はてなキーワード: マオリとは
NZ増田は前からこんなに誤字やら怪しい日本語多かったか? 情報量に感謝しがてら、誤字指摘をしてみる。これだけ誤字があるということはむしろAIでない証明なのか……。
・個人的には彼らが徹底的にレイバーに対して復習を試みるのではと→復讐
・投票ができなくなる可能性に気づいていない可能性もある。 →間違いとまでは言わないが余り可能性可能性続けない方がよい。
・ニュージーランドでは日本のように戸籍精度が存在していない → 制度
・この制度の欠点を国民に押し付ける語りの改正 → 騙り かな?
・前政権であるジャシンダ・アーダーンが残した凄まじい傷跡を → 「政権であるジャシンダ・アーダーン」はちょっと奇妙な言い回し。「前任者である」とかならわかる。
・相変わらず物価は激しく高騰しており → 激しくないなら高騰ではないので重複だが…これはまあありがちな例ではある。
・ギャングの話題などでひっきりなした。 → 「もちきりだ」であろう。濁点が脱落した理由は不明だが、いずれにせよ形容動詞であっても連用形(ひっきりなしに)以外での用法はあまり見ない。
・なんとなく時間を開けて → 間隔をあける意味なら「開」openではなくspaceなので「空けて」
・一部の貧困で同仕様もないマオリやパシフィカ → 「どうすることもできない」の意味なので、「どうしようも」と仮名書きが正しい。
・それぞれの役割を置いながら集団生活を営んでいた。 → 「役割を負いながら」
・変えていい部分と買えるべきではない部分を → 「変えるべき」。なぜ変えたし。
・上から下まで混乱のさなかになった。 → 「最中に」に続くのは普通「ある」だろう。「混乱になる」or「混乱の最中にある」。
・という外構レベルでもきな臭くなってきており、 → という「ニュースで分かるように」くらいのクッションは欲しい。外構はむろん「外交」の誤。
ジュネーブ - 国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)は、最新のセッションでベナン、カナダ、チリ、キューバ、日本、ラオス人民民主共和国、ニュージーランド、サウジアラビアの8か国について審査を行った後、各国の評価結果を発表しました。
この評価結果には、各国が「女性差別撤廃条約」を実施する際の前向きな側面に加え、委員会が懸念している主な課題や勧告が含まれています。主な問題には次のような点が挙げられます:
委員会は、女性に対する性差別的暴力の高い発生率について依然として懸念を示しました。具体的には、家庭内暴力や性的暴力、女性性器切除(FGM)、児童婚が含まれます。また、サヘル地域の紛争の影響により、難民や国内避難民、移民、亡命申請者の女性に対する性差別的暴力のリスクが高まっていると指摘しました。委員会は、特に乳児を含むFGM撲滅に向けて、医療提供者や文化的・宗教的指導者と協力するなどの具体的な対策をベナンに求めました。また、性差別的暴力の被害を受けた女性に対する十分なシェルターや他の保護および支援サービスを確保するよう促しました。
さらに、政府、国民議会、公務員、外交サービス、軍隊、国際機関、民間セクターにおいて、意思決定ポジションに女性が少数派であることが観察されました。委員会は、ベナンがすべての意思決定機関において男女平等(50:50)の達成を求める法的および立法上の枠組みの見直しを勧告しました。また、公的および民間の領域における女性の指導的地位への参画が少ない根本的な原因を特定し、対策を講じるよう呼びかけました。
委員会は、家庭や社会における男女の役割と責任についてのジェンダーステレオタイプや家父長的態度に取り組む政策が、社会のあらゆるレベルで男性を対象としていないことに懸念を示しました。カナダに対して、女性差別撤廃とジェンダー平等の促進に男性を含めるよう求めました。これらの対策は、伝統的な男性性と女性性の概念に挑戦し、女性や少女に対するあらゆる形の性差別的暴力を減らし、家族や社会におけるジェンダー役割に関する家父長的な固定観念を打破するために、社会規範を変革するものであるべきだと委員会は強調しています。
また、委員会はインディアン法の改正にもかかわらず、カナダにおいて先住民の女性や少女に対する性差別が続いていることに深い懸念を表明しました。男女が自分のインディアンの身分を子供に平等に継承する権利を確保するため、さらなる法改正を行うようカナダに求めました。さらに、以前にその身分を否定されていた先住民女性とその子孫に対し、インディアンの身分を付与し、インディアン法に関連するものを含む先住民女性およびその子孫に対する人権侵害に対する完全な補償へのアクセスを制限する法的障壁を取り除くよう、カナダに求めました。
委員会は、最高裁に設置された「ジェンダー平等および差別撤廃のための技術事務局」の設立を称賛しましたが、依然として母親や妻としての伝統的な役割を強化するジェンダーステレオタイプが根強く存在していることに懸念を示しました。これらのステレオタイプは、女性の社会的地位や自律性、キャリアの見通しを制限しています。また、メディアで女性政治家が「繊細」や「感受性が高い」といった表現で描かれ、外国人排斥的で人種差別的な発言や男尊女卑の理想が目立つことについても懸念を表明しました。委員会は、女性や少女を対象としたヘイトスピーチに対抗する政策をチリに採用するよう促し、政府関係者やメディア関係者に対してジェンダーに配慮した言語や女性の前向きな描写に関する訓練を提供するよう求めました。
さらに、チリにおける広範な性差別的暴力、特に性的暴力や高いフェミサイド(女性殺害)率について深い懸念を示しました。サイバーストーキングやハラスメント、親密な画像の無断共有など、オンライン上の虐待の増加についても指摘しています。委員会は、女性に対するあらゆる形態の性差別的暴力が犯罪であることについての啓発活動を強化し、被害者の保護を改善するようチリに要請しました。また、オンライン虐待に対抗するためのより厳しい措置として、明確かつ十分な罰則の導入や、プラットフォーム提供者が有害なコンテンツの報告や削除を怠った場合の責任を追及するよう求めました。
委員会は、農村部の女性が土地使用権(10%)や農業技術、教育および保健サービス、特に性と生殖に関する保健サービスへのアクセスが限られていること、さらに彼女たちが労働時間の80%を無償労働に費やしていることに懸念を示しました。委員会は、インフラや種子、機械、設備、拡張サービス、研究情報へのアクセスなど、女性農業者への農業支援サービスを強化し、適切な報酬を提供するようキューバに求めました。
また、委員会は、公共および私的領域におけるあらゆる形態の性差別的暴力を犯罪化する包括的な立法が不足していることについて、以前からの懸念を再表明しました。委員会は、女性の権利擁護団体との協議を経て、すべての形態の性差別的暴力を犯罪化する包括的な立法を速やかに策定し採択するよう、キューバに要請しました。
委員会は、既存の差別的規定に関するこれまでの勧告の多くが未だに対処されていないことに懸念を示しました。特に、夫婦が同一の姓を使用することを義務付ける民法第750条の改正に向けた措置が取られておらず、事実上、女性が夫の姓を採用することを強いられることが多い現状についてです。委員会は、日本に対し、結婚後も女性が旧姓を保持できるよう、夫婦の姓の選択に関する法改正を行うよう求めました。
さらに、委員会は、母体保護法第14条が規定する制限的な例外のもとで、配偶者の同意が必要とされることにより、合法的な中絶へのアクセスが制限されている点についても懸念を表明しました。委員会は、日本に対して、女性が中絶を求める際の配偶者同意要件を撤廃し、すべてのケースで中絶を合法化するよう法改正を行うことを要請しました。また、安全な中絶サービス、特に中絶薬を含むサービスが、すべての女性や少女に対してアクセス可能で、手頃で、十分に提供されることを確保するよう求めました。
委員会は、法的禁止にもかかわらず、18歳未満で結婚する女性が30.5%に達するなど、同国における児童婚の高い発生率について懸念を示しました。特に、15歳から結婚を認める「特別かつ必要な場合」という不明確な規定を含む家族法に注目しました。委員会は、ラオスに対し、最低結婚年齢18歳の例外をすべて撤廃するよう家族法を改正することを求めました。また、児童婚を支持する社会規範に挑戦するために、伝統的リーダーやメディアを巻き込んだ公共の啓発キャンペーンを実施するよう呼びかけました。さらに、児童婚の犯罪化、加害者の起訴、被害者への十分な支援サービスの確保を強く求めました。
委員会は、非政府組織や女性活動家の活動に対する過度の制限についても懸念を表明しました。また、女性活動家に対する報復事例についても懸念を示しました。委員会は、NGOの登録要件を見直し、女性の権利団体やその他の組織が過度の制限なしに自由に活動できるようにするよう同国に求めました。また、女性人権擁護者やその他の活動家に対する報復についての調査と処罰を行うよう呼びかけました。
委員会は、女性に対する性差別的暴力および特別措置に関する国の四半期ごとの公表報告、特に男性のトラウマやその家族・人間関係に対処する「彼女はあなたのリハビリではない」というプログラムについて言及しました。しかし、過去5年間で家庭内暴力や親密なパートナーによる暴力が60%増加していること、特にマオリや太平洋諸島出身の女性、民族的および宗教的少数派の女性、障害を持つ女性がより高い割合に直面していることに深刻な懸念を示しました。委員会は、ニュージーランドに対し、女性に対する性差別的暴力の根本的な原因や複合的要因に対処する政策を策定するよう求めました。また、被害者支援サービスを適切に提供し、社会的に不利な立場にある女性に対する性差別的暴力からの保護を強化するために法執行を強化するよう呼びかけました。
マオリ女性(Wāhine Māori)に関して、委員会は、ニュージーランドが国連先住民の権利に関する宣言(UNDRIP)への支持を撤回したことや、ワイタンギ条約を実施するための具体的な措置を講じていないことに懸念を示しました。これは、同条約の条項の再解釈と見なされる可能性があります。委員会は、ニュージーランドに対し、UNDRIPへのコミットメントを再確認し、国の政策や立法が宣言の原則および条項と整合するようにし、ジェンダーの視点を統合することを求めました。
委員会は、サウジアラビアが法律および実践において死刑を維持していることや、2020年1月から2024年7月の間に異なる国籍の女性11人が処刑されたことについて、深い懸念を表明しました。委員会は、サウジアラビアに対し、死刑の執行を停止し、死刑囚のすべての女性の処刑を中止し、死刑を懲役刑に減刑することを検討するよう強く求めました。また、サウジアラビアのテロ対策法(2017年)およびサイバー犯罪法(2007年)について、これらが女性人権擁護者に対する脅迫、逮捕、拘留、旅行禁止を科すために使用されていると報告されていることに関して、委員会は、特に男性後見制度の廃止や旅行禁止を求める活動家に対し、嫌がらせや監視、恣意的な逮捕・起訴、委員会との接触や関与に対する報復から解放され、正当な活動を行い権利を行使できるよう保証するようサウジアラビアに求めました。
委員会はまた、すべての移民労働者、特に移民女性家事労働者に対する保護が不十分であることに懸念を示しました。移民労働者は労働法の最大労働時間、残業代、年次休暇、医療休暇に関する規定から明示的に除外されています。さらに、主に女性で構成される移民家事労働者は、法的地位が雇用主に結び付けられている制度の下で管理されており、経済的および身体的虐待、売買春、搾取のリスクにさらされています。委員会は、サウジアラビアに対し、労働法を改正し、すべての移民労働者に対する保護を拡大するよう求めました。また、移民女性労働者が虐待的な雇用契約を報告できる機密かつ独立した苦情処理メカニズムの設立、さらに女性移民労働者の職場や寮に対する定期的な労働検査の実施を求めました。
元増田よ。英語の国名はあくまで「英語読み」に過ぎないのであって、日本語読みが現地語に寄せてるものまで英語でジャッジしようとするのはどうよ。
ウクライナ語ではУкраїнаと綴って「ウクライーナ」と読むので日本語読みは現地語に忠実です。何でもかんでも英語読みを基準にすんのやめろ。っていうか英語ならユークレインだろ。
スイスには4つの公用語があるけど、そのうちフランス語ではSuisseと呼ぶので日本語の「スイス」はむしろ現地語に近いぞ(4つの公用語のうち1つに基づく呼び方を採用しているのは中立的ではないのでは? という異論はあってよい。ちなみにスイスでは4言語で国名を併記するけど、切手とかで4言語を併記するスペースがないときにはラテン語の「ヘルウェティア」を使う。日本もヘルベチアって呼ぶべきなのかもだけど今更無理だよね……)。
ドイツ語だとDeutschlandと綴って「ドイチュラント」と読むので、「日本語読みは英語読みよりマシ」とドイツ人にも好評だったぞ(n=1)。
ロシア語のМоскваを綴りに忠実にカナ表記すると「モスクワ」になるんやで。まあ発音は「マスクヴァー」だけど(アクセントのない母音оはаのように読まれるから)。
いや、メヒコはスペイン語読みでメキシコが英語読みだからね!?
