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外務省の尖閣諸島を巡る中国への対応?


【 外務省:尖閣諸島を巡る中国への対応 】

 


 2020/11/24、夕刊フジに、『中国外相、あきれた暴言連発 共同記者会見で「日本の漁船が尖閣に侵入」 石平氏「ナメられている。王氏に即刻帰国促すべき」』の記事が掲載された。
https://www.zakzak.co.jp/soc/amp/201125/for2011250002-a.html

 以下は一部抜粋。

 


 王氏からは、次のような看過できない発言が飛び出した。

 「ここで1つの事実を紹介したい。この間、一部の真相が分かっていない日本の漁船が絶えなく釣魚島(=尖閣諸島の中国名)の周辺水域に入っている事態が発生している。中国側としてはやむを得ず非常的な反応をしなければならない。われわれの立場は明確で、引き続き自国の主権を守っていく。敏感な水域における事態を複雑化させる行動を避けるべきだ」

 尖閣諸島は、歴史的にも国際法上も日本固有の領土である。


 国家の基本である、領土・領海について許しがたい主張をされて、菅政権はなぜ怒らないのか。

 中国事情に詳しい評論家の石平氏は「日本はナメられている。中国の人権問題をめぐって欧州各国から批判が集まり、日本は『日米豪印戦略対話(QUAD=クアッド)』を推進する立場でもある。中国は本来、習近平国家主席の『国賓』来日など、日本に頼みごとをする立場だ。にもかかわらず、王氏は日本の首都で尖閣の領有権を堂々と主張した。言語道断であり、王氏には即時帰国を促すべきだった」と痛烈に批判した。

 


< 外務省HP >
2020/11/25
「王毅中国国務委員兼外交部長による菅総理大臣表敬」

https://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/c_m1/cn/page3_002937.html

 

菅総理大臣からは、尖閣諸島周辺海域等の東シナ海を始めとする海洋・安全保障問題や日本産食品に対する輸入規制の早期撤廃、さらに日本産牛肉の輸出再開や精米の輸出拡大の実現について、中国側の前向きな対応を改めて強く求めました。また、香港情勢に関して菅総理大臣から日本側の懸念を伝達したほか、拉致問題を含む北朝鮮への対応についても協力を求めました。

 


2020/11/24
「日中外相会談及びワーキング・ディナー」

https://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/c_m1/cn/page6_000480.html

 

5 海洋・安全保障
(1)茂木大臣からは、尖閣諸島周辺海域等の東シナ海における最近の情勢を踏まえ、個別の事象にも言及しつつ、我が国の懸念を伝達し、海洋・安全保障分野について、中国側の前向きな行動を強く求めた。また、大和堆周辺水域における中国漁船の違法操業について、再発防止や漁業者への指導の徹底を改めて強く要請した。

 


<感想>
 王毅外相の「日本の漁船が自国の尖閣諸島に侵入」発言は、看過できない。
 外務省の「中国側の前向きな行動を強く求めた」発言は、許し難く、他国からの誤解も招く。
 中国に対しては、毅然とした態度を取り続けねばならない。

 

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大阪市住民投票前の法律違反?


【 大阪市住民投票:大阪市財政局と毎日新聞社の法律違反 】

 


 200/11/23、高橋洋一さんが、『毎日新聞「大阪都構想」ミスリード報道で露呈した、マスコミの「勘違い」』の記事を掲載してきた。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/77623?imp=0

 


< 11月18日の大阪市議会特別委員会 >
大阪市財政局と毎日新聞とのやりとりが明らかになった。そこで、財政局の東山潔局長らが住民投票に関連する公文書を廃棄したことや、破棄された文書は毎日新聞大阪支社の記者が財政局に掲載前に見せていた原稿だったことがわかった。

 


< 時系列 >
10月23日
あるテレビ局での政治家討論において、山中市議(共産党)が松井一郎大阪市長に対し、大阪都構想実現で行政コストが218億円増加する試算があると質問した

 

26日
毎日新聞一面で「市4分割 コスト218億円増 大阪市財政局が試算」という記事が出た。「大阪市を四つの自治体に分割した場合」という書き出しで、総務省が規定する「基準財政需要額」がどうなるかという記事だった。
この記事は、NHKと朝日新聞が追っかけのニュースを作り、広く流布された。これらの記事をもとに、大阪都構想がコストアップになると、自民党、共産党、学者らの都構想反対派に利用された。関係者の話によれば、この記事によって、大阪都構想への反対が急速に増えたようだ。

 

27日
大阪市財政局長が記者会見し、四分割とは四つの「政令市」に分割した場合を明らかにした。松井市長は、この試算は市長の知らないところで行われ、報道機関に伝えられたとした。追随したNHKと朝日新聞は、四つに分割を四つの「特別区」と報じたために、誤報があったとして小さく訂正した。

