「はやぶさ」式思考法
「はやぶさ」式思考法(川口淳一郎著、飛鳥新社)より
「はやぶさ」プロジェクトは、多くのみなさんに支えられ、使命をまっとうできました。
帰還後にコメントを求められて、「技術よりも根性」と述べました。もちろん、技術あっての根性です。根性とは、意地(意気込み)と忍耐(諦めない心)を指しています。そこには、最前線の科学技術の存在はもちろんですが、研究者、技術者が魂を注いで打ち込んだ七年間の努力が凝縮しているのです。
「はやぶさ」プロジェクトだけが成功すればよいというものではありません。2003年に「はやぶさ」が打ち上げられてから、果たして日本は再生に向かったのか。「はやぶさ」が持ち帰ったのは、試料だけでなく、プロジェクトを立ち上げた90年代からの、いわばタイムカプセルとして、投資こそが将来、未来を支えるのだというメッセージだったのではないかと思います。
私が大切にしている心がけ、二十四ヶ条を書いてみようと思ったのは、このためです。日本を復活し、元気をとりもどすこと。それにいかばかりでも、これらのメッセージが励ましになれば、なによりだと思うところです。
>>将来・未来を支える投資は不可欠だ