ついでにブコメにも。
モスカウってなんだったんや…
ドイツ語のMoskauでは。
北京(ペキン)はそのうちに、Beijing呼びになるかも。
東アジアの固有名詞については相互主義が取られている。韓国では日本語の固有名詞を日本語に即して発音するので我々も韓国の固有名詞は韓国語読みを取り入れているが、中国では日本語の漢字を中国語読みするので、日本でも中国の漢字は日本語で読んでいる。だから金大中は「キム・デジュン」だけど習近平は「しゅう・きんぺい」なのよ(中国語なら「シー・ジンピン」になる)。
ギリシャ→エリニキ
フィンランドではフィンランド語とスウェーデン語の2つが同格の公用語で(『ムーミン』を書いたのはスウェーデン語系フィンランド人の作家)、フィンランド語での呼称がSuomiでスウェーデン語の呼称がFinland。なので「フィンランドは現地語ではスオミ」と「フィンランドは現地語でもフィンランド」は両方正しい。
ギリシャの正式国名はΕλληνική Δημοκρατίαで、これは「エリニキ・ジモクラティア」と読むけども、「エリニキ」は「ギリシャ」という意味ではなくて「ギリシャの」という形容詞なんだよね(後ろにある「ジモクラティア=共和国」を修飾して「ギリシャ人の共和国」という意味)。なので「エリニキ」を単独で国名として使うことはできない。単独で使うときは「エラザ(Ελλάδα)」。
国名が形容詞になってる例としては、他にもチェコがある。正式名称はČeská republika「チェスカー・レプブリカ」で「チェコ人の共和国」。要するに、もともとギリシャやチェコという国があったわけではなくて、近代以降に民族主義が芽生えてギリシャ人やチェコ人が住んでるところを1つの国にしたという順序なのでこういう国名になっているのね。
同じ反ロシア仲間のウクライナではフルジヤ(Грузія)、ポーランドではグルジヤ(Gruzja)、リトアニア&ラトヴィアでもグルジヤ(Gruzija)なのに、日本語でわざわざ変える必要あったの? ってなるよね。ウクライナがフルジヤって呼んでるんだから日本でもグルジアのままでよくね?
(キリル文字のГはもともとガ行を表すんだけど、ウクライナ語とベラルーシ語ではハ行を表している。スラヴ語圏の真ん中に「gの音がhの音に変わったエリア」(チェコ・スロヴァキア・上ソルブ・ウクライナ・ベラルーシ・ルシン)があって、そのエリアでは本来ガ行だった音がハ行で読まれるんだよね。たとえばスロヴァキアにある世界遺産のスピシュ城はSpišský hrad「スピシュスキー・フラト」って綴るけど、後ろのhradは語源的にはgrad、つまりベオグラードとかスターリングラードとかと同じ。だからロシア語の「グルジヤ」をウクライナ語やベラルーシ語では「フルジヤ」って読むんやね)
ミュンヒェン、ワルシャワは英語読みよりも日本語の方が原音に近い事例。「アテネ」は結構面白い事例で、まず古典ギリシャ語ではἈθῆναι「アテーナイ」。ギリシャ語は長い歴史を経て発音が変わって、Ηの文字は古典語では「エー」を表す文字だけど近代語では「イ」に変わった。さらに、θの文字も、古典語だとタ行で表されることになってるけど、近代語では英語のthに近い音というか、要するにサ行で表すのが相応しい音になっている(Θεσσαλονίκη「セサロニキ」がキリスト教関係文献では「テッサロニケー」と表記されてるのは古典語読みだからなんだよね)。で、現在ギリシャで使われてるジモティキの語形はΑθήνα「アシナ」……あれ? 「アテネ」の最後の「ネ」ってどっから来たん? 現代ギリシャ語ではαιと綴って「アイ」ではなく「エ」と読むので、古典語(あるいはカサレヴサの)Ἀθῆναιを古典語と近代語のちゃんぽんで読むと「アテネ」になるのかな? それとも西欧人の読みをそのまんま取り入れたん?
(近代ギリシャ語には2つの正書法がある。1つ目が、現在広く使われている「ジモティキ/民衆語(Δημοτική)」で、もう1つが「カサレヴサ/純正語(Καθαρεύουσα)」。近代ギリシャ語の標準語を作り出すときに、古典ギリシャ語を参考にして古文っぽさを残して作られたのがカサレヴサで、20世紀前半までは公用語として用いられていたんだけど、話し言葉からかけ離れすぎててわかりづらいわ! ということで、より言文一致(当社比)したジモティキが作られて、現代のギリシャではこちらが「現代ギリシャ語」として流通している。まあ、明治時代の日本語と現代日本語の違いを想像してもらえれば)。
そもそもカタカナで表記できない発音があるのにそれを使って記載するのが間違っている。外国語教育がそもそも問題だろうけど日本語読みで役に立つ場面なんかほぼないよね。全部現地語で表記、現地読みすべきだと思うんだけどなぁ。
「საქართველოは、Україна侵攻後のРоссияに対する経済制裁には参加していません」っていうニュースを流すことが日本人のためになるとはまったく思えない。多少厳密さを欠いたとしても、「グルジアは、ウクライナ侵攻後のロシアに対する経済制裁には参加していません」って書いたほうが日本人の外国理解に資するんだから、日本語の媒体では基本的に日本語の文字を使って表記すべき(だいたい、英語圏の連中だってニュースで日本の固有名詞を漢字や仮名で表記せずにラテン・アルファベットで書いてるんだから、当然、我々も日本語のニュースでは英語圏の固有名詞をラテン・アルファベットではなく日本の文字で書いてよい。真に公平な世界というのはそういうものじゃないだろうか)。
BBCラジオを聴いていると非英語圏の人名をわざわざ英語読みしていてそのまま現地語読みすればいいのに…と思うことがよくある。
これはしゃーないと思う。我々にはカナという便利な文字があるから、Richardをリチャードとリシャールとリヒャルトに訳し分けることができるけど、英語母語話者はラテン文字しか知らないんだから、そりゃ英語読みしかできないよ。我々だって、たとえば「『マイケル』と綴って『まいこー』と読んでクダサーイ」って言われても困るっしょ? 「いや、『マイケル』って書かれたら『まいける』としか読めんだろ」って思うっしょ? Michaelをミヒャエルと読めと言われた英語母語話者の気持ちもそれと同じだと思う。だいたい、我々もDonald Trump「ダナー・トランプ」を「ドナルド・トランプ」と書いて恥じないわけで……
えー、我々だってMcDonald’sを「まくだーのーず」じゃなくて「まくどなるど」って発音してるんだから、英語母語話者がIKEAを「いけあ」じゃなくて「あいけあ」って発音しててもよくない? 悪いのは 「英語では『あいけあ』と読むんだから日本人の『いけあ』っていう発音は変!」みたいなデタラメな理屈を振りかざす英語かぶれの名誉白人どもであって、英語母語話者が身近なものを英語ふうに発音すること自体は何も悪くないよ。彼らが身につけた綴りの規則からはそう読む方が自然なんだから。
英語中心主義が悪いのであって英語自体が悪いわけじゃない、という精神でいきましょう。へぇ、ヨーロッパの隅っこにある島々で話されてるローカル言語には変わった発音の規則があるんだなぁ、面白いなぁ、程度の受け止め方をするのが一番適切な付き合い方だと思う。あのへん、デンマーク語とかアイルランド語みたいに発音と綴りの関係が複雑な言語が多いからね……
ドナウ川の語源はラテン語のDanubius「ダヌビウス」だから英語Danube「ダニューブ」の方がドイツ語Donau「ドナウ」よりも語源に忠実だよ! あんまり英語を馬鹿にするのはどうかと思うぞマジで。
ちなみに、チェコ語・スロヴァキア語・ポーランド語・上ソルブ語でドナウはDunaj「ドゥナイ」っていうんだけど(ウクライナ語でもДунай「ドゥナイ」だね)、スロヴェニア語のDunaj「ドゥナイ」はウィーンって意味なの面白いよね(ドナウはDonava「ドナヴァ」)。
ほぼ現地語読みを尊重してるのに「ドナウ川」だけ語源で語るのはブレでは。現地語読み>>慣習読み≒英語読み≒語源くらいのウエイトでよいような。
まるで英語が変わった呼び方をしているかのように書かれていたから、いやいや英語読みは語源に沿った呼び方であって変な呼び方というわけではないのよ、と書いたのであって、英語読みが現地語よりも尊重に値するとは書いてないっす。ところでドナウ川は国際河川なわけだけど、「現地語」ってどの言語のことだと思う?
