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2025-02-27

anond:20250227102957

まどかひかり・ホ別・いちご

2025-02-21

AV

青山ひかりがめちゃめちゃ抜ける。

2025-01-06

母校の高校アニメ舞台になったらしい【負けヒロインが多すぎる!】


 「負けヒロインが多すぎる!」というライトノベル及び、それを原作としたアニメをご存知だろうか?

 2024年夏季アニメにて上位の人気を誇り、その知名度を大きく上げたことで、その名前を見たことがあるのではないだろうか。

 そう、そうやってアニメしたことで私の目にも届いたのである

 2024年春、夏季アニメを楽しみにしながら、Youtubeにて【TVアニメ「負けヒロインが多すぎる!」第一PV】をたまたま見ていた時だ。

 私は原作ファンの反応が見たくてコメントを見ていたのだが、"豊橋"などという聞き覚えしかない市の名前散見され、挙げ句の果てに"時習館"という決定的な単語発見してしまう。

 "愛知県立時習館高等学校"ーー何も見ずに書ける、私の母校の高校名前である

 ……あろうことに、私の母校がアニメ舞台になるらしい。

 「これは、他人事はいられないぞ」、それが私の最初に思ったことだった。


******


 私はこの一大ニュースに対して興味津々であった。この件について、もっと詳しく、そして正しく知りたいと。

 この時点では予告PVがあるだけで、まだアニメは始まっていない。すでに刊行されているラノベがあるだけだ。

 そして私は検索の結果、「負けヒロインが多すぎる!」の小説の表紙を見た。そしてPVを全て見た。

 ここまでの私の生の感想をお伝えしよう。

①驚いたポイントリボンが4つある。しかカラフル

 「リボンが4つある」キャラデザについて、一般の読者も驚いていたことと思う。私も驚いた。しかし、実際の愛知県時習館高等学校も真反対の意味イカれているのだ。

 実際の我が母校では女子も、男子と同じネクタイ採用されているのである

 そして、制服はブレザーでもセーラーでもなく、なんとも形容し難い、黒色のジャケット(冬用)とベスト(夏用)が採用されている。スカートも同じく真っ黒で、ヒダがほとんどなく真っ平である

 平たく言うと、我々生徒からは「OL制服のようだ」と呼ばれており、さらに分かりやすく言うと"可愛くない"という意味である

②驚いたポイントちゃんと緑の多さが再現されている。

 この時点では、私は予告PVに対して懐疑的だった。どうせ、高校名前を借りただけで見た目は再現しないんだろうと。

 しかし、予告PVの段階で異常なポイントが一つあった。緑の多さである

 時習館高等学校敷地は広い。校舎は普通の大きさだが、残りの敷地デッドスペース(森)と化しているのだ。

 敷地面積は公立高校内で日本2位と言われており、約10平方メートルである。ちなみに、同じ愛知県にできたレゴランドは9万平方メートルほどであり、うちの生徒からは「レゴランド時習館より小さいから大したもんじゃない」とディスられていた。

 私は一年時の夏休みに、理科課題にて「(植物名)の木を校内から探して写真を撮ってくる。それを10個」という冒険者クエストのような課題強制でやらされた。

 フィールドワークを校内で賄えることからその広大さがお分かりいただけるだろう。

 そして校内には開けた大通りが一本あり、車が通るように出来ているのだが、その通りの名前を"ハンテンボク並木"という。(口伝なので漢字は分からない…)

 この道に沿って、ハンテンボクという木がずらっと植えられているのである。これがまた異常な数で、このハンテンボクの落ち葉を綺麗にするためには生徒が30人ほど掃除する必要があるのだ。しか毎日

 我が母校が、自然に溢れすぎた素晴らしい学校だと分かってもらえただろうか?負けインのPV木々が多めに見られるのはそれが理由である。おそらく他ではこうはならないだろう。

 というわけで、私は予告PVの時点で現地リスペクトを感じとっていた。そして期待していたのである

 さて、予告PV最後の方について。

屋上なんてねーよ!!!

 これは創作あるあるだが、屋上がよく舞台にされる。きっとこれはロマンである主人公たちしかいない場所で、高くて青空に近い場所。絵面は最高である

 そして私もロマンを求めて小学校(転校したので3校)、中学校高校とずっと屋上確認していたのだが、全て閉ざされていた。

 そう、もちろん我が高校屋上は閉ざされているのである

 しかアニメ内では八奈見さんはぬっくんと悠々と屋上を楽しんでいらっしゃる挙げ句の果てに、八奈見さんは屋上にて、青空をバックにちくわ("ヤマサちくわ"という豊橋名物スーパーに売っている)を貪り食っている。

 ……悔しいよ、私は!