 

29日
大阪市財政局長が再び記者会見し、今回の試算は捏造試算だったと謝罪した。

 

11月2日
大阪市の住民投票で「大阪都構想」否決

 


< 地方公務員法 >
(信用失墜行為の禁止)
第三十三条 職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。

 


< 公職選挙法 >
(新聞紙、雑誌の報道及び評論等の自由)
第百四十八条 この法律に定めるところの選挙運動の制限に関する規定(第百三十八条の三の規定を除く。)は、新聞紙(これに類する通信類を含む。以下同じ。)又は雑誌が、選挙に関し、報道及び評論を掲載するの自由を妨げるものではない。但し、虚偽の事項を記載し又は事実を歪曲して記載する等表現の自由を濫用して選挙の公正を害してはならない。

 


<感想>
 大阪市役所財政局は地方公務員法違反で、毎日新聞は公職選挙法148条但書き違反で、それぞれ立件して欲しい。

 

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TOBにおけるアドバイザーの力量?


【 島忠TOB:アドバイザーの力量 】

 


 本日は、島忠(8184)を巡るTOBに関わる、各アドバイザーを改めて確認してみたい。

 


< ニトリホールディングス(9843)TOB >
https://www.nitorihd.co.jp/news/items/a4f810dbebe2601152472263dfc0739d.pdf

 ニトリHD側
 ファイナンシャル・アドバイザー(FA):大和証券
 リーガル・アドバイザー(LA):アンダーソン・毛利・友常法律事務所

 


< DCMホールディングス(3050)TOB >
https://ssl4.eir-parts.net/doc/3050/tdnet/1887430/00.pdf

 

 DCM側
 FA:SMBC日興証券
 LA:佐藤総合法律事務所

 

 島忠側
 FA:野村證券
 LA:森・濱田松本法律事務所

 島忠の特別委員会側
 財務アドバイザー:ブルータス・コンサルティング

 

「対象者取締役会は、対象者取締役会における本取引に関する意思決定は、本公開買付けへの賛否を含めた、特別委員会の判断内容を最大限尊重して行うこと、及び、特別委員会が本公開買付けの実施又は取引条件が妥当でないと判断した場合には、本公開買付けに賛同しない個々とすることを決議している」

 


< ニトリHDによるTOB説明資料 >
https://www.nitorihd.co.jp/news/items/922a0dca2f9248a56f1db843a409b520.pdf

⇒ P24以降の資料を見る限り、ニトリHDに分があるように思われる

 


<感想>
 本件は、ニトリHDが、FA(大和証券)とLA(アンダーソン・毛利・友常法律事務所)の力を借りて、特別委員会経由、取締役会を合理的に説得して、敵対的⇒友好的なTOBとした事例。
 今後、斯の種の後出し的TOBが増えるものと思われる。

 

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島忠がニトリTOBに意見表明に至る経緯?


【 島忠:ニトリTOBに対する意見表明に至る経緯 】

 


 2020/11/13、島忠(8184)が、ニトリホールディングスによるTOBに関する意見表明等を発表した。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/8184/tdnet/1905585/00.pdf

 以下は発表に至る時系列の概要。

 


2020/10/2 島忠取締役会がDCM HDのTOBに賛同・応募推奨を決議

 

 10/29 ニトリHDが、1)島忠株式のTOB(@5,500)をプレスリリース、2)島忠取締役会・特別委員会に対し、経営統合等を提案

⇒ 11/1 代表取締役等に、11/4 特別委員会に、11/9 代表取締役等・特別委員会に、経営統合等の説明機会を得た

 

 11/5 ニトリHDが、島忠取締役会・特別委員会と、経営統合等の交渉を開始

 

 11/9 両社は、経営統合等の共通認識を有するに至る

 

 同日 特別委員会は、DCM HDに対し、書面を送付し、TOB価格をニトリHDの@5,500以上に変更する予定があるかの確認を行う(11/12時点でDCM HDからの返答なし)

 

 11/12 特別委員会は、取締役会に対し、以下内容を答申 

1)当社取締役会は、ニトリTOBに賛同するとともに、株主に対してTOBへの応募を推奨することを決議すべきであると思料する

2)TOB後に行われる完全子会社化手続きに係る決定等は、当社の一般株主にとって不利益なものではないと思料する

 

 11/13 当社取締役会において、取締役全員一致で、以下内容の判断により、ニトリTOBに賛同する意見表明と株主に対する応募推奨を決議

1)TOBは企業価値の向上に資する
2)TOBは一般株主に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な株式売却の機会を提供するものである

 

 同日 経営統合に合意

 


 一方、ニトリTOBが発表されたため、それを踏まえた訂正届出書の提出に伴い、2020/11/16にDCM HDが、投資家への情報周知徹底のためのTOB期間延長の変更等を発表していた。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/3050/tdnet/1907051/00.pdf

 

買付期間
訂正前:2020/10/5〜11/16(30営業日)
訂正後:同〜12/1(40営業日)

 


<感想>
 本件は、島忠がニトリTOBに賛同する経緯を時系列で見たもの。
 DCM HDが、仮に5,500円以上のTOB価格を提示していたら、どうなっていたのであろう。

 

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インド太平洋地域の表現が変更?


