーが2人も参加しており、日本を意識した活動をしてくれている点


アベマでオーディション番組が放送されていたこともあり、オーディションの様子やメンバーの背景も日本語で知る手段がたくさんあります

 

彼女たちやHYBEの新しい挑戦に日本のアーティストも刺激を受けて、同様のチャレンジが増えることを期待したい

 


ご参考1)ついに世界1位も獲得。勢いが止まらない「Bling-Bang-Bang-Born」の凄さ
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/7e873d864b0b0c9946b118ad420c9031527325b8

 


ご参考2)「オトナブルー」のトレンド大賞獲得にみる、時間を越えてヒットを生むTikTokの可能性
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/8a17023f701f39ee64817ce37754d963bd0903e2

 


<感想>
TikTok、Instagramのリール、YouTubeショートを活用した、メンバーによるダンスのショート動画を次々にアップして、ファンを囲い込む手法は、マーケティングの観点から参考にしてゆきたい。

 

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ILLITに見る世界戦略?

 

【 ILLITに見る世界戦略 】

 


 先日、Amazon Music(のHot Singles Japanの7曲目)で、たまたま聞いた「Magnetic」が頭から離れず、YouTubeで様々なバージョンを確認してみた。

 

 以下は、添付Webサイトからの一部抜粋。(その1)

 


ルセラとNewJeansの記録を塗りかえた、ILLITのデビュー曲「Magnetic」の凄さ
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/50e9e1588799c9281df80db3b0159d5a17a1566d

 


ILLITは韓国人3人、日本人2人の5人組で、3月25日に「SUPER REAL ME」というミニアルバムをリリースしてデビューしたばかりのガールズグループ

 

そのタイトル曲である「Magnetic」は、リリース初週に韓国のチャートで1位になっただけでなく、日本の様々なチャートにもいきなりトップ10入り

 

さらには、米ビルボードの最新グローバルチャートにもいきなり63位でランクインを果たし、K-POPのガールズグループのデビュー曲として様々な新記録を樹立

 

K-POPのガールズグループと言えば、ILLITの先輩グループにあたるLE SSERAFIMやNewJeansが世界的な活躍を見せていますが、今回ILLITはその偉大な先輩グループの記録も次々に塗り替えている

 

ILLITのデビューまでの軌跡をさかのぼってみると、これまでのHYBEの成功パターンに加えて、今回明確に新しいアプローチが強化されていることが見えてきますので、ご紹介したい

 


基本的なK-POPの成功の方程式は踏襲

 

まず、今回の「ILLIT」においても、当然ながら従来のHYBEやK-POPの他のグループの成功の要素となってきた取り組みはしっかりと実施

 

■オーディション番組からのファン巻き込み
■複数のSNSアカウントでデビュー前から情報発信
■Weverseでより深いファンコミュニティ形成
■HYBEのYouTubeからの楽曲配信

 

そもそも、「ILLIT」は、「R U Next?」という次世代グローバルガールズグループの最終メンバーを決めるオーディション番組の合格者から作られたグループ

 

日本ではアベマで配信されており、番組の冒頭で明確に「LE SSERAFIM」と「NewJeans」に続く次世代のガールズグループを生み出すことが、HYBE代表のパン・シヒョクさんにより宣言

 

昨年9月にオーディションの結果が出て、グループの結成が決まってからすぐにSNSのアカウントを各プラットフォームに同時に作成

 


デビューの半年前から積極的なファンとのコミュニケーションを開始

 

また、HYBEは自ら「Weverse」というアーティストのファンコミュニティプラットフォームを運営しており、「ILLIT」に関しても、SNSアカウント開設と同時にコミュニティもオープン


デビュー前からファンコミュニティの形成に注力されている

 

さらに、HYBEでは基本的にBTSのような既存の多数のファンがいる人気アーティストも、新人グループもHYBEのYouTubeアカウントに楽曲が掲載

そのチャンネル登録者数はなんと7440万人

 

今回の「ILLIT」のデビューが、「LE SSERAFIM」や「NewJeans」の記録も上回る結果になったのには、明らかにもう一つ大きな要素

 

それは「ショート動画とダンスチャレンジ」

 


ご参考1)ILLIT(アイリット)韓国の人気音楽番組で1位を獲得し、喜びの涙!米ビルボードチャートも席巻
https://news.yahoo.co.jp/articles/218af7142805bcb5c9cc87a2e9fb2417186d14b3


ご参考2)【ILLIT(アイリット)】メンバー5名のプロフィール紹介 『R U Next?(アーユーネクスト/アユネク)』から誕生
https://times.abema.tv/articles/-/10093743


ご参考3)[NOTICE] ILLITコミュニティオープンのお知らせ
https://m.weverse.io/illit/notice/15109?hl=ja


ご参考4)宮脇咲良と「ル セラフィム」の鮮烈デビューに学ぶ、世界的ヒットのつくりかた
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/02ef9496a2d729bfe5608b65623e055206cc3d91

 


<感想>
初めからグローバル・ベースでの展開を念頭においたILLITのデビュー。ILLITに見るマーケティング戦略の内、可能と思われる部分については、是非とも真似してみたい。

 

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一定のハイスコアを取ればクリアできるゲーム?