 (ちなみに、アニメ本編で何度も弁当を食べている外階段実在しない。あれも現実に欲しかった。ロマンが欲しかった。……悔しい)


******


 さて、ここからアニメ本編を視聴した上で語りたいことを言いたいと思う。

 私の思う時習館像と解釈違いを起こしそうで、なかなか見る覚悟が出来なかったのだが、高校同級生たちが見たという報告を聞き、「私も見なければならないな……」と重い腰を上げたのである。そう、それが10月のことだった。

 私は解釈違いで発作を引き起こしながらも、あまりに良いアニメで2日で見切ってしまったのである

①私の母校で真っ当な青春ラブコメが出来ると思うな!

 私の解釈違いの原因は、全てここから来ている!

 まずもって、ラノベというのは幻想であって、現実に起きないようなことが起こるのが良いところなのだが、今回の場合部分的リアリティを持っているせいで私に夢を見させてくれないのである。どうも私のリアル時習館像が私を苦しめる。

 正直に言おう。私はあまり時習館高校に良いイメージを持っていないのである。母校だけど。母校だからこそ。

 "負けイン"とは得てして、全て恋愛に関する物語である

 そして、私の高校生活とはーー恋愛など全くなかった。それが大きな相違である

 血涙を流しながら言おう、私にも青春はあった。

 かけがえのない友人と、たくさん語り合った。

 南栄駅(時習館高校の最寄駅)にて、リゼロについて熱く語っていたところ、他校の生徒に鼻で笑われたこともあった。今では良い思い出だ。

 だがそれは、アニメのような青春ではない(大敗)。

 さてそのような私から時習館高校について"負けイン"と同じところ、または異なる所を紹介しよう。

うどん屋「みやこ」について。

 

 八奈見さんとぬっくんが、何故か急にうどん屋ご飯を食べているシーンがある。これの元になったうどん屋「みやこ」は時習館の通りを挟んで向かいにあって、本当に近くに存在する小さな店だ。

 一般視聴者諸君からすれば、地域起こしのために無理やり入れられたように見えるだろう。だが、実際にこの店は時習生から人気なのだ。(※生徒のことを時習生と言う謎の呼称がある)

 なぜか?時習館の周りは不毛の大地からだ。

 時習館駅から5分で着くほど近いのだが、駅の沿線を歩いても何もなく、寂れた店と中身の分からない小さなビルしかない。

 そのため飲食店は数えるほどしかなく、その結果、みやこは人気店だし、もう一つのパン屋「コンドーパン」も自動的に人気店である。どんなローカル店でも必ず繁盛する。だって他に競合がいないから。

 私は現役時代に躍起になって新しい店を発掘しようとして、誰も客のいないハンバーグ屋さんに通っていたのだが(美味しかった)、卒業して2年後には潰れていた。

 八奈見さんたちは何度もファミレスで話し合いをしているが、時習生がファミレスに行くのは中々に大変なのである。最寄りにはファミレスマクドナルドなどのファストフード店もない(有ったらきっと人気になっているだろうに)。

 苦肉の策で、電車通学であることを生かし、別の駅で降りてそこから徒歩20分かけてコメダ珈琲に行っていた。また、電車学校と逆方向に行き、その駅の最寄りにあるガストに行くこともあった。

 さて私が在学していた時、時習館の最寄りにタピオカ屋が新しく出来たことがあった。最初はみんな殺到して、私も夜7時の帰り頃に並びに行った。

 しかし、そのタピオカ屋は私が卒業する前にもう潰れてしまったのである!なんと勿体無い!この不毛の大地、時習生は良い店をいつでも待っているというのに。

 「あのタピオカ屋の場所で、何の商売をしていたら時習生が常連になったか」という話題友達ディベートしたものだ。

 (余談。みやこには「カロリーハーフ麺」というメニュー存在し、うどんの麺をこんにゃくに変更するというオプションがある。カロリーハーフよりもっと下だろ!というメニューである

 八奈見さんが太ってしまたことを気にしていたので、私があの場にいたらカロリーハーフ麺に変えておいてあげたのに……)

豊橋駅について。

 店が全然ないという話から、「とんでもねえ田舎なんだな」と思われるかもしれないが、地味に発展はしている。しかし、車がないと厳しい程度の田舎ではある。

 アニメ内でも出てきた豊橋駅とは、豊橋市の一番中心の場所であり、新幹線でも"ひかり"が停車する程度には大きい(※"のぞみ"は止まらない)。

 豊橋駅の2階にはロータリーのように開けた場所があり、ストリートミュージックがよく行われている。

 夜8時頃にここを通る際には、外国人から何かの勧誘を受けること請け合いである。発展している証左だろう。豊橋市の人口の6%は外国人で、中でもブラジル人が一番多く住んでいる。