【 インド太平洋:自由で開かれた⇒平和と安定 】

 


 2020/11/18、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」で、インド太平洋が「自由で開かれた」から「平和と安定」に変更されたことに触れていた。
https://news.1242.com/article/255650

 以下は一部抜粋。

 


中国と経済では手を結び安全保障では対立する日本

 

佐々木)バイデン氏との電話会談のときも、菅さんは「自由で開かれた」と言ったのですが、バイデン氏は「インド太平洋の平和と安定」という言葉を使って、「自由で開かれた」とは言いませんでした。

 

 このように変わりつつあるのは、日本の事情で言うと、安全保障に関しては、「アジア版NATO」などとも言われていますが、「クアッド」と言われる日米豪印の連携で安全保障の枠組みができていて、これに対して中国がかなり神経質になっています。

 

 その一方でRCEPという東アジアの経済協定ができて、これには中国が入っていてインドは入っていません。日本としてはインドと中国両方に入ってもらって、バランスを取りたかったのですが、インドは協力できないというので、中国中心となっていて、経済的には中国寄りに変わりつつあります。その2つが矛盾しているのです。

 

 経済では中国と仲よくし、安全保障では中国と対立している。その構図のなかでどうすればいいかわからなくなっていて、とりあえずバランスを取るために、少し親中側にシフトするのかなと思います。

 


ご参考)バイデン氏、「自由で開かれたインド太平洋」表現を変更
https://www.epochtimes.jp/2020/11/64670.html

 


<感想>
 バイデン氏の安全保障に関する対中政策が、トランプ政権の政策から変更されるのか。
 対中包囲網の「クアッド」の枠組が崩れないことを祈念している。

 

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インド太平洋地域の表現が変更?


【 インド太平洋:自由で開かれた⇒平和と安定 】

 


 2020/11/18、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」で、インド太平洋が「自由で開かれた」から「平和と安定」に変更されたことに触れていた。
https://news.1242.com/article/255650

 以下は一部抜粋。

 


中国と経済では手を結び安全保障では対立する日本

 

佐々木)バイデン氏との電話会談のときも、菅さんは「自由で開かれた」と言ったのですが、バイデン氏は「インド太平洋の平和と安定」という言葉を使って、「自由で開かれた」とは言いませんでした。

 

 このように変わりつつあるのは、日本の事情で言うと、安全保障に関しては、「アジア版NATO」などとも言われていますが、「クアッド」と言われる日米豪印の連携で安全保障の枠組みができていて、これに対して中国がかなり神経質になっています。

 

 その一方でRCEPという東アジアの経済協定ができて、これには中国が入っていてインドは入っていません。日本としてはインドと中国両方に入ってもらって、バランスを取りたかったのですが、インドは協力できないというので、中国中心となっていて、経済的には中国寄りに変わりつつあります。その2つが矛盾しているのです。

 

 経済では中国と仲よくし、安全保障では中国と対立している。その構図のなかでどうすればいいかわからなくなっていて、とりあえずバランスを取るために、少し親中側にシフトするのかなと思います。

 


ご参考)バイデン氏、「自由で開かれたインド太平洋」表現を変更
https://www.epochtimes.jp/2020/11/64670.html

 


<感想>
 バイデン氏の安全保障に関する対中政策が、トランプ政権の政策から変更されるのか。
 対中包囲網の「クアッド」の枠組が崩れないことを祈念している。

 

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楽天が西友に出資?

【 楽天:日本を代表するOMOリテーラーを目指す西友へ20%出資 】



 2020/11/16、楽天(4755)が、「KKRと楽天、ウォルマートから西友株式を取得」を発表した。
https://corp.rakuten.co.jp/news/press/2020/1116_01.html

 以下は、一部抜粋。


副題:西友は日本を代表するOMOリテーラーを目指してデジタル化加速へ

OMO(Online Merges with Offline)は、オンラインとオフライン(実店舗)の垣根をなくすことで、顧客がより効率の良い購買体験ができるようにするためのマーケティング施策


