はてなキーワード: 祖師とは
スシとは李素裳のこと。プレイヤー間のスラングだな。キャラデザがすこぶる良く、CVを担当する福圓美里氏もハマり役。
520年前の神州(作中の国で中国に相当する)の太虚剣派に属する優れた武術家の15歳だったが、とある事情でコールドスリープして目覚めたため、535歳そこそこといったところか。
だが実質15歳とは思えぬプロポーションで、茶目っ気がありながらも泰然とした達人感を漂わせる。
師であるフカを「お祖師様」と呼ぶので、その空耳でお寿司というあだ名がプレイヤー間で浸透したのかもしれない。
もちろん名前のスショウも寿司みを後押ししている。とにかくスシといえば彼女なのである。
彼女の勇姿は公式の動画を見れば一目瞭然だが、惚れ込む人がいるのも理解できるだろう。
スシ男性とは、まさしくこの弱冠535歳の剣気を操る武人少女、素裳の虜となった男性のことを指すテクニカルタームだと思われる。
この作品「崩壊3rd」は今まさにサービス6年の歳月を経て、類を見ないほどの壮大なスケールで展開してきた物語第1部を終えようとしているところだ。
素裳を含む物語も一つの幕を閉じようとしている。第2部についてはどうなるかまだ分からないが、一つ明らかなことがある。
今年4月にリリース予定のシリーズ最新作、崩壊スターレイルにも「素裳」と言う名の瓜二つの人物が登場するのだ。
ある種のパラレルワールドとして崩壊3rdの登場人物たちが同名、似た容姿、別人格で登場するこの新作によって、スシ男性たちの素裳成分摂取もより亢進されることだろう。
お分かりいただけただろうか。
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見聞きした言葉でこれ使えるなと思ったのを日々notepad.exeで追加してる。
たとえば丁々発止なんて言葉もfanzaあたりで検索するとエロいのが出る雰囲気を俺は感じるのでそういうのを記録している。
あるいは「小力(こぢから)」みたいな言葉はあまり使われていないように感じるが、ただでさえそんな言葉がもし漫画で使われているとしたら、その言葉が含まれるその紹介文の該当箇所はどういうことを言ったものなのだろう、そしてそれはどういう漫画だろう、ということが気になるので、そういう言葉も集めてる。この場合たとえば最近も「大串」と調べたら、「巨大串」という形で使われていたという意外な発見もあて面白い。
以下リスト(原文の改行はコンマに置換してある)はじめの方は単語じゃなく文のようになってる関係なさそうなのもある。
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Please run gallery-dl again with the --verbose fl,ag, copy its output and report this issue on https://github.com/mikf/gallery-dl/,issues .[0m,,西側,東側,東西,冷戦,俳句,俳諧,句会,句集,詩集,諜報,間諜,苦界,刺繍,正の字,着ぐるみ,器具罪,ガーターベルト,楽器 琴,琴,大正琴,アルトサックス,無心,医院,傀儡,sdカード,給湯,急騰,エフェクト,物置,精錬,屋台骨,こしひかり,陣屋,臨時,創業,一膳 膳,七味,目の色が変わ(を変え),辛子,鉄山,格式,そっか,品種,・肉厚,肉薄,アホ毛,食い逃げ,なん(何)のこれ(しき),オリジナリティ,不憫,秋晴,習性,お家芸,旧い,旧党,無理数,あおひげ,物見高,横断,黄疸,痰壺,横臥,サロン男性向け,オジキソウ,物産,琥珀,タペタム,産界,一本締め,縄会,鍵盤ハーモニカ,(届いた)ビデオテープ,カロリン,棟上,子煩悩,握力,筋トレ,郵,踏破,鉄の足,旅慣れ,古武術,オドリコソウ,負荷,フカヒレ,整髪,社交ダンス ,閣下,モスク,聖地,遊学,遊楽,幽学,魚拓,ジェラート,(えら)骨,すんごい,まっいっか、まっいいか、まいいか、まいっか,カステラ,アイヤッパン,先取り,考古(歴史) 修復,口訣,養蚕,医院,きよみず,制限,周辺,よそよそし,カチューシャ,・蒔絵,机上の空論,机上,鋳造,殺(戮)兵器,留守番,留守居,襦袢,えるゴミ,溶鉱,倫理,呵責,反知性,高踏,互市,ビーフン,観戦,波消し,パンチが強い,アンダーグラウンド,アングラ,海賊版,平坦,ドメイン,ドレイン,根絶,歯車,海中,海底,改訂,関係機関,修正作業,年末調整,(是見)よがし,おんしょく(音色)renta,バンドサウンド,自己流,パワーコード,音のぶつかり,さしもの,水(みず)反射スカートパン下着,手鏡,禁門,金紋,礎と,可塑,門人,外貨,説諭,戦略,序曲,おなかトントン,終曲,サイコロ,コッペパン,アクアパッツァ,吐息,揚げパン,邪魔,カルエル,バズーカ,収穫祭,・炭鉱,切手、小切手,図鑑,辞典,事典,揺籃,ショートカット,ガトー,ビュッフェ,法律上,巧妙,創作物、創作,寺子屋、寺子,寺古,じゃらん,無責任,若女将、女将,よいではないかrenta,節操,奥行き,野沢菜,塩梅,ボケボケ,カフェセレブ,暗示,ふりふり,穏便,使い魔,(にこにこえがお)renta,胴衣,同位体,電動マッサージ、電マ,軽便,(マグロ),表面積,受熱,副虹,ソレイユ,変面,変顔,プリクラ,アカデミ,変心,スイギュウ,エンパシー,個室,霊地,ネカフェ,(吊り橋),・マート,へにょり,出来るような気,結構な,ガードレール,マンホール,群生,開帳,朱印,良妻賢母,ミルフィーユ,(踏切),歩道橋,バス停,停留,ババロア,(食い込),コットン,オーガニック,ネイリスト,メイク崩れ,いたがゆ,オッズ,レバレッジ,助詞,金貨,言語学,文法,命運,概論,練習試合,ワセリン,コランダム,夜のしじま(静寂),ハウスマスター,モノクル,即席家族,収拾,あてられ(た),実直,教導,労をねぎら,見取り図,高砂,ガンマン,ピストル,ベースキャンプ,祭りのあと,あまじょっぱ,きくらげ,親分肌,姉御肌,出囃子,はみご,(あしからず),オープン,最後の入院,テレビ 企画,伏魔殿,クリーンヒット,無神経,信頼関係,夫(妻)の理解,カミングアウト,メンタル(ヘルス),有機(の),デバフ,勝たん,徒歩(かち),八重歯,考えがある,持ち合わせ,視聴者(fanza),ざるをえ(得),所狭し,急成長,タイトルホルダー,見込み,見切り発車,滑り止め,皆様,お目汚し,シツレー,これにて,ラバー フェチ,タイムライン,原価,パン粉,ターニング,ベーグル,マフィン,スラット,スナッフ,カリカリ,急成長,(樽),ぷつっと,くさびを打,ヒーラー 