ジョージア州はジョージ2世にちなんでつけられ両方現地言語読みだからOKと思えば、グルジアも由来の聖ゲオルギオスの現地読み風に読めば良いのでは。
いや、現地語の名称サカルトヴェロは「カルトヴェリ人の国」という意味であって聖ゲオルギオス何も関係ないんよ……素直にサカルトベロと書くべきだよねぇ、やっぱし。
それを言ったらそもそもはカナク人の土地をフランスが植民地化したんだからカナク語でKanaky「カナキ」って呼ぶべきじゃない? 英語もフランス語もどっちも侵略者の言語でしょ。
新カレドニア、いいと思う。アルバニア語のKaledonia e Re「カレドニア・エ・レ」とかトルコ語のYeni Kaledonya「イェニ・カレドンヤ」ももろに「新カレドニア」だし。ただ、そうすると、カナダのノヴァスコシア州は「新スコシア州」にするのかとか(ちなみにアルバニア語ではSkocia e Re「スコツィア・エ・レ」、トルコ語ではYeni İskoçya「イェニ・イスコチヤ」)、プリンスエドワードアイランド州は「エドワード王子島州」にするのかとか(アルバニア語Ishulli i Princit Eduard「イシュリ・イ・プリンツィト・エドゥアルド」、トルコ語Prens Edward Adası「プレンス・エドワルド・アダス」。なお中国語だと愛德華王子島省)、ニューファンドランド・ラブラドール州どうするんですかとか(トルコ語だとNewfoundland ve Labrador「ニューファンドランド・ヴェ・ラブラドール」って日和ってるけどアルバニア語はToka e Re dhe Labradori「トカ・エ・レ・ゼ・ラブラドリ」で「新しい土地とラブラドール」になってて強い。日本語化するなら「新疆・ラブラドール州」とか「新開地・ラブラドール州」は……駄目?)、色々と楽しいことになるので……
いいよねウェールズ語Seland Newydd「セランド・ネウィズ」とかエストニア語Uus-Meremaa「ウース=メレマー」とかソルブ語Nowoseelandska「ノウォセーランツカ」とかバスク語Zeelanda Berria「セーランダ・ベリア」とかハンガリー語Új-Zéland「ウーイ=ゼーランド」とかマダガスカル語Zelandy Vaovao「ゼレンディ・ヴァウヴァウ」とかラトヴィア語Jaunzēlande「ヤウンゼーランデ」とかとか……ところでニュージーランドは本来マオリ人の土地で英語は侵略者の言語なんだからマオリ語Aotearoa「アオテアロア」に統一で良くない?
節子それフランス語読みちゃう、単に自分らの言葉で「低地の国」って呼んでるだけや(英語でthe Nederlandsっていうふうに定冠詞+複数形になるのは、もともと「低地」っていう普通名詞だから。the United Statesと同じやね)。イタリア語Paesi Bassi「パエシ・バッシ」もカタルーニャ語Països Baixos「パイズス・バシュス」もスペイン語Países Bajos「パイセス・バホス」も全然フランス語Pays-Bas「ペイ=バ」とは違うじゃん?
ちな、ウェールズ語だとYr Iseldiroedd「イール・イセルディロイズ」、ギリシャ語だとΚάτω Χώρες「カト・ホレス」、クロアチア語・スロヴェニア語だとNizozemska「ニゾゼムスカ」、チェコ語だとNizozemsko「ニゾゼムスコ」な。どれも「低地の国」って意味。
なお、沖縄語の「ウランダ」は「西洋」という意味だったりする。沖縄語をしゃべるオランダ人の動画おもしろいから観て(「ウランダ出身だけど、国の方のウランダね」って断ってるの草)>https://www.youtube.com/watch?v=SB1x8iqqSto。
増田にしつもーん
・コートジボワールの象牙海岸表記をやめたような変更したほうがいいなと思う国名ある?例えば中央アフリカをサントラフリケーヌにするみたいな
クロアチアは別にクロアチアでよくね? ただ世界史の教科書とかで「クロアティア」って書いてるのは無駄に煩雑だから高校生のためにもやめてあげた方がいいと思う。現地語がCroatiaならそこにこだわるのもわかるけど、それ現地語でもなんでもないじゃん、ってなるので。現地語を尊重してフルヴァツカと書くか、大人しく慣用に従ってクロアチアと書いておけばいいんじゃ。
変えたほうがいい国名はまさに「ジョージア」だわw 既に日本語で定着した複数の固有名詞(アメリカの州、コーヒー)とバッティングしてややこしいことこの上ないので、「グルジア」に戻すか、先方がどうしてもロシア語読みは嫌というなら現地語を尊重して「サカルトベロ」にすべき。
Q.
A.
>日本語は外国人からすると発音に関しては簡単と言われますが、
そうですか?
中国人や韓国朝鮮人は清音と濁音の区別が難しく感じますし、英米人は伸ばす音と伸ばさない音の区別が苦手です。
どこの「国の言葉」とのことですが、仮に英語が答えだったときは、どこの国の言葉だと回答すればいいのでしょうか。
フランス語だった場合は?ある国の一部でしか話されておらず、その国全体では話されていない言語だった場合は?
日本のように国と言語が一体一で対応している(つまり、その国ではその言語しか話されず、その言語はその国でしか話されない)言語は世界でも稀です。
国がどこかではなく、どの言語かということで解釈してもよろしいですか。
Ethnologue によると、母語話者の多い言語の上位20位は、順に、北京語、スペイン語、英語、ヒンディー語、アラビア語、ポルトガル語、ベンガル語、ロシア語、日本語、ジャワ語、ドイツ語、西パンジャブ語、呉語、テルグ語、マラーティ語、タミル語、フランス語、ベトナム語、韓国朝鮮語、ウルドゥー語です。
しかし、日本では世界に何千とある言語のなかで上位20位に入っているヒンディー語、アラビア語、ベンガル語、ジャワ語ですら、外国語として学習する機会やこれらの言語に触れる機会が少ないことから、マイナー言語扱いされてしまうことがあります。
たとえば、話者数が約二億人のベンガル語や、約八千万人の呉語がマイナー言語として扱われ、その存在すら知らない人がいたり、呉語に関しては大きな書店に行っても、一冊も関連書籍が見つからない一方で、話者数が3万人を切ると言われるハワイ語は、ハワイ関係の雑貨店や料理店、イベントなどでいくつかの単語を見かけたり、書店にもハワイ語を紹介した書籍があったりと、あまりマイナー言語としては扱われていないような印象もあります。アロハくらいは結構多くの人が知っていたりします。
というわけで、言語というのは奥が深いのです。
仮にマイナーでない言語というのを母語話者数トップ10の言語に絞ったとしても、北京語、スペイン語、英語、ヒンディー語、アラビア語、ポルトガル語、ベンガル語、ロシア語すべての発音を知らなければ答えることはできません。
ですから、この質問に回答できる人というのはかなり限られていると思います。
あくまで、私が発音を知っている言語のなかで日本人にとって、母語話者に通じる程度の発音を身に付けるのが簡単だと感じた言語ということで答えさせていただくと、ハワイ語やマオリ語です。
なお、あげてくださった韓国朝鮮語は、日本語にない平音、激音、濃音がありますし、母音の数も日本語と比べると多いので、決して簡単なほうだとは言えないと思います。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13109722433
相続で成り行き上賃貸マンションの大家になり10年が経った。約100部屋を自主管理している。年は50代。場所は関東のどこか、とだけ。
この仕事クッソつらい。
家賃が振り込まれてくるのを待つだけのカンタンな仕事じゃないのかよ。
この10年で失敗しまくってきた。そしてこの仕事のコツは「入居させてはいけない客」を入居審査で落とすことに尽きると痛感した。
これから絶対に入れてはいけない客を書いていく。これから賃貸マンションの大家でもやろうとしてる酔狂な人がいたら参考にしてくれ。
●タトゥー入れてる奴
性別、職種は問わない。仮にそいつが公務員だったとしてもタトゥーが入ってるってわかったら入居審査で落とせ。家賃滞納、騒音、ゴミを分別しない、勝手なところに車を停める等、やって欲しくないことを全部やる。
客付けの不動産屋から「タトゥーなんて今どき誰でも入れてますよ」とイヤミを言われたこともあるが、俺が思うに、まともな人は時代が変わった今もタトゥーなんて入れないと思います…
俺から一つお願いがあって、タトゥーを入れてる人は長袖長ズボンで隠したりせず、もっとわかりやすく見せびらかしてほしい。
顔に入れてる人とか、わかりやすくて助かる!!
そうしてくれないと、間違えて入居審査を通してしまうことがあるんだよ!
頼む!
