呉美保監督作品に通じる家族愛?
【 呉美保監督作品:そこのみにて光輝く、他 】
先日、呉美保監督の映画を3本観た。以下は、それぞれ、呉監督のインタビュー記事から。
『オカンの嫁入り』呉美保監督が明かす、大竹しのぶと宮崎あおいが母子になった瞬間
https://search.yahoo.co.jp/amp/s/s.cinemacafe.net/article/2010/09/01/8940.amp.html%3Fusqp%3Dmq331AQRKAGYAafjzJe-uYbeyAGwASA%253D
原作は咲乃月音の小説。監督は脚本にする段階から本作に携わっているが、監督を惹きつけたのは原作中の「二度と戻らへん時間をつないで誰もが生きてく」というフレーズだった。
「私自身、当たり前だな、と思っている日常というのは、すぐ先でそうではなくなってしまうかもしれない、ということを常に考えていまして。その意味で通じるものがあるな、と思い原作を読んで(監督を)引き受けることを決めました」。
『そこのみにて光輝く』呉美保監督インタビュー
http://kansai.pia.co.jp/interview/cinema/2014-04/sokonomi-kantoku.html
――資料によると、脚本の冒頭の3行を読んで出演を決めたとあります。
そうなんです。冒頭の3行には「扇風機が回っている…」ぐらいしか書いてなくて、達夫はまだ登場していないんですけどね(笑)。
――きっとそれだけで作品の世界観に感じるものがあったんでしょう(笑)。
すごい嗅覚ですね(笑)。
――それで実際に演じてもらっていかがでしたか?
これは綾野さんじゃなきゃできなかったなと思いました。彼は、達夫に入るために毎日お酒を飲んでどよーんとした感じで現場に入るんですよ。もちろん役作りですよね。達夫のキャラクターは中途半端な雰囲気でやれるものじゃないから、ほんとに身体の芯から達夫になるための努力をしてくれました。地元に呑み仲間もできて、方言の会得などもそのなかでやってましたね。
――背景にそういう状況があったと思うと、なんとなく映画の奥行きが深まりますね(笑)。
素敵ですよね。また、すごいなと思ったのは、映画の前半は飲んでばかりいる達夫が、後半、千夏を愛したことによって家族を持ちたいと思うようになるんですが、ある日、酔っぱらいのシーンを撮ったすぐ後に「家族を持ちたい」と決意を語るシーンを撮ったんです。
正直、大丈夫かなと心配でした。でも彼は見事にその2つのシーンを演じ分けてくれました。さっきまでのむくんでいた顔がシュッと引き締まってて。どうコントロールしてるんだろうと感心しました。決意のシーンはすごくいい表情をしていて。しかも編集で観るともっといいんですよ。フォトジェニックってこういうことなんだなって、さらに感心しました。
『きみはいい子』呉美保監督インタビュー
http://eigato.com/?p=22474
-岡野先生はある「宿題」を出しますが、その感想を語る子供たちの反応がまるでドキュメンタリーを見ているようでした。
あれも台本はあったんです。でも、高良さんが子供たちとちゃんと向き合って撮影に臨んでくださっていて、その関係性がとても密になっているのを見せてもらっていたので、実際に宿題を出したら、台詞ではない、
もっと生き生きとした表情が撮れるんじゃないかなと思いました。
それで高良さんに提案したら、「ぜひやってみましょう」ということになったんです。(宿題の成果を語るシーンの)撮影当日、本来はリハーサルをして、カメラの動きも決めて撮るのが一番安全な方法ではあるのですが、それをやったら多分何かを失うなと思って、高良さんが子供たちに質問していく横をカメラマンさんに手持ちでついて行ってもらい、ほんとに何が出てくるか分からない言葉を順番に拾っていくという方法をとりました。あそこのシーンはこの映画にとって、嘘ではない、大事な感情の部分だと思ったんです。
<感想>
家族をテーマにした、呉監督の3作品。
それぞれの、監督の思い、綾野剛の役者魂、高良健吾と子供たちとの素のやりとりに感動した。
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら http://tsuruichi.blog.fc2.com/