 閑話休題。他の地域について説明しよう。

 文芸部のみんなが合宿していた宿泊所がある"田原"と、焼塩のおばあちゃんが住んでいる"新城"。これらは正式には田原市と新城市であり、豊橋市の近隣の別の市である

 まるでもっと遠い地域のように書かれていたが、我が時習館にも田原新城に住んでいて通学している生徒がいる。

 しかし、この新城においては、豊橋にくるためには別の路線を使わないといけない。その名を"飯田線"と言う。飯田線とはとても脆弱電車で「(台風などの影響で)学校休みにならなくても、飯田線休みになる」という事態が発生する。そのため、新城人間だけ一限に間に合わないということが稀によく起こる。

 また、飯田線の駅には改札がないことがある。そのため、電車内を駅員さんが一通り歩いて、運賃徴収しなければいけないのだ。私は個人的には、「改札を一度設置してしまえばずっと使えるだろうに、そんなに未来が無いと思われているのか?」と邪推してしまっている。

 焼塩が帰る際のシーンに、電車の駅(状況的に飯田線の)が見られるが、そこに改札はなかった。

 再現100000000点加点(←そんなところ誰も気にしてない)。

部活について。

 気の回る読者諸君であれば、この私ーー筆者が、あの負けインたちが在籍する文学部所属していたのではないか?と頭によぎったかもしれない。このような書き物をする趣味を持つ私のことだ、その性向からして入っていてもおかしくない。だがしかし、その答えに対しては否である

 しかし、私は時習館文学部に関しては知っているし、部誌COSMOS文化祭で購入しており今も実家に置いてある。

 そして、私には時習館文学部に「入らなかった」理由もあるのである

 部活を選ぶ理由において、積極的に「入らなかった」理由があるのは珍しいかもしれない。

 その理由入学時にまで遡る。

 時習館では、新入生歓迎会において、生徒制作ビデオを視聴することになる。このビデオ放送部が統括しており、各部活のプロモーション映像を2分ほどでまとまるように提出しなければいけないのだ。

 このビデオを新入生たちに見せることで、部活選択一助とさせてもらうのだが、やはりこのビデオにはそれぞれの部活の色が表れる。

 部活には2種類ある。無難に行こうとするものと、尖ろうとするもの。そして、時習館高等学校文芸部後者に属する。

 私は時習館の生徒として、新入生歓迎会に3回参加したことがある。そしてその3回とも、文学部ビデオでは同じ人物が登場していた。いや、正確に言うと人物ではない。

 ……馬だ。文学部においては、馬の被り物が代々継がれており、毎回ビデオに出演されるのだ。(馬の被り物、分かりやすく言うとポーションが作れそうな感じの)

 尖っている文芸部に対して私が思ったこと。当時、入学したての私は意識が高かった。主に青春を送るという方向に。

 それゆえに私は、もっと無難に、真っ当に青春が出来そうな部活を選ぼうとしていた(結局それは達成されないし、その考え自体が愚行だった)。

 それが入部しなかった理由だ。

 部活の話というと、私は別の部活所属していたのだが(どこかは秘密)、一度廃部した部活に入ったので、私の代で新しく部活Tシャツを作ることになった。

 その際、顧問先生から厳しく条件を言い渡されたのである。というのも、部活Tシャツの色は黒じゃないといけないらしい。華美な色は使ってはいけないとのことで、背景が黒という縛りがある中でデザインして作った。今では良い部屋着になっている。

 その部活Tシャツが黒でないといけないという理由が、「近隣の住民からクレームを言われたから」という嘘みたいな本当の話である。私としては、そんなクレームに屈してほしくなかったのだが、現実は厳しいらしく仕方ない。

 是非、負けヒロイン内で部活Tシャツの話が出てくることがあったら、黒地のTシャツにしていただきたいものだ。知られざる規制について正しくお伝えできたら幸いである。

 私とおそろいにしよう!!

最後に。実際の時習館との最大の違い。

 八奈見さんの髪の色は青色だ。負けるヒロインに多い髪色だから青らしい。それにしても他の色と比べても青色とはとても鮮やかな色である、眩しいほどに。とても目立ちそうな色合いだ。

 もちろん、私の高校で髪の染色は禁止されている。

 時習館高校豊橋の中では一番の進学校とされ、これよりも良い高校に行くとなると違う市にある岡崎高校に行く必要がある。そのため、地域住民からはとても素晴らしい学校だと思われている。「あなた時習館の子なの?すごい頭良いんだねえ」と近所のおばちゃんから褒めてもらえるぞ!