悪役,打ち首,ぶつ切り,スパット,ドルチェ,カルティエ,ブルガリ,スムージー,週末,郷(さと),ひさご,ナメル,目出し帽,ドリップ,ドーリィ,御役御免,ケーブルカー,容体,陰性,東京進出,縮こま,交信,消臭,認識機能,まん毛,クリプト,テンガロン,嗅ぎ付,切り通し,渡り鳥,カヤック,リンクル,美貌,魔盾,もっこり,スカル,翡翠,デイジー,冷え性,痛車,(みずみずし),裏日本,いぶった,連れション,立ちション,しみしみ,ヴィヴァーチェ,立食,コールスロー,カシミール,コンチネンタル,道連れ,アロス,笑撃,安直,腰溜め,土壌,音楽シーン,血 ぴゅー,カルドゥッチ,ナリシング,ごにょごにょ,ごみょごみょ,改正,初稿,強直,包囲(男性向け),(真っ只中),厚み,ロコモコ,アヒポキ,ホクホク,(葦簀),西日,放屁,むぐって/た,直売,ひさが笑,チェーマン,エトランゼ,マニ(教),ご意思,あからさま,心躍,こなれる/て,究極の歌姫,タイアップ,引きも切ら,ふーふー,猫舌,微動,デーツ,かしこぶ,篭手,かすり傷,爪楊枝,シンセサイザ,児童文学,ボーカロイド,直帰,急務,まっしぐら,家系図,秋の機械,バインバイン,コンバイン,モータウン,腐心,揺籃,ガラス張り,膣トレ,ナイトクラブ,ポールダンス,げんなり,経血,フェムゾーン,突破,ロイター板,舗装,懊悩,除霊,徐行,逃げ道,黙殺,・リーキ,どうらら,大喜利,レール,リニア,値札,上臈,キッチンカー,顆粒 ,なで肩,スプリング,トレパク,パクり,ひょっこり,重工,校歌,生まれてくる,ドリフ,審査,新芽,隠し部屋,丸刈り,ラブソング,泡切れ,虎の子,キックスケーター,敢行,野宿,エルドラド,段々畑,自他(とも),プレス機,加工物,ホッピー,もそろ,(飴)色,デミグラス,グレービー,グレープ,野火,スタンプ(ラリー),ラリー,崚,いってきます,社会勉強,蕗の薹,問屋,イントロ,ティーナ,出向(い),魂魄,(部)外秘,サルベージ,健康骨,腐葉土,遺留,慰留,二人三脚,かかと落とし,安食,パディトン,ドミグラス,マッシュ(ルーム),休職,ケルヒャー,ソイソース,ホットサンド,コーヒーフレッシュ,トロンボーン,類似,言い遺,民泊,ダクト,ドーラー,半地下,マナ,寄り目,シュラスコ,屋台骨,土性骨,すべすべ,ハメが外,火薬 花火,舞妓 化粧(が),バーニャカウダ,ヒジャブ,ジップライン,女性用,男性用,用兵,籠城,伏兵,輪切り,アク (漫画家)[括弧が先],復職,フルール,ペチュニア,無撚,造反,肌を合わ,淫蕩,手芸,tl漫画家,ラクシュミ,黄石公,解呪,夜職,高目,フェビアン,大公望,ザッピング,こういう時,反転攻勢,肌掛け,ドア越し,式典,マクロビ,それなり,プレスカード,身分証,当て込,折込,うってつけ,サンドバッグ,閉塞,葉巻,オスロ,フラッパーの(な),ならず者,しゃきっ,運命論,ギャング,盗んだ車,共同作業,・配信,バンラリース,別離,発喪,政変,ビタミンB1,眼精,天誅,天佑,孤立化,開かせ,年の頃,八つぁん,(ぐあい),ヴェルヴェット,悲嘆,勅許,へしこ,アクアリウム,開明,持ち上が,やってのけ,晦冥,それはあれ,手の者,正義マン,乾 いぬい,むろお,・あみだ(くじ),ドッジボール,鍼灸,板金,気流,手(もみ),壁紙,パンパス,debut,パンプス,ドレッサー,映画の宣伝,誉れな,足蹴,司牧,鞠躬如,けん玉,(じゃらんぽん),デトックス,キンパラ,鼻につく,言い分,貫け,真作,ニス,姦婦,贋作,フェルメール,あんかけ ,キックボード,全容,のど飴,しゃあしゃあ,覆る/し,心臓な/だ,にゅうにゅう、にゅーにゅー,ドッキング,万華、華鏡,戒 法,受戒,(ことこと),お召し,パーキング,水あめ、水飴,じとじと,しれっと,ヘラ期,汽笛,(中長)期的,(唐揚げ),atm (年漫画),(ものまね)renta,ギャラ呑み, うんてい,水玉,肉まん,水油,天花粉,香油,持って数,叩き込,異物,改変,遺伝子 組,儚、果敢ない/く、はかない/く,物は言い,言い逃げ,嫌な打算,こわすぎrenta,口にす/し,マーシナリー,洗いざら,赤線,青線,節介,ディーゼル,(なんともでき),みなは,アストリンゼン,ケトン,ファルシオン,間取り,見取り,柑,ノープラン,しっくり,バイキング,グロッキー,シッカロール,勝負になら,せていただ,ツルツル,コーティング,bgm,効果音,バックグラウンド,(すけこまし),コケティッシュ,気落ち,あざと,さかいに,国防,カピカ,八重歯、犬歯、臼歯,薄幸,・旧師,白光,くんだり,とどま,素敵空間,宅浪,パッケージ,ツマミ,パッキング,サイバー,・5次元(の)女,アンティーク,独り者,ディスカウント,運航,水難,分際,間際,特長,テニサー,(蒸し蒸し),修正済み,こさめ,緩和,引き締め,逆さ吊り,おしおき,仕立て屋,見立て,備え,梁 柱,正座,未来志向,転倒,瞬発,奮発,実写,唱歌,トロフィー,ハンチング,・子分,古文,(のたれ死),恵まれ,この先,痛恨,失言,ビット,ピット,ショークラブ,ペシミス,まぐろ 漁船,世替わり,あがき,おぼれ,プリントシ-ル,余念,下まつげ,エクステ,唱和,・な校則,復縁,(掘り起こ),小窓,明り取り,のろけ 年漫画, Permalink | 記事への反応(2) | 12:17
どれのことを言ってるんだ
https://www.animatetimes.com/tag/details.php?id=5947
アイドリッシュセブン Third BEAT! 第2クール
悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました
異世界おじさん
宇崎ちゃんは遊びたい!ω
うちの師匠はしっぽがない
うまゆる
ONI ~ 神々山のおなり
おばけずかん!(第2期)
外見至上主義
陰の実力者になりたくて!
「艦これ」いつかあの海で
後宮の烏
ゴールデンカムイ 第四期
忍の一時
聖剣伝説 Legend of Mana -The Teardrop Crystal-
チキップダンサーズ 2期
Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-
ハーレムきゃんぷっ!
VAZZROCK THE ANIMATION
万聖街
PUI PUI モルカー DRIVING SCHOOL
不徳のギルド
ぷにるんず
不滅のあなたへ Season2
BLEACH 千年血戦篇
僕のヒーローアカデミア(6期)
ぼっち・ざ・ろっく!
