ナショナリストがグローバリストに喝采?
「現代日本バカ図鑑」(適菜収著、文藝春秋)
以下は掲題書からの一部抜粋(その2)
おわりに
作家の三島由紀夫は「バカという病気の厄介なところは、人間の知能と関係があるようでありながら、一概にそうともいいきれぬ点であります。いくら大学の金時計組でも、生まれついたバカはバカであって、これも死ななきゃ治らない」(『不道徳教育講座』)と言っています。
でも、バカが死ぬまで待っていれば先に国が滅びるわけで、危険なバカが出てきたらペシャンと潰さなければならない。政治とは、そして社会を維持するとはそういうことだと思います。
この二十年でわが国は完全に道を踏み外してしまった。
民主党三年間の災禍を経て、近代大衆社会は安倍政権下において最終的な姿を見せようとしている。
本書で紹介した「バカ」に共通するのは言葉の軽さです。
衰退の兆候は、言葉の破壊として表れる。
本来の意味が捻じ曲げられ、正反対の意味で使われるようになる。
「保守」を名乗る連中が急進的改革を支持し、「国境や国籍にこだわる時代は終わった」と寝言をほざくグローバリストにナショナリストが喝采を送る。「戦後レジームからの脱却」を合言葉に対米従属路線を固定化し、「売国」を「開国」と呼び、「暴政」を「政治主導」と言い替える。
戦争は平和なり
自由は隷従なり
無知は力なり
これはジョージ・オーウェルの近未来小説『一九八四年』に繰り返し登場する独裁政党のスローガンです。全体主義を支えるのは、言葉の破壊と思考停止であり、そこで活躍するのがデマゴーグです。大阪では「都構想」なる巨大詐欺事件が発生し、大阪市が解体の危機に見舞われたが、その首謀者らは政権中枢とつながっていた。わが国ではすでに「無知が力」になっている。
嫌になりますね。
正気を保つことが今ほど大事な時代はありません。
<感想>
正気を保って、「戦後レジームからの脱却」、「開国」や「政治主導」等の言葉に対峙し、真っ当な社会を維持していきたい。
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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