 

【 中野信子:受験はゲーム 】

 

 

 2024/5/11の「NOEVIR Color of Life - 唐橋ユミ - Tokyo FM」(ゲスト:脳科学者・中野信子さん)をradikoで聞いた。
https://www.tfm.co.jp/color/

 

 以下は東大受験に関する部分の概要。

 

1.受験はゲーム(6分過ぎ)
攻略本を活用して、一定程度のハイスコアを取ればクリアできるゲーム

 


2.親のためではなく自分のため(8分過ぎ)
(1) 自分のために(クリアするためのやり方を選んで)効率良く勉強する

(2) 親や教師に見せるために勉強する
 →苦行しても点は上がらない

 

ご参考)「努力できない脳」 でも東大に合格できる?脳科学者・中野信子さんインタビュー
https://note.com/mitanorifusa/n/nbfbcfae9a1d1

 


私の東大受験突破法

 私自身についていえば、明らかに「努力できない人」のタイプです。そんな私も、かつて東大の受験には合格しました。

 

 どういう方法によって合格したかといえば、まずはゲーム感覚で、自分を飽きさせないように受験勉強を進めていたということがひとつ。大学受験って考えようによっては、全国の高校生で競い合うゲームみたいではないですか。

 

 模試などを受けると、全国の総合順位や科目別順位が発表されて、主催側が自分の得意・不得意や足りないものまで分析してくれますよね。参考書などのいわば攻略本のようなものも豊富で、それに沿ってゲームを進めれば着実にステージが上がっていく。

 

 壮大なゲームに延々と取り組んでいるような気分になれれば、最初はしんどいかもしれませんが、やがて受験勉強自体が楽しみになっていきます。私は自分で自分をそういうモードに自然と調整していたのでした。

 

 さらに、自分なりの戦略もかなり練り込みました。努力できないタイプの自分としては、いかに努力しなくて済ませられるかが勝負。その方策を考え抜いたのです。

 

 そのためには基本方針をしっかりと決めました。受験は、合格ラインギリギリの点数で受かったとしてもトップで受かっても、合格は合格であってそこに差はつきません。ということは、最小限の努力で最大限の結果を得るには、合格ギリギリのラインを確実にクリアすることを目指せばいい。

 

 そこで、全体で何点取れば滑りこめるかをまずは徹底してリサーチしました。そのうえで、自分の現時点での学力ですでにとれそうな点数はどれくらいかも計算し、ギャップを正確に算出。足りない点数をどこで補うかを見定めて、その科目・範囲を徹底して補強していきました。

 

 無駄なことはやりません。時間もあまりありませんし、コツコツ努力することができないのだから、集中してなんとか乗り切るよりほかありませんからね。

 


<感想>
ゲーム感覚の合格ギリギリを目指すテクニックが通用するのは、合格者が一定程度の多数の場合のみで、B to Bのビジネスの世界では、基本的にはwinner-takes-allのため、テクニックで勝者になれるほど甘くはない。

 

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二地域居住者の登録制度?

 

【 石川県:二地域居住者の登録制度の検討 】

 


 2024/5/13、産経新聞電子版に、『二地域居住者の登録制度、石川県が検討へ 能登復興へ「第2住民票」で両方の行政サービス』が掲載された。
https://www.sankei.com/article/20240513-ZIWUETPDMNMVHDPA7X7NDV3OSA/

 

 以下は一部抜粋。

 


検討する制度は「石川県特定居住者等登録制度」。県の有識者委員会の委員で、産直アプリ運営会社「雨風太陽」(岩手)の高橋博之代表(49)が県に提案した。高橋さんは二地域居住者など、特定の地域へ継続的に関わる「関係人口」の提唱者として知られる。


第2住民票の仕組みは、石川県内で二地域居住する県内外の人を申請に基づき登録。二地域居住者の実情やニーズを把握し、公共施設の利用やごみ収集、教育や医療サービス、災害時の支援などにつなげる。

 

登録者には、住民票のような「登録証」を交付する一方、ふるさと納税を奨励。納税することで行政サービスに「ただ乗り」しているという後ろめたさを持つ必要もなくなり、地域の一員として生活できる利点があるという。

 

今国会で審議中の法案は、二地域居住者の住まいや働く場など環境整備を進める計画を作成した市町村に対し、国が財政支援する制度の創設などが柱。


高橋さんは「ただ、肝心の二地域居住者をどう把握し、施策の改善につなげるかが抜け落ちている。国の制度に足りない部分を、県が条例を作って埋められるとよいと考えた」と話す。

 

提案は今月6日、高橋さんの会社などが金沢市で開いた復興イベントで公表された。馳浩知事も参加し、提案について「住民登録の所管は市町村であり、県がどう関わるか調整が必要だ」と指摘。「たとえば二地域居住者を県も認定する『認定登録制度』とし、情報を共有することで県が市町を支援する仕組みも考えられる」とアイデアを述べた。

 

一方で、今回の地震により能登地域から金沢などへ広域避難し、福島県民のように、やむを得ず二地域居住している被災者も多い。県は「まずはこうした被災者を支援した上で、今回の提案を考えていきたい」(地域振興課)としている。

 


ご参考1)2024/5/7 中日新聞「復興 関係人口が希望に 地域づくり 金沢で議論」

https://www.chunichi.co.jp/article/894875?rct=k_ishikawa


ご参考2)2024/2/27 自民党「二地域居住を促進 広域的地域活性化法改正案」
https://www.jimin.jp/news/information/207683.html

若者・子育て世帯を中心に二地域居住へのニーズが高まっていること等を踏まえ、
(1)都道府県・市町村の連携
(2)官民の連携
(3)関係者の連携
を強化

→地方への人の流れの創出・拡大へ

 