 しかし、その実態は「自称進学校揶揄される類の学校である

 校則全然自由じゃないし、土曜補講も日曜模試も多いし、文化祭だってしょぼい。前章で述べたような"部活Tシャツの黒縛り"だって中々に酷い。

 「お前らの自主性を大切にする!」と言われながら(実際に"自考自成"という校訓がある)、やることに制約がありすぎるし、良い大学に入るためには勉強をしなければいけない。

 やらないといけないことが多いくせに、やれないことも多すぎる。

 入学時に「高校青春してやる!」と意気込んでいた私の夢が、打ち砕かれるのは早かった。

 皆なまじ頭が良いせいで、馬鹿になるほど青春熱狂することもなく、どこか冷めたところがある中、青春をしている感じを出そうとする。そんな我々に、魂を震わせるほどの大恋愛などしている暇はないのである。そして失恋をしている暇もない。

 近所の高校体育祭では、女子男子サイダー差し入れするなどというイベントがあり(サイダーだけに「振らないで」という意味をこめて)、青春謳歌している中。我々の体育祭では、まず本番の体育祭が終わったら即解散である女子はすぐ強制で帰らされるのだ。男子強制で残される。その理由とは、男共だけが残ってキャンプファイヤーのような儀式をやる必要があるからだ。帰らされる女子可哀想だし、これのために昼休憩の度に練習させられる男子可哀想である。みんなで後夜祭しようよ。

 そのように青春から遠ざけられた生活であった。

 さて、三年間というのは長いようで短い。不意にするには長いが、人生というスパンで見れば短い。高校とは、中学大学を繋げる通過点だ。ここで怠けたら、せっかく積み上げたもの大学へと繋げられない。そんな未来がチラついて、現在に打ち込みすぎるやつがいない。有名な言葉でいうと、「まるでレールに載せられているようだ」である

 私にとっての時習館高校とは、現在に対する絶望感が仄かに漂う高校だった。

 ーー私の高校の時の趣味は、"小説家になろう"を読むことだった。

 お金もないし、図書室に行く気もないし、寝っ転がっていたかたからだ。費やした時間は半端ではない。ランキング上位の50ページくらいは全部読んだことがある。だからこそリゼロが好きで、「無料で読めるよ」と友達オススメしたこともある。

 さて当時、異世界転生を馬鹿にする文脈があって、「あんもの仕事疲れたオッサンが読むものだぞ」という意見を見た時に、ハッと愕然としてしまった。「私はそんなに疲れているのか?」と。

 たしかに、異世界転生ものと呼ばれるジャンルが、全て素晴らしく良く出来たものだとは思っていない。だが、私は読むことがやめられなかったのだ。

 なぜか?休み時間に何をするかは自分で選べる。私に必要だったのは、束の間のファンタジーに身を浸すことだった。擦り減った何かを満たすように、ファンタジーはMP回復させてくれる。

 学校じゃ何も自由に出来ないということが、 Permalink | 記事への反応(2) | 22:17

2025-01-05

兄妹で一生暮らして行こうと思った

 兄の俊(しゅん)と妹のひかりは、物心ついた頃から常に寄り添って生きてきた。どこへ行くのも一緒、何をするのも一緒。そんな二人の姿を、両親は微笑ましく見守っていた。だが、ふたり小学高学年になった頃、父が突然病に倒れ、わず半年後に母までもがあとを追うように逝ってしまった。それから二人は、自然と「離れられない存在」になった。

 両親を失った悲しみは大きかったが、幼いながらに俊は「ひかりを守らなくては」という強い責任感を抱くようになった。祖父母の家に引き取られることも検討されたが、当時すでに高齢であった祖母は、自分介護祖父に頼るような状況だった。親類たちが話し合った末、兄妹はそれぞれ違う親戚の家に預けられることになる――そんな話が出かかったとき、俊は拒否したのだ。

ひかりと離れたくない」と何度も口にした。その言葉を聞いていたのは、親戚会議にかり出されていた母の妹、すなわちふたりにとっての叔母だった。叔母はまだ若く未婚だったが、かつて姉から「何かあったら子どもたちを頼むね」と言われていたこともあり、思い切って二人を引き取る決意をしてくれた。そして兄妹は、叔母と同居しながら暮らすことになった。

 叔母の家はそれほど広くはなかったものの、兄妹にとっては心安らぐ唯一の場所だった。叔母は仕事を掛け持ちして大変そうではあったが、二人に温かい食事と布団のある生活を与えてくれた。それでも幼いふたりにとっての心の支えは、お互いの存在に尽きる。俊は「ひかりが心細くないように」と言い、勉強生活も精一杯頑張った。ひかりは「俊兄(しゅんにい)が頑張るなら私も」と言って、家事を手伝ったり、叔母の負担を減らそうとした。

