何日かで１知識　ヤフー

ヤフーのZOZO・TOBの狙い？

【ヤフーがZOZO宛てTOB：50.1％の株式取得】

　2019/9/12、ヤフー(4689)が、ZOZO(3092)株式への公開買付け(TOB)/資本業務提携を発表した。

　以下は添付資料からの抜粋等。
https://s.yimg.jp/i/docs/ir/archives/20190912/jp20190912presentation.pdf

１．目的等
・TOBでZOZO社の50.1%の株式を取得し連結子会社化を目指す
・収益を多様化し、飛躍的な成長を実現するためには、EC事業が戦略・業績上のキードライバー

２．4つのポイント
<ポイント1>
　ZOZOTOWNがECモールに初出店
・ZOZOTOWNがPayPayモールに出店

<ポイント2>
　購入者数爆増
・国内最大級の利用者数を誇る「情報通信グループ」からの爆発的な送客
・利用者属性が異なるため両社ともに顧客基盤の拡大が見込める

<ポイント3>
　eコマース取扱高(物販)爆増
・トラベル事業における一休とのシナジー成功事例
・eコマース取扱高(物販)国内No.1が射程圏内に

<ポイント4>
　コマース事業営業利益爆増
・コマース事業の営業利益は1.8倍の規模感へ
・メディアとコマースの2本柱に

３．まとめ
・さらなる成長に欠かせない最高のタッグ

・ZOZOとヤフーはシナジー創出のポテンシャルが高いそのほかにも様々な分野で連携を検討

・ZOZOとヤフーにしか創れないカッコよくて便利なeコマースの未来を創る

４．TOB概要

(1)TOB価格

2,620円(9/11終値2,166円の21.0％のプレミアム)

(2)買付予定数/金額

約153百万株(下限約102百万株)/約4,007億円

(3)前澤友作氏との応募契約

・保有株式(約112百万株、36.7％)の内、約93百万株(30.4％)をTOBに応募する旨、契約

５．その他
(1)日経新聞記事*からのキーワード(一部抜粋)
*https://www.nikkei.com/article/DGKKZO49764320S9A910C1EA2000/

<キーワード>
・日本国内の米アマゾン・ドット・コムや楽天に次ぐ「万年ネット通販3位」の座の返上

・ヤフー利用者は30〜40代が中心。路線検索などは若者も利用するが、アマゾン、楽天より高齢化

・ZOZOの約800万人の顧客の大部分は20〜30代。通販サイトにZOZOが出店して衣料品を販売すれば、顧客の若返りが見込める

・アマゾンは直販とモールを組み合わせるのに対し、ヤフーはモール型で展開。同じモール型でもZOZOの売上高営業利益率は22%とヤフーより高い。ECを新たな収益源として見込める

・ヤフーのECサイトの利用者は男性が6割なのに対し、ZOZOは女性が7割。グループで購買データを共有できれば、AIを使った商品提案などで利点が多い

(2)株価終値推移(円)
　　　　9/10　9/11　9/12　9/13
ヤフー　289　 298　 305　 320
ZOZO　2112　2166　2457　2446

＜感想＞
　本件は、ヤフーによるZOZO連結子会社化狙いのTOB。
　孫さんの「No.1でないと意味がない」(国内eコマース(物販)取扱高)という並々ならぬ強い意志を感じる。

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ヤフー株式の行方？

【ヤフー株式の行方：アルタバによる売却】

　2018/2/27、筆頭株主のアルタバがヤフー(4689)株式の売却方針を発表した。
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO27504290Y8A220C1EN1000?s=1

『アルタバは元米ネット大手のヤフー。経営危機で中核事業を米通信大手のベライゾン・コミュニケーションズに売却し、社名を変更した。27日の電話会見で「キャッシュを得るためにヤフー株を売却したい」と発表した。』

１．大量保有変更報告書より

提出者：ソフトバンクグループ
提出義務発生日：2017/9/12
提出日：2017/9/22
提出事由：担保契約等重要な契約の変更

< 担保契約等重要な契約 >
1)提出者、アルタバインク、ソフトバンクグループインターナショナル合同会社及びSBBM(株)間で全保有株式につき、提出者を一方当事者とし、アルタバインク、ソフトバンクグループインターナショナル合同会社及びSBBM(株)を他方当事者として相互に相手方に先買権を付与する合意がある。
　保有株式16.3億株のうち、11億株について契約期限を2017/11/28までとする「株券等貸借取引に関する基本契約書」等に基づき一般社団法人スレンダーに貸出しております。なお、当該貸借株式の名義及び議決権は、ソフトバンクグループインターナショナル合同会社が保有しております。

2)ソフトバンクグループインターナショナル合同会社との間で、契約期限を2020/6/1までとする「株式等貸借取引に関する契約書」等を締結し、ソフトバンクグループインターナショナル合同会社が保有する20.71億株のうち、16.3億株について借入れています。なお、当該貸借株式の名義及び議決権は、ソフトバンクグループインターナショナル合同会社が保有しております。

２．アルタバの保有株式
株式数：20.26億株
時価：1兆190億円(3/2終値：503円)

３．ヤフーの利益剰余金・過去の主な自己株式取得

(1)2017/12末の利益剰余金：9,658億円

(2)主な自己株式取得
2013/10～14/1：57,240千株(*1.0%)、300億円
2013/2～13/3：516千株(*0.9%)、200億円

2009/3：1,185千株(*2.0%)、300億円
2008/6～08/7：1,210(*2.0%)、516億円

*それぞれの時点における発行済株式総数に対する取得株式数の割合

＜感想＞
　大量保有変更報告書によれば、アルタバによるヤフー株式の売却に際しては、ソフトバンクグループに先買権がある。
　(1)ソフトバンクグループは、10兆円ファンドへの資金ニーズがあること、(2)ヤフーは1兆円近い利益剰余金があること、かつ、ここ数年自己株式取得未実施であることから、株主還元にも資する、「アルタバの売却⇒ヤフーによる自己株式取得」の可能性が高いように思われる。

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