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FX取引は女性に向いている?

 

【 日本のFX投資家の属性と収益性との関係 】

 


 中央大学、SBI FXトレード株式会社から共同で、「日本のFX投資家の属性と収益性との関係を分析 ~口座レベルデータから見えてきたエビデンス~」が発表されていた
https://www.chuo-u.ac.jp/aboutus/communication/press/2024/11/77627/

 

 以下はポイント内容の一部抜粋

 


< この研究で得られた結果、知見 >
1.個人資産額と年齢:取引成功率と累積損益率の両方に対して正の影響を持つこと

 

2.男性ダミー(男性が保有する口座であること)、年収、前回取引からの経過日数:取引成功率と累積損益率の両方に対して負の影響を持つこと

 

3.取引成功率が高いほど累積損益率も高い傾向あり:その傾向が、1)男性より女性で強い、2)年齢の高い投資家ほど強い≒「Learning about Abilityの効果」が、性別や年齢などの投資家属性に依存することを示唆

 


< FX取引への新規参入者に対する重要な参考情報となる >
1.前回取引からの経過日数が取引成功率に与える負の影響:経過日数を少なくし、FXの経験を積む取引を継続的に行う ⇒ 累積損益率を高める(仮説)
⇒ 高リスク商品であるFXを始める際には、少額の取引で経験を積んで素養を向上させることが、長期的なリスク管理の観点から重要

 

2.FX投資においては現状男性が主なプレイヤーとなっている:少なくとも今回の分析においては、女性の方が男性よりも収益性が高い傾向にあった
⇒ FX投資が必ずしも男性向きの投資手法である訳ではないことを示唆


<感想>
この研究が正しければ、FX業者にとっては、女性をターゲットとして、少額の取引で経験を積んでもらうことにメリットがありそうだ

 

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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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円の売り越しが急減?

 

【 米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉 】

 


 2024/8/13、日経電子版に、「円売りやめたCTA、米政府統計で鮮明に 米利下げ念頭」が掲載された。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFL1314VTT10C24A8000000/

 


シカゴの通貨先物市場で投機的な円の売り持ち高が急減

 

シカゴに拠点を置く商品投資顧問(CTA)など:
今年3月以降、低金利の円を調達してより高金利の通貨を買う「円キャリー取引」のけん引役

→ 日本政府・日銀による円買い介入や米利下げ観測の高まりなどから7月以降に戦略を転換

 


米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉(8月6日時点):円の売越幅1万1354枚

→ 21年3月以降の最小:今年7月上旬の直近ピークと比べると9割縮小(2022年に米連邦準備理事会(FRB)が利上げを始める前の水準に)

 


CTA:独自の定量分析などを用いて相場の流れに乗る「順張り」を基本
→ だが、日銀が3月にマイナス金利政策を解除した後も、キャリー取引への傾斜を強めていた(←日銀が緩和的な金融環境の継続を強調)

 


日銀:政策正常化への道を進んでいる
→ 教科書に反するようなこれまでのCTAのイレギュラーな取引も、買い戻しを進めた結果、ようやく「正常化」した

 


円相場の予想変動率(通貨オプション市場):6カ月物まで10%超(8月13日朝時点)
→ レバレッジ比率を高めた円キャリーの持ち高の再構築は得策ではなさそう

 


日銀:8月5日週初にかけての市場の混乱で追加利上げには腰が引けているようにみえる

FRB:利下げがコンスタントに進めば、日米金利差は確実に縮まっていく

→ 「円売りを再開してもキャリー(利息収入)の積み上げは狙わず、いつでも逃げられるように期間限定で臨む」(欧州系ヘッジファンドのマネジャー)

 


スイスの運用会社UBP(ユニオン・バンケール・プリヴェ)のシニアエコノミスト、カルロス・カサノバ氏:「投資家は米国の需要鈍化と日本の段階的な金融引き締めという環境に備えてポジションを改めて構築する機会を得たことになる」 (8月12日付のリポート)

→ 相場の旗振り役となることが多いCTAの「次の一手」も円買いではないか

 


<感想>
米商品先物取引委員会(CFTC)の円売越は、21年3月以降最小で、今年7月上旬の直近ピークと比べると9割縮小したという。
これまでの円安トレンドが終了したのか、日銀の利上げの遅れに伴う円安基調に戻るのか、注視してゆきたい。

 

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ドル売り介入との攻防?

 

【 ドル買いニーズ vs ドル売り介入 】

 


 2024/6/4、日経電子版に、「ドル買いに二の足踏むFX勢 円高加速の引き金に」の記事が掲載された。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB03BNM0T00C24A6000000/

 

 以下は、一部抜粋。

 


外国為替証拠金(FX)取引を手がける個人投資家の円安・ドル高期待が影を潜めている。低金利の円を売り高金利の米ドルを買って金利差や値動きによる収益獲得をめざす動きが一服してきた。米経済指標の下振れが続き円高に振れているためで、利益確定や損失限定のために進める注文動向は、さらなる円高加速の引き金にもなり得る。

 


実際、円相場は4日夕方の欧州取引時間帯に入り、155円台後半でじりじりと円高が進んでいたが、急に154円台後半まで上げ幅を広げる場面があった。トレイダーズ証券の井口喜雄取締役は「円売り・ドル買いのポジションを積み上げていた個人投資家の円買いが急速に進んだ」と話す。円買い・ドル売りの逆指し値注文の成立も進んだもようだ。

 


店頭FX業者5社(グラフ)
これまで:SBIFXトレード、外為どっとコム、セントラル短資FX、マネーパートナーズ、マネックス証券

今回:GMOクリック証券、外為どっとコム、セントラル短資FX、マネーパートナーズ、トレイダーズ証券

 

SBIFXトレード、マネックス証券
→ GMOクリック証券、トレイダーズ証券

 


ご参考)
約9.8兆円のドル売り・円買い介入が意味すること

https://www.smd-am.co.jp/market/ichikawa/2024/06/irepo240603/

 


<感想>
当面、円ドル相場は、当局の円安加速警戒の介入と潜在的なドル買いニーズとの攻防が続くものと思われる。

 

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FX取引サービスの特許戦略?


