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登場人物が自走する?


【 島本理生:物語が繋がれる 】


 先日、島本理生の「あなたの愛人の名前は」(集英社)を読んだ。

 「小説すばる」に掲載された短編を単行本化にあたり、加筆・修正を行ったもの。

 以下は、主な登場人物。


「あなたは知らない」
 瞳と体以上の関係になれない浅野さん。瞳の婚約者の耕史君。

「俺だけが知らない」
 浅野さんの会社におしかける耕史君。喫茶店でコーヒーをかけられた浅野さん。京都で単身生活予定の瞳。

「氷の夜に」
 浅野さんの妹の藍の友達の絵未と絵未を守る料理人の黒田さん。

「あなたの愛人の名前は」
 初めての香港海外旅行帰りの藍が絵未に誘われて黒田さんの店で友永さんと。


<感想>
 それぞれの短編がクロスオーバーしながら、話が進んで行く。作家の中では、物語が勝手に動き出して行くのだろうか。創作過程に興味がある。

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LIXILグループに瀬戸氏がCEOに復帰?


【 LIXILグループ:株主総会決議 】

 2019/6/25、LIXILグループ(5938)が、株主総会を開催した。


1.第77回定時株主総会決議事項
 
https://www.lixil.com/jp/investor/ir_event/pdf/ketsugi20190625.pdf


 第1号議案 取締役8名選任の件(会社提案)
 本件は、取締役候補8名のうち、新たな取締役に内堀 民雄、河原 春郎、カート・キャンベル、松崎 正年、三浦 善司および大坪 一彦の6氏が選任され、 それぞれ就任

 ⇒ 以下2名は否決
 1)竹内 洋 財務省関税局長(旧職)、日本政策銀行取締役常務執行役員CFO(旧職)
 2)福原 賢一 ベネッセホールディングス代表取締役副会長(現職)

 第2号議案 取締役2名選任の件(会社&株主提案)
 本件は、原案のとおり承認可決され、新たな取締役に鬼丸 かおるおよび鈴木 輝夫の2 氏が選任され、それぞれ就任
 ⇒ 2人は株主提案側の人

 第3号議案 取締役6名選任の件(株主提案)
 本件は、原案のとおり承認可決され、取締役に伊奈 啓一郎、川本 隆一および瀬戸 欣哉 の3氏が再選、新たな取締役に西浦 裕二、濱口 大輔および吉田 聡の3氏が選任され、それぞれ就任


2.臨時報告書
 
https://ssl4.eir-parts.net/doc/5938/ir_material_for_fiscal_ym7/67457/00.pdf

< 主な役員の異動 >
 代表執行役会長兼CEO 潮田 洋一郎
 ⇒ 代表執行役兼CEO 瀬戸 欣哉

 代表執行役社長 山梨 広一
 ⇒ 代表執行役副社長 大坪 一彦


3.株価終値推移
 6/25 1,478円(+3円)
 6/26 1,714円(+236円(+15.97%))


<感想>
 株主総会決議の取締役の数の決着は、株主提案側8名 vs 会社側6名。
 社員に、混乱は生じていないのだろうか。トップ交代に伴う、社員への影響を聞いてみたい。

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昭和天皇に小早川秀秋のトラウマあり?

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スシローと元気寿司が資本業務提携を解消?


【 スシローと元気寿司:資本業務提携解消 】


 2019/6/19、スシローグローバルHD(3563)、(株)神明HD及び元気寿司(9828)の資本業務提携解消が発表された。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/3563/tdnet/1722145/00.pdf


1.経営統合に向けた協議の中止及び資本業務提携解消の理由

2017/9/29 3社の資本業務提携を発表

当初:以下が有効であると認識

1)長期的には成熟が見込まれる国内市場では強固な事業基盤・調達力・店舗網を構築
2)有望なホワイトスペースが広がる海外市場では競合他社に先行して展開を行うこと

が、有効であると認識


協議の結果:独立した企業としてそれぞれの戦略を独自に且つ柔軟に推し進めていくことが最適であるとの結論に至る

1)将来的なブランド戦略の違い

2)海外市場、特にアジア地域における店舗展開方式の違い(スシローは直営店、元気寿司はフランチャイズ主導)