個人事業主って名乗ったもん勝ちで、ごく一部のまともに商売やっててホームページがあったりする人を除けば、実態を確認する方法がない。俺が「フリーでデザイナーやってます」って名乗ったらもう立派な個人事業主のできあがりだ。
こんなザルっぽい感じなので、そこにつけこんで「個人で◯◯の仕事をしている」なんて虚偽の内容を書いて入居申し込みを入れてくる奴がいる。虚偽の内容を書く奴はよく調べると、だいたい水商売。
水商売の奴を入居させるとガラの悪い奴が物件に出入りしたり、空いてる駐車場に勝手に車を停めちゃって入居トラブルになったりするようになる。あとこいつらはゴミを分別する意識がない。
ぶっちゃけ虚偽の個人事業主を見抜くのはかなり難しい。が、誤って一人でも入れると詰んでしまう。自信がない場合は、個人事業主の申し込みは全部断る、という方針でもいいかも。まともなお客さんを断ってしまうリスクもあるが。
ちなみに、水商売みたいにまともに行っても部屋を貸してもらえない奴らでも入居審査に通るように、ニセの源泉徴収票を発行したり、在籍確認の電話にも応じてくれたりして、いかにも普通の会社員っぽく見せかけてくれるサービスもあるんだぜ。
そんなのも見抜かなきゃいけないなんて、俺は探偵じゃねえんだよ。つらい。
生活保護の場合、行政の生活保護担当部署から直接家賃を振り込んでもらえるので家賃を取りっぱぐれることはなく、そういう意味ではいいお客さんとも言えるが、メンタルを病んでる人が多く、対応に困るため、今は生活保護受給者の入居申し込みはすべて断るように方針を変えた。
1日中家の中にいるからなのか、他人に対する要求が多くて何かとクレームをつけてくる。あと、家の中をゴミ屋敷にしてしまった客が何人かいたが、全員生活保護の奴だった。なぜだろう。
あとシンママの生活保護は実家に帰れない事情があるのか、かわいそうに思うのだが、高い確率でガラの悪い男がセットでついてくるので賃貸経営上は入居を断った方が吉。判断が難しいところだけどね。
●引っ越しの理由に「今住んでいるところで盗聴されている」とか書いてある奴
こいつらを入居させると本当に大変なことになるぞ…。
精神疾患があると取れない資格があったり、運転免許が取れなかったりするらしいが、民間の賃貸マンションへの入居も法律で制限してくれ!!
まだまだいるけど悪口ばっかり書いててツラくなってきたからこのへんでやめる…。
※ちょっとだけ続きを書きました
https://anond.hatelabo.jp/20230610122156
https://anond.hatelabo.jp/20230612003129
https://anond.hatelabo.jp/20230609174500
https://anond.hatelabo.jp/20230612003129
コメントくれた人ありがとう。書いてもらってたコメントの中から一般的なものをいくつかピックアップして答えたい。
いい業者を紹介してくれええええええ!
実は相続したての頃は管理任せてたが、役に立たないので契約切った。あいつら表向きの対応をするだけで、ガチでヤバイ案件は大家に投げるんだよ。何のために管理任せてんだよ。
俺がお願いしてた業者が特別ダメ業者だったのか?もしそうならクソみたいな客でも投げ出さずに最後まで面倒見てくれる管理業者を紹介してほしいマジで。そういう大家さん同士のネットワークはないものだろうか。
ちょっと前に大阪の物件を持ってた神奈川県の大家さんの自宅にヤバイ入居者が来て殺されちゃった事件があったの覚えてないか?あれはいい例だと思う。
あの被害者の人だって、管理はきっと大阪の不動産屋に任せてたんだと思うよ。神奈川じゃ大阪の物件なんて自主管理できないもんな。
でも入居者が恨んで殺しに来たのは遠く離れた神奈川県の大家のとこなんだぜ。なんでだよ。おかしいだろ。管理会社が最前線に立ってくれてるんじゃないのか?
てことは、管理を任せていながらも、最終的な決断をするのは大家さんだからーとかで、何らかのトラブル時にあのヤバイ入居者と直接やり取りさせられるハメになってたんだと思うよ。
僕たちじゃ決められないんですよー、それは大家さんと話し合ってくださいー、みたいな。
だからヤバイ入居者になると管理会社入れてても、本当の大ピンチのときは何の役にも立たないんだよ。そのくせ、あいつら管理委託費欲しさにヤバイ客でも形だけの審査でどんどん入居させちゃうんだぜ。最終的にケツふかされるこっちはたまんないって。
クソみたいな客しかいないなら、どのクソを拾うかは自分で決めたくないか?だから自主管理に踏み切った。そしたら失敗しまくった結果、入居審査頑張れば生き残れるってことが見えてきた。やっぱり自分の目で客を見極めるのが一番確実なんだと思うよ。大変だけど自分の身は自分で守るしかないもんな。
でもね、繰り返しになりますけど、もしいい管理業者さんをご存知でしたら教えてください!この通りです!頼む!!!
家賃保証会社ってのは連帯保証人の立場を引き受けてくれるだけなので、家賃滞納については面倒を見てくれるけど、それ以外のとこはノータッチなのよ。
俺も家賃保証会社は入居者全員必須にしてるよ。だから家賃滞納の回収をするときは、今はもう家賃保証会社にメール入れるだけでおしまい。
そういう意味では滞納家賃の回収はホント楽になりました。家賃保証会社なしに賃貸経営は成り立ちません。俺は朝起きたら世話になってる家賃保証会社の本社方面に感謝の祈りを捧げるようにしている!
あと、うちの審査でいうと保証会社の審査に落ちた人はその時点でサヨウナラ。
俺が審査するのは保証会社の審査を通った後の人ね。そこでヤバイ奴をはじいていく。ていうか、保証会社の審査はあんまり厳しくないのよ。タトゥーの有無とかまで見ないし。逆の言い方をすれば、保証会社の審査落ちるやつは社会的に終わってる。
あと、ヤバイ奴の入居審査落とすと客付けの不動産屋はイヤーな顔すんのよ。不動産仲介は成功報酬で、俺が断っちゃうと1円の売上にもならないからね。「保証会社通ってるんだからいいじゃないっすかー」とかよく言われるよ。こればかりは自分の身を守るために仕方がない。不動産屋に対して申し訳ない気持ちはある。
でも、家賃保証会社からは実は裏でコッソリ感謝されるよ。自分たちはそこまでの審査ができないんで、きちんと調べておかしな客を断ってくれるのはありがたいって。
●入居時に面接してるの?
しないしない。
タトゥーの話を書いたから、面接かなんかして直接見て判断してるって勘違いさせてしまったのかも知れないな。すまん。
そうではなくて、たとえばタトゥーでいうと、入れてる奴は基本目立ちたがり屋じゃん。だからインスタとかに載せるんだよ。タトゥー入ってる奴が上半身裸でいっぱい集まってバーベキューやってる画像とかSNSで見たことないか?ああいう奴が入居を申し込んでくるのよ。
当然、入居させたら地獄が待っている。
逆にタトゥーあるのにSNSに載せないやつがいたら、そいつは虚栄心を抑えることができるプロ中のプロ。俺の審査など楽に通過してしまうだろう…。
あと、現住所が見に行ける距離のときは必ず見に行くよ。そこの住み方を見て、共用部分に私物を置くやつだ、とか、ベランダにゴミ貯めるやつだ、とか、乗ってる車が反社丸出しだ、とかで断ることもあるよ。車は人柄が反映されてわかりやすいので判断材料にしやすい。あとこいつはハズレっぽいな…という嫌な予感がするときは、本人見るまで待ち伏せすることもある。
あとプリウス乗ってる20~30代はだいたいハズレ。プリウスっていつからヤンキー御用達になったの?
割合としては10件申し込みがあったら1件要注意のやつがいる、って感じかな。ほとんどの人はまともだし、審査も一瞬で終わるよ。もう職業的なカンが働くようになってるので、ヤバい奴は申し込み書類とか身分証明書を見て第一印象で嫌な予感がする。そういう人は調べると、だいたい予想通りでハズレ。
10人中1人しかいないなら何のことはなくね?って思うかも知れないけど、この仕事はヤバイ奴を1人でも入居させちゃうと周りのまともなお客さんが退居しちゃったりと副作用がデカいのよ。ガンと同じだよ。ガンは切らないと。
あと新しいお客さんも大事だけど、既に住んでくれてるお客さんはもっと大事なのよ。これは他の商売と違うと思う。変な入居者を入れて、既存のお客さんに迷惑かけたくないってのはかなりある。俺の仕事も忙しくなるし悪いことづくめ。
でもこんなに頑張っててもたまに見落として入居させちゃうんだよ。そして、その見落とした1人が命取りになる。
精神病の奴とか相手すんのめちゃくちゃキツいよマジで。精神病の奴らが一番キツいかも知れない。言ってることわけわかんねえもん。
隣に「俺の悪口言うな!」とか殴り込んで行っちゃうし。その隣のお客さんは大事なお客さんなのやめてー!!
自分の悪口が聞こえてくる病気なんてつらいよな。だから早く誰か病院に連れていってやれよと思う。周りに迷惑かかるし。俺も忙しくなるし。うちの物件なんかより住みやすいとこいっぱいあるよ、なあ?
●外国人や老人は断るの?
(外国人と老人の事については、うまく真意が伝わっていなかったので補足を書いた)
https://anond.hatelabo.jp/20230612003129
外国人はすごく難しいよ…。外国人受け入れしてるアパートとか、ゴミ置き場すげえもん。でもあれは外国人がダメっていうより、彼らの国民性と、日本人の国民性の違いを丁寧に橋渡しできる不動産屋や管理会社、大家が業界にいないからだと思う。
まあ、そんな専門性の高い仕事ができそうな優秀な人材は、そもそも不動産業界になんて来ねえよ。
てことで外国人を断ることについて俺に差別っていう意識はなく、賃貸ビジネスとして難易度が極めて高いので辞退させて頂きたい、っていう感覚。
老人について。
サ高住に入るような人よりももうちょっと元気な老人向けの賃貸物件はいっぱいあるよ。有名どころだと旭化成がやってるのとか。本来は老人はそういう老人向けのとこに行くべきなんだと思うけど、まあ家賃もちょっと高いんだよね。でも払えない金額じゃなくて、うちの近辺だと確か月額15万円くらいだったと思う。
うちの物件はその半額くらいなんで、うちの物件みたいなのに申し込んでくるってことは安上がりに済ませたいってことなんだよ。
うちの物件は当然巡回の介護スタッフなんかいないからお前が室内で死んでも誰も気づかないぞ。事故物件になったらどうしてくれるんだよなあ。当然お断りですよね。
ただ、老人についても差別してるつもりはなく、賃貸ビジネスとして難易度が高いから辞退しているという認識。
もらった家賃が全て大家の手元に残るというのはよくある典型的な誤解なんですよ。我々大家は、先祖から受け継いだ土地はある、だが金はないというところから事業をスタートしてる。だからほぼ例外なくどの大家も建築費を銀行から借りてて、もらった家賃のおよそ半分は、もらったそばから返済にまわる。残念ながら。
そして残った半分の金から固定資産税を払い、修繕費を払い、不動産屋に客付けの広告費を払い、ゴミ屋敷にしやがった超バカを叩き出して特殊清掃代を払い、わずかに残った金から所得税を払ったりすると、実は100部屋あってもびっくりするくらい手元に残らないんだぜ。なんなら、お前の方が貯金あるかもよ。
俺に残るのは銀行の抵当権がついた不動産だけ。銀行の抵当権がついてるから勝手に売ることもできねえ。まあ借金が返し終われば売れるが、その頃には物件の価値も二束三文だな。
毎月手元に数百万円も残るならこんな贅沢言わねーよ!