・KKRは西友の過半数株式を取得、楽天は新たに設立する子会社を通じて西友の少数株式を取得

・ウォルマートは西友株式の15%を継続保有しながらKKRおよび楽天と協業、西友のデジタル・トランスフォーメーション(DX)を加速化


・グローバルベースでEコマースやデジタルマーケティングのプラットフォーム成長を推進してきた楽天とKKRは両社の強みを生かして西友が革新的で日本を代表するリテーラーとなることを支援

・西友はオンラインとオフラインを融合した国内有数のOMOリテーラー、かつ地域に密着した革新的なバリュー・リテーラーとなることを目指す

・ウォルマートは「地域の特性に応じた最適なパートナーと最適な形で連携することで地域に根差した強いビジネスを構築する」という戦略を具現化


【 具体的施策 】
・デジタル・チャネル投資の加速化による、アプリを利用した買い物、決済、配達の実現

・新たなキャッシュレス決済の導入

・オンラインとオフライン(実店舗)を融合させたサービス体験の向上

・消費者のニーズを先取りしたエブリデー・ロー・プライス(毎日低価格)商品群の拡充


ご参考)ファンケルらしいOMOの創造(P29)
https://www.fancl.jp/ir/library/finance_data/pdf/2009setsumeikai.pdf


<感想>
 本件は、西友株式を、KKRが65%、楽天(新会社経由)が20%取得(ウォルマートは15%継続保有)するもの。
 今後、益々OMO(オンラインとオフラインの融合)が重視されていくように思われる。

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インパクトHDが双日と資本業務提携した狙い?



【 インパクトHD:双日と資本業務提携 】

 


 2020/10/20、インパクトホールディングス(6067)が、双日(2768)との資本業務提携と同社宛て第三者割当増資を発表した。
https://global-assets.irdirect.jp/pdf/tdnet/batch/140120201023407553.pdf

 以下は、一部抜粋。

 


< 双日との資本業務提携 > 
・リテール関連事業、IoT事業、DX事業などにおいて互いに営業シナジーが創出できることを確認し、本資本業務提携を検討するに至る

 

・当社は、当社のおかれている現状と課題、当社の事業内容及び事業計画について十分ご理解いただけること、当社の経営の独立性が確保されること等を割当予定先の選定方針としている

 

・双日は、当社グループの販売促進領域におけるサービスメニューの多様さを評価しており、当社に出資することで、双日が保有する複数のショッピングモールにおいてデジタルデータの収集・分析のために、大量のカメラ・センサー等の設置を計画中

 

・また、双日が海外で展開しているコンビニエンスストア事業を始めとした双日グループ内での販売促進領域における当社の支援を期待でき、さらに当社に当社事業と親和性の高い企業のM&Aの機会を紹介することを通じて、両社の企業価値の向上を目指す

 

・今回の第三者割当が純投資による資本提携ではなく、業務提携を伴う資本業務提携であることを両社でしっかりと認識し、引き続き事業拡大に邁進していく所存

 


< 双日への第三者割当増資 >
 割当株数:156千株(発行済の2.4%)
 発行価額:3,212円/株(1ヶ月平均の9.93%ディスカウント。総額501百万円)

 


<感想>
 本件は、インパクトHDと双日の資本業務提携事例。
 インパクトHDの主目的は、双日保有の複数のショッピングモールでのカメラ・センサーの販売と思われる。

 

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島忠株式は値上がり益がターゲット?


【 旧村上ファンド:島忠株式に対するスタンス 】

 


 2020/11/10、旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンスが、島忠(8184)の大量保有変更報告書を提出した。
 以下は、一部抜粋。

 


< 大量保有変更報告書 >
報告義務発生日:令和2年11月2日(保有割合が8.38% ⇒ 6.30%に1%以上減少)
提出日:同11月10日

保有目的:投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと

〜10月20日:市場内で取得(同日398,800株、0.94%)
10月30日〜:同 処分(同日393,700株、0.92%)
 11月2日:同 494,100株、1.16%

取得株式数:3,571,500株
取得簿価:4,074円

 


< 島忠関連報道等 > 
9/18 日経電子版記事「DCMが島忠へTOB検討 ホームセンター、相乗効果見極め 」

10/2 15:30 DCM HDによるTOB発表(@4,200円/株)

10/29 19:00 ニトリHDによるTOB発表(@5,500円/株)

 


< 株価終値推移 > 
9/8 2,750円、9/9 2,712円、9/10 2,746円
10/20 4,195円、10/21 4,805円

10/29 5,060円、10/30 5,530円、11/2 5,620円
11/10 5,500円、11/11 5,490円

 


<感想>
 本件は、旧村上ファンド系の島忠株式の大量保有変更報告書の内容を確認したもの。
 保有目的の「経営陣への助言、重要提案行為等」が行われたかは不明であるが、村上氏からマスコミ宛てコメントは特段見られないこと、また、取得は本年9月9日〜10月20日、処分は10月30日スタートなことから、業界再編の仕掛け等とは無関係の、割安株価の値上がり益(@5,500で売却時、+約51億円)狙いのように思われる。

 

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ANAの劣後ローンに対してJALは公募増資?