都道府県:二地域居住に関する事項を含む「広域的地域活性化基盤整備計画」を作成

→市町村:二地域居住の促進に関する計画(特定居住促進計画)の作成が可能

 


市町村長:
1.二地域居住促進に関する活動を行うNPО法人や民間企業(不動産会社等)等を「特定居住支援法人」として指定

2.空き家や仕事、イベント等の情報を支援法人に提供できる

 


関係機関による「特定居住促進協議会」の設置も可能
→ 特定居住促進計画の作成等に関し必要な協議を行う

 


<感想>
将来的に、子供の複数の学校への通学(月〜水:都心部、木〜土:地方)や住民税の二地域宛て納付等を実現して、二地域居住をスタンダード化できれば、地方の過疎化を食い止めることができるかもしれない。

 

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二地域居住の法律上の特例?

 

【 二地域居住の促進:法律案が閣議決定 】

 


 2024/2/9、国土交通省から、『「広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律の一部を改正する法律案」を閣議決定』が、リリースされていた。
https://www.mlit.go.jp/report/press/kokudoseisaku01_hh_000205.html

 以下は、一部抜粋。

 


二地域居住の促進を通じて、地方への人の流れを創出・拡大するための「広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律の一部を改正する法律案」 が、本日、閣議決定されました。

 


I.背景
地方部を中心として、人口減少が著しく進行している地域において、居住者の生活環境が持続不可能となるおそれが高まる中、このような地域の活性化を図るためには、地方への人の流れの創出・拡大が喫緊の課題となっています。

 

一方、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を経て、UIJターンを含む若者・子育て世帯を中心に二地域居住に対するニーズが高まっており、二地域居住は関係人口を創出・拡大し、魅力的な地域づくりに資するものです。

そこで、二地域居住の普及・定着を通じた、地方への人の流れの創出・拡大が必要です。

 


II.法律案の概要

(1)二地域居住(法律上は「特定居住」)促進のための市町村計画制度の創設

 

 都道府県:二地域居住に係る事項を内容に含む広域的地域活性化基盤整備計画を作成
市町村:二地域居住を促進に関する「特定居住促進計画」を作成可能

 

○ 法律上の特例を措置:特定居住促進計画に定められた事業の実施等について

 

 市町村:都道府県に対し、二地域居住に係る事項をその内容に含む広域的地域活性化基盤整備計画の作成について提案が可能

 


(2)二地域居住者に「住まい」・「なりわい」・「コミュニティ」を提供する活動に取り組む法人の指定制度の創設

 

○ 市町村長
1)二地域居住促進に関する活動を行う NPO 法人、民間企業等を「特定居住支援法人」として指定可能

2)空き家等の情報、仕事情報、イベント情報などの関連情報を情報提供(空き家等の不動産情報は本人同意が必要)

 

○ 支援法人:市町村長に対し、特定居住促進計画の作成・変更の提案が可能


(3)二地域居住促進のための協議会制度の創設

 市町村:特定居住促進計画の作成等に関し協議を行うため、当該市町村、都道府県、特定居住支援法人、地域住民等を構成員とする「特定居住促進協議会」を組織可能

 


Uターン:地方から都市部へ移住したものが再び地方の生まれ故郷に戻ること

Iターン:出身地とは別の地方に移住すること

Jターン:地方から都市部へ移住し就職した後、故郷のほど近いところに戻ること

 


<感想>
今年2月に二地域居住促進に関する法律案が閣議決定されていた。今後、法律上の特例等を活かした案を検討してみたい。

 

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あれっ、産学連携による日本の復活?


【 産学官連携による共同研究強化 】

 


 「産学官連携による共同研究強化のためのガイドライン」について、添付Webサイトを確認してみた。
https://www.meti.go.jp/policy/innovation_corp/guideline.html

 


2016年11月:「産学官連携による共同研究強化のためのガイドライン」を策定

 

2020年6月:上記処方箋と産業界向けの処方箋を新たに体系化した「追補版」を取りまとめ

 

2022年3月:上記記載内容を「ガイドライン検索ツール」としてデータベース化、FAQとして整理

 

2023年3月:「産学協創の充実に向けた大学等の「知」の価値の評価・算出のためのハンドブック」を取りまとめ


 一方、以下は、添付「ガイドラインを理解するためのFAQ」からの一部抜粋。
https://www.meti.go.jp/policy/innovation_corp/sangakurenkei/guideline_faq.pdf

 


Q:大学において「ガイドライン追補版」に記載された処方箋に取り組む意義とは何か?(P3)

 

A:企業にとって、大学等における「知」をより広く、より深く活用する必要性が増しているが、イノベーションの創出による新しい価値の創造に貢献していくためには、研究者同士の個人的な連携にとどまるべきではなく、大学等と企業が互いを対等なパートナーとして認識することが重要である。ガイドライン追補版は、これに向けて大学等のボトルネックの解消に向けた処方箋を記載したもの。大学の規模を問わず、産業界から見た大学等の課題を解決し、大学等における更なる改革を期待するものである。

 


Q:共同研究費について「相手先企業と大学で自由に決められる」とはどういうことか?(P5)

 

A:共同研究費は、負担する相手先企業と大学の合意で成立する。そのため、共同研究費における常勤教員の共同研究への関与時間に対する報酬(タイムチャージ)や戦略的産学連携経費等の計上については、各大学で整備した規程やルールに基づき、契約において決定する。

 


<感想>
1)大学と企業が互いを対等なパートナーとして認識して、2)産業界から見た大学等の課題を解決する、産学連携が本格的に機能するようになれば、輝く時代が復活するかもしれない。

 

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サカナクション山口一郎の苦悩?