⇒ 3社は経営統合に向けた協議を中止し、本資本業務提携を解消


2.資本業務提携解消の内容等

(1)神明HDの藤尾益雄氏:スシローG HDの取締役を退任

(2)神明HDのスシローG HD株式売出し:9,493,035株(自己株式を除く発行済株式総数比32.72%、帳簿価額4,000円)の内、660万株(22.75%(注))を売出し
⇒ 神明HDは、当社株式の一部を対象とした売出し実施後の保有株式(2,893,035株(9.97%(注))については原則、継続して保有していく意向

(3)神明HDの元気寿司株式継続保有:360万株(自己株式を除く発行済株式総数比40.78%)株式の保有を継続していく意向 

(注)株式売出しに際して行われるオーバーアロットメントによる売出しに関連して、神明HD は事務主幹事会社に対して追加的に当社株式を買取る権利(グリーンシューオプション)を付与しており、当該権利が行使された場合、最大で99万株を追加的に売却する場合あり


3.株価終値推移

(1)スシローG  HD
6/19 6,850円、6/20 6,600円(△3.7%)、6/21 6,390円(△3.2%)

(2)元気寿司
6/19 3,365円、6/20 3,450円(+2.5%)、6/21 3,270円(△5.2%)


<感想>
 2017/9/29に、神明HDがスシロー株式を英投資ファンドのペルミラから4,000円/株で取得した6/21終値は6,390円。
 2年間保有、売値6,000円と仮定した場合のIRRは22%(660万株で投資額264億円に対して、売却益+132億円)。仮に、単純な投資と割り切ることができるならば不悪であろうが、神明HDの戦略からすれば、納得のいかない結末であったように思われる。

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father’s lineでの皇位継承?


【 青山繁晴参議院議員:日本の尊厳と国益を護る会 】


 2019/6/14、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月14日放送)に自由民主党参議院議員の青山繁晴が自身を含む5人の議員で発足した「日本の尊厳と国益を護る会」について解説した。
https://news.radiko.jp/article/station/LFR/32384/ 

< この会の目標:三本柱 >
1.父系の皇位継承
2.中国や韓国資本による不動産買収が進む現状から外国資本による土地買収の拡大防止
3.いわゆるスパイ防止法の制定

⇒ 必要に応じて立法措置を目指す


< 父系の皇位継承 >
1)立憲民主党:女系天皇容認、国民民主党:女性天皇容認
⇒ 母系を許すと王朝の交代
⇒ 天皇家の終焉につながってしまう
⇒「father’s line」(皇室のないアメリカ人でもわかりやすい)

2)旧宮家の皇位継承者たるにふさわしい、父系の継承者にふさわしい15歳以下の男子:5人(20代前半の方を含めると7人〜8人)

3)皇統譜、皇族に戻る場合の問題:憲法で保障された基本的人権、職業選択の自由等がなくなる
⇒ あくまでご本人の意思でなくてはいけない


<感想>
 「日本の尊厳と国益を護る会」の考え方が、今後国会議員内に浸透することを祈念している。

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柘榴という名の短編小説?


【 山本周五郎:柘榴 】

 先日、山本周五郎の「柘榴」を読んだ。


< 本文より >
 嫁していって間もなくことだ。昌蔵は熟れた柘榴の実を割って眺めていたが、ふと熱のある人のような眼で真沙をかえり見、割った果実の中の紅玉のような種子を示しながら、こんなことを云った。
「この美しい実をごらん。私にはこれがおまえのからだのようにみえるんだよ」

「割れた果皮の中から、白いあま皮に仕切られて、この澄んだ生なましい果粒が現われる。まるで乙女の純潔な血を啜ったような、この美しい紅さを眺めていると、私にはおまえの?の中を見るような気持がしてくるんだ」 