 そんな生活のなかで、兄妹は互いを「大事家族」としてさら意識するようになった。もちろん血の繋がった兄妹である以上、それは当然かもしれない。だが、親を失ったという喪失感と同時に、兄妹の存在は「これから人生を一緒に歩むパートナー」のような意味合いを帯びていた。俊は「どんなことがあっても、俺がひかりを守る」と胸に誓い、ひかりは「何があっても俊兄の味方」であり続けると決めていた。

 高校に進学し、思春期を迎えたふたりは、それぞれに新しい友人関係や将来の夢を見つけはじめた。俊は社会科教師を目指し、ひかりデザイン関係仕事を志すようになる。学校行事部活アルバイトなどに忙しくなってくると、自然と二人で過ごす時間は減った。それでも家に帰れば、叔母とともに夕飯を囲む時間があり、「今日学校でこんなことがあった」「来週は文化祭で準備が大変」などと気軽に報告し合う。お互いに別々の道を歩むようでも、その根底には「兄妹は同じ屋根の下で生きている」という安心感があった。

 ところが、俊が大学受験を迎えるころ、叔母が体調を崩して入院してしまった。無理を重ねていたのか、検査入院から長期入院に切り替わり、兄妹だけで生活を回さなければならなくなる。一人暮らしならまだしも、当時高校2年のひかり浪人が決まってしまった俊に、家計を支える術は限られていた。バイトを増やしたい俊と、学業との両立に不安を抱えるひかり。そんなとき、親戚からは「一時的に親戚の家に預ける」という案がまたしても浮上した。

 しかし俊は強くそれを拒否した。「自分たちでなんとか生活していくからひかり勝手に離れ離れにしないでほしい」と。幸い、叔母が借りていたアパート家賃比較的安く、親戚からの援助とわずかながらの遺産で賄うことができるという見通しもあった。兄妹は何度も相談し合い、親戚たちを説得し、最終的には「ひとまず様子を見よう」という結論にこぎつけた。

 そんな生活のなかで、兄妹は改めて「ずっと一緒に暮らしていこう」と誓い合う。血の繋がりがあるから離れたくない、という単純な話ではない。俊は「自分大人になって、いずれ結婚して家族を持つことになったとしても、ひかりのことは最後まで見守りたい」と考えるし、ひかりも「自分が何をするようになっても、俊兄のことを支えたい」と思っていた。「夫婦になるわけでもないのに、一生一緒にいるなんて…」と世間から不思議がられるかもしれない。でもそれがふたりの揺るぎない思いだった。

 俊が大学に入り、ひかり高校卒業して社会に出る頃、叔母はようやく退院し、以前ほどではないが仕事に復帰できるまでに回復した。叔母は「これ以上はあなたたちに甘えてばかりいられない」と言い、少しずつ家事を手伝ってくれるようになる。そんな日常の中で、俊は大学教職課程を取りながら塾講師アルバイトをし、ひかり専門学校で学んだデザインを生かして小さな会社就職した。それぞれが忙しいながらも、帰る場所は同じ。アパートの一室に三人、それは決して余裕のある暮らしではなかったが、食卓に並ぶ料理と、暖かい団欒があった。

 俊が成人を迎えた頃、ひかりも働き方を変え、在宅でのデザイン仕事ができるようになった。家にいる時間が増えたひかりは、叔母の身の回りの世話をしつつ、兄の帰りを待つ。そんな生活を続ける中で、二人は改めて「将来」に対して具体的な話をする機会が増えた。たとえば、もし叔母がいなくなってしまったら、自分たちはどんな家に住もうか。結婚したいと思うような相手ができたらどうするか。あるいは二人でお金を出し合って、もっと広い家を借りるか。口に出して話してみると、いろんな可能性と、それに伴う不安が見えてくる。

「でも、最終的にはやっぱり兄妹で暮らしていこう」と、ふたりとも同じ答えにたどり着くのだった。世間には「自立」の形がたくさんあるし、親元を離れ、パートナーを見つけて世帯を持つのがいわゆる一般的生き方だとされている。でも兄妹にとっては、「二人で乗り越えてきた時間」こそが何よりも大切だった。あのとき、父も母もいなくなったのに二人で支え合った。その記憶があるからこそ、離れることの怖さをひしひしと感じてしまう。

 俊は叔母の病室で過ごした幼い日の光景をよく思い出す。「困ったときはいだってひかりと一緒だった」と。ひかりはそんな兄を見て、幼いころの俊を思い出す。「小さな体なのに、いつも盾になってくれた」。お互いに頼り合いながら、それでも相手のためならどこまででもがんばれる。それは兄妹という血の繋がりを超えた、まるで共依存とも言える深い結びつき。だが、二人にはそれが自然で、幸せだと感じられるのだから仕方ない。