 

【 サカナクション:山口一郎 】

 


 先日、NHKプラスで、「NHKスペシャル 山口一郎 “うつ”と生きる〜サカナクション 復活への日々〜」を観た。

https://www.nhk.or.jp/music/programs/493711.html

 

 以下は、番組の冒頭16分過ぎ辺りの山口一郎の言葉。

 


「やっぱり変わらなきゃいけないんですよ 自分が
 東京っていう街は 
 適用するか 適用できないかで
 東京という街は 天国にもなるし 地獄にもなる」

 


 あのFM東京の「SCHOOL OF LOCK!」の山口一郎とは思えないほど、番組内容が衝撃的だった。


(SCHOOL OF LOCK!の冒頭のセリフ)
「はい、授業を始めますから席に着いてください。X(Twitter)を開いている生徒はXを一度閉じなさい。Instagramを開いている人はサカナLOCKS!のインスタアカウント(@sakanalocks_official)をフォローしなさい、授業が始まりますよ。」

 

 番組名含めて、確認してみた処、11年半続いた番組は昨年9月末で既に終了していた。
https://www.tfm.co.jp/lock/sakana/

 

 以下は上記Webサイトからの一部抜粋。

 

「変化はしているけど、変わらない部分は変わってないっていう風に思っているんです。その変わらない部分を自分の中でどれくらい担保できるか、そして、変わっていくことにどれくらい勇気を持てるか……そのバランスを常に意識していましたし、このサカナLOCKS!でそれを得ることができました。

 

皆さんもこれから……聴いてくれている10代も含めていろんな年齢の方、いろんな人がいると思いますけど、変わることを怖がらないでほしいなと思います。結局、変わるから。

 

ただ、変わらない部分が自分に必ずあると、どこを変えないかっていうのを自分の中で見定める……それが大人になっていくことなのかなと、僕はなんか……まだ人生半ばですけど、そう、今思っています。これが正しいかどうかは分かんないけど、僕は今そう思っています。

 

なので、皆さんもこれから社会に出たり、学校が変わったりすることがあると思いますけど、変わることを恐れずに。」

 


<感想>
(小樽から東京に出て来た)山口一郎は、変わらない/変えない自分を持ちながら、東京という街に適用するために、変わることを恐れなかった。それが度を超えてしまったことが、”うつ”を発症した原因だったように思われる。

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下方修正後のMBOのタイミング?


【 大正製薬HD:MBO→上場廃止 】

 


 2024/5/7、NIKKEI Financialの金融コンフィデンシャル欄に、添付記事が掲載された。

 以下は一部抜粋。

 


大正製薬MBOが呼ぶ怒り アクティビストの報復は
https://financial.nikkei.com/article/DGXZQOUC290PN0Z20C24A4000000?s=1

 


4月9日、大正製薬ホールディングス(HD)が上場廃止になった。MBO(経営陣が参加する買収)で自ら株式市場から退場する道を選んだからだ。過去最大の総額7000億円超の巨大MBOはPBR(株価純資産倍率)1倍割れの買い取り価格も物議を醸した。なんとか上場廃止に持ち込んだが、株主との延長戦が始まっている。

 


紛糾した臨時総会

黒田潤(取締役、肩書は当時、以下同)議長「(利害関係のある大株主を除いてTOBの成否を判断する)MoM(マジョリティー・オブ・マイノリティー)は(検討はしたものの)最終的に取り下げたということが唯一の事実です。よろしいでしょうか」

 

株主「よろしくないですよ。当初、会社の特別委員会・取締役会が提示した価格より低いプレミアムのままの状況で、MoMを取り下げているのはなぜか、お答えいただいていない」

 


3月18日、大正製薬HDは東京都豊島区の本社で臨時株主総会を開いた。MBOに伴うTOB(株式公開買い付け)は1月に成立済み。スクイーズアウト(株式の強制取得)に向けた株式併合に関する議案などを審議する臨時総会は本来、儀式的なものに過ぎないが、紛糾した。

 


渦巻く疑念と批判
2023年11月24日、大正製薬HDはMBOを発表した。オーナー家の上原茂副社長が代表を務める企業がTOBで大正製薬HDを買収するというものだ。最も大きな批判を浴びたのが1株あたり8620円のTOB価格だ。直近の終値を5割以上、上回るプレミアムがついたが、PBRでみると0.8倍台と1倍割れだった。

 

しかも大正製薬HDの株価は19年以降、下落基調を続けていた。18年末には1万3000円を超えており、その頃に大正製薬HD株を買った株主からすると、プレミアムが5割以上あろうが大きな損失になる。

 

批判に輪をかけたのが、大正製薬HDのここ数年の投資家向け広報(IR)姿勢だった。東京証券取引所の市場再編の際には、旧東証1部からプライム市場ではなくスタンダード市場への移行を選んだ。多くの機関投資家が抱いていた大正製薬HDはIRに後ろ向きとの感覚と符合する動きととらえられた。

 