「自分は若すぎたーー」真沙は胸の痛むような思いでそう呟いた。

「良人となり妻となれば、他人に欠点とみえるものも、うけ容れることができる。だれにも似ず、誰にもわからない二人だけの理解から、夫婦の愛というものが始まるのだ」


ーー老人の掌の上には、柘榴の熟れた実があった。真沙はなんだと思って苦笑しながら、
「うちの柘榴は酸っぱくて喰べられないのだよ」
 こう云った。どんなに吃驚したものだろう。伊助は殆ど台木からとび上り、柘榴は彼の手から落ちてころころと地面を転げた。
「ああ肝がつぶれました」伊助はあけびを採りながらも、幾たびか太息をついた。「こんなに驚いたことはございません。きっとはんぶん眠っていたのでございましょうがーー」
 八年いるあいだに、彼がそんなあからさまな自分をみせたのは初めてである。真沙も久方ぶりにずいぶん笑い、後になってからも、思いだしては可笑しくて微笑まされた。


ーーそして伊助が昌蔵であったにせよなかったにせよ、最期に囁いた彼の言葉は、真沙を慰めるのに十分であった。
ーーいい余生を送らせて貰いました。


< 阿刀田高氏のコメント >
https://mainichi.jp/sp/shikou/70/03.html 

山本周五郎さんの短編小説『 柘榴ざくろ』を3年前に見つけて読んだんですけど、これが素晴らしい作品で、性の問題を上品に扱っている。テーマを一言でいえば、男が性的に女を好きになるのは愛ではないのか、男が肉体的な愛を女に求めるのはそういう形で表現するしかないからではないか、と訴える小説です。清純な女性からは『いやしい、邪悪な欲望に過ぎない』と非難が出るでしょうが、単なる欲望ではなくそれも男の愛ではないか、それを認めてほしいと作家は書いています。あまりに見事に書いているので作家の真意は伝わりにくいかもしれません」 


<感想>
 私の故郷である山梨県大月市生まれの山本周五郎の柘榴。
 山梨県立図書館の名誉館長*を務める阿刀田高氏の上記コメントに脱帽。
*https://www.lib.pref.yamanashi.jp/ 

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柘榴という名の短編小説?


【 山本周五郎:柘榴 】



 先日、山本周五郎の「柘榴」を読んだ。


< 本文より >
 嫁していって間もなくことだ。昌蔵は熟れた柘榴の実を割って眺めていたが、ふと熱のある人のような眼で真沙をかえり見、割った果実の中の紅玉のような種子を示しながら、こんなことを云った。
「この美しい実をごらん。私にはこれがおまえのからだのようにみえるんだよ」

「割れた果皮の中から、白いあま皮に仕切られて、この澄んだ生なましい果粒が現われる。まるで乙女の純潔な血を啜ったような、この美しい紅さを眺めていると、私にはおまえの?の中を見るような気持がしてくるんだ」 


「自分は若すぎたーー」真沙は胸の痛むような思いでそう呟いた。

「良人となり妻となれば、他人に欠点とみえるものも、うけ容れることができる。だれにも似ず、誰にもわからない二人だけの理解から、夫婦の愛というものが始まるのだ」


ーー老人の掌の上には、柘榴の熟れた実があった。真沙はなんだと思って苦笑しながら、
「うちの柘榴は酸っぱくて喰べられないのだよ」
 こう云った。どんなに吃驚したものだろう。伊助は殆ど台木からとび上り、柘榴は彼の手から落ちてころころと地面を転げた。
「ああ肝がつぶれました」伊助はあけびを採りながらも、幾たびか太息をついた。「こんなに驚いたことはございません。きっとはんぶん眠っていたのでございましょうがーー」
 八年いるあいだに、彼がそんなあからさまな自分をみせたのは初めてである。真沙も久方ぶりにずいぶん笑い、後になってからも、思いだしては可笑しくて微笑まされた。


ーーそして伊助が昌蔵であったにせよなかったにせよ、最期に囁いた彼の言葉は、真沙を慰めるのに十分であった。
ーーいい余生を送らせて貰いました。


< 阿刀田高氏のコメント >
https://mainichi.jp/sp/shikou/70/03.html 

山本周五郎さんの短編小説『 柘榴ざくろ』を3年前に見つけて読んだんですけど、これが素晴らしい作品で、性の問題を上品に扱っている。テーマを一言でいえば、男が性的に女を好きになるのは愛ではないのか、男が肉体的な愛を女に求めるのはそういう形で表現するしかないからではないか、と訴える小説です。清純な女性からは『いやしい、邪悪な欲望に過ぎない』と非難が出るでしょうが、単なる欲望ではなくそれも男の愛ではないか、それを認めてほしいと作家は書いています。あまりに見事に書いているので作家の真意は伝わりにくいかもしれません」 


<感想>
 私の故郷である山梨県大月市生まれの山本周五郎の柘榴。
 山梨県立図書館の名誉館長*を務める阿刀田高氏の上記コメントに脱帽。
*
https://www.lib.pref.yamanashi.jp/ 

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還暦過ぎても若手以上?