【 マネースクエアHD:FXにおける特許戦略 】

 


 2024/3/25、マネースクエアHD/マネースクエアから、「松井証券株式会社に対する訴訟提起に関するお知らせ」がリリースされた。
https://www.m2j.co.jp/sc/web/notice/20240325_m2hd_patent.pdf

 以下は、一部抜粋。

 


3.訴訟の内容
(1)特許権侵害に基づく、松井証券が提供する FX 取引サービス(「自動売買(リピート注文)」)に使用されているFX取引管理方法及びFX取引管理システム使用の差止請求
(2)特許権侵害に基づく損害賠償請求

 


4.訴訟に至る経緯
 2023 年4月より松井証券株式会社がサービス提供を開始した「自動売買(リピート注文)」について、マネースクエアHDが保有する特許権を侵害すると考え、松井証券に対して複数回警告したにもかかわらず、サービス提供の中止等の対応措置が講じられなかったため、やむを得ず訴訟を提起することにいたしました。

 

 当グループは独自注文の一つである「トラリピ」をはじめとして、当グループが保有する知的財産を重要な経営資源であるととらえており、これまでも厳格な保護に向けて対応してまいりました。当グループは今後も当グループが保有する知的財産権を侵害すると考えられる類似サービスやプログラム、商標等に対しましては、法的措置を含め断固とした対応を図っていく所存です。

 


ご参考)2023/2/16の地裁判決
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/131/092131_hanrei.pdf

 

東京地裁判決(概要。一部抜粋)

 

 原告:マネ―スクエアHD、被告:外為オンライン

 

 主文:2014万9093円及びこれに対する2019/3/4から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え

 

(請求:11億9000万円及びこれに対する2019/3/4から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え)

 


<感想>
マネースクエアHDの特許戦略も理解できるが、店頭FXという自由な市場における自由な業者間競争により、顧客の利便性等がより高まるようにも思われる。

 

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円売越額が2年ぶりの高水準?

 

【 対ドルでの海外ヘッジファンドの動向 】

 


 2024/3/9、日経電子版に、「金縛りのミセス・ワタナベ 円安にブレーキ」が掲載された。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD065TW0W4A300C2000000/

 

 以下は、一部抜粋。

 


なぜ円相場の下落は150円台で止まったのか。相場材料が何もなかったわけではない。日米の経済指標はたびたび事前予想と異なる結果を示し、日米の中央銀行からは金融政策運営を巡る強弱様々な発言が飛び交っている。

 

たとえば日銀だけを取り出しても、2月8日に内田真一副総裁がマイナス金利政策の解除後も低金利を維持すると言及した際には円売りが加速。その後、150円台まで円安が進んだ。一方、2月29日の高田創審議委員の講演では、金融政策が正常化に向かうとの見方が強まり、一転して円買いが優勢になった。

 

それでも円相場が150円を挟んでこう着し、ミセス・ワタナベが動くに動けなくなったのは、米国の景気・物価判断や日銀の金融政策判断が最後の難路にさしかかり、強弱双方の材料が発信されていることが影響したからではないか。日米の中央銀行も市場の乱高下を招かないように慎重な政策運営を進めるため、一方向に大きくかじを切るような発言が相次ぐことを自重している可能性を否めない。

 


円売越額、2年ぶりの高水準に

このまま静寂が続くのか。実は、円相場の停滞を破る材料がないわけではない。今年に入って円相場が三たび150円の節目を抜ける原動力になった海外ヘッジファンドの動向だ。みずほ銀行が米商品先物取引委員会(CFTC)のデータから算出したヘッジファンドなどの投機筋による対ドルでの円の売越額は、2月27日時点で110億ドルを超え、22年4月以来、約2年ぶりの水準まで膨らんでいる。

 

これまでヘッジファンドは、日経平均株価の最高値更新で日本株を運用する海外投資家が為替相場の変動リスクを回避(ヘッジ)するための円売り・ドル買いを増やすのに相乗りする形で、多額の円売りを仕掛けてきた。ただ「円売りの持ち高がここまで膨らんでくると、いったんは利益確定の円買いに転じる可能性が高い」(みずほ銀行の唐鎌大輔氏)。

 

円相場が動き出せば、ミセス・ワタナベも勢いを取り戻す。これまで静寂を保っていた分、ヘッジファンドの円買いに対し、逆張りの円売り注文を膨らます展開も予想される。実際、7日には、ヘッジファンドの円買い戻しが主導して大幅な円高に振れる展開になった。

 

日米の金融政策運営や「もしトラ(もしトランプ氏が勝ったら)」シナリオ、中国の景気不安といった不透明材料への思惑も絡み合い、遠からず23年末から24年初めにかけてのように値動きの荒くなる場面が増えそうだ。

 


<感想>
1月中旬から2月末にかけての投機筋による円の対ドル売越額が倍の110億ドル(約2年ぶりの水準)になっているというみずほ銀行のデータによれば、もう少し円の買い戻しが続くような気がする・・・。

 

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