ある機関投資家は「会社と面談した際、『リスクがあるから投資しない方がいい』と言われた。本来なら自社の魅力を語るのがIRの仕事のはずで明らかにおかしい」と指摘する。

 

大正製薬HD取締役と面談したことのある別の機関投資家も「『株主の言うことを聞くつもりはない』と言われた。スタンダード市場を選んだのも、昨秋の上期決算で進捗率が高いのにもかかわらず通期予想をほとんど上方修正しなかったのも、MBOに向けて株価を下げるための戦略だったのではないか」といぶかる。

 

MBOは買い手となる経営陣側に「安く買いたい」という動機が働くため、構造的に少数株主との間で利益相反が起きがちだ。こうした疑念の目に配慮するどころか、安く買うために計画的に時間をかけて株価を下落させてきたのではないか、との批判が集まった。

 


ご参考1)2023/11/10「第2四半期決算短信」
https://ssl4.eir-parts.net/doc/4581/tdnet/2358108/00.pdf

 

業績下方修正に伴う株価終値の変化:
11/9 5,844、11/10 5,686
11/16 5,452、11/24 5,545
11/27 6,545、11/28 7,545
11/29 8,753、11/30 8,689
(TOB価格:8,620)

 


ご参考2)コスモHDが採用した「マジョリティー・オブ・マイノリティ(MoM)」とは!?
https://note.com/kwmjapan/n/n924044c22580

 

買収に関して利害関係を有する株主を排除し、それ以外の株主の過半数(マジョリティ)によって買収の許否を判断するということ

 


<感想>
会社が、MoMを取下げて、この記事の通り、1)リスクがあるから投資しない方が良い、2)株主の言うことを聞くつもりがない、と言ったとすれば、以前からMBOを検討/意識していて、(11/10の下方修正後、)TOB価格がターゲットに下がるまで待っていた可能性も考えられ得る。

 

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筆頭社外取締役と特定監査等委員の選定?

 

【 筆頭社外取締役、特定監査等委員 】

 


 社外取締役の内、筆頭社外取締役に関する添付Webサイトからの一部抜粋。

 


社外取締役  

https://www.star-law.jp/corporate/governance/post-318.html

 

補充原則 4-8の2」においては、複数の独立社外取締役が選任されていることを前提に「筆頭独立社外取締役」の設置を例示しています。

 

この「筆頭独立社外取締役」は、アメリカ等において採用されているもので、取締役会構成員の間、取締役会と経営陣との間で、建設的な人間関係を構築し、説得力、行動力、戦略的思考力をもって取締役会全体を機能させることを期待された者です。

例えば、他の会社において、経営戦略の立案、業務執行、人事関連などの業務に精通した者を「筆頭独立社外取締役」に選任することにより複数の独立社外取締役を選任することの不安を払拭できるのではないかと考えています。

 

さらに、機関設計として、監査等委員会設置会社を選択し、取締役会における決議事項を会社法に基づいて制限し、独立社外取締役が業務執行の決定に関与する程度に工夫をこらすということも考えてしかるべきであると思います。

 


 一方、監査等委員の内、特定監査等委員に関する添付Webサイトからの一部抜粋。
https://www.authense.jp/professionalinsights/bt/companies-act/30/

 

特定監査等委員の選定決議

特定監査等委員とは、監査等委員会による監査等委員会監査報告の通知などを受ける監査等委員です。

 

特定監査等委員を選定しておくことで、一定の報告や通知を特定監査等委員に対してのみ行えばよいこととなるため、事務負担の軽減へとつながります。

 

特定監査等委員には議長と同一の者が選任されることが一般的であり、監査等委員会議長の選定と同時に行われることが多いでしょう。

 


<感想>
筆頭社外取締役や特定監査等委員を選定することで、各種運営がよりスムーズに行われるものと思われる。

 

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手嶌葵「ただいま」MVの河合優実?

 

【 手嶌葵「ただいま」MV:河合優実と字余り 】

 


 2021/2/24、手嶌葵「ただいま」のMVが公開された。
https://realsound.jp/2021/02/post-713108.html

 

 主演は「不適切にもほどがある!」で純子役を務めた河合優実(MV監督は映像クリエイター・柴田啓佑)。


 以下は、上記Webサイトの河合優実のコメント。

 

 まず、「ただいま」という楽曲に、詞・曲・歌声がこんなにも美しく合わさると理屈抜きに心にしみるのだなと、聴けば聴くほどに音楽の力を感じています。包み込むような大きさを持ったこの歌に沿うような、それぞれの想像力に見方が委ねられるミュージックビデオになっていると思います。居ない人を思いながら一人きりで映ることの難しさもありましたが、この曲を彩る一部になれて嬉しいです。ありがとうございました。


 一方、「ただいま」(作詞:いしわたり淳治)の歌詞は以下の通り。

 

 あなた宛ての郵便がまだ
 ぽつりぽつりと届きます
 ドアを開けて点けた明かりが
 今日もこの胸を暗くする

 別れ話は冗談だと言って
 ふざけた顔で驚かせて お願い
 「ただいま」とつぶやいた
 同じ景色にあなただけがいない

 愛していると素直になれば
 想いはすべて伝うでしょうか
 頬をしずかに流れた星に
 祈る願いは叶うでしょうか※

 去年一緒に旅行に行った
 長い休みがまた来ます
 「次は君の生まれた町が見たい」と
 約束してたのに

 散らかす人のいなくなった部屋は
 悲しいくらい綺麗に片付いたまま
 散らかった思い出は
 仕舞い切れずに胸をあふれてくる

 ひとりで生きていけるそぶりが
 上手くなるのが嫌になります
 誰も知らない弱い私は
 いつか誰かに出会うでしょうか

 忘れ物の腕時計がこの手の中で
 ああ もう戻らない時間を無情に刻む

 ※(繰り返し)

