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2025-10-24

伊香保 寺田寅彦

 二三年前の夏、未だ見たことのない伊香保榛名を見物の目的で出掛けたことがある。ところが、上野驛の改札口を這入つてから、ふとチヨツキのかくしへ手をやると、旅費の全部を入れた革財布がなくなつてゐた。改札口の混雜に紛れて何處かの「街の紳士」の手すさみに拔取られたものらしい。もう二度と出直す勇氣がなくなつてそれつきりそのまゝになつてしまつた。財布を取つた方も内容が期待を裏切つて失望したであらうから、結局此の伊香保行の企ては二人の人間失望させるだけの結果に終つた譯である

 此頃少し身體の工合が惡いので二三日保養のために何處か温泉にでも出掛けようといふ、その目的地に此の因縁つきの伊香保が選ばれることになつた。十月十四日土曜午前十一時上野發に乘つたが、今度は掏摸すりの厄介にはならなくて濟んだし、汽車の中は思ひの外に空いて居たし、それに天氣も珍らしい好晴であつたが、慾を云へば武藏野の秋を十二分に觀賞する爲には未だ少し時候が早過ぎて、稻田と桑畑との市松模樣の單調を破るやうな樹林の色彩が乏しかつた。

 途中の淋しい小驛の何處にでも、同じやうな乘合自動車アルミニウムペイントが輝いて居た。昔はかういふ驛には附きものであつたあのヨボ/\の老車夫の後姿にまつはる淡い感傷はもう今では味はゝれないものになつてしまつたのである

 或る小驛で停り合はせた荷物列車の一臺には生きた豚が滿載されて居た。車内が上下二段に仕切られたその上下に、生きてゐる肥つた白い豚がぎつしり詰まつてゐる。中には可愛い眼で此方を覗いてゐるのもある。宅の白猫の顏に少し似てゐるが、あの喇叭のやうな恰好をして、さうして禿頭のやうな色彩を帶びた鼻面はセンシユアルでシユワイニツシである。此等の豚どもはみんな殺されに行く途中なのであらう。

 進行中の汽車から三町位はなれた工場の高い煙突の煙が大體東へ靡いて居るのに、すぐ近くの工場の低い煙突の煙が南へ流れて居るのに氣がついた。汽車が突進して居る爲に其の周圍に逆行氣流が起る、その影響かと思つて見たがそれにしても少し腑に落ちない。此れから行先にまだいくらも同じやうな煙突の一對があるだらうからもう少し詳しく觀察してやらうと思つて注意してゐたが、たうとう見付からずに澁川へ着いてしまつた。いくらでも代はりのありさうなものが實は此の世の中には存外ないのである。さうして、ありさうもないものが時々あるのも此の世の中である

 澁川驛前にはバス電車伊香保行の客を待つてゐる。大多數の客はバスを選ぶやうである電車の運轉手は、しきりにベルを踏み鳴らしながら、併しわり合にのんきさうな顏をしてバスに押し込む遊山客の群を眺めて居たのである。疾とうの昔から敗者の運命に超越してしまつたのであらう。自分も同行Sも結局矢張りバスもつ近代味の誘惑に牽き付けられてバスを選んだ。存外すいて居る車に乘込んだが、すぐあとから小團體がやつて來て完全に車内の空間を充填してしまつた。酒の香がたゞよつて居た。

 道傍の崖に輕石の層が見える。淺間山麓一面を埋めて居るとよく似た豌豆大の粒の集積したものである。淺間のが此邊迄も降つたとは思はれない。何萬年も昔に榛名火山自身の噴出したものかも知れない。それとも隣りの赤城山の噴出物のお裾分けかも知れない。

