「時代と闘った男たち」
「時代と闘った男たち」(監修:会田雄次、PHP研究所)より
大村益次郎 ⇒ 勝利を計算できた男
幕末から維新にかけて激動の歴史の舞台に大急ぎで駆け抜けた一人の男がいる。
大村益次郎である。
彼は国事に奔走した維新の志士ではない。政治とは全く無縁の世界に生きた、一人の技術者だった。
蘭学を通して医学を学び、科学を学び、軍事を学んだ。あらゆるヨーロッパの新知識がその頭脳の中に蓄えられていった。
時代は、この地味な学究派の技術者を歴史の表舞台に引っ張り上げた。
わずか四年間に、益次郎はそれまで蓄えていた知識や技術に一斉に花を咲かせ、流星のように消えていった。
益次郎にとって、明治維新というのは、彼の築き上げてきた理論を実用化に移す実験室だったのかもしれない。
>>益次郎の軍事理論、国民皆兵の構想がなかりせば、明治新政府、その後の日本がなかったに違いない