【 日本航空:公募増資 】

 


 2020/11/6、日本航空(9201)が、公募増資を発表した。
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120201105416624.pdf

 以下は、一部抜粋。

 


< 経営課題 >
1.財務体質の再構築
2.安全・安心の向上
3.事業構造の見直し
4.社会的課題への取り組み加速

 


< 公募増資概要 >
公募増資株式数:90,869,600株(a)
(OA:9,130,400株)(b)
資金使途:手取概算額合計上限 167,979百万円
 1)投資資金:80,000百万円(CO2排出量削減・社会的課題解決実現)、15,000百万円(ポストコロナ・事業構造変革)、5,000百万円(ポストコロナ・社会的ニーズに対応)
 2)残額:有利子負債の返済資金に充当

現在の発行済株式数:337,143,500株(c)
⇒希薄化:約27%(a÷c)、約30%((a+b)÷c)

 


< 自己資本比率 >

(単位:10億円)
     20/3期 20/9期
資本合計 1,050   904
総資産  1,982  1,994
比率   約53% 約45%

税前利益   97 △228
(21/3期予想 △330〜380)

 


< 株価終値推移 >
11/5 1,843円、11/6 1,641円、11/10 1,989円

 


<感想>
 本件は、コロナ禍で赤字が膨らむ中、今期巨額赤字が見込まれる中での資本増強のための公募増資。
 ANAホールディングスは4千億円を銀行から劣後ローンで調達。一方、JALは公募増資で得た資金の一部でローンを返済。
 (ファイザーのワクチン治療⇒旅行需要の回復期待で11/10は株価急騰したが、)株価軟調局面でのマーケットに対する考え方の違いが調達手法に反映されたように思われる。

 

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漱石が国家の介入を批判?


【 夏目漱石:国家の介入に対する批判 】

 


 先日読んだ「夏目漱石と西田幾多郎ー共鳴する明治の精神」(小林敏明著、岩波新書)に、国家の介入に関する興味深い文章があった。
 以下は一部抜粋。

 


博士号拒否問題

 漱石が入院中のある日、留守宅に突然文部省から翌日学位を授与するから出頭するように、という通知が来る。妻の知らせでそれを知った漱石は、ただちに担当の専門学務局長福原鐐二郎宛に、学位を辞退したい旨を伝える。

 

 しかし、それと入れちがいに証書(学位記)が送られてきたので、それもすぐに返却するのだが、文部省側は、学位令には辞退した場合の処遇については明記されていないので、辞退を認めるわけにはいかないと主張する。他方漱石は、発令前に本人に打診があるならともかく、発令を以て初めて学位授与のことを知った以上、それ以前に辞退の旨を伝えることなどそもそも不可能である。また、学位令に辞退について明記されていないということは、逆に当事者に辞退する自由なり権限なりがあるはずだ、と主張して譲らない。

 


 彼にとってもっとも重んじられるべきは、何よりもまずひとりの人間の意志である。だから、これを抑圧するものは、たとえ政府といえども容認することはできない。ましてや、権力を笠に着てそれをおこなうなど許しがたい。漱石が文部省の杓子定規な対応に読み取ったのは、その権力の傲慢さである。

 


文芸院批判

 学問に対するこの姿勢はそのまま文芸に対する姿勢ともなる。博士問題があった年に政府が文芸院を設立して国による文芸の育成を図ったとき、漱石は「文芸委員は何をするか」という一文を発表して、この動きを厳しく批判している。その理由は、ほぼこういうことである。文芸の批判とか批評というのは、個々の作家たちが相互にやりあうもので、国家が介入すべき問題ではない。

 


 国家の介入は、すなわち「文芸の堕落」なのだ。弊害はこれにとどまらない。このような国家の干渉を許せば、文芸の発達を図るという美名のもとに「行政上に都合よき作物のみを奨励して、其他を圧迫する」危険性が生じる。

 

 そもそも文芸が進歩するのは、国が助成するからではない。「文芸院杯(など)と云う不自然な機関の助けを藉(か)りて無理に温室へ入れなくても、野生の儘で放って置けば、此先順当に発展する」。

 

 文芸院を設立するような金があるなら、むしろ毎月の雑誌に載っている一定の水準を満たした文芸作品に平等に保護金なり奨励金でも出したほうがよほどましである、といった調子である。こういう文芸感の根本にあるのは、博士辞退の動機と同じく、文芸というのはあくまで自由独立の精神をそなえた個人の営為であって、それに国家は干渉してはならないという反権力の信念である。

 


<感想>
 漱石の国家介入の批判を見習って、今日の日本学術会議の会員にも、そもそも年間10億円超の国家予算が割かれていること自体に疑問を呈して欲しい。

 

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京阪神ビルディング宛てTOBの狙い?