 兄妹のあいだには時折、遠慮がないからこそぶつかり合う喧嘩生まれる。俊は几帳面でまじめだが、気が乗らないときは部屋を散らかすタイプでもある。一方のひかりはいつも明るく優しいが、締め切りが近づくとピリピリしがちで、料理洗濯を後回しにしてしまう日も多い。そんなとき、俊はイライラを隠さず口調がきつくなるし、ひかりも負けじと口ごたえする。怒鳴り合いになり、時には涙がこぼれることもある。

「なんでこんなに疲れてるのに、あんたを気遣わなきゃいけないの!」 「俺だって好きでこんな生活してるわけじゃない!」

 冷たい言葉が飛び交った後、ふたりは罪悪感に苛まれる。大事存在にこそ、甘えやわがままをぶつけてしまう。それでも少し冷静になれば「お互い様だよね」と思える。家を飛び出してひとりになっても、結局は「兄妹が一緒にいる安心感」に惹かれて戻ってくる。それが二人にとっての日常だった。

 そんな積み重ねの末、ある日の晩。アパートの小さなテーブルに向かい合って座り、お茶を飲みながら、改まって言葉を交わした。

「やっぱり、これから先もずっと一緒に暮らして行きたいよね」 「うん。私もそう思う」

 少し先の将来を想像すると、不安も多い。収入問題、進路の問題、万が一の病気怪我特に、家庭を持つ可能性がゼロとは言えない俊にとっては、パートナーになる女性が兄妹の特殊関係をどう受け止めてくれるかもわからない。ただ、ふたりは「それならそれで、そのときに話し合おう」と割り切っていた。あらゆる困難は、一つひとつクリアしていけばいい。俊にもし大事な人ができたなら、それを受け入れたうえでひかりの居場所を守りたいし、ひかり恋人ができて結婚したいと思うなら、それはそれで幸せ応援したい。けれど、どんな形であれ「兄妹」という存在はずっと続くのだから、それを否定する必要はない。むしろ心の支えとして大切にしていきたい、そう二人とも考えていた。

 やがて大学卒業した俊は教員採用試験合格し、地元公立中学校で働くことになる。社会人として一歩踏み出した俊は、多忙な日々に追われながらも、自分中学生だったころのつらさや迷いを忘れずに生徒に向き合うようにしている。ひかりフリーランスでのデザイン業に本腰を入れ、少しずつではあるが収入も安定してきた。アパートは狭いままだが、それでも二人にとっては十分に温かく、心地よい場所だ。叔母は退院後も通院やリハビリを続けていたが、今は別の場所に小さな部屋を借り、時々アパートに顔を出しに来る程度の距離感になった。

 ある休日、兄妹はリビングで向かい合って座り、ふと笑みをこぼす。朝食を終えて食器を洗い、掃除をしたあと、コーヒーを飲みながらテレビを見る。気兼ねのない何気ない時間。「いつか、もっと広いところに引っ越して、二人の好きなものをたくさん置ける部屋にしたいね」「そうだね。自分で稼いだお金で、ちゃん家具を買ったりしてね」。そう語り合いながら、「でも、今のところも結構気に入ってるんだよね」などと笑い合う。そこにはもう、かつてのような悲壮感はない。ただ、兄妹として互いを労わり、必要としているだけだ。

「ねえ、俊兄。いずれ結婚ってことになったら、どうなるの?」 「わからないなあ。…でも、ひかりとの暮らしを捨てる気はないよ。そこは絶対、譲れない」

 きっと将来は予測不可能出来事が起こるだろう。仕事がうまくいかいかもしれないし、思わぬ病気にかかるかもしれない。恋愛結婚の縁があるのかもまだわからない。けれど、最終的にたどり着く答えは同じだ。「兄妹で一生暮らしていこう」と。周囲からどんな目で見られても、兄妹にとってはそれが一番自然で、一番落ち着く選択肢なのだ

 もしかすると、両親を失った幼いころの寂しさを埋めるために、こうして固く結びついてしまったのかもしれない。あるいは、自分たちなりに「家族の形」を再構築しようとする必死の想いが、長い年月を経てこういう形になったのかもしれない。でも、いま兄妹が互いに支え合って笑顔でいられるのなら、その理由なんてどうでもいいのだろう。

 お互いがそれぞれに人生を歩み、その先にある未来で何があっても、手を取り合えばなんとかなる。ふたりはそう信じて、これからも生きていくのだ。一緒に暮らすことが、何よりの支えであり、かけがえのない幸せの形だと知っているから。

2025-01-03

anond:20250103054604

おとなのふりかけだ!😯

https://youtu.be/E8DRRr9vXRA












同い年のいとこってどんな感じ?