マブラヴ オルタネイティヴ 第二期
虫かぶり姫
勇者パーティーを追放されたビーストテイマー、最強種の猫耳少女と出会う
4人はそれぞれウソをつく
弱虫ペダル LIMIT BREAK
令和のデ・ジ・キャラット
恋愛フロップス
ROLY POLY PEOPLES
羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来
広告代理店を早期退職したキョウコは、今にも倒れそうなボロアパート「れんげ荘」に住んでいる。生活費は月10万円と決めて倹しく暮らすキョウコの楽しみは、猫のぶっちゃんに逢う事くらいだったが、ぶっちゃんことアンディは飼い主の家から出して貰えなくなってしまう。
キョウコはあまり変化のない日常を送っているが、れんげ荘の若者達は人生にもまれて忙しそうにしている。コナツさんは事実婚相手の男性の連れ子の育児、チユキさんは田舎に住んでいる彼氏の所とれんげ荘を往復しつつ、他人に貸している分譲マンションのトラブル解決に追われていた。
そんな若者達に深入りし過ぎないよう愚痴の聞き役になっていたキョウコのもとに、実家から母の死が報じられ……。
若い人達のすることに上から目線でアドバイスや批判をしたい欲と内心で静かに闘うキョウコ。その心情が、今にもアウトな方へ傾きそうなギリギリのラインに立っている感じで、ちょっとハラハラした。心の裡だって理想と現実はかなり違うもんなあ。
一時流行った丁寧な暮らし系統だが、そういうのは結局豊かさの産物であり、現実の日本社会ではもはやリアリティーを喪っているように思う。だが、本作では相変わらずキョウコは節約を頑張れば働かなくても生きていけるという設定のままだ。
ところが、彼女が実家に戻れない最大の理由だった母親(他人にとってはいい人だがキョウコにだけは害悪って感じの毒親)が死亡したので、キョウコにはれんげ荘を出て兄夫婦とシェアハウスするように同居するという、新しい道が示される。だが、キョウコは全然乗り気ではない。そりゃ長年一人で暮らしてきた人が、いきなり独居の自由気ままさを手離すことはできないよね。
クマガイさんの生き方や考え方がカッコいいのだが、先のことは知らないなんて、キョウコよりもずっと年長者(敢えて言えば老い先短いともいう)だから言えること。確かに、人生を悩まなくてもいい事に悩んで浪費したら勿体無いとは思うけど。
他人には後ろ指を差されるかもしれないが理想的なキョウコの暮らしは、ずっと手放しで幸せとだけ言えるものではなくて、いつも後悔と不安がついてまわる。
作中の時間の流れがリアルタイムよりもだいぶ遅いのか、本作は2021年に出版されたのにコロナのコの字もない。現実世界はこの数年は酷い事続きだから、現在よりも少し昔を生きているらしいキョウコがいっそ羨ましいくらいだ。もし作中の時間が2022年に追い付いたとしたら、キョウコの心境はどう変わるのだろう。「先のことは知らない」という言葉の受け止め方は、どう変わるだろうか。私は先のことが知れない事に恐怖しかないけど。
ラストでぶっちゃんと再会して急に元気になり小躍りするキョウコ。やっぱあれだ……推しは世界を救う的な……。何があっても推しが元気でいてくれさえすれば生きれるってことか。
前に今読んでるとこって書いたけど、やっと読み終わった。半月以上かかってしまった。(他に色々読んでたのがいけなかっただけだが)
舞台は古代中国のような世界で、神の住む天界、人の住む下界、そして鬼の住む鬼界がある。
主人公の謝憐(シェ・リェン)はかつて大国だった仙楽国の王太子。彼は類い希なる才能を持ち、17歳の若さで天界に飛昇し神官(現代日本で言うところの神)となった。
だが、彼は自分のやらかしによって天界を二度も追放されてしまい、下界でガラクタ集めなどをして糊口をしのぐ暮らしにみをやつすことになった。
最初の飛昇から約八百年後、謝憐は三度目の飛昇を遂げ神官に返り咲くものの、飛昇した際の衝撃で他の神官達の住居などを壊してしまい、多額の負債を作ってしまった。
そこで謝憐はまた下界に降りて、人助けをしたり自分を奉る廟を作り信者を増やしたりなどして功徳を積むことで弁済をする事にしたが……。
読み終えるまでに半月もかけてしまった私が言うのもなんだが、かなりページターナーな作品。
ただの人間が修行をしたり功績をたてたりする事によって神となり、信者を増やして功徳を稼ぐことによってより強い法力を得るという設定が、ゲームっぽくも俗っぽくもあって面白いけど、中国のWeb小説ではあるあるな設定だったりするのか、それくらい解ってるよね? と言わんばかりにストーリーはサクサク進んでいく。でも文章が平易なので設定に振り回されて訳がわからなくなるなんてことはない。
同作者の『魔道祖師』もそうだったが、個々人の心情や集団心理の描写が巧み。謝憐の、お人好しなんだけどいつの間にか味方が誰もいなくなるのもやむを得ないような性格……簡潔に言えば空気を読めない独善的でアイタタタな性格とか、権力者のワガママに振り回される下々の人々の様子とか。
巨陽将軍(ジューヤン将軍。日本語にすると巨根将軍)の名付けエピソードなんかかなり風刺が利いていて、えぇ……意外と中国、表現の自由あるじゃん……(発禁になりませんように)……と思った。
ストーリーが面白いけどBL作品なので当たり前のようにボーイズがラブする。本作は『魔道祖師』のときみたいに男性同性愛の事を「ホモ」の意の古語で呼んで露骨に差別することもない(1巻時点では)。
メインカプの三郎(サンラン。攻め)と謝憐(受け)は前半くらいでもう出逢い、すぐに打ち解けて仲良く暮らしたり一緒に事件を解決しに行ったりする。三郎はなぜか謝憐に対してとても親切で優しく、謝憐は訳もなく親切にされることに戸惑いながらも、根っからお人好しのため受け入れる。
ところが、謝憐と普通の人間達以外の誰もが三郎のヤバすぎる正体を知っていて、でも三郎を怒らせたら事なので、誰も口を挟まない。謝憐と三郎が人目も憚らずに二人の世界に浸っているのを、第三者がドン引きで見てみぬふりを貫く様が滑稽で面白い。
本作ではまだ謝憐や三郎の来歴に語られていない部分が多く、楽しそうに交流しているだけなので萌え萌えでいいけど、きっとそのうち超弩級の不幸展開ややり過ぎて引くエロ展開が来るんだろうな……。
終盤の鬼市に潜入する話が好き。な、なんか鬼市の風景にデジャ・ビュが……『幽遊白書』と『ハリーポッターシリーズ』と『昭和元禄落語心中』と『千と千尋の神隠し』を足して4で割ったような雰囲気。厨二心に刺さる。
丁半賭博であからさまに謝憐が贔屓されるシーンの糖度が高くてほっこりした。
数ヶ月前に予約した小説『天官賜福』(墨香銅臭)が届いたし、Kindleでポイント50%還元セールがあったり竹書房の日があったりしたので、いつになく多くのBL作品を手にした7月末~8月冒頭だった。ほっこり。そんな訳で、読んだ本とその感想を少し。あ、『天官賜福』を発売月内に読んでレビューポイントを稼ごうと思って忘れてたなあ!
謝憐(シェ・リェン)は仙楽国の元王太子で、17歳の若さで天界に飛翔し武神となった天才神官であった。ところが数々のやらかしにより人間界に落とされ、今では貧乏神・ガラクタの神と蔑まれ、彼を信仰する人ももはやいない。
そんな謝憐だが、このたび三度目の飛翔を遂げ神官に返り咲いたものの、天界に着くなり飛翔の衝撃で他の神官の館等をぶっ壊してしまい、多額の負債を作ってしまうのだった。
そして彼は、返済のために功徳を稼ぎに人間界に降り、人々を苦しめる怪異事件の解決に乗り出した。
すごい厚みなのだが、まるで話上手な人による噂話を聴いているかのような軽快で臨場感のある文体と、面白いストーリーのため、ひと度読み始めるとページを捲る手がなかなか止まらなくなるやつ(といっても、私は歳のせいかすっかり集中力がなくなってしまい、しかも他の本と掛け持ちで読んでいるので、なかなか読み進まないのだがw)。
同作者の『魔道祖師』よりはストーリーが分かり易いと思う。人界の民草に信仰されることによって「功徳」ポイントを稼ぐという設定がゲームみたいで面白い。何年か前にアニメになった『霊剣山』(国王陛下)をちょっと思い出したんだが、こういう古代中国が舞台のゲームっぽい設定って、中国のWeb小説界隈で流行ってるのだろうか?
けっこう早い段階で攻めの花城(ホワチョン)が登場し、謝隣が彼に惹かれていく描写もなされるので、BLとしても『魔道祖師』より分かりやすく萌えが多いかもしれない。
問題は、第2巻以降の発売の目処が立っていなさげなことだろうか。読んだ内容を忘れないうちに発売してほしい……。
短編集。恋愛に対して臆病過ぎてすぐ行方をくらます男とストーカー行為を楽しむ男の話と、遠恋中の若者達の話と、体毛がすごいおっさんの話の三編。
『Canna』のBLはサブカル系で癖が強いって誰かがどこかに書き込んでいたけど、これもかなり癖の強い短編集。筋肉! 体毛! ムンワァァ……! な、におい立つような劇画調ラッコ鍋絵柄で描かれるのは、おじさん・お兄さん達の複雑な乙女心だった!!