 前日に伊香保通のM君に聞いたところでは宿屋はKKの別館が靜かでいゝだらうといふことであつた。でも、うつかりいきなり行つたのでは斷られはしないかと聞いたら、そんなことはないといふ話であつた。それで、バスを降りてから二人で一つづゝカバンを提げて、すぐそこの別館の戸口迄歩いて行つた。館内は森閑として玄關には人氣がない。しばらくして内から年取つた番頭らしいのが出て來たが、別に這入れとも云はず突立つたまゝで不思議さうに吾々二人を見下ろしてゐる。此れはいけないと思つたが、何處か部屋はありませうかと聞かない譯にも行かなかつた。すると、多分番頭と思はれる五十恰好のその人は、恰度例へば何處かの役所の極めて親切な門衞のやうな態度で「前からの御申込でなければとてもとても……」と云つて、突然に乘込んで來ることの迂闊さを吾々に教へて呉れるのであつた。向うの階段の下では手拭を冠つて尻端折つて箒を持つた女中が三人、姦の字の形に寄合つて吾々二人の顏を穴のあく程見据えてゐた。

 カバンをぶら下げて、悄々しをしをともとのバスの待合所へ歸つて來たら、どういふものか急に東京へそのまゝ引き返したくなつた。此の坂だらけの町を、あるかないか當てにならない宿を求めて歩き※(「えんにょう+囘」、第4水準2-12-11)はるのでは第一折角保養に來た本來の目的に合はない、それよりか寧ろ東京の宅の縁側で咲殘りのカンナでも眺めて欠伸をする方が遙かに有效であらうと思つたのである。併し、歸ることは歸るとしても兎も角も其處らを少し歩いてから歸つても遲くはないだらうとSがいふので、厄介な荷物を一時バスの待合所へ預けておいてぶら/\と坂道を上つて行つた。

 宿屋が滿員の場合には入口に「滿員」の札でも出しておいたら便利であらう。又兎も角も折角其家を目指して遙々遠方から尋ねて來た客を、どうしても收容し切れない場合なら、せめて電話温泉旅館組合の中の心當りを聞いてやる位の便宜をはかつてやつてはどうか。頼りにして來た客を、假令それがどんな人體であるにしても、尋ねてくるのが始めから間違つてゐるかのやうに取扱ふのは少し可哀相であらう。さうする位ならば「旅行案内」などの廣告にちやんと其旨を明記しておく方が親切であらう。

 こんな敗者の繰言を少し貧血を起しかけた頭の中で繰返しながら狹い坂町を歩いてゐるうちに、思ひの外感じのいゝ新らしいM旅館別館の三階に、思ひもかけなかつた程に見晴らしの好い一室があいてゐるのを搜しあてゝ、それで漸く、暗くなりかゝつた機嫌を取直すことが出來たと同時に馴れぬ旅行疲れた神經と肉體とをゆつくり休めることが出來たのは仕合せであつた。

 此室の窓から眼下に見える同じ宿の本館には團體客が續々入込んでゐるやうである。其の本館から下方の山腹にはもう人家が少く、色々の樹林に蔽はれた山腹の斜面が午後の日に照らされて中々美しい。遠く裾野には稻田の黄色い斑の縞模樣が擴がり、其の遙かな向うには名を知らぬ山脈が盛上がつて、其の山腹に刻まれた褶襞の影日向が深い色調で鮮かに畫き出されて居る。反對側の、山の方へ向いた廊下へ出て見ると、此の山腹一面に築き上げ築き重ねた温泉旅館ばかりの集落は世にも不思議な標本的の光景である。昔、ローマ近くのアルバ地方遊んだ時に、「即興詩人」で名を知られたゲンツアノ湖畔を通つたことがある。其の湖の一方から見た同じ名の市街の眺めと、此處の眺めとは何處か似た所がある。併し、古い伊太利の彼の田舍町は油繪になり易いが此處のは版畫に適しさうである。數年前に此地に大火があつたさうであるが、成程火災の傳播には可也都合よく出來てゐる。餘程特別防火設備必要であらうと思はれる。

 一と休みしてから湯元を見に出かけた。此の小市街横町は水平であるが、本通りは急坂で、それが極めて不規則階段のメロデイーの二重奏を奏してゐる。宿屋お土産を賣る店の外には實に何もない町である。山腹温泉街の一つの標本として人文地理學者の研究に値ひするであらう。

 階段の上ぼりつめに伊香保神社があつて、そこを右へ曲ると溪流に臨んだ崖道に出る。此の道路にも土産物を賣る店の連鎖が延長して溪流の眺めを杜絶してゐるのである。湯の流れに湯の花がつくやうに、かういふ處の人の流れの道筋にはきまつて此のやうな賣店の行列がきたなく付くのである。一寸珍らしいと思ふのは此道の兩側の色々の樹木に木札がぶら下げてあつて、それに樹の名前が書いてあることである。併し、流石にラテン語の學名は略してある。