 あなたの声の「おかえり」がまだ
 目を閉じれば聞こえてくる


 なお、歌詞の内、「想いはすべて伝うでしょうか」の「伝う」(「伝わる」ではない表現)が気になったので、調べてみた。

 


ご参考)ワードハンティングの極意 #1
https://www.asahi.com/and/article/20211125/410577593/2/

 

飯間:言葉をあえて詰めるというのは、私がこれまで採取した歌詞の中にもあるんです。たとえば、小椋佳さんの「愛しき日々」という歌で「かたくなまでの」という歌詞がある。ここも「かたくななまでの」というのが一般的な言い方なんですが、それを詰めている。「ただいま」の中では、「想(おも)いはすべて伝うでしょうか」という歌詞がありますが、ここも意識的に省略したんじゃないでしょうか?

 

いしわたり淳治:まさにそうです。「伝わる」にしたいけれど、入らなかったということですね。

 

飯間:ここは7音のフレーズが続いているので「想いはすべて伝わるでしょうか」にすると字余りになってしまう。その一方で「涙が頬を伝う」という表現は一般的にあるんですよね。それを考えれば「伝わる」を「伝う」に変換する余地がある。そこからあえて「思いが伝うでしょうか」という、小さな冒険をしたということだと思います。そこに注目しました。

 

いしわたり:ありがとうございます。

 

飯間:他にもいくらでもあるんですが、こうやって、歌詞をじっくり吟味しながら「これはどういう場面だろう」とか「なんでこの表現にしたのか」と一行一行を考えながら味わっていくと、歌詞が理解できて、濃密な時間を過ごすことができるんです。ぼんやりと聴いて心地よくなるというのは普通の歌の味わい方かもしれませんが、脳を働かせながら、考えながら歌を聴くのも、いいんじゃないでしょうか。

 

飯間浩明:国語辞典編纂者。自身が携わる『三省堂国語辞典』の改訂作業のために、あらゆる言葉に目を光らせ現代語の用例を調べている「ワードハンター」

 


ご参考1)「不適切にもほどがある!」純子役・河合優実、<インタビュー前編>
https://mdpr.jp/interview/amp/4211452

 

ご参考2)同上、<インタビュー後編>
https://mdpr.jp/interview/detail/4211488

 


<感想>
純子役で好評を博した河合優実。3年前に「ただいま」のMVを見た時には気にも留めなかったが、歌の制約からの歌詞の字余りと共に、記憶に残る映像となった。

 

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開示上は文章より図表が効果的?

 

【 取締役会の実効性評価 】

 


 本日は、「取締役会の実効性評価」の3社の具体的開示内容について、確認してみたい。

 


1.富士フイルムホールディングス「取締役会の実効性に関する評価結果の概要」
https://holdings.fujifilm.com/ja/about/governance/board-of-directors

 

(1) 実効性評価実施概要

 評価概要
 評価対象:2023年1月から12月に開催された当社取締役会(全15回、書面決議・書面報告含む)


 評価者:当社取締役及び監査役(計14名)


 評価方法:アンケート、個別ヒアリング


 評価項目:取締役会の果たすべき役割、取締役会の構成、議論の質、指名報酬委員会の審議、社外役員に対するサポート体制、ステークホルダーとの建設的な対話等

 

(2) 評価結果
 当社の取締役会は十分に実効性を発揮している、と評価する。

 4つの評価項目について、2023年取り組み方針・実績、評価結果、今後の課題、2024取り組み方針について、一覧表にて表示

 


2.伊藤忠商事「当社取締役会の実効性に関する評価結果の概要について」
https://www.itochu.co.jp/ja/about/governance_compliance/board_evaluation/index.html

 

(1) 取締役会評価実施要領
対象者:2023年度の全取締役(10名)及び全監査役(5名)

 

実施/評価方法:
 1.外部コンサルタントを起用し、対象者に対するアンケート及び個別インタビューを実施(回答は匿名ベース)
 2.対象者の回答内容について外部コンサルタントが分析・取りまとめを実施
 3.外部コンサルタントによる分析・取りまとめを参考としたガバナンス・指名・報酬委員会における検討を実施
 4.取締役会において分析・評価を実施

 

質問内容:
 1.取締役会の構成
 2.任意諮問委員会の構成等
 3.取締役会の役割・責務
 4.取締役会の運営状況
 5.取締役・監査役に対する情報提供、トレーニング
 6.その他の重要テーマ

 

(2) 評価結果の概要
 実効性確保を確認(定量面・定性面の観点から)

 


3.日本製紙グループ「2022年度 取締役会の実効性評価」
https://www.nipponpapergroup.com/ir/governance/evaluation/

 

(1) アンケートの項目(についての詳細な説明)
 7項目全19個の設問ごとに4段階で評価(+当該項目に関する自由記述欄)+その他コーポレートガバナンスの取組み状況等についての意見(自由記述)

 

(2) 2021年度に設定した課題(3つの課題)に基づく2022年度の取り組み実績

 

(3) 2022年度の評価結果(2項目)と2023年度の課題(1文章)

 

(4) 過年度の取り組みとその成果
 2016年〜2020年:各年1項目・2021年:3項目に対する成果1文章)

 


ご参考)東証:第三者評価を受けることが必要になるのでしょうか。
https://faq.jpx.co.jp/disclo/tse/web/knowledge6959.html

 

回答
取締役会の実効性評価について、評価の独立性や客観性を高める観点から外部の評価機関を用いることも考えられますが、補充原則4-11(3)の「実施」にあたって必ずしも外部の評価機関を用いる必要はありません。

 


<感想>
投資家にとっては、文章のみより、図表を用いた開示の方がより分かり易いように思われる。

 

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取締役会の実効性に関する分析・評価?