表題作だけ『Canna』本誌で読んだことがあったんだけど、連載が飛び飛びだったせいかあまり面白いと感じなかったのだが、単行本にまとまったのを続けて読んでみたら、案外悪くない感じだった。
私は2話目の『恋しさ募って』がお気に入り。初々しくてかわいい。
ルームシェアをしている大学生のアキとハル。見た目がもろにワンコ系で実は心配性なのがアキ、クール系に見えるけれど食いしん坊で楽天家なのがハルだ。そんな二人の好きなのは、お料理する事食べること。今日も美味しい料理を作って食べて、無自覚0距離でたのしく暮らしています。
めちゃめちゃ腹減ったーー!! 『きのう何食べた?』(よしながふみ)に負けず劣らずな飯テロBL漫画だった。とにかくアキの作る料理が美味しそう。各話の末尾にレシピがついているから、後で作ってみようかな。ただ、若者向けのガッツリメニューが多いので、中年以降にはきついかもしれないが。
BLなんだけど、エロがないどころか恋愛描写もほぼない。アキがハルのことを好いているというのがちょっと描写されるくらいかな。ハルは女子との交際歴があるとか、脇役の女子二人組が登場してグループ交際っぽい絵面になったりとかもして、BL感はかなり薄い。
でもアキとハルが幸せそうにご飯を食べてかなり密着状態で楽しそうに過ごしている様の和み度・癒し度が高く、それだけで満足感がたっぷりある。
あと他に三冊買ったけどそれはまた後ほど。
ちるちるBLアワードとは、商業BL情報サイト「ちるちる」主催のイベント。前年に発売されたBL作品のなかで、ちるちるのレビューページの得点が200点以上の作品からノミネートされる。そして1月にちるちるユーザーの投票がなされて、4月に結果が発表される。
推し作品がノミネートすらされなかったのでやさぐれてしまい、私は投票を完遂できなかったのだけど。BESTコミック部門とBEST小説部門の結果は一部予想通りだった。
BESTコミック部門第1位は『夜明けの唄』(ユノイチカ)。これは納得。私はあまり好きじゃないんだけど、皆好きだよねーこれ。あまりにも爆発的に流行っていたので、これしか1位はないだろうなと思った。
2位は知らんからわからん。3位の『神様なんか信じない僕らのエデン』(一ノ瀬ゆま)は読んだけどかなり面白かった。オメガバース作品なので、設定だけで嫌がられたり過剰に求められたりだと思うが、最近はオメガバースも下火なので、逆境を潜り抜けて3位に輝いた感ある。
そしてBEST小説部門。これは私の予想は「魔道祖師は絶対に1位を取れない」だったんだけど、大当たり。「このBLがヤバい2022」では2位と大差を着けて圧倒的1位に輝いたという『魔道祖師』(墨香銅臭)が何故ちるちるBLアワードでは1位を取れないと思ったのか? それは、このBLがヤバいの方は一般の読者も投票するし有識者の意見も入るらしいんだけど、ちるちるBLアワードの場合はちるちるユーザーだけが投票する(つまり極めつきに商業BLにのめっている人間ばかりが投票する)から。それと、ネットで『魔道祖師』の情報を漁ったところ、「買ったはいいが積んでいる」という人がかなり多かったので、「魔道祖師の人気=原作小説の人気」ではないと思った。
商業BL小説の読者層というのはかなり独特な感性をお持ちで、その他ジャンルの小説を読み漁る、本の虫タイプの読書家の常識では計り知れないところがある。だから、ただの小説として、もっと狭い意味でライトノベルとして、圧倒的な高クオリティの『魔道祖師』はだからといってマジもんの商業BL小説系腐女子には受け入れられはしないんじゃないかなと。単純に売上だけはすごくいいんだろうけどね。しかしそれでも2位だったのはかなりの健闘ぶりだ。たぶんこれ、ドラマとアニメの人気だと思うけど。実は買ったものの積んでいるけど、アニメとドラマ好きだし他の作品は読んでないから取り敢えず投票したって人(商業BL小説読まない民)、多そう。
予想外だったのは、BEST小説部門1位を取ったのが『Interlude 美しい彼番外編集』だったこと。私これ持ってるしすごく面白くて好きだけどマ!? 番外編だぜ!?!?!? うわぁー、さすがに商業BL小説史上に残るレベルの人気シリーズ。番外編集の半分は購入特典などの再録本なので、コアなファンは買って得するようなもんじゃないというのに、すごい。
作者の凪良ゆう先生の書く文章はとても平易で分かりやすい。一方、2位だった『魔道祖師』は「漢字が多くて読めない~」(振仮名ふってあるやんけ)とか、「古代中国の文化なんかわからない~」(脚注あるやんけ)とか言われて敬遠されまくっていた。分かりやすいって大事だなと思いつつ、薄々思っていたけど商業BL小説ばかり読む人ってやっぱり【自主規制】いんだなと思った。
BESTシリーズ部門1位は『囀ずる鳥ははばたかない』(ヨネダコウ)まあねまあね、皆好きだよねー(私は読む気もしないけど)。
『オールドファッションカップケーキ with カプチーノ』(佐岸左岸)は去年のBLアワードのBESTコミック部門ぶっちぎりの第1位作品の続編なのだが、やはり1位は取れなかった。予想通りである。「名言製造機になった」「野末さんがあざとすぎる」など、ボロカス言われてたからなあ。私は好きだけど。人気があるからといって続編を作ったらコケてしまったパターンかもしれない。でも本作も漫画としてのクオリティの高さ半端ないので、むしろ商業BLの民よりも薄く広く漫画を読む人におすすめだ。
あれっ、ノミネート作品のなかでは私の最推しだった『秋山くん』(のばらあいこ)がどこにもランクインしていない。でもまあしょうがないか。ただでさえ複数巻のものは腐女子にはあまり支持されないうえに、『秋山くん』の場合は完結までに12年もの歳月を要したのだ。その間に腐界の雰囲気も変わったらしく、あの衝撃の第1話がまず受け入れられないといって読むのを止めてしまう人が多いようなので。でも最終的には大団円で終わったので、未読だが興味あるけど試し読みしたら怖かったって人は安心して読むがいいさ! 秋山くんにはBEST受け部門にランクインして欲しかったなあ(投票した)。攻めの柴くんはあのBEST攻め部門の錚々たる面子の中にとりつく島はないのはわかる。(ひどい)
やっぱりスクカー底辺男は攻め様ランキングには食い込めないのかなと思いきや! BEST攻め部門第1位を『美しい彼』の平良(ひら)が取っていて笑った。さすが平良! でもこの人の底辺ぶりはあくまでも自己評価でしかない。無自覚ハイスペックニュータイプ亭主関白俺様攻めだから、平良は。
アワードについてはこれでおしまい。次は最近読んだBL。(ネタバレあり)
2018年2月のある日、体育の授業中に突然ヒートを起こした西央(にしお)につられて発情してしまった喬(たかい)。二人は体育館倉庫に転がり込み交わったが、西央の体調は改善せず、倉庫から出られなくなってしまう。喬は一人で倉庫を出て食料や生活用品をかき集め、西央の籠城生活の環境を整え、同時に自分達の体に何が起きたのかを考察する。
籠城三日目、どうやら西央のヒートの峠が過ぎたらしい。あと数日で西央を家に帰せるという見通しをたてた喬だったが、それに一抹の淋しさを感じた時、彼の本能があらぶり始め……。
オメガバース作品で、『旧約聖書』の1節からスタートする本作。人類史上初めてのαとΩの誕生という大事件が、高校の体育館倉庫という狭い密室でひっそりと起きていたという、壮大にしてミニマムなお話。
そもそもオメガバースとはなんぞや? というと、ググった方が早いんだがざっくりいうと欧米発祥の特殊設定。ヒトに男女の性別のほかに「バース性」という性別がある。すなわち、支配者の性α、凡人のβ、産む性(隷属の性)のΩ。それらのバース性のいずれかが男女それぞれについてくる。男性α、女性α、男性β、女性β、男性Ω、女性Ωの六つの性別があるということ。
本作は人類史上初のαとΩの物語なので、主人公の喬(α)は自分とΩの西央が一体何であるのかを知らない。喬はせっせと文献を調べ考察していくうちに、自分達の生態が狼の生態に近いことに気づく。そして自分と西央が異様に盛る様に「発情(ヒート)」という名をつける。
下巻はもっぱら喬がαとしての本能のダークな面をなんとか抑えつけようと奮闘しつつ、αらしい一途さで西央を守ろうとする話。そして喬と西央は互いに相手とは本能抜きではどういう関係なのか? と疑問を懐く。
商業BLではあまり見られない、深いところまでつっこんでるストーリー。オメガバース設定のBLというのは社会問題やジェンダー問題に切り込むものが他にもいくらかある。『リバース』( 麻生ミツ晃)、『シマちゃん家の番事情』(三日ミタ)、『嘘つきな愛を買う』(ポケラふじ子)とか。でも、数年前に二次創作の世界で初めてオメガバース設定を見た時には、社会問題提起系というよりは、SMっぽいというか虐待描写メインの特殊性癖っていう印象だった。今となってはBLでポリコレの影響を最も受けていそうなジャンルのような?