全て甘んじて受け入れちゃう!
まあ、同情してほしいわけではないが、実態以上に金持ちだと思われてもひがまれるだけでいいことないからな。一般的なイメージと実態はだいぶかけ離れているという点はハッキリさせておきたい。
https://anond.hatelabo.jp/20230609174500
https://anond.hatelabo.jp/20230610122156
↑を書いた元増田です。
kappa_ycさんの「この文章をきっかけに読み手のステレオタイプが拡大され同様の行動に至ればそれは立派な差別の助長」という理性的な批判コメントは俺の琴線に触れた…。なるほど理解できる…。
それなら俺の書いた記事を公開したままにしておくのは良くないな。
ただ、前記事で外国人と老人について書いたところは俺の力が足りず、大きく誤解されていたように感じたので、補足を入れたい。その周知期間として2、3日とり、その後はこの記事も含め適当なタイミングで削除する。
⚫︎外国人について
まず俺が入居を断る外国人はビジネスレベルの日本語ができない外国人を指している。悪いけど俺は日本語しかできねえんだよ。だから日本語わかってくれないとビジネスができねえ。
でも、在日二世とかの日本で教育を受けた外国人は国籍が日本じゃないっていうだけで日本語はネイティブと変わらん。そういうお客さんを断る必要はないだろ?むしろ歓迎するよ。実際に入居してくれてる人やもう引越したけど以前入居してくれてた人も沢山いる。
つまり、俺は国籍を理由に断ることはしない。別の言い方をするなら、ビジネスレベルの日本語ができないなら日本人でも断る。
なので、kashur2さんが載せてくれた、差別で外国人が入居を断られたという判例集、俺にもその家主が入居を断った理由がわからん。
中には弁護士をやってる韓国人が国籍を理由に入居断られたっていうのもあった。司法試験を通過できる能力のある人ならそこらへんの日本人よりよっぽど日本語堪能だろ。
ただ、ビジネスレベルの日本語ができない外国人についても、できたらなんとかしてやりたいという気持ちはずっと持っている。
俺は慣れない日本に来て一生懸命頑張っている外国人を尊敬しているし、応援している。最近じゃうちの物件のエアコン取り付け工事なんてベトナム人の兄ちゃんが来るぜ。丁寧に仕事するよ。日本語はカタコトだけどな。
確かに日本人の若者はこういう仕事やらなくなってるもんなあ。俺が逆の立場だったら、ベトナムでエアコン取り付け工事の仕事する根性ねえよ。お前らすげえよ。
外国人を入居させると汚されるしゴミ置場が荒れるイメージがあるが、それは前記事でも触れたように、日本語のできない外国人に対して入居後のアフターフォローを継続的にできるような、高い語学力と Permalink | 記事への反応(2) | 08:20
ボクサーを撲殺したのは僕さ
これから満で数つけるわ
ナンを何枚も食べるのなんて、なんでもないよ
新患の新幹線に関する新刊に新館を立てて震撼し信管が作動する。
ケニアに行ったら生贄や
柑橘類の香りに歓喜し、換気を喚起したが乾季が訪れたので、寒気がした。
塗装を落とそうか。
観光客がフイルムに感光させた写真を刊行することが慣行になった。
サボってサボタージュ
景気が良くなりケーキを食べる契機を伺う徳川慶喜(とくがわけいき)
夫を成敗するオットセイ
つまらない妻の話
竹の丈は高ぇなー
餅を用いて持ち上げる
ロストしたローストビーフ
サボテンの植え替えサボってんな
過度な稼働は可動範囲を狭める
伯爵が博士の拍手に拍車をかけて迫真の爆死をし白寿の白人を白紙にもどす。
紅葉を見て高揚する
甲子園で講師をする公私混同した孔子の実力行使には格子窓も耐えられない。
死んでんのか?「心電図を取ってみよう!」
夜祭で野菜を食べる。
信玄餅を食べながら震源を特定するように進言する新元素を発見した人。
蜂の巣(honeycomb)を見てはにかむ
五反田で地団駄を踏む
ようやく要約が終わった
海溝で邂逅
豪華な業
甲板で甲板をかじる
甲板で乾パンをかじる
店頭で転倒
大枚をはたいてタイ米を買う
醤油をかける人「えっっ?」
神田でした噛んだ
少食な小職
牛の胆嚢の味を堪能する
あの娘にはどう告っても(どうこくっても)慟哭する結果に終わるだろう。
キーンという高音の起因が掴めない。
こんな誤謬は秒でわかるだろ
壊疽した箇所が治るというのは絵空事だ
経口補酔液
痴的好奇心
セントーサ島に行くのは正恩が先頭さ
軽微な警備
冬眠する島民
ベットは別途用意してください
The deserted desert in desert desert.
九尾のキュービズム
罹災者へのリサイタル
画家の画架
不納が富農になるのは不能だ
理工がRICOHに利口な履行
I sensed tha it is in a sense sense.
私はそれをある面では扇子だと感じた。
鯖を食べている人と、それを見ている人の会話
鯖 ça va?
ça va 鯖
ça va
ゆめゆめゆめをみるわけにはいけない
早漏で候
凪に難儀
東上線に搭乗した東條が登場
高校を後攻で煌々と口腔で孝行
蝉が転んでセミコロン
道徳をどう説く
写真はフォトんど撮りません
ダリ「絵ぇかくのだりぃなあ」
華美な花瓶のカビに過敏に反応
檻に入っておりいった話をする
夏のおサマー
夜は寝ナイト
渦中のカチューム
渦中のカチューシャ
リスボンでリスがborn
どうないはどないなってんねん
苫小牧でてんてこ舞い
市内を復旧しないと
石狩の石を借りる
おが置いてあるのを見た人「おはおっかねぇーから置かねぇ方がいいぞ」
砂がどしゃーw
東上線に登場した東條が登場
飽きない商い
おなか吹田市
観劇で感激する
側転に挑戦し即、転倒
別件を瞥見
凹地のお家
魚を初めてみた人「うぉー」
カラヤンの頭の空やーんw
豚をぶった仏陀
只見線をタダ見w
菊名でそんなこと聞くなよ
五秒で死んで御廟に埋葬
がらんとした伽藍
有給を使いすぎて悠久の時が流れた
長谷に想いを馳せる
Thinkerの真価
不具の河豚
暗記のanxious
半世紀にわたる半生での藩政を反省
タンチョウが単調増加
ショック死内親王w
カルカッタの石軽かった
天皇のこと知ってんのー
蒋介石を紹介した商会を照会した商會の船で哨戒する
其方のソナタ
先王に洗脳される
防潮堤で膨張した傍聴人
砂漠で鯖食う鯖を裁く
筒に入った膵島
サイコロを使った心理テスト(psychological test)
カラシニコフが辛子個踏んだ
皇帝の高弟が公邸の校庭の高低差を肯定する工程に拘泥した記録を校訂
にようかで酔うか?
うるさい人が売るサイ
どんなもんだい、を、どんなムンバイ、と言い間違える人
透徹した饕餮の眼球
チャカで茶菓を破壊
slimyなすり身
ゆうほど広くない遊歩道
いにしえのイニシエーション
コーランをご高覧ください
K殻の傾角を測定する計画
協賛した共産党員に強酸をかける
負けたのは聖者の静寂のせいじゃ
裏地見るウラジミール
カミオカンデの上に紙置かんでw
県大会がおわり倦怠感を感じる
夕暮れのユーグレナ
ストライキをする公務員に呼びかける人「 Stay calm(公務)」
エド・はるみの穢
祭壇を裁断
腐卵ダースの犬
全然人が集まらないクラブの人「参加数人は我々の十八番ですから。だけに。」
四苦fuck
都バスが人を跳ね飛ばす
怒るカロテン「なにカロテンねん」
嫌がる慰安婦「いやんっ」
かえるがえる帰る蛙
沈厳な青梗菜
トリコロールの虜
布陣を組む夫人
栗けっとばすクリケット🦗
婉容と遠洋漁業
アマルガムで余るガム
ハラスメントの疑いを晴らす
滋賀を書けない人を歯牙にも掛けない
他意はないタイ人の鯛の態度
鯛が蛇足
ダジャレではない↑
割と面白い
ハラッパーの原っぱ
紫に関して思案を巡らす
Huluが夏の風物詩だと思っている人「Huluですなぁ」(風流)
下調べのムニエル
わからないので
意味ない諱
よく分からんリポーター「うわぁ〜美味しそうですね!少なくとも不味そうには全く見えません!」
どうしても下がりたくない人「黄色い線の内側は、境界を含みますか??」
計算ができない人
着ていく服を決めた高橋是清「これ着よ」
enough、enoughは工夫がenough
負け負け山(カチカチ山)
薬師丸せま子
トーマス・マンの書いたふるさと「うさぎ〜おーいし、魔の山〜♫」
その心は
焼結が猖獗を極める
これはstaleだから捨てるか
衒学的な弦楽を減額
完全な勧善懲悪
イボ人の疣痔
イブに慰撫
(訳 ぬるぬるしてるありふれた魚)
盲いるのに飯いるの?
