住友林業・熊谷組の株式持合 vs ヤマハ発動機株式の売却?
2017/11/28、住友林業(1911)と熊谷組(1861)が資本業務提携に伴う、持ち合い(政策保有)株式の払込を完了した。
< 住友林業と熊谷組の11/28の適時開示資料 >
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120171128425969.pdf
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120171127425684.pdf
< 株式持ち合いの概要 >
・住友林業:約520万株新株発行(@1,924)、約100億円(発行済株式数の2.85%)
・熊谷組:(1)約905万株の新株発行(@3,705)+(2)31万株の(同左)自己株式処分、約350億円(発行済株式数の20%)
< コーポレートガバナンス・コード【原則1-4】 >
1.住友林業
http://www2.tse.or.jp/disc/19110/140120170613405531.pdf
・当社は、取引先との長期的・安定的な取引関係の維持・強化及び関係強化による当社事業の拡大等の観点から、当社の中長期的な企業価値の向上に資すると判断した場合、取引先等の株式を取得及び保有する
2.熊谷組
http://www2.tse.or.jp/disc/18610/140120170529487333.pdf
・当社は、当社の持続的な企業価値向上のために、中長期的な取引・協業関係の強化や収益機会の獲得を目的として政策保有株式の保有を行う
⇒ 中長期的な企業価値向上に資すると判断して、(政策保有)株式を持ち合う
【 ヤマハ(7951)によるヤマハ発動機(7272)株式の売却 】
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120171127425644.pdf
売却理由:資産効率の観点などから同社株式の保有レベルについて検討を重ねた結果、主要株主(議決権割合が10%以上の株主)を外れるレベルまで保有を引き下げることとした
売却株式数:800万株(総株主の議決権数の2.3%。12.2%⇒9.9%)
売却先:証券会社(証券会社を通じたブロックトレードによる売却)
< コーポレートガバナンス・コード【原則1-4】 >
http://www2.tse.or.jp/disc/79510/140120171016491489.pdf
・当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資する、という合理性のある場合のみ、保有することを基本方針としている。当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資する、という合理性のある場合とは、重要な協力関係にある企業、取引先企業、金融機関等との安定的な関係を継続することにより、当社のブランド価値を高める、持続的な成長を支える、強固な財務基盤を確実なものとする、ことを指す
⇒ 資産効率の観点などから、持ち合い(政策保有)株式(の一部)を売却
<感想>
(1)資本業務提携に伴う株式持ち合いと、(2)資本効率の観点からの持ち合い株式の売却。
両者の方向性は真逆であり、コーポレートガバナンス強化の流れに伴い、今後、相対的には、後者(2)が優勢になって行くものと思われる。
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら http://tsuruichi.blog.fc2.com/
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