『僕エデ』はジェンダー問題以上に生命の不思議にウエイトが置かれている感じで、昨今流行り? の反出生主義に疲れたハートには心地よかった。終盤、自身と西央が新しいタイプの進化した人類だと悟った喬が、「自分達が多数派になる日が来るまで潜伏する(誰にも内緒にする)」と決断したことろは、ベタでありつつ(漫画の登場人物って変な生き物を発見すると、政府や研究機関に取られるのを恐れてとりあえず隠そうとするよね。)老子っぽくてよかった。
『シマちゃん家の番事情』を読んだ時も思ったけど、今っぽいニュータイプのオメガバースっていいなと思いつつ、しかし以前のもはや男女カプでは容易に描けなくなった禁忌なネタの駆け込み寺的なジャンルが浄化されてしまったようで、それはそれでどうなんだという気がする。でも最近はまたしても欧米渡来の因業設定「Dom/subユニバース」が定着したので、アングラエログロの行着く先はそこかな? いずれそれも浄化されそうだが。
※「Dom/subユニバース」とは……ググった方が早いがざっくり説明すると、ヒトの性別に男女の他にDomとsubという性があるという設定。Domは支配者でsubは被支配者である。Domはsubと二人で決めたワードをsubが言うまでsubを虐めることが出来る。要はSMだな。
真理(まさみち)は美貌の男・佐藤と同居中。というのは、ある夕方にカフェで真理がうっかり通りすがりの佐藤のコートにコーヒーをぶちまけてしまったから。コートのお値段、なんと86万円。怒った佐藤は86万円ぶん真理の家に居座ってやると宣言。以来、奇妙な同居生活が始まった。
佐藤の言うことを何でも受け入れてしまう真理。「マリちゃん」呼びから始まって、ただいまのキスやらなんやら、佐藤の無茶ぶりは次第にエスカレートしていき……。
あんまりレビューが良くないが絵が物凄く綺麗なので、これは絵以外に良いところ無し系の漫画なのかとビビりながらも、試し読みしてみて冒頭一ページに惹かれたので購入。思いの外よかった。
美貌の変人佐藤に常識人陰キャのマリが振り回される系かと思いきや、マリが愛すべき変な生き物って感じで、何が起きても動じないマリに佐藤が戸惑うという話だった。
途中で佐藤の元カノの登場。すごく重要人物という訳でもなくカッコいい姐御でもなく身内でもない女がさらっと登場するのは、BL読者にはあまり喜ばれないところ。だが佐藤と元カノの会話の様子から、もしかして佐藤って実は心から他人を好きになったことがないんじゃない?(だから別れた相手と屈託なく喋れるのでは)という疑念がうっすらと湧いてくる。もしかしてこれはタイトルの伏線回収なのではないだろうか。つまり、86万円がきっかけで初恋をしたのは陰キャのマリだけでなく美貌のコミュ強佐藤もまたそうなのだという。
マリの歳上すぎる友人の件以外、派手な事件は起こらない話だけれど、心情的な揺さぶりやどんでん返しがあり、退屈しない。が、例えばジャンプ漫画みたいにハッキリと事件事故が起きて悲喜劇にならなければ漫画とは認めないような人には、向いていないだろうな、と思う。
表紙がとても綺麗で、中身の絵もとても綺麗。短文モノローグがしばしば挟まるのだが、それらが独特のリズム感を生んでる気がする。
レーベル的にエロがすごく多いのかと思ったら、わりと落ち着きのある感じのエロ配分(オカズ系というよりは人類の一習性レベル)だった。
今日はこれまで。
久しぶりにガッツリと本を読んだ気がする。去年『魔道祖師』(墨香銅臭)を読んで以来? でもたぶんシリーズ全4冊ぶんで『魔道祖師』1巻の3分の1も文字数ないと思うけど。しかしすごい読み応えあった。という訳で感想など。
『白昼堂々』『碧空』『彼等』『若葉のころ』の全4冊のシリーズもの。
主人公は華道の家元の孫息子・原岡凜一(はるおか りんいち)。真性ゲイの凜一が真性ノンケの氷川に恋をしてしまい、もだもだと悩んだり迷ったり僻んだり浮気をしたりしながら送る、15歳から19歳までの約四年間の青春期を描いた物語。
一言で言って「優柔不断」な性格とはどのようなものか、それを執拗に描写しきる長野まゆみ先生すごすぎる。ほんと、凜一の言動の隅々まで一貫とした「優柔不断」っぷり。彼に相対する人物達がイライラするのがよくわかる。凜一のキャラクター造形には細部にわたって一切の手抜きがない。凜一のはっきりしない物言いには時にビンタしたくなる半面、そのネガティブ通り越して傲慢ですらある性格が親という安心基地を持たない孤独により作られたものというのも解るので、おぉよしよし可哀相に~ってしたくなる。
長野先生といえば四季折々の花鳥風月や日本の古民家の内装や調度の描写の詳細さ。それと華道や茶道の知識が豊富なことだけど、人間を描写するのも巧みなんだなと。
見た目は綺麗だけどちょっとひねくれていて意地の悪いキャラクターは長野作品の特徴だが、凜一シリーズの登場人物はいつもの長野作品のキャラでありつつ特別人間臭いんだなと思った。登場人物の全員がどこか欠けていて、誰もまっとうな大人とは言えない。そんな人達が不用意な言動でボタンの掛け違いを起こしたり相手を傷つけたりする様子の描写が繊細。はぁ、そのヒリヒリとした感じ、まさに青春だなぁ。
凜一シリーズを読んでいてふと気づいた、長野まゆみ作品が商業BL読みにはあまり好かれない理由。それは、商業BLで描かれるのがもっぱら掛け値ない永遠の愛であるのに対して、長野作品で描かれるのは有限の美であるからなんだろう。長野作品では男同士の恋愛が毎度のごとくに登場するけど、それは有限の美を表現するツールの一つであってメインテーマじゃないんじゃないかなあ、たぶん。
凜一シリーズも最後は大団円って感じでもなく、凜一と氷川の関係はうやむやのまま綺麗に終わった。
さて、今年に入ってからずっと読書ばかりしていて自分の執筆作業は停止してたので、そろそろ積んでる資料を読んで続き書かなきゃ……。
けど、推し作品があまりノミネートされていないので、私はショボンとしている(´・ω・`)
『秋山くん』(のばらあいこ)がベストシリーズ部門とベスト受け部門にノミネートされているのはいいとして、ベスト攻め部門は!? 柴くんはどこ行ったんじゃあ……。やっぱりあれか、見た目貧弱な普通顔スクカー最底辺男はいい攻めとしてBL世間では認められないのかうわああああん!!
スンッ。
あと、地味に悲しいけどまあしょうがないかなって諦めたのは、座裏屋蘭丸先生の作品でノミネートされたのが『シャングリラの鳥』ではなく『コヨーテ』で、朝田ねむい先生の作品でノミネートされたのは『スリーピングデッド』ではなく『CALL』の方だったこと。
座裏屋先生の作品については、どっちも面白いのだが去年『シャングリラの鳥』は休載が多くてあまりストーリーが進まず、一方『コヨーテ』は佳境に差し掛かった上に圧倒的クオリティで殴ってきたのでインパクトが凄かった。私は『シャングリラの鳥』の方が好きなんだけど、これはもう仕方ない!