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先日、呉美保監督の映画を3本観た。以下は、それぞれ、呉監督のインタビュー記事から。
『オカンの嫁入り』呉美保監督が明かす、大竹しのぶと宮崎あおいが母子になった瞬間
https://search.yahoo.co.jp/amp/s/s.cinemacafe.net/article/2010/09/01/8940.amp.html%3Fusqp%3Dmq331AQRKAGYAafjzJe-uYbeyAGwASA%253D
原作は咲乃月音の小説。監督は脚本にする段階から本作に携わっているが、監督を惹きつけたのは原作中の「二度と戻らへん時間をつないで誰もが生きてく」というフレーズだった。
「私自身、当たり前だな、と思っている日常というのは、すぐ先でそうではなくなってしまうかもしれない、ということを常に考えていまして。その意味で通じるものがあるな、と思い原作を読んで(監督を)引き受けることを決めました」。
『そこのみにて光輝く』呉美保監督インタビュー
http://kansai.pia.co.jp/interview/cinema/2014-04/sokonomi-kantoku.html
――資料によると、脚本の冒頭の3行を読んで出演を決めたとあります。
そうなんです。冒頭の3行には「扇風機が回っている…」ぐらいしか書いてなくて、達夫はまだ登場していないんですけどね(笑)。
――きっとそれだけで作品の世界観に感じるものがあったんでしょう(笑)。
すごい嗅覚ですね(笑)。
――それで実際に演じてもらっていかがでしたか?
これは綾野さんじゃなきゃできなかったなと思いました。彼は、達夫に入るために毎日お酒を飲んでどよーんとした感じで現場に入るんですよ。もちろん役作りですよね。達夫のキャラクターは中途半端な雰囲気でやれるものじゃないから、ほんとに身体の芯から達夫になるための努力をしてくれました。地元に呑み仲間もできて、方言の会得などもそのなかでやってましたね。
――背景にそういう状況があったと思うと、なんとなく映画の奥行きが深まりますね(笑)。
素敵ですよね。また、すごいなと思ったのは、映画の前半は飲んでばかりいる達夫が、後半、千夏を愛したことによって家族を持ちたいと思うようになるんですが、ある日、酔っぱらいのシーンを撮ったすぐ後に「家族を持ちたい」と決意を語るシーンを撮ったんです。
正直、大丈夫かなと心配でした。でも彼は見事にその2つのシーンを演じ分けてくれました。さっきまでのむくんでいた顔がシュッと引き締まってて。どうコントロールしてるんだろうと感心しました。決意のシーンはすごくいい表情をしていて。しかも編集で観るともっといいんですよ。フォトジェニックってこういうことなんだなって、さらに感心しました。
『きみはいい子』呉美保監督インタビュー
http://eigato.com/?p=22474
-岡野先生はある「宿題」を出しますが、その感想を語る子供たちの反応がまるでドキュメンタリーを見ているようでした。
あれも台本はあったんです。でも、高良さんが子供たちとちゃんと向き合って撮影に臨んでくださっていて、その関係性がとても密になっているのを見せてもらっていたので、実際に宿題を出したら、台詞ではない、
もっと生き生きとした表情が撮れるんじゃないかなと思いました。
それで高良さんに提案したら、「ぜひやってみましょう」ということになったんです。(宿題の成果を語るシーンの)撮影当日、本来はリハーサルをして、カメラの動きも決めて撮るのが一番安全な方法ではあるのですが、それをやったら多分何かを失うなと思って、高良さんが子供たちに質問していく横をカメラマンさんに手持ちでついて行ってもらい、ほんとに何が出てくるか分からない言葉を順番に拾っていくという方法をとりました。あそこのシーンはこの映画にとって、嘘ではない、大事な感情の部分だと思ったんです。
<感想>
家族をテーマにした、呉監督の3作品。
それぞれの、監督の思い、綾野剛の役者魂、高良健吾と子供たちとの素のやりとりに感動した。
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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