【 THE CONVOY SHOW:星屑バンプ 】


 先日、THE CONVOY SHOWの『星屑バンプ』を見た。
http://hoshikuzubump.com/ 


< INTRODUCTION >
 50代の男達と20代の男達が本気でぶつかり合う舞台は他にない!! 芝居、歌、ダンス、タップを組み込んだ劇中のパフォーマンスと圧倒的なショウタイム。

 笑いと涙に包まれたストーリーが感動を呼ぶ、全員が主役で全員が脇役の舞台。

 約2時間ノンストップの超スーパーエンタテインメントバラエティパフォーマンスショウ!! 


< STORY >
 年の離れた男達が互いに「夢はあるのか?」と夜空を見上げたとき光あるものは自ずと輝き、光なきものは照らされて輝くと知る。
 夜空の一角から聞こえてきたのは 「夢じゃなくて、ちょっとした未来に一緒に行ってみないか」だった。


< 北野武のコメント >
 死ぬまでに一度はみるべきだ
https://www.lmaga.jp/news/2017/02/20212/ 


<感想>
 主催の今村ねずみは、御年61歳。
THE CONVOYを立ち上げた1986年は、私の社会人1年目。
 50歳超の3人と若手4人の共演。若手に踊りのキレはあったが、まだまだ負けない50歳超のメンバーのショウに感動!

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50歳を超えた二人の新たな挑戦?


【 化粧二題:内野聖陽、有森也実 】


 先日、こまつ座の公演「化粧二題」を見た。


< こまつ座ホームページ >
http://www.komatsuza.co.jp/program/index.html 

この世は点がつながった果ての線
線で導かれた母と息子
散りばめられた過去が一つになる
過去と現在が一つに重なる時、
それが親子の因果のはじまり

大衆演劇の先人たちの遺した
珠玉の名台詞の数々。
捨てられた息子を演じる内野聖陽。
捨てた母親を演じる有森也実。
一人芝居×二本の濃密な舞台。
19年ぶりに楽屋芝居の名作が蘇る。

観客と想像力と俳優の演技力、この二つが揃えばそれがどこであろうと
そこは宇宙で唯一つの真の劇場になるだろう
───井上ひさし


< 内野聖陽:『化粧二題』への思い >
http://www.komatsuza.co.jp/%E5%8C%96%E7%B2%A7%E4%BA%8C%E9%A1%8C_%E3%82%B3%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88_%E5%86%85%E9%87%8E%E8%81%96%E9%99%BD.pdf

この本を初めて読んだとき、“男のやせ我慢”のカッコよさ、いじらしさに泣けました。虚勢を張ったり、武士は食わねど高楊枝みたいな姿はあまり見かけなくなったように思いますが、この本には、いつの時代にも変わらない男子の生き様があると思っています。母に捨てられてから再会するまでを、井上さんの巧みな独り対話劇で魅せていく手法は、僕にとっても刺激的な冒険と戦いになるはずです。
どうぞ内野聖陽の挑戦を目撃しに劇場まで足をお運びくださいませ!!!


< 有森也実:今の自分を出し切る >
https://mainichi.jp/articles/20190530/dde/018/200/002000c

二つ返事で引き受けたけれど、全員の目が私一人に集まるのを想像すると恐ろしくなる。今、私が持っているものはすべて出し切りたい


<感想>
 「化粧二題」は、内野聖陽と有森也実の一人芝居。
 50歳を超えた二人のそれぞれの新たな挑戦に勇気付けられた90分だった。

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山下達郎のシアター・ライヴ?