アーヘンで阿片を吸った人「あー変」
毒吐く独白
明借りるアスカリ(車)
丁寧な砂浜「Could you九里浜」
ゴーンと奉公
その心は
サンクチュアリに山窟あり
熟れたウレタンは売れたんか?
清澄な声調を静聴し成長
プエルトリコで増える虜
象さんを増産
兄弟が今die
Dose heで始まる疑問文に答える京都人、Yea, he どす
ソフィカルのソロカル
美人局に筒持たせる
十把一絡あげ
篤信な特進が涜神を得心
これは何という植物かな?ムユウジュでは?あそっか、なるほど。
クートゥを食うとぅいいよ
マイソールで昧爽に埋葬
ドクサは毒さ
暗殺で朝死んだ
クラシックについて語る人をそしる人「弦楽なんてペダンチックだなあ」
凛々しいリリシズム
衛生的な俳人
御髪も亂とはオクシモロンだ
コロナ後の世界を分析する学問→postcoronialism
影響が色濃いイロコイ諸族
あてのあてないアテナイ
棺乗せた車引っ張ってるネイビーの水兵さんも、棺かついで運んでた何ていうの?棺桶カツギ隊?の人らも、白人男性ばっかしじゃん。まぁ水兵さんには一人か二人アフリカ系っぽい人もいたけど、女王を元首に戴いてた英連邦56ヵ国の人口構成からいったら、もっとアジア系アフリカ系とかアボリジニやマオリとかも含まれてるべきだと思わんか?もちろん女性ももっと入れとくべきだろw
だれか、英国大使館とかにクレーム電凸とか抗議デモとかやらかしに行かねーかなw
あと、BBCはカメラワークがヘボすぎだ!棺のアップと親族と聖歌隊と聖職者の挨拶とかの絵ばっかしでつまんねーんだよw
もっと各国の参列者のアップをず〜〜〜っとパンしたりしろよ!なるちゃんとまさこがどこにいるか興味津々で見てたのに、わからんかったじゃん。オバマがいるのはちょっと見えた気がしたけどww
日本との比較だと、OECD加盟国では日本は自殺率上位。先進7か国だと、日本はいつも自殺率が最も高い(worst)というのが、通例。
日本自殺率は警察統計だと、令和元年度で人口10万人当たり16。H21年以降減少が続く中での16.
https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/jisatsu/R02/R01_jisatuno_joukyou.pdf
ちなみに日本の自殺率最高値は、2003年(H15)の人口10万あたり27が最高。一方で、NZは過去12年間の最高で13.93なので、自殺に関しては日本のほうがよろしくないけれど、トレンドとしては逆のトレンドになっているのかな。だから元増田のリンクのNZの会見には緊迫感があったね。
年代はズレるけれど、OECD加盟国のデータはこちらが見やすいので、参考に。
https://data.oecd.org/healthstat/suicide-rates.htm
気になったのは、
というところ。リンク先では、この年代の指標が見つけられなかった(英語力の問題かも)。10万当たり35はかなり高いので本当だとしたらかなりビビる。
https://www.nzherald.co.nz/nz/news/article.cfm?c_id=1&objectid=12262081
元増田のあげていたリンク先では、15-19歳と20-24歳のデータが示されていて、10万当たり自殺率は、23.14と、26.87だったってことは読み取れた。こちらは日本の警察データと集計がズレるから単純に比較ができないけれど、日本だと17前後と思われるの、NZのほうが高い。
くらいだろうか。他にも幸福度ランキングやジェンダーギャップ指数で世界的にも高い地位を確立している、とか、移住先に良いとか、ラストリゾート的な扱いを受けていたり、後はタックスヘイブンみたいな扱いだったこともあった。
今回はニュージーランドが余り公に言わない部分をちらっと書く。
何で書こうと思ったかと言うと、朝日新聞でも書かれた「子供の幸福度」についてだ。日本は20位で「さすがは鬱苦しい国ですね」とか大盛り上がりしている人もいるようなんだけど、日本人がどこかピュアな国のように感じているニュージーランドは何位だったか知ってる?
41カ国中35位
ただ、現地にいる身としては、割りと「そんなもんだろうな」という感想だったりする。それはNZ社会にある動かしようのない格差というのがあるからだ。NZでは金持ちは金持ちのまま、貧乏人は貧乏人のままになるように社会が作られている。意図してそう作っているかは知らないが結果的にそういう国だ。
現地で聞いているところでは、子供の貧困や自殺率が深刻だ、という点。肌感覚で感じているのは、移民国家ならではの若者社会での将来に対する行き詰まりや貧富の格差だ。
長々書いたが、NZでは自殺が高くて結構問題になっている。日本人が大好きなジャシンダ・アーダーンが首相を努めていた2018−2019年が何気に最高記録に到達している。
https://www.nzherald.co.nz/nz/news/article.cfm?c_id=1&objectid=12262081
自殺率は10万人あたり13.93人。自殺者の内訳では、若者、マオリ族、パシフィカと呼ばれる人たちが特に多い。パシフィカというのは、サモア、トンガ、フィジー、ツバル、クック島のマオリ、ニウエ、トケラウ、キリバチの人たちらしい、実はこれらの国々はNZが管理というか、サポートしており、パシフィカたちはNZに移住することができるんだそうだ。ただ、日本人からしたらまるで異世界に感じるようなのんびりした国々らしく、資本主義の競争社会であるNZで振り落とされてしまう人々も相当いる。
日本では2万人くらいが年間で自殺してるんだっけ?1億人で2万、10万人で20人くらいか。日本よりは少ないな。ただ、10~24歳の間では10万人あたり35人に急に膨れ上がる。要は若者が結構自殺しているということだ。他にもいろんな指標があって、この数字を大したことがないように見せることも可能かもしれないがNZでは若者は割りとバンバン自殺している。
若者が自殺してしまうという理由はいっぱいあるんだろうが、まずはこの国には覆し難い貧富の格差がある。金持ちはどんどん上に行ってしまうように社会ができていると書いた。
例えばなんだが、学校だ。
学校ではディサイルという寄付金制度がある。貧困層が多い地域では寄付金は少なめ、税金の投入を多めにする。金持ちが多い地域では寄付金が多め、税金の投入を少なめにするというバランスのとり方をしている。
この制度の良いところはノーブレスオブリージを地で行っているところだ思うかもしれないんだが、実質としては教育の格差がどんどん広がるという制度でもある。税金でまかなえる部分は結局最小限なので、貧困家庭の学校に通う子どもたちには、最低限の教材しか与えられない。一方金持ちが行く学校では、こっちの金持ちなんかは普通に自家用ジェットで飛んでいける家庭ばかりなので、なんでも買い与えてしまえる。
2015年の記事なんだが、教育における大きな格差についての記事がある。
https://www.nzherald.co.nz/nz/news/article.cfm?c_id=1&objectid=11539592
この記事を読む前にNZの大学について少し書くんだが、NZでは大学の質は結構高く、最高学府のオークランド大学に大学ランキングで上に立っている日本の大学は、東大、京大しか無い。で、この大学に入るためにはNCEAという試験を受ける。
NCEAでは取ったスコアに応じてクレジットが溜まっていく、試験は高校に入ったくらいからコツコツと受けていき、LEVELは3まである。3を受けるには2に合格、2を受けるには1に合格というふうにステップを踏んでいく。クレジットは、各レベルの得点が高いほどたくさん溜まり、好成績を維持すればボーナスクレジットもある。
大学の学部に応じて、NCEAの必要なレベルと科目が指定されているので、受験生たちはこれらの科目を一生懸命勉強してクレジットをためていく。そして志願者の中からクレジットが多い順に合格、というようになっている。
そして、裕福な家庭の子どもたちは貧困家庭の子どもたちに比べて25%レベル2に合格する率が高く、30%レベル3に合格する率が高い。これは金持ちの子どもたちがどんどんと大学に入ってしまい、貧困家庭の子どもたちは大学に入れるほど学力が上がらないか、自分たちより確実に試験に合格していく金持ちたちに物量で遥かに不利な戦いを挑んでひっくり返す必要がある。
日本からNZに移住する人たちの中にもNZの教育は日本に比べて質が高いという人が結構いるんだが、このディサイルという制度を知らないで適当に選んでしまうと、偉いことになってしまうので、よく調べて、寄付金を支払えるか、その地域に住めるかとかを考えてこっち来るようにしましょう。
自分の知識ベースで書く。この辺日本だと混同されてるというかそんな感じがするので。あと、間違いは結構あると思う。
マオリはNZの原住民だ。当初ニュージーランドはオランダ人が見つけた。オランダにジーランドという場所がある。そこにちなんでつけられた。
ただ、上陸するなりマオリの襲撃を受けて犠牲者を出しつつにげ帰った。
その後に来たのはイギリス人入植者。今のウェリントンのあたりから上陸したらしい。
マオリとイギリス人入植者の間でいざこざがあり、マオリ戦争という全面戦争的なことをしてイギリス人入植者の勝利、ワイタンギ条約を締結して、イギリスの支配下に入った。
当時南島は寒すぎてマオリがいなかったので、イギリスは南島はかんたんに占領できたらしい。
ワイタンギ条約では、英語とマオリ語の翻訳がきちんとできてなくて、確か統治と管理の誤訳からかマオリは、統治権はマオリに残されたと思って条約に納得したこと、マオリの部族が多すぎて全部族との合意が取れる前に条約が締結されてしまったという問題があり、未だに解決していない。というかNZがこの辺の問題に対応し始めたのが割と最近のことだ。
おかげで一部部族は今もニュージーランドはマオリの国であって外国人は出ていくべき、車、家、財産はお前らが勝手に持ち込んだんだから我らが黙ってもらってもモンクは言えない、と言う人らもいるとかいないとか。
ニュージーランドではマオリ語は公用語であり、ニュースでは必ずキアオラ、というし、公的な記者会見ではマオリ語でなにかいう。学校の入学式のようなイベントではその土地のマオリの族長が来て歓迎の儀式をする、ということもやる。国歌の一番はマオリ語、2番は英語だ。