ふつう軽音部読んでて、自分は歳の離れたいとこしかいないから同い年のいとこってファンタジー世界存在くらい想像できないなと思った。普通にクラスメイトみたいなかんじな...

anond:20250102143210

同年で名前の読みが似てるいとこが居るけど生き別れの双子みたいな感じ と言っても成人するまでずっと年に一度は顔合わせてたから居て当たり前だし居なくて当たり前なんだけど ちな...

anond:20250103053957

さやかあやかとかゆかりひかりみたいな感じ?

anond:20250103054249

なにその三島食品ふりかけファミリー😟

anond:20250103054414

同い年で中高一緒だったいとこから正月帰ってくる?」とLINEが来て「帰るよー」と返したら「中学同窓会あるよー」と来たが、20年以上前に出た田舎の連中がまだコミュニティを継...

anond:20250103054604

おとなのふりかけだ!😯 https://youtu.be/E8DRRr9vXRA

2024-12-22

anond:20241222151815

VPNならauひかりでも他のIPv4プロバイダでも行けるのか。

元増田は大げさに書きすぎだな。

anond:20241222012321

※一応IPv4からVPNアクセスする方法もあるが、それもベンダーと専用ソフト契約する必要がある

これハード不要で初期費用5000円、月額2850円なんだけど月3000円でも高いって言いたいの?

しかもこの場合auひかり問題ないのに?

お前らにマイナ保険証システム周りを教えてやろう

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/www.ktv.jp/news/articles/?id=16655

この記事ブコメが余りに酷かったので、はてブパソコンの大先生方にマイナ保険証オンライン資格確認)のシステム周りを教えてやろう。


まず、マイナ保険証システムがどこに構築されているか、知ってるか?普通にブラウザURL打ち込んだら、マイナポータルみたいなサイトに行けると思った?残念、何とシステムNTTのフレッツIPv6閉域網の中にある。なので、IPv4ではそもそもアクセスできないし、IPv6でもフレッツ回線以外からは基本アクセスできない(例えばauひかりは無理)。

※一応IPv4からVPNアクセスする方法もあるが、それもベンダーと専用ソフト契約する必要がある

というわけで、クリニックにIPv6オプション付きのフレッツ契約がないところは、ネット回線契約変更からスタートだ。あ、もちろんONUルーター対応してなかったらもちろん交換な。古いルーターv6パケットさなかったりするから気をつけろ。プロバイダーもだぞ。え、クリニックでIPv4ひかり電話を使ってる?…最悪それも全取っかえだ。

で、無事にIPv6オプション付きフレッツ回線が引けたとしよう。次は、マイナ保険証認証付きカードリーダとオンライン資格確認用端末だ。こいつもそこらへんのヨドバシで売ってるのではなく、対応機種を買わないといけない。めちゃくちゃメーカー癒着臭いがするな!ちなみに端末にもOSDNSの設定やら電子証明書インストールなど、いろいろあるぞ。

さらに、電子カルテやレセコンのネットワークとマイナ保険証端末のネットワークは、セキュリティの都合上ネットワークを分離せよという仕様になっている。何しろマイナンバー周りはセキュリティガチガチガチガチなのだ。というわけで、クリニックの既存ネットワークにルーター増設必須だ。既存ネットワーク、誰がいつ引いたんだろうな…?

ここまでで、マイナ保険証の導入とは、そこらへんのパソコンソフトインストールして終わりとかいう甘っちょろいものではなく、クリニックのネットワーク工事すら必要となる大規模なものであることが分かってもらえたかと思う。しかもこれは、マイナ保険証の導入にあたって、本当に最低限レベル必要な話に過ぎない。ここまでで可能になるのは、保険証有効かどうかの確認のみ。クリニックで使っている電子カルテなどとの連携は、もちろん別だ。

当たり前だが、ここまでの作業個人で完遂できるのは、ITプロ級のお医者さんに限られるので、多くのクリニックはベンダーに丸投げとなる。システム導入には国から補助金が出るから、多くのベンダーが参入しており、これまた利権癒着臭いがする。

勉強不足だのなんだの言ってたブクマカどもよ。70歳近い一般人に、IPv6やらフレッツ閉域網やら、ルーターやら電子証明書やら、説明してちゃん理解してもらえる自信あるか?正直、IT専門職でも厳しいのではないか?と思う。

で、くだんの記事に戻ると、高齢医師のクリニックは、あと数年で廃業予定のところも多い。そして、マイナ保険証の利用率は全国で1割に過ぎない。お年寄り患者中心の個人クリニックでは恐らくもっと低く、正直、マイナ保険証必要性を感じていない所も多いと思う。手間だけかかって、システム導入に持ち出しすら発生するなら、いっそ早めに廃業しようというのも十分あり得る話だ。

