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ジュリー景子元社長の任務懈怠?

 

【 藤島ジュリー景子元社長:取締役としての任務 】

 


 連日、ジャニー喜多川氏の少年に対するセクハラ問題が話題になっている。


 以下は、会社が発表した「調査報告書(概要版)」の「ガバナンスの強化」部分を抜粋して、問題点(【 】部分)について考えてみたい。


調査報告書(概要版)
https://saihatsuboushi.com/%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E5%A0%B1%E5%91%8A%E6%9B%B8%EF%BC%88%E6%A6%82%E8%A6%81%E7%89%88%EF%BC%89.pdf

 


ガバナンスの強化

 

 1) ジュリー氏の代表取締役社長辞任と同族経営の弊害の防止


 ジャニーズ事務所が解体的出直しをするため、経営トップたる代表取締役社長を交代する必要があり、ジュリー氏は、代表取締役社長を辞任すべきと考える。これにより、ジャニーズ事務所におけるガバナンス不全の最大の原因の一つである同族経営の弊害も防止し得ることとなる。

 

【取締役としての任務の懈怠】
会社法
 第423条(役員等の株式会社に対する損害賠償責任)
取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

 

 2) 取締役会の活性化 
 取締役会が十分な監督機能を発揮できるように定期的に開催し、社内の問題点を適時に共有して適切な対応策を決定すべきである。

 

【取締役の報告義務違反】

会社法 第363条(取締役会設置会社の取締役の権限)
次に掲げる取締役は、取締役会設置会社の業務を執行する。
一 代表取締役
二 代表取締役以外の取締役であって、取締役会の決議によって取締役会設置会社の業務を執行する取締役として選定されたもの
2 前項各号に掲げる取締役は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない。


 3) 社外取締役の活用 
 社外取締役に期待された役割を十分に果たすことのできる体制作りをすべきである。


 4) 内部監査室の設置 
 内部統制システムの有効性を含め、業務の適正性と効率性を確保するために、他の部門から独立した内部監査部門を設置すべきである。


 5) 基本的な社内規程の整備


 6) 内部通報制度の活性化

 

【公益通報の体制整備違反】

 公益通報者保護法 第11条(事業者がとるべき措置)
 事業者は、第三条第一号及び第六条第一号に定める公益通報を受け、並びに当該公益通報に係る通報対象事実の調査をし、及びその是正に必要な措置をとる業務を定めなければならない。

2 事業者は、前項に定めるもののほか、公益通報者の保護を図るとともに、公益通報の内容の活用により国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に関わる法令の規定の遵守を図るため、第三条第一号及び第六条第一号に定める公益通報に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の必要な措置をとらなければならない。

3 常時使用する労働者の数が三百人以下の事業者については、第一項中「定めなければ」とあるのは「定めるように努めなければ」と、前項中「とらなければ」とあるのは「とるように努めなければ」とする。


 7) 相談先の拡充とアドボケイトの配置 
 ジャニーズJr.が悩み事等を相談する相談者やアドボケイトを増やすべきである。

 


調査報告書(公表版)
https://saihatsuboushi.com/%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E5%A0%B1%E5%91%8A%E6%9B%B8%EF%BC%88%E5%85%AC%E8%A1%A8%E7%89%88%EF%BC%89.pdf

 


<感想>
いくつかの法令違反が認められるが、ジュリー元社長の取締役としての任務を怠ったことは間違いなく、会社に対し、任務懈怠によって生じた損害を賠償する責任を負うとされ、この損害金額がどの程度になるのかが注目される。

 

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ジャニー喜多川氏の法的責任?

 

【 ジャニー喜多川氏:法的責任 】

 


 連日、ジャニー喜多川氏の少年に対するセクハラ問題が話題になっている。
 以下は、ジャニー喜多川氏個人と状況を放置していた会社の法的責任について、以下Webサイト等からから一部抜粋して、考えてみたい。

 

 


https://advisors-freee.jp/article/category/cat-big-12/cat-small-37/6081/

 


会社も責任を負う


セクハラ被害が起こった際に責任を負うのは、加害者本人だけではありません。

会社が不適切な管理をしていた場合には、

 


不法行為責任
不法行為責任においては、会社の使用者責任(民法715条)が問題になります。

 

会社は、雇用する従業員が第三者に対して、事業の執行につき損害を与えた場合に使用者として損害賠償責任を負います。その損害賠償の範囲は、不法行為責任を負うセクハラ行為加害者と同じ範囲です。

また、企業が社内の悪質なセクハラを放置して被害者が精神的苦痛を受けた場合には、企業は故意または過失によって被害者に損害を与えたと言えるので、不法行為も成立する余地があります。

 


債務不履行責任


もうひとつの債務不履行に基づく損害賠償責任では、安全配慮義務が問われます。


会社は従業員との雇用契約により、従業員に適切な就労環境を提供すべき義務を負っています。セクハラが横行している環境を放置することはこの義務に反することになり、契約違反となって損害賠償義務を負うのです。

 

このように、企業に法的責任が発生するケースでは、会社は被害者に対し、損害賠償金を支払わなければなりません。

 

なお、基本的に会社自身には強制わいせつ罪などの刑事罰は下りませんが、従業員が悪質なセクハラ行為で逮捕されて有罪判決を受けたということになると、企業への社会的な信用が一気に低下して大きなダメージにつながるリスクもあります。

 


[ 民法 ]

 

第715条(使用者等の責任)
ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。

 

第709条(不法行為による損害賠償)
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

 


[ 刑法(改正後)]

 

第百七十九条(監護者わいせつ及び監護者性交等)
十八歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第百七十六条の例による。
2 十八歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて性交等をした者は、第百七十七条の例による。


第百七十六条(強制わいせつ罪)
十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

 

第百七十七条(強制性交等)
十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

 


<感想>
本件は、使用者であるジャニー喜多川氏は、現在の刑法179条の監護者に相当すると思われ、本来なら5年以上の懲役となる犯罪。
当然、会社側の使用者責任(民法715条)と損害賠償責任(同709条)も問題になると思われ、今後の進展に注視してゆきたい。

 

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