オーストラリアのアボリジニは黒人の風貌でありながら金髪という特徴がある不思議な民族だ。中部オーストラリアに行くと今も血の濃いアボリジニがいる。
大陸北西部には彼らの聖域のような領域があり、地図には立ち入らないようにとか、相当偉い族長の許可がないと入れないとかそんなような警告が書かれている。多分なんの装備もなくそのへんに行ったら途中で遭難してしまうと思う。
オーストラリアはもとはイギリスの流刑地であり、アボリジニは、イギリス人入植者たちの奴隷やハンティングの対象にされてしまった。タスマニア島にアボリジニがいないのは、入植者たちがひとり残らず殺してしまったからだそうだ。
都市部のアボリジニたちは混血が進んでおり、どうやら純血のアボリジニはもういないらしい。中部オーストラリアで薮の向こうからひょこっとアボリジニ一家が出てくるのを見たことがある。
アボリジニたちはひたすら迫害を受けたあと、今度は同化政策の対象になった。生まれたばかりのアボリジニを両親から取り上げて白人家庭に育てさせる、ということをした。
白人家庭で育てて白人の価値観を身に着けさせて名誉白人にしてあげよう、ナイスアイデア!ということかな。余計なお世話だったのは言うまでもないが、政府がそれをやってしまった。
確か2010年くらいの当時のオーストラリア首相がこのことについて謝罪をしたが、マスコミからは非難轟々だった。あの腰抜けふざけんな、頭下げるとかねーよ、という論調だった。
オーストラリアではアボリジニに対する生活保護がかなり手厚いらしく、学校にいかなくても、仕事しなくても食うに困らないそうだ。
その結果、酒とドラッグに溺れるアボリジニも多いらしく、治安を悪くしている、という皮肉な状態にもなっている。
アボリジニ語という言い方かは知らないが、カンガルーというのがアボリジニの言葉で「お前の言ってることの意味がわからない」というのは有名な話だ。
オーストラリアがアボリジニの伝統や文化に敬意を示し始めたのが2000年以降くらいで、エアーズロックをウルルと呼ぶようになったのもその一つだ。最近やっとウルルに登るのが完全に禁止された。
オーストラリアは今でも白豪主義があるので、一部白人は白人以外いなくなれと思っているが、良識的な大多数の人たちからは厄介で困ったやつだなあと言う目で見られている。
10年くらい前のエディトリアルかなんかで、こっちの大学にいる某国の女性たちは、永住権のためにオーストラリア人との間で妊娠狙いのどうしようもない奴ら、とかひどい書かれ方してたのをみたし、そういう記事が発行されてるので、まぁ、そういう人はそこかしこにいると思っていいかもしれない。
景気がいいときと悪いときに特に白豪主義が強く出る印象がある。
アボリジニとマオリに共通しているのは彼らの言葉の発音がなんだか日本語によく似ていることだと感じている。
両国に行くと、アボリジニ語の地名、マオリ語の地名がそこかしこにある。
ニュージーランド最北端にあるケープ・レインガは、マオリ族の死者の魂が旅立つ場所などと言われているし、ウルルには女性が出産するための洞窟があったりする。
これらの民族のことを意識しながら両国を見てみても面白いかもしれない。
両国の国旗は恐ろしく似ていて、オーストラリアに気を使ったニュージーランドが国旗を変えようとして候補をいくつか選定、国民投票の直前でキャンセルするというおちゃめなことをしたが、国旗の成立は実はニュージーランドが先ということはあまり語られなかった。
目からビームを出すキウイと言う国旗案がなにげに支持を集めていたので、そういうのりの国でもある。
オーストラリアとニュージーランドの間では結構緊密な仲になっており、軍隊はANZACというオーストラリアニュージーランド連合軍という形をとっていて、第一次世界大戦でのガリポリの戦いで活躍した。おかげでトルコ人からはすこぶる評判が悪い。
オーストラリアはたまにだけどニュージーランドをオーストラリアの州にしてはどうかという人が現れる。
ニューサウスウェールズ、ビクトリア、クイーンズランド、南オーストラリア、西オーストラリア、ノーザンテリトリー、タスマニアにつぐ第8の州にしたいらしいがいつもいうだけで終わる。
あと、ごく最近、ニュージーランドが定義上大陸ということがわかった。大陸棚が凄まじく広く、その面積がグリーンランドを超えるらしい。これによって大陸というのは、グリーンランドより大きな島、という定義を学んだ人は多いと思う。でも大陸棚を含んでいい、というのはなんかインチキ臭いなと思っている。
11月最初の週末は、ラグビーW杯2019日本大会、最後の週末だ。
ラグビー伝統国以外での、そしてアジア初開催となったこのトーナメントも残すところは2試合を残すのみ。
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大会を振り返った時、3位のチームを覚えている人は少ないだろう。
地上波放送もなかったし、3位決定戦自体の存在意義に疑義を唱える関係者もいると聞く。
しかし、今回、不可抗力で中止になった試合こそあるものの、W杯の開催地に最後まで残って、参戦したときに行う可能性のある7試合全てを戦えるのはここまで残った4チームにのみ許された権利だし、この大舞台で戦う経験を積む新星、そして代表戦の舞台から去るベテランたちにとってこの一戦は大きな意味を持っている。
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ニュージーランドのWTBリーコ・イオアネや、ウェールズのSHトモス・ウィリアムズ、CTBオーウェン・ワトキンはこの3位決定戦で次の4年に向けた新たな一歩を踏み出し、No8キアラン・リード、FBベン・スミス、CTBライアン・クロッティ、FLマット・トッド、そしておそらくはこのステージで残された時の少ないLOアラン・ウィン・ジョーンズといった伝説たちが、代表として有終の美を飾るための戦いに臨む。
また、スティーブ・ハンセン、ウォーレン・ガットランド両HCも退任が決まっており、これらはこの試合が1つのサイクルの終焉と新たなサイクルの始動を繋ぐものであることも意味している。
強豪国として名をはせる両国は今夜、どのような「終わりと始まり」を見せてくれるだろうか。
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若手に経験を積ませたりベテランの花道を作ってやりたいとは思っても、負ける気など全くないウェールズ。
伝統の固いディフェンスと激しいタックルは若手にも浸透しているであろうが、相対するのは攻めてくるのを待っていて勝てる相手ではない。
ウェールズは攻撃的守備を遂行しつつ、ペナルティーキックやセットプレーなどの一瞬の勝機を何度ものにできるかが問われる一戦となる。
対してスタメンを大幅に入れ替えても世界的なビッグネームばかりという層の厚さを誇るオールブラックスは、完全に封じられれた準決勝の苦い思い出を払拭し、自信を取り戻さないといけない。
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国家斉唱を前にこの試合で黒衣を脱ぐキアラン・リードの頬に笑顔が漏れる。
スタジアムが純粋にラグビーを楽しむ祝祭的なムードに包まれる中、両国の代表と観客が声を合わせて歌う国歌。
特別な試合、原則マオリの血を引くものが務めるとされるハカのリードはキアラン・リードだった。
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いよいよキックオフ、増田の予想に反してウェールズは試合開始から果敢にランで展開しつつ攻めるが、これを止めたオールブラックスがペナルティを獲得、外れたゴールキックの攻防からボールをつなぎ、なんとPRのジョー・ムーディーが激走してトライ!
つづく12分にもラインアウトからのセットプレーでクロスパスを受けたFBボーデン・バレッドがディフェンスをすり抜けてトライ。
14-0。
オープンな展開から2トライを奪ったオールブラックスが序盤をリードする。
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対するウェールズも深く攻め込んでからのセットプレーを取り切ってトライ、その後もペナルティーゴールを獲得し14-10とやり返していく。
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しかし、ボールをもってもキックを使わず走るウェールズが挑んだ攻めあいはオールブラックスの土俵で、32分にはセットプレーからターンオーバが連続する混乱をベン・スミスが走り抜けてトライ。
銅鑼のなった40分すぎにまたもベン・スミスがインゴール右隅に飛び込み、28-10として前半を終了した。
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スタンドに観戦にやってきていた上皇夫妻に送られる拍手と歓声。
トーナメントを勝ち上がってきたキック主体の戦術を使わずランでのオープンな展開で攻めたウェールズだが、オールブラックスの得意な混乱からの打ち合いを誘発してしまう。
ウェールズは今日が代表最後となるベン・スミスの2トライなどで大幅リードを許して前半を折り返した。
後半は締めていくのか、覚悟を決めて引き続き果敢に攻めるのか。
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後半開始早々、オールブラックスはまたもベン・スミスがディフェンスをすりぬけてチャンスメイクし、ソニー・ビル・ウィリアムス一流のオフロードでつなぎ、ライアン・クロッティが飛びこみトライ。
今大会を若い力で駆け上がってきたオールブラックスは、3位決定戦でみせたベテラン3人のアンサンブルで35-10。
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ウェールズは残された大舞台最後の時間を観客とともに全力で楽しむように、後半もキックを使わずランで攻める。
オーソドックスな展開攻撃だけではなかなかビックゲインができなかったが、辛抱強くボールを繋ぎつづけ、インゴールライン間際の攻防からジョッシュ・アダムズが頭を突っ込んだ!