朝田先生の『CALL』はディープ部門とはいえよくノミネートされたなって驚いた。評価は高い一方でレビューが良くないという印象だったので。私はまあまあ面白いと思うんだけど、「主人公がクズ過ぎてうけつけない」とかいうレビューには、うん、そう言われたらぐうの音も出んなと。あとエロ少ない。しかし、そういう表面上の理由で却下されずにノミネートされたのは、朝田先生の過去の実績(『マイリトルインフェルノ』のヒット)と掲載紙の人気ゆえだろうな。『スリーピングデッド』は来年度に期待。すごく面白いんだからね!!(今年度の私のイチオシ)
次にくるBL部門には、正直、はん、これが次にくるだと? 毎回寝起きセックスしか書描いてねーじゃねーかよ! という作品がノミネートされていて嫌だった。ぺっ。『息できないのは君のせい』(澄谷ゼニコ)がノミネートされているのは、そうだねノミネートされるよねって感じだ。メインカプがセフレ関係という設定ながらエロが全くない・脱ぎさえしないという稀有な作品である。『遥か遠き家』(八田テキ)は、これって今年度の作品だったの!? という意味で驚いた。ずっと前から話題作だったような気がして。ということは、単行本発売前、雑誌掲載時から話題だったっていうことだ。これはすごいことだ。何しろBL読みはあまり雑誌を読まないので。『副音声はうるさい十分に』(英子)はBL小説投稿サイトfujyossy発の作品。やったねfujyossy! だが、小説投稿サイトなのに人気作品は漫画ばかりという現状。腐界での小説の求められなさたるや。
ベストディープ部門にやはりfujyossy発の漫画『密書でござる!』(斑月)がノミネートされていて爆笑。この作品は腹がよじれるほど面白いけど、ポリティカルコレクトネス? 知ったことかぁ!! な人向き。どうしようもないエロギャク満載。ディープ部門の中で去年いちばん見かけたのが『夜画帳』(Byeonduck)と『ハッピー・オブ・ジ・エンド』(おげれつたなか)。『夜画帳』は私は読んでドン引きしたが、話題作なので賞取る可能性はありそう。『ハッピー・オブ・ジ・エンド』は私は未読だが、私とは一切趣味の合わなそうな人達の支持している作品なので、私には買っても金の無駄になりそうだから手を出すことはないだろう。
私的にある意味注目なのは、ベスト小説部門。実は私は商業BL小説の世界はあまり肌に合わないからほぼ読まない。読むとしたら一般文芸でも書く作家さんか海外作家さんかムーンライトノベルズ出身の作家さんくらい。なので、ノミネート作品だいたいあらすじすら知らない。のだけど、今年は商業BLの外部から参戦してきた作品がどんだけ頑張るかというところに注目している。とくに『魔道祖師』(墨香銅臭)。これは「このBLがやばい!2022年度」で小説部門第1位だったのだが、BLアワードを主催するBL情報サイト「ちるちる」での評判は今一つ。そもそも、商業BL読みの多くがBL漫画を読むだけで商業BL小説は読まず、商業BL小説を読む層は独特な美意識を持っておられるので、商業BLの掟に添わない作品は読まない。『魔道祖師』は海外発Web小説なのでもちろん商業BL小説としては型破りというか邪道。しかも「漢字ばかりで難し~いぃ」といってBLファンから広く敬遠されてしまったので、一体その状況でこの超大作が果たして受賞することがあるのか。あったとしたら今後、商業BL小説界は大きく変わりそうなので 、注目なのである。
Amazonで今年一年ぶんの電子書籍の購入履歴を見てみたら、思ってたよりもBL買ってないじゃん。そっか、そういえば去年は自分で自分に10000円を誕生日プレゼントしてBLを買うという苦行を課した(結局ツラくなって半分は一般書籍に遣ってたw)から、いやにBLばかり買ってたんだけど、今年は『魔道祖師』全四巻が自分への誕プレだったからなぁ。
しかも今年は隔月で『ボーイズラブアンソロジー Canna』(1045円くらいだったかな)を買っていたので、そのぶん単行本を買うお金は減っていたんだ。
そういう訳で今年買ったBLは少なかったけど、その中でもよかった作品を3つ、無理矢理ひねり出して挙げる。
かつて「魔道祖師(まどうそし)」「夷陵老祖(いりょうのろうそ)」などと呼ばれ、人々から畏れられた鬼道の使い手・魏無羨(ウェイ・ウーシェン)。彼は一度死んだが、13年後、強制的に転生させられた。復活した魏無羨の腕には呪いの傷が刻まれていた。傷は彼を生き返えらせた術者の望みを叶えれば消える。もし叶えられなければ、死が待っている。仕方なく魏無羨は、彼を自らの命と引き換えに生き返らせた男・莫玄羽(モー・シュエンユー)が何を望んだのかを探りに出るが……。
とにかく読み応えが凄かった。魏無羨の過去の謎にからむ大きな陰謀。謎の多いストーリーにページをめくる手が止まらない。複雑な人間関係と登場人物の感情がそれぞれリアルで共感でき、とてもエモいとこが特によかった。小説という表現方法をフルで活かした大作。小説っていいなと再確認した。
元サラリーマンのアポロは、とある事情で傷心中で、しかもまとまった金が入り用だった。そのため、離島の娼館『シャングリラ』にスタッフとして住み込みで働くことにした。
アポロに与えられた仕事は「試情夫」といって、娼夫達の心身をケアする仕事。彼は仕事を覚えるために、まずは娼夫の一人・フィーに専属の試情夫としてつくことになったが……。
ポリネシア風リゾート風景の、癒し力の高さ! ここは地上の楽園か!! 1巻は毎晩寝る前に読みたいくらい。いいなー、私も南の島に住みたい。ストーリーも、初期の頃はほのぼのしている。とある事件が起きてから、徐々に暗雲立ち込めてくるんだけれども。フィーの過去に「シャングリラ」存亡の危機が絡み、サスペンス要素も入って次回が気になる。
2巻の、フィーがアポロに必死の懇願をするシーンはほんとすごかった……。
高校教師の佐田(さだ)は、非の打ちどころのないイケメンで性格もよく、同僚や生徒達からの人望も高い。そんな彼はある夜、不審者に襲われ刺されてしまう。
そして目覚めた時、佐田は自らが手術台の上に拘束されていることに気づいた。彼の目の前いるのは科学者の間宮。間宮は、佐田が一度死に、間宮によってゾンビとして蘇生させられたことを告げる。
元の日常に戻ることが出来なくなった佐田は、間宮邸で間宮とサルのモン吉との、二人と一匹暮らしを始めるが……。
ストーリーが謎めいていて面白いだけでなく、この漫画の良さは細かいところにあって、説明し難いし説明しつくせない。萌えは細部に宿るというか……。
受けの間宮が豊臣秀吉像みたいな難のある見た目なんだけど、あれで悶絶レベルの可愛さ。萌え殺されるかと思った。
個人的に性癖ドストライクだったので、今年の三冊に入れようかどうしようか迷ったんだけどやっぱりやめた。でも、性癖にぶっ刺さるって大事だと思う。
何でも良いなら、今年読んで面白かった本(今年発売された訳じゃない)を挙げるよ。
ジャンルとしてはミステリーなんだろうけど、それにしては読み易い。記憶が一日しか持たない掟上今日子さんのキャラクターがユニークでよかった。
原題を直訳すると『憂鬱なファンダメンタリスト』となる。ファンダメンタリストっていうのは「(イスラム教の)原理主義者」とコンサル業における「業務仕分けを行うひと」をかけている。パキスタン生まれのエリートが、9.11をきっかけに仕事でも私生活でも凋落する話。
極悪非道のチートキャラが死んで十数年経った後、何者かの手により強制転生させられる。前世のことを忘れて静かに暮らしたいのに、過去の因縁がついて回るので、仕方なくチート性を発揮して自身の死の謎に迫るという転生系ファンタジーラノベ。
BLなのでどぎついエロシーンもあるけどストーリーがとかく面白い。
おもにソ連の女性達からWWⅡでの体験を聞き取ったインタビュー集。目を覆うような悲惨な現実から、ごくありふれた日常話、自慢話等々、戦時下における女性達の暮らしと生き様が当人達の口から語られている。女性狙撃手の話とか、馬車で死体を踏みながら進む話、武器を拾う為に命を捨てる話が印象的だったな。
今年に入ってから『魔道祖師』とか『天官賜福』とか、中国発のブロマンスアニメが放映されて、その話題を目にすることが増えた。
上記の2作品は晋江文学城っていう、小説家になろうの中国版みたいなサイトに掲載されていたネット小説が原作で、内容はがっつりBL。(現在は2作品とも閲覧不可になっている。)
だからかな、晋江文学城に掲載されている(いた)BL作品のプレゼンなどを、よく見かける。おもにTwitterで。
こういう作品もあるよー、とか、これがおすすめ!とか、それだけならいいんだけどさ。
おすすめの作品とやらを自分で翻訳して、その翻訳した文章をネットに公開する人が出てきちゃった。それも複数。
中には書籍化されて晋江文学城では非公開になっている作品の翻訳まで公開している人もいるんだよ。
なんかさー、絵とかならさ、ネットで無料で公開されてる作品でも無断転載はダメってだいたいの人が分かってるじゃん。
そんでさ、小説もさ、たとえば小説家になろうだけど、書籍化されるので削除します!ってなった作品を、前に無料で公開されてたからって堂々と転載する人なんかいないじゃん。
※ネタバレあり。
アニメ制作はここまで完了していて、続きはまだ制作中なのかな? とりまアマプラでは12話で一旦最終回っぽい。
物語の舞台は古代中国っぽい感じ。世界は上中下の三つの世界に別れている。最上階が神々の国、中間が人間界、最下層が鬼の世界。
主人公のシェ・リェンは元は人間界生まれの王子様で、だから「太子殿下」というあだ名で呼ばれている。太子殿下は二度天界に上がり神官となったものの、諸般の事情で二度とも追放され、人間界に落とされた。祖国はすでに滅びていたので、太子殿下は廃品回収をして糊口をしのぐことになった。