他にもシステムの細かい話は色々あるのだが、長くなるので割愛する。興味のある人は、電子カルテの開発をしている歯科医先生が奮闘しているブログが大変面白いので、読んでみてほしい。

https://karte-m.cocolog-nifty.com/free/2020/11/post-1f68ea.html

2024-12-01

[]

ドラゴンクエスト3 HD-2D版をクリアした。プレイ時間は53時間ぐらい。

最終盤からボスあたりの難易度設定にちょっと疑問を感じたので最高とは言いづらいど、十分楽しめた。

ストーリーは色々補完されてて良かったと思う。



探索はだいたい楽な感じだったと思う。



ボスは序盤は文句なしだけど、終盤はちょっと微妙な感じだった。



終盤から裏にかけてはちょっと微妙な感じだった。なんというかバランスが変。



他に気になった点は以下。



職業の印象は以下のような感じ。特技を覚えるようになって色々な職になる楽しさがあって良かったと思う。



アイテム収集100%になったし、終わり。

レベル99とか、種集めて能力カンストさせるとかは面倒だからやらない。

アプデでもうちょっとこうげきが入るようになったり、終盤のちょっとバランスおかしいのがマシになったらなあと思う。

2024-10-28

anond:20241028225626

澪(れい

朔(さく)

碧(あおい)

詩(うた)

陽(はる)

樹(いつき)

光(ひかり

海(うみ)

遥(はるか

凛(りん)

澪奈(れいな)

初音(はつね)

叶実(かなみ

結月(ゆづき)

美咲(みさき)

こっから選んでね

2024-09-25

楽天ひかり解約したら急にインターネット勧誘電話がかかってくるようになった

インターネット営業の人ってみんなエスパーかなんかなの?

2024-09-09

auひかりのHGW Wi-Fi機能値上げ

元々550円au電話利用者はそのぶん550円割引で無料

と言う立て付けだったのが、

660円に値上げ→au電話利用者は330円割引で月額330円

と言う事にサービス改悪された。330円って年間約4000円である

https://www.au.com/information/notice_internet/service/20240701-01/


当然だが、HGWにはWi-Fi機能がついていて、これを有効にしようがしまいがauの原価コストは変わらない。

からこそ従来は実質無料にして客寄せにしてたのだが楼が、それをさらに値上げで有料化に踏み切った。

ワイは使ってなかったのでさっくり解約したが、明らかに解約手続きを面倒くさがった人から広く薄く金をあつめるための施策だ。

通信業界も人口減少の影響を受け、だんだんと苦しくなっている事を感じる。

2024-08-15

anond:20240815093827

見た目に対する異常なまでの執着は、妖怪しかみえんのよね。

男性の性欲に相当する欲求があわらている感じ。

キラキラするひかりものを身に着けたがり、少しでも自分を目立たせることに余念がない。

モテたくてやってるんじゃない。というのはおそらく本当で、女性自身もなぜかわからないけど目立ってると心地よいのだと思う。

2024-07-12

anond:20240712092104

シールによる。

Rシールだったら問答無用で、揉めると思うけど、

これが、「なぞのひかりシールだったら、セーフ。

自称弱者男性必死に叩く「女の高望み」「女の上昇婚指向」がこれなんだろうね

何処が高望みなんだよっていう。

女と同年代の男で同程度の収入って寧ろ能力的には劣ってるから

妥協しまくりなのにね

こういうハイスペック女性(に限らず)は別に誰でもいいか結婚したいなんて思ってなくて

希望通りの人がいなければ一生一人で暮らすだけの話で何も不自由はしていないのに

なんで誰とでもいいか結婚したいみたいに決め付けてるんだ?

ていうか鬼滅の刃画像無断転載して他人中傷するのをやめろや


ひかりん@婚活菩薩

@hikarin22

私は旧帝大卒で年収1000万あるから最低でも年収1000万以上の同年代で同程度の学歴男性結婚したい(35歳 女性

https://x.com/hikarin22/status/1805043716123754896

2024-06-14

2024-06-12

のぞみなら ひかりの速さを超えるから おととい来てよ 東京駅

2024-05-19

anond:20240517191901

ひかりんがけっこういいことを言っていたので、リンクを貼っておくね。

元のスレッドを読んでみて。

このケースでは男性包摂価値を見出すが、女性はそこに価値を見出さない人が多いという性差がある。それゆえ男女の立場を入れ替えるとうまく行かないのです。

https://x.com/hikarin22/status/1791265855134965974

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