 

【 取締役会の実効性評価 】

 


 3月決算の上場会社においては、現在、「取締役会の実効性評価」について、取締役会・監査役のアンケート等に基づいた評価結果の開示作業中であると思われる。

 

 就いては、Copilot(GTP-4)で、「コーポレートガバナンス・コード上の取締役会の実効性評価」と聞いてみた。

 


<Copilot回答>
取締役会の実効性評価は、自社の取締役会がその役割と責務を実効的に果たしているか否かを評価することを指します。具体的には、以下のポイントが評価されます:

 

1.取締役会の規模・構成:
・ 取締役の人数や知識・経験の多様性、社外取締役の割合などが評価されます。

 

2.取締役会の運営:
・ 開催頻度、審議時間、付議事項の内容などが評価対象です。

 

3.課題の分析と改善計画の検討・実施:
・ 取締役会の体制や運営において改善すべき事項があるか否か、それを改善するための取り組みを検討します。

 

4.評価結果の開示:
・ 取締役会の実効性評価の結果を開示します。

この評価は、コーポレートガバナンス・コードによって求められており、日本の上場企業に着実に浸透しています。経済産業省も新たな在り方を示しており、社外取締役の評価への活用などが拡充されています。

 

取締役会の実効性評価は、取締役会の機能向上につなげるためのPDCAサイクルの一環として位置付けられており、各企業が自社の目指すべき姿を明確化し、継続的に改善していく仕組みとなっています。

 

※この記事は、2022年10月7日に執筆され、同時点の法令等に基づいています。

 


<コーポレートガバナンス・コード>
https://faq.jpx.co.jp/disclo/tse/web/knowledge6818.html

 

【原則4-11.取締役会・監査役会の実効性確保のための前提条件】
 取締役会は、その役割・責務を実効的に果たすための知識・経験・能力を全体としてバランス良く備え、ジェンダーや国際性、職歴、年齢の面を含む多様性と適正規模を両立させる形で構成されるべきである。また、監査役には、適切な経験・能力及び必要な財務・会計・法務に関する知識を有する者が選任されるべきであり、特に、財務・会計に関する十分な知見を有している者が1名以上選任されるべきである。


 取締役会は、取締役会全体としての実効性に関する分析・評価を行うことなどにより、その機能の向上を図るべきである。

 

補充原則
4-11(1) 取締役会は、経営戦略に照らして自らが備えるべきスキル等を特定した上で、取締役会の全体としての知識・経験・能力のバランス、多様性及び規模に関する考え方を定め、各取締役の知識・経験・能力等を一覧化したいわゆるスキル・マトリックスをはじめ、経営環境や事業特性等に応じた適切な形で取締役の有するスキル等の組み合わせを取締役の選任に関する方針・手続と併せて開示すべきである。その際、独立社外取締役には、他社での経営経験を有する者を含めるべきである。

 

4-11(2) 社外取締役・社外監査役をはじめ、取締役・監査役は、その役割・責務を適切に果たすために必要となる時間・労力を取締役・監査役の業務に振り向けるべきである。こうした観点から、例えば、取締役・監査役が他の上場会社の役員を兼任する場合には、その数は合理的な範囲にとどめるべきであり、上場会社は、その兼任状況を毎年開示すべきである。 

 

4-11(3) 取締役会は、毎年、各取締役の自己評価なども参考にしつつ、取締役会全体の実効性について分析・評価を行い、その結果の概要を開示すべきである。

 


<感想>
取締役会の実効性については、課題の分析と有効な改善計画の検討と実施が求められる。明日は、アペンディクス例として添付されていた会社の開示内容について確認してみたい。

 

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金融リテラシー調査を踏まえた機構の設立?

 

【 金融リテラシー調査(2022年)】

 


 2024年4月に、「金融経済教育推進機構」(「機構」)が設立され、金融広報中央委員会の金融経済教育/調査活動が機構に移管された。
https://www.boj.or.jp/about/release_2024/rel240301a.pdf

 


1.金融リテラシー調査(2022年、まとめ)
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/literacy_chosa/2022/pdf/22lite_point.pdf

 

P14
・ 今回の調査では、引き続き金融教育にはプラスの効果があること、また、世の中の金融教育に対するニーズが強いことが確認された。

 

・こうした状況を踏まえ、当委員会では、eラーニング講座「マネビタ*」の普及促進に向け積極的に取り組んでいく方針。

 

―― 今回の調査結果は、今後、各地域における金融広報活動においても有効に活用。若年層のうちから、継続的な教育を通じて金融リテラシーを高める取り組みを続けるとともに、自己の知識に対する過信はトラブルに繋がりかねない点についても啓発していく。

 