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ゲームは選手の交代が相つぐ時間となり、大歓声で送られるウェールズのアラン・ウィン・ジョーンズやオールブラックスのソニー・ビル・ウィリアムズ。
最もセクシーなアスリートと世の女性にもてはやされながら、前大会で得た金メダルを興奮してフィールドに降り駆け寄ってきたファンの子供にあげてしまうなど、セクシーの期末試験があったら記述問題に採用したい振る舞いがノータイムで出せる伊達男ソニー・ビルは、13人制でカナダからのオファーがるという。
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腕を痛めたウェールズSOリース・パッチェルの交代で怪我の穴埋めにとことん縁のあるダン・ビガーがフィールドに降り立ち、同じく交代で入ったSHガレス・デービスがややキックを増やしたことで後半の展開は均衡したが、やはりオープンなゲームであることは終盤になっても変わらない。
観客にラグビーの楽しさを示すように攻め合いになったゲームは、75分にウェールズ陣深い位置からのスクラムからオールブラックスSOモウンガが、その均衡を破るトライで40-17として、このスコアのままゲームは終了した。
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おそらくは互いに最後のW杯となるアラン・ウィン・ジョーンズ、キアラン・リード両キャプテンが晴れ晴れとした表情でインタビューに答える。
準決勝の苦い敗戦を払拭し、最後の試合を飾ったスティーブ・ハンセンHCは大歓声に送られ、花火大会の打ち上げ本数で上回られたウォーレン・ガットランドHCは少しだけ悔しそうな表情で、しかし歳月を噛みしめるようにウェールズを鍛え上げた日々への思いを語った。
今大会で堂々オールブラックスの司令塔を務めた新星モウンガは試合前に「先輩たちのために今日は戦う」と語ったという。
ウェールズの選手たちも同じ気持ちではなかったのだろうか、去る者の思いは若い戦士たちに受け継がれていく。
4年後には彼らが先頭に立ってチームを引っ張っていくのだろう。
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決戦の1試合を残して大会を去った彼らだが、大会後にはキアラン・リード、ライアン・クロッティ、マッド・トッド、ブロディ・レタリック、サム・ホワイトロック、リーアム・スクワイアなど、多くの選手が日本にやってくる。
あと、W杯が始まってからというもの、どうにも悪役キャラのようなセリフを吐きまくるエディーがまた口を滑らせたおかげで、スティーブ・ハンセンが次に指揮を執るのがトヨタヴェルブリッツであることも明らかになった。
日本代表の躍進をその屈強な身体で支えた姫野を擁し、元オールブラックスのキャプテンとHCがやってくるトヨタは台風の目になるだろう。
W杯を沸かせた彼らのプレーや采配を間近で見ることのできる、トップリーグのスタンドにも是非足を運んでほしい。
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そして、日付が変わって11月2日、2019年大会を制するチームがついに決定する。
追憶と希望をのせたトライの花火と歓声が夜空を彩った今夜だったが、次の夜はもっとシリアスなものが飛び交うだろう。
44日間の激闘を見守ってきたウェブ・エリス・カップは、白と緑、どちらのユニフォームの上で輝くのか。
前のレビューをみんな読んでくれて、ラグビーの見所が伝わったというのが嬉しいので、注目の対戦カードが立て続けに3試合行われた21日の試合も続けてレビューすることにする。
義務感は感じてないけど、さすがにいい試合すぎて、これはちょっと書きたくなったので。
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21日は面白い試合が目白押しで、全く違う個性がぶつかったオーストラリア×フィジー、似た者どおしのシーソーゲームとなったフランス×アルゼンチンも良かったのだけど、この日最注目のカードということと、増田本人が普段から南半球のラグビーを追っており、選手の個性もとりたい戦術も理解してるということで、ニュージランド・オールブラックスと南アフリカ・スプリングボクスの試合としたい。
南アフリカというと4年前、日本がアップセットを演出したので、ライバルとみなす向きもあるけど、実力でいったら日本は話にならないくらい負けている。
で絶対王者のオールブラックスはいうと、圧倒的に強い彼らが肝心なところで負ける時、相手はフランスか、このスプリングボクスであり、因縁でいうとこちらの方が深い。
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ゲームが始まる前に、オールブラックスは伝統のウォークライ、ハカのパフォーマンスをしたのだが、その演目は「カパオ・パンガ」であったのにちょっと驚いた。
通常、予選では、もう一つのバージョンである「カマテ」が演じられることが多いのだが、大勝負の時しか出ない「カパオ・パンガ」であったのはオールブラックスも相当な気合いが入っていたのだろう。
ちなみに、ハカは通常、リードとよばれる独唱からはじまり、これだけはマオリの血を引くメンバーでないといけない。
今回のリードはTJペレナラ。第二スクラムハーフ。最近は彼が多い。
世界最高とも言われる第一スクラムハーフのアーロン・スミスも資格があり、彼がリードだったこともあるが、国際試合の旅先で女性をトイレに連れ込み、セクシーな行為に及んだのがオールブラックスっぽくないと懲罰を受け、代表から外れていた時期があり、その時からペレナラがリードになった。
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さて試合の方だが、伝統的にこのカードはロースコアになることが多く、その理由はスプリングボクスのとる戦術にある。
彼らはボールを持つと、非常に単調な攻めを繰り返し、パワーをテコに相手の苦し紛れのペナルティを狙ったり、キックを蹴って落下地点でど迫力のタックルをかまして、ポロリから→リスタートのスクラムでパワーで押しつぶして前進を狙う。
大事なのはディフェンスで、キックでボールを渡すので、絶対突破されてはならず、それさえ可能ならロースコアにコントロールできる。
オールブラックスの華麗なパス回しと走力は世界一だが、それを止めうるのが「単純なガタイのデカさ」「常識はずれのパワー」「きれない集中力」「決してサボらない真面目さ」そして「異常なくらいの単純さ」というのが面白い。
実際この試合でもスタートはスプリングボクスが狙い通りコントロールしていた。
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ただ、計算違いが生じたのは前半20分ほど。
予想外を演出したのはオールブラックス10番、リッチー・モウンガ。
彼は前W杯から3年ほど、本日15番に入ったボーデン・バレット、怪我で今大会出場できなかったダミアン・マッケンジーの陰に隠れて、司令塔としては「第三の男」扱いされていたが、今年になって地元NZのチームでの活躍で頭角を現し、オールブラックスの10番を射止めていた。
オールブラックスは、このどちらかと言うと手堅さと抜け目なさを信条とする地味なモウンガと天才的な閃きのある派手なバレットの2人を併用し、実質W司令塔を形成していた。
モウンガについては、栄光のオールブラックスの司令塔という、ラグビー界において文句ない立場にいるのだが、「天才」だの「イケメン」だの「最注目選手」だのともてはやされるバレットと比べて、彼自身のプレースタイルのせいかルックスのせいか、立場に見合った注目をされてると言い難く、なんかちょっと悲哀を感じさせるものがある。
彼が自陣で平行に蹴ったキックパスをきっかけに、オールブラックスは一気にトライを陥れる。
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その後も、モウンガかバレット、どちらかが密集に巻き込まれて機能停止しても、もう一方がゲームを組み立てるので止まらない、という攻めにスプリングボクスは対応できない。
前半で計2トライを献上。
この時間帯はあまり長くなく、2トライを与えてしまった一瞬以外はディフェンスもよく機能し、前半のほとんどの時間がむしろスプリングボクスのロースコア狙い戦術の通りに進んでいた、でも結果として一瞬の破綻で点差は開いてしまった。
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後半はトライがないとプランが遂行できないスプリングボクスだが、驚くべきことに彼らはあまり戦術を変えず、なんとオールブラックスの一瞬の油断から逆にトライをもぎ取ってしまった。
ここら辺は、自分たちのやることを信じて崩れなければ、幸運が一定確率でやってくると言うことかもしれない。
さらに後半20分、SOポラードが虚をついてドロップゴールを狙うと、これが入り、当初の予定通り、「トライはいらない、キックで刻むぜ」戦術を現実的に見える線まで引き戻した。
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しかし、その後、お互いがあまり大きなミスをしないまま時間は経過し、いくつかの幸運の中でオールブラックスが獲得したペナルティーキックを、地味な男モウンガが確実にきめ、スプリングボクスの勝機はじわじわと離れていった。
スプリングボクスとしては長時間ゲームをコントロールし、自分たち好みのゲームを演出したにも関わらず、前半に一瞬の隙で奪われた2トライで試合を失うという結果になってしまった。
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ゲームの概観としては、オールブラックスもスプリングボクスも非常に出来が良く、プールに彼らを脅かす敵がいないことから、双方決勝トーナメントに進む可能性は高いと見る。
そうなると、1ヶ月後に彼らは再び相まみえるかもしれない。
なかなか楽しみではある。
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ブコメで質問があり、増田的にも非常に印象的だったので、フランス×アルゼンチンにおけるドロップゴールについて解説を試みたいと思う。
多分だけど、チームとしての戦術ではなく、個人のとっさの判断だと思う。
ドロップゴールは陣形やゲームスピードから、出そうなタイミングがわかるものだが、あの時「これは蹴るぞ」というタイミングでは全くなかった。
ゲーム全体の流れを思い出してほしいんだけど、あのゲームは前半、フランスが圧倒的に優位に進めていたものを、後半、アルゼンチンがゲームを辛抱強く戻して、ペナルティーキックで刻んで追い上げていた。
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特徴的なのはキックとモールで、前半、双方まったくキックを蹴らず、ムキになって走り合っていた結果、フランスがゲームを支配していたのが、後半アルゼンチンはキックを蹴ったり、モールで押すようになり、長時間の走りあいにこだわらなくなった。
その結果、ゲームが落ちついてアルゼンチンは刻みながら追い上げ、ついには逆転した。
この時点で、計画的にアルゼンチンがゲームのコントロールを自分たちのものにしていた。
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フランスにとっての後半は、前半とうって変わってコントロールできない上にじわじわ追い上げられてしまいに逆転されるという非常に嫌なムードに飲まれそうになっていた時間だった。
そこにリザーブで入ってきた奴がまったく空気に合わせずにシレッとドロップゴールを決めて流れをブった切ってしまった。
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俯瞰で見てる奴がゲームをまるっきり変えてしまうのは、どことなく会社などで中途採用のよそ者がガラッと慣習をやぶって風穴をあけるのを連想させる。
あれはラグビーのフィジカルな面でなく、「我慢のスポーツ」「コントロールのスポーツ」としてのメンタルな面をよく表していたと思う。
ラグビーでは、戦術やフィジカルといった見えるものと、もっと上位にあって見えづらい「客観性」「空気」「メンタル」みたいなものが勝負を大きく左右するケースがあるので、そこにも注目してみると、味わい深くなると思う。
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あ、あとついでに、オールブラックスの選手、リーコ・イオアネのNZから日本に向かう様子を本人が投稿した動画のリンクを貼っとくわ。
彼は「恩人が日本人なので日本語の名前を息子につけたい」と希望した両親に危うく「リエコ」と名づけられそうになったが、「それ女の子の名前やで」と訂正され、「リーコ」になった経緯がある。でも綴りはRiekoやんけ。
そんな人たちもやってくるW杯、みなさん楽しんでほしい。