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「ダウン・ザ・フェアウェイ」


「ダウン・ザ・フェアウェイ」(ボビー・ジョーンズ著、菊谷匡祐訳、ゴルフダイジェスト社)より


  第二章  オールドマン・パーの発見

 わたしにとってゴルフはまだ、誰かに勝とうというだけのゲームにすぎなかった。そしてもちろん、戦うべき相手が自分自身であることに気づいていなかったのである。



  第三章  十四歳、州選手権に出る

 「ゴルフはどこまでも君らを捉えて離さない」

 どれほどの名手にしてもゴルフを思うがままにプレーはできないし、完璧なラウンドなどなし得ない。だからこそ、おそらくゴルフほど素晴らしいゲームはないのである。人間を相手にプレーするのではなくて、ゴルフそのものをプレーするのだ。オールドマン・パーが相手なのである。



  第十章  稔りなき七年の後に

 冷静で決して無駄遣いすることのないオールドマン・パー!彼を友とし、いつも競いあうなら、他のプレーヤーに心を乱されることはない。世間では、わたしがバーディーをたくさんとらないからという理由で、あまりマッチ・プレーには向かないという。が、わたしはオールドマン・パーがそうさせてくれるかぎりは、彼に忠実に従っていくつもりである。実際、わたしがこれまで参加したオープン競技で、ごくわずかな例外を除けば、パー・プレーで優勝できなかった試合はなかったのだ。オールドマン・パー--彼は1パットであがることはないが、決して3パットは犯さないのである。この次にプレーするときも、彼とともにショットをしていきたいものだと、わたしは痛切に願っている。



  第十二章  パッティング--ゲームの中のゲーム

 あの有名な“ネバー・アップ、ネバー・イン”という古来の金言が、あまりにもしばしば、ホールに向かってボールを強く打ちすぎることのエクスキューズに使われているように、わたしには思えてならない。ボールがカップを3フィート、4フィート、ときとして6フィートもオーバーしてしまうのを見つめながら、プレーヤーはすくなくともホール・インするチャンスはあったんだから--と自分自身を慰める。が、実際はそれほどチャンスなどないのだ。確かにボールがラインには乗っていたとしても、ショートしたパットがホールに入らないことは自明である。しかし、それと同時に、カップを通りすぎてしまったボールもまたホールには入らないことを、わたしたちは知悉しているのではないか。これも考察に入れておくべき、別の観点である。そして、強く打たれすぎたパットは、カップのただ一点からしか入る道がない--つまり真正面から、しかもカップの裏側の壁がうまい具合に機能してくれなければならないのだ。

 
 わたしの場合でいえば、“ガツガツ”入れにいったり思ったより強く打ってしまったりしたときよりは、ボールがホールにやっと届くぐらいのほうが、長いパットもよく入るのである。止まりかかったボールは、カップの縁にさわりさえすれば、たいていホールの中に落ちるものだ。それにくわえて、仮に縁にさわらなかったとしても--そう、ボールはまずカップとボールを一緒に帽子でおおえるぐらいのところに止まり、次のパットはきわめて易しく、緊張を強いられることもない。


 アプローチ・パットだったら、距離をあわせることが何より肝心だと思う。仮にこれまでわたしがラインに乗せることを心がけ、距離をあわせることに神経を払わないできたとしたら、おそらく1パットはもっと多くなっていただろう。


 結論としていうなら、もちろんスムーズで正確なストロークは欠かせないのは当然として--わたしにとって何より肝心なことは、そういう点はすべて忘れて--ボールをカップの中にいれることに精神を集中させることなのである。

 それこそが、ゴルフにおいてはもっとも基本的な目標のようにわたしには思えるのだ。



  第十五章  大砲

 少年期のわたしの最大の誤ちは、いまでもいちばん注意していることでもあるが--インパクトの前に、体の左サイドを止めてしまうことだった。逆にいうなら体の左サイドの動きをスムーズにできなかったということである。そのころの誤ちがどういう理由から生じていたかはともかく、自分で気づくようになるまでは、あまりに慎重になりすぎたときに起こっていたようだ。



  第十六章  さまざまなショット--そしてトラブル

 ショットの距離と砂の性質しだいだが、ボールの後2インチぐらいの砂にクラブを打ちこむことが多い。その理由はクラブフェースをボールに当てずに、砂の中からボールを外に出したいからである。ボールは文字どおり砂の爆発によってはじかれ、このショットが正確に行われた場合には、ボールにはスピンがかからず、ふわっと飛んで、ほとんど転がらずに止まってくれるものである。


 わたしはどんな場合でも、グリーンの一番近いエッジを狙ってチップする。グリーンが近くてピンがかなり遠いようなときは、マッシー・アイアンを使う。このロフトによって、ボールはすぐグリーンに落ち、後はなめらかな芝の上をランしていく。ボールがグリーンから遠くにあったり、ピンがグリーンの手前端近くにたっているような際は、もっとロフトのあるクラブを手にする。打ち方はまったくマッシー・アイアンと同じで、リストを返したりカット打ちしたりせず、ストレートにストロークするだけである。繰り返しいうが、グリーンのエッジに狙いを置いてチップすることがゴルフを楽にしてくれるのである。


>>1930年に年間グランドスラムを達成後、28歳の若さで引退した“教養人”ボビー・ジョーンズの生き様にあやかりたい



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