【 京阪神ビルディング:ストラテジックによるTOB 】

 


 2020/11/5、京阪神ビルディング(8818)が、「株式会社ストラテジックキャピタル及びUGSアセットマネジメント株式会社による当社株券に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」を開示した。
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS01818/5883a17c/c839/4253/bd2e/b23e044adada/140120201105415842.pdf

 以下は時系列経緯の概要。

 


2020年10月7日
ストラテジックキャピタルは、当社取締役会に対してデューデリジェンス協力を申入れ(「本件申入れ」)


2020年10月23日
独立した立場にある社外取締役及び社外監査役から構成される独立諮問委員会は、 ストラテジックキャピタルに対し、2020年11月6日を回答期限とした質問状を送付

⇒回答がない状況下でTOBが突然開始


2020年11月4日
「サンシャインH号投資事業組合による京阪神ビルディング普通株式(8818)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」に、本件申入れの協力が得られていない旨をTOB開始の理由の一つにあげている

当社としては、今後、公開買付届出書等の内容その他の関連情報を精査した上で、速やかに当社の見解を公表する予定


終値推移
2020/11/4 1,789円、11/5 2,138円、11/6 2,177円

 


< ストラテジックキャピタル >
2018年2月以降、対象者と面談、書面及び株主総会の場での質疑応答等を通じて対話を継続しており、2019年12月25日にはストラテジックキャピタルと対象者との対話内容を含む対象者に関する特集サイト「京阪神ビルディングの株主価値向上に向けて」(https://realize-value-keihanshin.com/)を開設


過去の株主提案
1.株主価値向上を推進するための社外取締役候補者の提案
・株主提案1(招集通知上の第5号議案)

2.REIT運営会社設立のための定款変更
・株主提案2(招集通知上の第6号議案)

3.保有不動産の潜在価値実現のための資産譲渡
・株主提案3(招集通知上の第7号議案)

4.資本効率性改善のための政策保有株式売却
・株主提案4(招集通知上の第8号議案


買付予定数の上限の決定

公開買付者は、株主としての対象者への発言権を強化し、対象者の現経営陣に経営方針を転換していただくことをTOBの目的とすること、対象者の過去の株主総会における議決権行使状況等に鑑みて、公開買付者と不応募株主のTOB後の所有割合にして30%前後の対象者株式を保有すれば、TOBの目的を達成することができる可能性が十分にあると判断した。
なお、不応募株主の所有割合も合算して考慮すべき理由は、「公開買付者及び不応募株主の関係図」のとおり、不応募株主においては、議決権行使を含む投資判断の一任を受けているのが、公開買付者の業務執行組合員であるストラテジックキャピタル及びUGSAMであるため。

 

他方、公開買付者は必要に応じて特別決議を阻止することが実質的にほぼ可能となる水準に達しなければ、発言権の強化にはつながらず、TOBの目的を達成することができないと判断したため、実質的な拒否権を取得できる水準を見据えて必要となる所有割合を注3のとおり算定した結果、買付予定数の下限及び上限と同一株数とし、買付予定数の上限及び下限を10,206,100株(公開買付者及び不応募株主の合計で15,245,500株。所有割合:29.33%)に設定した。

 

(注3)2020年6月開催の第97回定時株主総会の議決権の数は519,341個だったが、2020年9月28日付の訂正臨時報告書によれば行使された議決権は議決権の数全体に対して89.27%に相当。同様に議決権行使率を算定すると、第96回定時株主総会は84.40%、第95回定時株主総会は82.51%

 


ご参考:日経電子版「もの言う株主、京阪神ビルにTOB」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65842630U0A101C2DTA000/?s=6

TOB期間:11月5日から12月17日
TOB価格:1株1900円(4日終値1879円)
予定株数:1020万6100株(発行済株式数の約20%)
ストラテジックは、20年9月末時点で共同保有者を含め10%弱の株式を保有。TOBが成立すれば、保有割合は3割に高まる見通し

 


<感想>
 本件は、京阪神ビルディングに対するストラテジックキャピタルによるTOB。
 取得予定株数は、議決権行使比率を考慮した、株主総会で拒否権発動可能な1/3の水準に設定したもの。
 最終的な狙いは高値での売却による利益獲得であろうが、20%弱を保有するSMBCグループの意向を含めた対応策に注目したい。

 

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京阪神ビルディング宛てTOBの狙い?