【 山下達郎シアター・ライヴ 】


 先日、日比谷で「山下達郎シアター・ライヴ」を見た。
https://www.tatsuro.co.jp/theaterlive/ 

 1982年(大学1年)にSONY TC-K555のカセットデッキで録音して聞いていた「FOR YOU」の「SPARKLE」から、「さよなら夏の日」までの15曲。

 震災後の2012年の「希望という名の光」のMCには思わず涙。

「1億2000万人を勇気づける能力は僕には無いけど、この会場にいる2500人のみなさまに、小さな光をともすお手伝いができれば・・・」

(ご参考)
https://filmarks.com/movies/68045/reviews/66882095


<感想>
 映像は1984年〜2012年のライヴ、この間28年。山下達郎の声は年を取ることなく逆に若返ったようにも聞こえた。
 最後に竹内まりやのクレジットも発見。私の好きな「プラスティック・ラブ」にも感動。

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ヤオコーがユーロ円CBを発行?


【 ヤオコー:ユーロ円CB150億円発行 】


 2019/6/4、ヤオコー(8279)がユーロ円CBを発行した。
http://contents.xj-storage.jp/xcontents/82790/e6959c21/9685/4745/abdd/35d9d52d0aab/140120190604446360.pdf

 以下は、その概要。


1.CB発行の狙い
・中長期的な財務基盤の強化及び企業価値向上の観点から、以下特徴のCB発行により、今後の事業拡大に資する成長資金をできる限り低コストで調達することが最適であると判断したこと

(1)ゼロクーポン ⇒ 金利コストの最小化

(2)時価を上回る転換価額の設定

(3)130%転換制限条項
・株価が転換価額の一定水準を一定期間上回らない限り、投資家による新株予約権の行使ができない(当初4年9ヶ月は、各四半期の最終20連続取引日において、「株式終値>転換価額×130%」に限って、投資家は翌四半期においてWTを行使できる

(4)取得条項(額面現金決済型) ⇒ 発行後の1株当たり利益の希薄化の抑制
・2024/2/20以降、下記(i)+(ii)の財産の交付と引き換えにCBを取得する権利を当社が有する

(i)CB額面金額の100%に相当する金額+(ii)転換価値*ーCB額面金額相当額÷(1株当たり平均VWAP**)

*転換価値:(CB額面金額÷最終日転換価額)×1株当たり平均VWAP(最終日転換価額:1株当たり平均VWAPの計算期間の最終日の転換価額)

**1株当たり平均VWAP:取得通知日翌日から5取引日目の日に始まる20連続取引日に含まれる各取引日の株式の売買高加重平均価格の平均値


2.CB発行の背景
(1)厳しい経営環境
・スーパーマーケット業界:人口減少や少子高齢化の進行に加え、オーバーストアの状況が続く一方で、ドラッグストアやネット通販などの業態を越えた競争、人手不足に伴う人件費の増加や電気料金の高騰など、非常厳しい経営環境が続いている

・4つの重点戦略
 「商品・販売戦略」
 「運営戦略」
 「育成戦略」
 「出店・成長戦略」

・長期ビジョン
 「『豊かで楽しい食生活』を提案するグループとして、圧倒的なNo.1になること」

⇒ 安定的な財務基盤を維持しつつ、ゼロクーポンでの資金調達が可能なCBの発行を決定した


3.CB発行概要
 発行金額:150億円
 発行価格:103%(引受手数料2.5%、ネット100.5%)

 クーポン:0%
 転換価額:6,073円(6/4終値5,190円の17.0%アップ)
⇒希薄化率6.2%(潜在株式数2,470千株÷発行済株式数40,014千株)

 130%転換制限条項:あり(上記1)
 取得条項(額面現金決済型) :あり(上記1)

 資金使途:設備投資120億円、システム開発20億円、工事費用10億円


4.株価終値推移
 6/14 5,190円、6/15 4,830円(前日比△6.9%)


<感想>
 本件は、ヤオコーがユーロ円CBを発行したもの。(翌日の株価は希薄化率程度下落)
 ココカラファインのように他社との統合を目指すのか、本件のように単独での生き残りを目指すのか、経営判断次第で将来の「絵」が大いに変わってくる。

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ココカラファインとスギHDが経営統合?