そして800年後、彼は三度目の飛翔をし神官に返り咲いたが、神官としての名声は地に落ちきっており信徒もいない。しかも飛翔をしたときの衝撃でうっかり器物損壊をしてしまったため、多額の賠償金を払わなければならなくなった。
そこで太子殿下はまた人間界に戻り、人々の抱えている問題を解決して徳(いいことをすると貰えるポイントのようなものらしい)を稼ぎ、賠償金を払うことに。そして自分を祀るお堂を建てて信徒を増やして神官としてのレベルUPをはかることになった。
……というあらすじらしい。間違ってたらごめん。
原作はBLなのだけど、主人公の太子殿下が受けで、攻めは後に家出少年の三郎(サンラン)として登場しレギュラー入りするが、実は1話の終わり辺りで既に登場している。
中国ではBLは規制対象のため、このアニメ『天官賜福』も非BL作品として造られているが、規制の網の目を潜ってちょくちょく萌をぶっこんでくる。
まず、第1話でギャグの体で主人公太子殿下が花嫁衣装を着、攻めが婚礼衣装のような真っ赤な服(たぶん普段着だが)を着て合流、太子殿下をエスコートして事実上の結婚式を挙げてしまう。
その数話あとから攻めは家出少年三郎(サンラン)に扮し、太子殿下が自分のお堂を作るのをお手伝いをしてそのまま居候になる。事実上の新婚生活の開始である。
ヤベェ、中国思った以上にフリーダム。日本だったらBL作品という時点でスポンサーが着かなくてアニメ化自体が成功しないのにね。
中国では一般の人々も老若男女問わずに知ってるくらい人気のアニメなのだそう。人気があれば原作がどスケベだろうが別に構わないのだろうか。まあ、私は原作読んだことないからどスケベなのかどうかは知らないけど。でも同作者の『魔道祖師』は読んだが、今時の日本ではなかなか見ないタイプのどスケベ小説だったょ……。
異文化の国からやって来たアニメなので、設定がよくわからんのはある程度仕方ないと思うのだけど、それにしたってよくわからない。
とくに砂漠の中にある半月国に行ってからというもの、本編が実質14分くらいしかなくて、前回までのあらすじと本編後の中国無形文化遺産の紹介に尺を食われまくっていたのは、一体なんなのだろう?
本国版からして既に制作スケジュールの問題か何かでグダグダになっていたのか、それともアマプラ配信用に強引に尺を詰めたらああなったのか。そこら辺の事情を私は全く知らないんだけど、なんかもっとこう……なんとかならなかったのかな! ストーリー訳わからなさすぎて、萌えを楽しむどころの話ではなかった。
それでもTwitterを見ると「今回は泣いた」とか感想を述べている人々がおり、あれでよく感動できたな、それとも私がおかしいのか? と首を傾げてしまった。
最終回の12話のエンディングは映像がきれいで良かったが、もっぱら既出場面の再編集であるので、すごいとは言えない感じだったな……。
ちなみに、中国の規制は日本よりも厳しげというイメージを漠然と持っていたけど、そんなことはなさそう。原作では首吊り死体として登場する人物が丸太にくくりつけられた状態での登場に改変されていたり、キョンシーの群れを屠ってお肉の塊にする場面は暗転して、肉塊は見えない所に片付けられていたけど。一方、普通の人間が殺される場面はわりと普通に流血して死んだ。
魔道祖師もだったけど、ストーリーに支配者階級の政権争いや政治腐敗が絡んできて、それを社会のはみ出者の主人公が暴露いていく物語だったりするので、中国でそういうのがセーフ扱いされているのが意外だった。
ただし、『天官賜福』では支配者階級は「神々」で人間は下界で人間の国を成しているし、『魔道祖師』も人々の上に立つのは政治家ではなく仙道を修行する修士達なんだけど。
ともあれ、原作小説の日本語訳が早く出版されるといいな。面白そうだから。
https://b.hatena.ne.jp/entry/s/www.kyoto-np.co.jp/articles/-/640716
京都新聞で真宗大谷派の謝罪が話題になっていた。私個人として考えるところがないわけでもないけど、多少この問題に関して知識のある方なので、勝手ではあるが、ブックマークにあがっている疑問に答えたい。
kaos2009さんが「 [旃陀羅は古代インドの被差別民を指し、同派では江戸から昭和初めごろまで日本の被差別身分に例えて説明されていた」 仏説観無量寿経 - Wikisource https://ja.wikisource.org/wiki/?curid=5204 母殺しは王の所業でなく栴陀羅だと」と説明しているけど、だいたいその通り。
記事にもあるように、これは『観無量寿経』のなかのことばである。そこに、阿闍世王が母韋提希を殺そうとしたときに、大臣の月光と大臣の耆婆が「それは『旃陀羅』のすることだ、ヴェーダ(毘陀論経)にもそう書いてある」と諫めるシーンがある。旃陀羅はヴァルナ(カースト)以下の存在とされていて、日本では伝統的に、被差別部落民のことと説明されてきた。
まず、『観無量寿経』は異訳も現存しないし、サンスクリットやパーリもない。だから訳しなおしたりするのはきわめて困難、ほぼ不可能である。今後、原本が発見されないかぎり。
また、『観無量寿経』は浄土真宗できわめて高い価値をもっている。法然の定めた浄土三部経であり、親鸞の読んだ『観無量寿経』と、それに対する書き込みが残っている(集註(じっちゅう)という)。そのことばを変えるのはおそれおおいというのが、真宗門徒の一般的な理解なのだと思われる。
さらに「是旃陀羅」問題をややこしくさせるのは、親鸞のつくった和讃(和歌)のなかに、「耆婆月光ねんごろに/是旃陀羅とはじしめて/不宜住此と奏してぞ/闍王の逆臣いさめける」というものがある。親鸞が「是旃陀羅」を無視していれば、真宗門徒もそれができたのだが、親鸞自身の文章でもこのことばを肯定的に用いているので、それが問題になる。
言わんとするところはわかるけど、経典は非常に多くあって、しかも相互に矛盾する記述もあるので、「教相判釈」というのが中国仏教で生まれた。つまり、たくさんある経典の中でどれが一番真実なのか、重要なのかということが論じられる。それで、時には経典以上に祖師が重要視されてきて、祖師が無視していれば無視できると思われる。
今回は、祖師(この場合、親鸞)が無視していないから問題になっているのだろう。
そういうふうにも解釈できるけど、これは耆婆も一緒になって行ったことで、耆婆は仏弟子だから、仏教が差別意識をもっていたということでもある。教えの主体は釈尊が中心ではあるが、ときに仏弟子がそのようにもなる。
中国産BLアニメ。現在6話までYouTubeで無料で観られる。ただし字幕は英語のみ。
1期2期もそうだったけど、字幕が超速で動体視力を試され過ぎる。意味がわかるかどうか以前に残像すら見えない。速い。中国語の1音に込められた意味が多すぎる。英語でも着いていけないとなれば日本語訳は絶望的。
義城編からのスタート。実写版(『陳情令』)では泣ける名エピソードだとされているらしいが、こんなんでいいのか!? っていうくらいにストーリーをゴリゴリ削られていて、たぶん日本語字幕がついたとしても理解できないまま終わると思う。
BL要素が抹消されているのはいつものこととして、BLとは全く関係ない所まで削られてしまうとは。
私は原作の、魏無羨が少年道士たちをぞろぞろ引き連れて引率教師の真似事みたいなことをしている場面が好きなのだが、そこら辺がとくに削られてるのが悲しかった。少年道士達の人数も減らされてて、カルガモの雛感が薄れてしまっていた。
義城編のあと、観音寺付近でどったんばったん大騒ぎが削減されていて、意味不明に。常氏とはなんだったのか……。そして、鬼腕のパーツ、いつこんなに集まったの? 私自身の記憶能力がポンコツなのもあるけど、あれ? いつの間に?? ってことが多い気がしてならない。
そしてもう金鱗台にもう登るんかい? その前に、藍一兄さんが突如合流したのが謎過ぎた。
魏無羨に金凌に喧嘩の仕方を教えるシーンがエモくてよかった。そうそう、私は『魔道祖師』のこういう小エピソードが好き。動画ほどほどに動いていて感動。欲を言えばもう少し引きの映像も見たかった。バストアップや足さばきばかりでなくて。フィギュアスケートの中継じゃないんだから。
ところで、中国ではいまだかつてBLが規制されなかったことはなくて、魔道組師も例外ではなく、映像化された時点で直接的BL描写はごっそり削られている。けれど、けっこうギリギリまで攻めた描写はある。二人の通された寝室にベッドは一つ、枕は二つだったりとか。
今回の完結編では藍忘機から魏無羨への実質的なキスシーンがばばーんと出てきた(しかも、原作ではそんな風に書かれてはいなかったような気がするんだが)ので驚いた。真面目にストーリー追ってないとわからないやつだけど。
BLに対する規制は厳しいものの、中国はいまだに同性愛が公然と差別されているために、かえって作中でギャグという形で同性愛が堂々カムアウトされるのが興味深い。
魏無羨が同性愛者(元は異性愛者だけど転生した時に与えられた肉体が同性愛者のものだった)であり藍忘機が好みのタイプであるということが冗談まじりに明かされて、周辺人物に「きもーっ!」と忌避されつつも当たり前化してしまう、という捻れ描写が成り立っている。
最近、中国でBLが規制されたというニュースが話題になっていたけど、本国では全くそんなことは起きていない(というかずっとBLは規制され続けている)し、ちっとも話題になっていないと、Twitterの中国人アカウントが書いていたりして、謎は深まるばかり。
YouTubeの動画も昨日辺りに第6話が公開されていた。海外向けだからかもしれないけど、もしかして本国でも本当に平常運転?