【 京阪神ビルディング:ストラテジックによるTOB 】

 


 2020/11/5、京阪神ビルディング(8818)が、「株式会社ストラテジックキャピタル及びUGSアセットマネジメント株式会社による当社株券に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」を開示した。
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS01818/5883a17c/c839/4253/bd2e/b23e044adada/140120201105415842.pdf

 以下は時系列経緯の概要。

 


2020年10月7日
ストラテジックキャピタルは、当社取締役会に対してデューデリジェンス協力を申入れ(「本件申入れ」)


2020年10月23日
独立した立場にある社外取締役及び社外監査役から構成される独立諮問委員会は、 ストラテジックキャピタルに対し、2020年11月6日を回答期限とした質問状を送付

⇒回答がない状況下でTOBが突然開始


2020年11月4日
「サンシャインH号投資事業組合による京阪神ビルディング普通株式(8818)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」に、本件申入れの協力が得られていない旨をTOB開始の理由の一つにあげている

当社としては、今後、公開買付届出書等の内容その他の関連情報を精査した上で、速やかに当社の見解を公表する予定


終値推移
2020/11/4 1,789円、11/5 2,138円、11/6 2,177円

 


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過去の株主提案
1.株主価値向上を推進するための社外取締役候補者の提案
・株主提案1(招集通知上の第5号議案)

2.REIT運営会社設立のための定款変更
・株主提案2(招集通知上の第6号議案)

3.保有不動産の潜在価値実現のための資産譲渡
・株主提案3(招集通知上の第7号議案)

4.資本効率性改善のための政策保有株式売却
・株主提案4(招集通知上の第8号議案


買付予定数の上限の決定

公開買付者は、株主としての対象者への発言権を強化し、対象者の現経営陣に経営方針を転換していただくことをTOBの目的とすること、対象者の過去の株主総会における議決権行使状況等に鑑みて、公開買付者と不応募株主のTOB後の所有割合にして30%前後の対象者株式を保有すれば、TOBの目的を達成することができる可能性が十分にあると判断した。
なお、不応募株主の所有割合も合算して考慮すべき理由は、「公開買付者及び不応募株主の関係図」のとおり、不応募株主においては、議決権行使を含む投資判断の一任を受けているのが、公開買付者の業務執行組合員であるストラテジックキャピタル及びUGSAMであるため。

 

他方、公開買付者は必要に応じて特別決議を阻止することが実質的にほぼ可能となる水準に達しなければ、発言権の強化にはつながらず、TOBの目的を達成することができないと判断したため、実質的な拒否権を取得できる水準を見据えて必要となる所有割合を注3のとおり算定した結果、買付予定数の下限及び上限と同一株数とし、買付予定数の上限及び下限を10,206,100株(公開買付者及び不応募株主の合計で15,245,500株。所有割合:29.33%)に設定した。

 

(注3)2020年6月開催の第97回定時株主総会の議決権の数は519,341個だったが、2020年9月28日付の訂正臨時報告書によれば行使された議決権は議決権の数全体に対して89.27%に相当。同様に議決権行使率を算定すると、第96回定時株主総会は84.40%、第95回定時株主総会は82.51%

 


ご参考:日経電子版「もの言う株主、京阪神ビルにTOB」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65842630U0A101C2DTA000/?s=6

TOB期間:11月5日から12月17日
TOB価格:1株1900円(4日終値1879円)
予定株数:1020万6100株(発行済株式数の約20%)
ストラテジックは、20年9月末時点で共同保有者を含め10%弱の株式を保有。TOBが成立すれば、保有割合は3割に高まる見通し

 


<感想>
 本件は、京阪神ビルディングに対するストラテジックキャピタルによるTOB。
 取得予定株数は、議決権行使比率を考慮した、株主総会で拒否権発動可能な1/3の水準に設定したもの。
 最終的な狙いは高値での売却による利益獲得であろうが、20%弱を保有するSMBCグループの意向を含めた対応策に注目したい。

 

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「朝が来る」の最後の言葉に救われた?


【 河瀬直美監督作品:朝が来る 】

 


 先日、河瀬直美監督の「朝が来る」を観た。
 以下は、日経電子版記事からの一部抜粋。

 


養子巡る父母の葛藤、河瀬監督が撮る
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO65658240Q0A031C2BE0P00/?s=5


原作は直木賞作家、辻村深月の同名のベストセラー小説で、養子縁組で息子を迎えた夫婦と実子を育てられなかった実母の葛藤を描く。「私も養子縁組によって養父母に育てられた。今は息子を育てる母親でもある。小説を読んだとき、(養子である)朝斗のまなざしがこの映画には不可欠だと思った」。そう語る通り、朝斗を巡って交錯する大人たちの視線を捉えた映像が胸を打つ。