 崖崩れを石垣で喰ひ止める爲に、金のかゝつた工事がしてある。此れ位の細工で防がれる程度の崩れ方もあるであらうが、此の十倍百倍の大工事でも綺麗に押し流すやうな崩壞が明日にも起らないといふ保證は易者にも學者にも誰にも出來ない。さういふ未來の可能性を考へない間が現世の極樂である自然可能性に盲目な點では人間も蟻も大してちがはない。

 此邊迄來ると紅葉がもうところ斑に色付いて居る。細い溪流の橋の兩側と云つたやうな處のが特に紅葉が早いらしい。夜中にかうした澤を吹下ろす寒風の影響であらうか。寫眞師がアルバムをひろげながらうるさく撮影をすゝめる。「心中ぢやないから」と云つて斷わる。

 湯元迄行つた頃にはもう日が峯の彼方にかくれて、夕空の殘光に照らし出されて雜木林の色彩が實にこまやかに美しい諧調を見せて居た。樹木の幹の色彩がかういふ時には實に美しく見えるものであるが、どういふもの特に樹幹の色を讚美する人は少ないやうである

 此處の湯元から湧き出す湯の量は中々豐富らしい。澤山の旅館の浴槽を充たしてなほ餘りがあると見えて、惜氣もなく道端の小溝に溢れ流れ下つて溪流に注いで居る。或る他の國の或る小温泉では、僅かにつの浴槽にやつと間に合ふ位の湯が生温るくて、それを熱くする爲に一生涯骨を折つて、やつと死ぬ一年前に成功した人がある。其人が此處を見たときにどんな氣がしたか。有る處にはあり餘つて無い處にはないといふのは、智慧黄金に限らず、勝景や温泉に限らぬ自然の大法則であるらしい。生きてゐ自然界には平等存在せず、平等は即ち宇宙の死を意味する。いくら革命を起して人間の首を切つても、金持と天才との種を絶やすことは六かしい。ましてや少しでも自己觸媒作用オートカタリテイツク・アクシヨンのある所には、ものの片寄るのが寧ろ普遍現象からである。さうして方則に順應するのは榮え、反逆するものは亡びるのも亦普遍現象である

 宿へ歸つて見ると自分等の泊つてゐる新館にも二三の團體客が到着して賑やかである。○○銀行○○課の一團は物靜かでモーニングを着た官吏風の人が多い。○○百貨店○○支店の一行は和服が多く、此方は藝者を揚げて三絃の音を響かせて居るが、肝心の本職の藝者の歌謠の節※(「えんにょう+囘」、第4水準2-12-11)はしが大分危なつかしく、寧ろ御客の中に一人いゝ聲を出すのが居て、それがやゝもすると外れかゝる調子を引戻して居るのは面白い。ずつと下の方の座敷には足踏み轟かして東京音頭を踊つて居るらしい一團がある。人數は少いが此組が壓倒的優勢を占めて居るやうである

 今度は自分などのやうに、うるさく騷がしい都を離れて、しばらく疲れた頭を休める爲にかういふ山中自然を索たづねて來るものゝある一方では又、東京では斷ち切れない色々の窮屈を束縛をふりちぎつて、一日だけ、はめを外づして暴れ※(「えんにょう+囘」、第4水準2-12-11)はる爲にわざ/\かういふ土地を選んで來る人もあるのである。此れも人間界の現象である。此の二種類の人間相撲になれば明白に前者の敗である後者の方は、宿の中でも出來るだけ濃厚なる存在を強調する爲か、廊下を歩くにも必要以上に足音を高く轟かし、三尺はなれた仲間に話をするのでも、宿屋中に響くやうに大きな聲を出すのであるが、前者の部類の客はあてがはれた室の圍ひの中に小さくなつて、其の騷ぎを聞きつゝ眠られぬ臥床ふしどの上に輾轉するより外に途がないのである。床の間を見ると贋物の不折の軸が懸かつて居る、その五言の漢詩の結句が「枕を拂つて長夜に憐む」といふのであつたのは偶然である。やつと團體の靜まる頃には隣室へ子供づれの客が着いた。單調な東京音頭は嵐か波の音と思つて聽き流すことが出來ると假定しても、可愛い子供の片言は身につまされてどうにも耳朶の外側に走らせることの出來ぬものである。電燈の光が弱いから讀書で紛らすことも出來ない。