*金融経済教育推進会議(事務局:金融広報中央委員会)が2021年に制作・公開した金融リテラシーに関する基本的な内容を網羅した動画教材(動画で学ぶお金の知恵「マネビタ」|知るぽると :https://tradersholdings.slack.com/archives/D03LZF6AVHD/p1714643866611159)

 


2.機構のKPI(2024年4月)
https://www.j-flec.go.jp/wpimages/uploads/pressconference_240425.pdf

 

P16
(1) 金融リテラシーの向上 : 正答率を欧米並みの(70%)に引き上げ(現状の正答率は40~50%)

 

(2) 金融意識・行動の変容 : (1) 生活設計等への意識を持つ割合・取組み率、(2) 外部知見の活用率
 ⇒ (1)・(2)の割合を受講前比10%以上向上

 


ご参考)自民党「国民の金融リテラシー向上へ金融経済教育推進機構設立に向けて提言」
https://www.jimin.jp/news/policy/207862.html

 


<感想>
金融リテラシー調査結果をも踏まえて、金融経済教育推進機構が設立されたことが理解できる。

 

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日銀が事務局を務める事業を機構に移管?


【 金融経済教育推進機構 】

 


 以下は、2024/4/25にリリースされた「金融経済教育推進機構」に関連する添付Webサイトからの一部抜粋。

 


1.理事長就任記者会見
https://www.j-flec.go.jp/wpimages/uploads/pressconference_240425.pdf

 

P1 組織概要

名称:金融経済教育推進機構

 

根拠法:金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律(2024年2月1日施行)

 

設立:2024年4月5日 ※ 本年8月より、本格稼働

 

目的:適切な金融サービスの利用等に資する金融又は経済に関する知識を習得し、これを活用する能力の育成を図るための教授及び指導(金融経済教育)を推進すること

 

資本金:10億5,729万6千円
 政府:10億729万6千円(うち5千万円を除く9億5,729万6千円は、設立に係る初期費用に充てる予定。
 日本銀行:2,500万円
 全国銀行協会:1,250万円
 日本証券業協会:1,250万円

 


2.補足資料
https://www.j-flec.go.jp/wpimages/uploads/pressconference_240425_supplement.pdf

 

P10 講師派遣(出張授業)事業

大学生・若手社会人(10代~20代)

「社会人として知っておきたいお金の話」
・家計管理や給与明細の見方、資産形成の基本(長期・積立・分散)や支援制度(NISAなど)、社会保険と民間保険、クレジット、奨学金、金融トラブルの防止など

 


ご参考1)日本銀行「金融経済教育推進機構に対する出資について」
https://www.boj.or.jp/about/release_2024/rel240301a.pdf

 

当該出資(25百万円)は、本行が事務局を務めてきた金融広報中央委員会から同機構に事業が移管されるにあたり、物価の安定および信用秩序の維持に資する観点から、同機構において同委員会がこれまで実施してきた金融経済教育および調査活動等を承継および継続していくために必要な支援として、2 月 9 日の政策委員会・通常会合における決定により行うものです。

 


ご参考2)自民党「国民の金融リテラシー向上へ金融経済教育推進機構設立に向けて提言」
https://www.jimin.jp/news/policy/207862.html

 


<感想>
政府は、日銀の事務局を務めてきた金融広報中央委員会から金融経済教育推進機構に事業を移管した上で、国民の金融リテラシー向上を目指している。民間サイドから可能な限り、協力してまいりたい。

 

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岸田総理以外の自民党総裁に期待?


【 自民党:補選3連敗 】

 


 2024/4/29、高橋洋一氏が、現代ビジネスに、『派閥解体で「無敵の首相」になった岸田政権が「自民党補選3連敗」に沈んだ「本当の理由」』を掲載された。
https://gendai.media/articles/-/128936?imp=0

 

 以下は一部抜粋。

 

立民3連勝、自民3連敗

4月28日、注目の衆院補選が行われた。東京15区、長崎3区において自民党は「不戦敗」で、島根1区のみ財務省出身の候補者を立てたが及ばず、亀井亜紀子氏(立民)が勝った。

ちなみに長崎3区は山田勝彦氏(立民)が勝利し、混戦の東京15区は9人が乱立する選挙となったが、酒井菜摘氏(立民)が勝利した。結果的に自民3連敗、立民3連勝となった。


今回の補選は、少なくとも島根1区では岸田文雄政権に有権者が審判を下す機会になった。「政治とカネ」に加え、震災対策、経済政策など課題は山積している。

政治とカネをめぐる問題おいて「お公家集団」といわれた宏池会であるが、岸田首相は安倍派、二階派、茂木派を解散させたうえで麻生派を「温存」し、「大宏池会」の結成に成功した。これで党内闘争に勝利を納めたわけだが、岸田首相は他人に厳しく自分には甘いことを世間にさらしてしまった。


冒頭に述べた通り、岸田政権は補選3連敗だ。なおも有力派閥解散した自民党内で「岸田降ろし」の兆候はまだない。それどころか、6月解散のために、自民党で夏の活動費の支給を前倒しするという観測も出ている。

そうなった場合、島根1区の再来が起きるかもしれない。保守王国で、財務省候補で島根1区が負けたのは、政策論的には、震災対策と経済が無関係ではないだろう。

 


<感想>
補選全敗の状況下にもかかわらず、「岸田降ろし」の兆候がない自民党に未来はあるまい。9月の総裁選までに、岸田総理以外の候補者が勝てる地合になることを期待したい。

 

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