河瀬の演出には2つの特徴がある。脚本に書かれたシーン通りに撮影する「順撮り」をすること。そして俳優同士が役名で呼び合い、カメラの回っていないところでも役のまま過ごす「役積み」をさせることだ。

 


ご参考:「民法等の一部を改正する法律(特別養子関係)について」法務省民事局
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00248.html

 今回の改正では,特別養子制度の利用を促進するために,特別養子縁組における養子となる者の年齢の上限を原則6歳未満から原則15歳未満に引き上げるとともに,特別養子縁組の成立の手続を二段階に分けて養親となる者の負担を軽減するなどの改正をしています。
 今回の改正は,令和2年4月1日から施行されます。

 


<感想>
 本作は、河瀬監督らしいドキュメンタリー的な要素を備えた、特別養子縁組の親子の映画。
 最後の朝斗の言葉に全てが救われたように思われた。

 

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官邸報償費の開示の限界?


【 石つぶて〜外務省機密費を暴いた捜査二課の男たち~ 】

 


 先日、Amazon プライムで、「石つぶて ~外務省機密費を暴いた捜査二課の男たち~」を見た。

 以下は、元ネタになった、調査報告書からの一部抜粋。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/gaisho/0101chosa.html


平成13年1月25日 大臣官房 調査委員会
「松尾前要人外国訪問支援室長による公金横領疑惑に関する調査報告書」

 

今後の対応
 今回の調査の結果、少なくとも平成9年10月から平成11年3月までの間の競走馬5頭の購入及び種付けが、公金の横領によって賄われたのではないかという重大な嫌疑があることが明白となった。

 

 今後の対応としては、第一に、松尾前室長に対し、今回の調査結果に基づいて、刑法第253条にいう業務上横領の罪の嫌疑で、刑事訴訟法第239条に基づいて、警視庁に対し、告発を行うことが必要である。

 

 第二に、同人による公金の扱いは、国家公務員法第99条の義務に明らかに違反しているので、同法第82条1項1号及び3号に基づいて、同人を懲戒免職処分に処することが相当である。

 

 第三に、このような不正経理を把握できなかった監督者の管理責任に対して相応の処分を下すことが必要である。監督者については、現在から松尾前室長の就任当時に遡り、その期間の全員の責任を追及することが相当である。

 

 第四に、再発防止策に関しては、今後も検討するが、先ずは今月末日をもって、要人外国訪問支援室を廃止し、これに伴って、要人の外国訪問支援業務は、大臣官房総務課長の責任の下で行うべきである。就中、金銭の出納に関しては、二重、三重の監査の体制を導入することを検討するべきである。

 


 一方、以下は、民主党政権時代の衆議院の答弁の一部抜粋。
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a174179.htm

 

質問主意書

「前回答弁書」では「これまでの経緯等を改めて確認したところ、かつて外務省の報償費が総理大臣官邸の外交用務に使われていたことがあったことが外務省において判明した。
 これ以上の詳細については、報償費という経費の性質上、また、過去の政権下で行われたものであることから、お答えすることはできないが、少なくとも松尾元外務省要人外国訪問支援室長による公金横領事件以後は外務省の報償費が総理大臣官邸の外交用務に使われているということはないと承知している。」との答弁がなされている。右答弁には「これまでの経緯等を改めて確認した」とあるが、右の確認作業は具体的にどの様な方法で行われたのか説明されたい。

 

答弁書
 先の答弁書(平成二十二年二月五日内閣衆質一七四第五三号)一から三までについてで述べたとおり、これまでの経緯等を改めて確認したところ、かつて外務省の報償費が総理大臣官邸の外交用務に使われていたことがあったことが外務省において判明した。これ以上の詳細については、報償費という経費の性質上、お答えすることはできない。

 


< ご参考 >
刑法
 (業務上横領)
第二百五十三条 業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の懲役に処する。

 

刑事訴訟法
第二百三十九条 何人でも、犯罪があると思料するときは、告発をすることができる。
2 官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。

 

国家公務員法
(信用失墜行為の禁止)
第九十九条 職員は、その官職の信用を傷つけ、又は官職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。

(懲戒の場合)
第八十二条 職員が、次の各号のいずれかに該当する場合においては、これに対し懲戒処分として、免職、停職、減給又は戒告の処分をすることができる。
一 この法律若しくは国家公務員倫理法又はこれらの法律に基づく命令に違反した場合
二 職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合
三 国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合

 


<感想>
 これは「石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの」(清武英利著、講談社)原作のドラマ。
 国会答弁にもある通り、外務省の報償費が総理大臣官邸の外交用務に使われていたことは判明したが、報償費という性質上、開示には限界があった。
 報償費は「必要悪」のブラックボックスで構わないが、私的流用は許されない。

 

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