第1話を観たときは、すごい! 綺麗! と感動したけど、なんか6話か7話辺りから急速に崩れてきているような? しかも、なんか変だな? と思い始めた原因が作品のクオリティではなく日本語版の尺? 毎話もっと長いのを日本アニメの標準的な尺内に納めるためにカットされてるのではないかと思うのだが、よくわからん。
しかも砂漠に舞台を移した途端に作画クオリティまで落ちるし、何故か冒頭に前回のあらすじを3分入れ、終わりに中国の無形文化遺産の紹介を3分入れるようになってしまったので、本編は15分にも満たない短さになってしまった。
かといってすごくつまらないかというと微妙というか。まぁ、ストーリーがなんかよくわからなくても、異文化さが目新しい感じがするし、BL的に美味しいシーンがあるから、それだけ見て面白いもん観たなっていう気がするのかな。
Twitterには毎回絶賛のツイートが流れてくるけど、マジでそれで良いと思ってんのか謎だなって思う。
原作を読んだら面白いかもしれない。日本語版原作小説、早く出版されないかな。
中国アニメ。この夏までアマプラで放送されてたやつの続き。中国語で英語字幕あり。だけど、中国語の情報量の凄まじさに、英語字幕が瞬く間に消え去るので全然追えない。原作小説履修済みでなかったらきつかった。日本のアニメとは違って、本編が長い。40分くらいある。
きっと来年辺りにはアマプラに日本語版が来るんだろうけど、これまた天官賜福みたいに圧縮されてちんぷんかんぷんアニメに変貌するんだろうな的……。
ところで、この本国版魔道祖師、YouTubeで観たんだけど、そのチャンネルが公式配信のチャンネルなのか偽物なのか、よくわからん。去年の暮れに二期まで配信していたチャンネルと違うような?
それはともかく、ずっとお堅い無表情で通していた藍忘機が、魏無羨が余所見をしている隙に微笑みを浮かべるようになっていて良い、ような気もするし、原作ではそこまで表情緩んでる感はなかったな……と、すっかり原作厨と化したいけない感想を覚えたりした。シュエ・ヤンのキャラ造形が思ってた以上に可愛くて驚きだ。
なんか見たことのない動画配信サイトで3話まで無料(期間限定かな?)だったので、第1話だけ観た。
舞台は香港。役者も中国人。シナリオは日本版とほとんど一緒。ちょっと設定変更もある。日本語版だと春田は母親と同居していたけど、香港版では独り暮らしで、結婚して実家を出た姉が田(ティン……春田にあたるキャラクター)の面倒を見ている、ということになっている。
役者が美男美女ぞろい。黒澤部長にあたるKK役の俳優さんめっちゃダンディー。
登場人物の動きやしゃべり方、表情までもが日本語版の完コピですごかった。田と牧のじゃれ合いは日本語版よりも可愛いかもしれない。イルミネーション芸もちゃんと派手になされている。
香港が舞台とはいえ中国だからなぁー、BL表現はないのかなぁー、と思ったらKKは普通に田に告白したし、2話での牧のお風呂突入事件もあるみたい? 意外とまだ自由な香港、なのだろうか。
時々、異文化を感じて面白い。例えば牧が自己紹介するとき「阿牧です」って言ったりとか。へー、自分から名前に「阿」を着けるもんなんだね。お箸の持ち方も日本とは違う。でも外飲みでへべれけになるまで酔っ払うって、香港でもありなのか? そんなことができるのは日本位だって、前に何かで読んだけれども。
「春田、好きだー!」
が、
になるの、くそ笑った。
BL漫画。1話はシーモアの期間限定無料で読み、3話以降は雑誌で読んでいたのだが、ただ第2話読みたさのためだけに、電子版の発売も待たずに本屋に走って買ってしまった。BLとは思えないシックな表紙で、堂々とレジの人に表紙を見せられるやつ。だが、帯の裏ページ側に、
と書いてあって、親切心で裏表紙を向けてレジの人に差し出すと、とんだセクハラになってしまう…………自動レジ、使ったよ!
読み逃していた第2話に、けっこう重要そうな伏線のようなものがあった。私、いままでこれ知らずに読んでいたって、ヤバいな……。
帯と裏表紙にちゃんと書いてあることなので言っちゃうと、このお話は、欠点のひとつもないイケメン国語教師の佐田が事件に巻き込まれて不慮の死を遂げるも、マッドサイエンティストの間宮のせいでゾンビ化して一命をとりとめる、というストーリー。非日常的な日常系といった感じ。
BLだけどエロはあまりない。せいぜい佐田の下半身がよく見えるくらい。悲愴なあらすじだけど、鈍い佐田とツンデレの間宮が、噛み合わない会話をしたりお互いに諦めたり譲歩したりなどして距離を縮めていくようないかないような話で、案外萌えがある。
恋愛漫画としての萌えというよりは、二次創作的な萌えだ。何気ない仕草や一言で萌えの最大瞬間風速を叩きつける感じの。キャラクターがしっかりしていないと、そういう類いの萌えは立たないから、1からキャラを構築していく商業BLではできない芸当なのだけれども、朝田ねむい先生はそれがすごく上手い。キャラや世界観を簡潔に分かり易く表現することに長けてる作家さん。
すごかった。
こんな面白いもん久しぶりに読んだ。
テンポよく進むストーリー、緻密な伏線、あっと驚くどんでんがえし、生き生きとしてリアリティーのある人物描写、ほろりとくるヒューマンドラマ。
最後まで中弛むことなく突っ走る物語に、ページを捲る手が止まらない。世界的にヒットしたのも頷けるし、物語完成度では『鬼滅の刃』を超えている。
アニメ化されているのだけど、アニメ版はBL要素を無理矢理抜いてブロマンス仕立てにしたせいで、ストーリーがいまひとつ解り難くなっている部分もある。まあ中国アニメなんで、検閲がかかるのでしょうがないよねーと思ってアニメは観たけど、原作小説を読んでみればさすがにテレビでは放送できないレベルでエロエロだったので、修正は已む無しだったw だからといってBLであるところ自体まで消さなくていいのにって思うけど、そこは中国だからな……。
また、単純に文章で表現するとスッと入ることを映像で表現するのは案外難しいということがあって、数多くの改変が小説→映像作品へのメディアミックス上仕方ないことだったというのも、原作小説を読んで理解した。
ということが、世界レベルであるのにも関わらず『鬼滅の刃』みたいなメジャーのキングに成り上がることを阻むのだが、これはいっそ痛快なことのように思える。
あんなに素敵な物語が、BL読みという世界でもごく一部の人々のみを対象として書かれているなんて素晴らしく、BLの世界が豊穣になったことを意味していて良い。