【 ココカラファインとスギHD:経営統合の検開始 】


 2019/6/1、ココカラファイン(3098)が、「スギHD(7649)との経営統合に関する検討及び協議開始」とのプレスリリースを発表した。
https://corp.cocokarafine.co.jp/news/pdf/20190601_TD01.pdf

 以下は、その概要。


1. 経営統合に関する検討及び協議開始の背景

2019/4/26 「マツモトキヨシHD(との資本業務提携に関する検討及び協議開始のお知らせ」
・非公式に資本業務提携の打診を受けていたマツモトキヨシHDとの資本業務提携に関する検討及び協議を開始

2019/4/30 スギHDから経営統合の提案を受領
・かねてより非公式に業界再編等に関する意見交換を行っていたスギHDから、正式に、2019/4/27付当社とスギHDとの経営統合によって両社の企業価値向上を図る旨の提案を受領

2019/6/1 取締役会で協議
・マツモトキヨシHDとの資本業務提携に関する検討及び協議と並行し、スギHDからの提案についても同様に、当社の企業価値を向上させる可能性の有無の観点から、検討及び協議を開始することが適切であると判断


2. 本提案に関する検討及び協議開始の目的

当社の企業理念
・「人々のココロとカラダの健康を追求し、地域社会に貢献する」

当社の社会的使命
・日本全国に展開するドラッグストア・調剤薬局1,354店舗(うち調剤薬局292店舗/2019年3月末現在)と介護周辺事業との連携を図り、医療・介護に携わる多職種連携により地域における在宅医療・介護を一体的に提供する「地域におけるヘルスケアネットワークの構築」

スギHDのグループ経営理念
・「私たちは、社員一人ひとりの幸福、お客様一人ひとりの幸福、 そして、あらゆる人々の幸福を願い、笑顔を増やします。」

⇒ ドラッグストア・調剤薬局1,190店舗(うち調剤実施店舗833店舗/2019年2月末現在)を展開し、お客様の健康維持・予防から介護・終末期のケアまでを一貫してサポートする「トータルヘルスケア戦略」の実現に向けた様々な施策を積極的に推進

業界を取り巻く環境
・同業他社や異業種・異業態による積極的な出店や価格競争に加え、M&Aによる同業の規模拡大、インターネット販売拡大に伴う消費者の購買チャネルの変化、人件費や建築費用の上昇も影響し、生き残りをかけた競争は激しさを増している

⇒ このような厳しい競争環境において、「今後、市場の拡大が続くと考えられる調剤を核とした医療・介護事業領域の強化により日本で No.1のヘルスケアカンパニーを目指す」という提案を受け、本提案実現の可能性の検討及び協議を進めていく


3. 経営統合に関する内容
・両社は、「経営統合準備委員会」の下、両社の長期的な発展を目的とする経営統合の可能性に関する検討及び協議を開始

・具体的な内容及び条件については、今後両社協議の上、決定する予定。なお、当社は、マツモトキヨシHDとの検討及び協議とスギHDとの検討及び協議を客観的な立場から総合的に検討するために、特別委員会を設置する予定

・特別委員会の設置時期及び委員の選定等の具体的な内容については、決定次第改めてお知らせする


4.6月3日株価終値(前営業日比)、時価総額

ココカラファイン 4,910円(+700円)、1,251億円
スギHD 4,870円(△65円)、3,084億円

マツモトキヨシ 3,150円(△55円)、3,442億円
ウエルシアHD 3,870円(+60円)、4,056億円


(ご参考)

https://r.nikkei.com/article/DGXMZO45582290R00C19A6I00000?s=0

ドラッグストアの2018年度の総売上高:7兆円を突破する見通し⇒人件費上昇や訪日客の爆買いの一服で利益率は低下傾向の模様

これまで:高収益の医薬品や化粧品のもうけを元手に、食品や日用品の安値攻勢でスーパーやコンビニエンスストアの牙城を切り崩し
⇒ 一段の成長に向けた店舗拡大は消耗戦に


<感想>
 ドラッグストア業界の再編の動きが、オーナー色の薄いココカラファインを軸に始まる。
 これから、全ての業種で同様の経営効率化を目指した動きが加速化することが想定される。

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