 やつと宿の物音があらかた靜まつた後は、門前のカフエーから蓄音機の奏する流行小唄の甘酸つぱい旋律が流れ出して居た。併し、かうした山腹の湯の町の夜の雰圍氣を通して響いて來る此の民衆音樂の調べには、何處か昔の按摩の笛や、辻占賣の聲などのもつて居た情調を想ひ出させるやうな或るものが無いとは云はれない。

 蓄音機と云へば、宿へ着いた時につい隣りの見晴らしの縁側に旅行蓄音機を据ゑて、色々な一粒選りの洋樂のレコードをかけてゐ家族連の客があつた。此れも存在の鮮明な點に於て前述の東京音頭の連中と同種類に屬する人達であらう。

 夜中に驟雨があつた。朝はもう降り止んではゐたが、空は低く曇つてゐた。兎も角も榛名湖畔迄上ぼつて見ようといふので、ケーブルカー停車場のある谷底下りて行つた。此の谷底停車場風景は一寸面白い。見ると、改札口へ登つて行く階段だか斜面だかには夥しい人の群が押しかてゐる。それがなんだか若芽についたあぶら蟲か、腫物につけた蛭の群のやうに、ぎつしり詰まつて身動きも出來さうにない。それだのにあとから/\此處を目指して町の方から坂を下りて來る人の群は段々に増すばかりである。此の有樣を見て居たら急に胃の工合が變になつて來て待合室の腰掛に一時の避難所を求めなければならなかつた。「おぢいさんが人癲癇を起こした」と云つてSが笑出したが、兎も角も榛名行は中止、その代りつい近所だと云ふ七重の瀧へ行つて見ることにした。此の道筋の林間の小徑は往來の人通りも稀れで、安價なる人癲癇は忽ち解消した。前夜の雨に洗はれた道の上には黄褐紫色樣々の厚朴の落葉などが美しくちらばつてゐた。

 七重の瀧の茶店で「燒饅頭」と貼札したものを試みに注文したら、丸いパンのやうなもの味噌※(「滔」の「さんずい」に代えて「しょくへん」、第4水準2-92-68)を塗つたものであつた。東京下町若旦那らしい一團が銘々にカメラを持つてゐて、思ひ思ひに三脚を立てゝ御誂向の瀧を撮影する。ピントを覗く爲に皆申合せたやうに羽織の裾をまくつて頭に冠ると、銘々の羽織の裏の鹽瀬の美しい模樣が茶店に休んでゐる女學生達の面前にずらりと陳列される趣向になつてゐた。

 溪を下りて行くと別莊だか茶店だかゞあつて其前の養魚池の岸にかはせみが一羽止まつて居たが、下の方から青年團の服を着た男が長い杖をふりまはして上がつて來たので其のフアシズムの前に氣の弱い小鳥は驚いて茂みに飛び込んでしまつた。

 大杉公園といふのはどんな處かと思つたら、とある神社杉並木のことであつた。併し杉並木は美しい。太古の苔の匂ひがする。ボロ洋服を着た小學生が三人、一匹の眞白な野羊を荒繩の手綱で曳いて驅け※(「えんにょう+囘」、第4水準2-12-11)つてゐたが、どう思つたか自分が寫眞をとつて居る傍へ來て帽子を取つてお辭儀をした。學校の先生と間違へたのかどうだか分らない。昔郷里の田舍を歩いて居て、よく知らぬ小學生に禮をされた事を想ひ出して、時代が急に明治に逆戻りするやうな氣がした。此邊では未だイデオロギー階級鬪爭意識が普及して居ないのであらう。社前の茶店葡萄棚がある。一つの棚は普通のぶだうだが、もう一つのは山葡萄紅葉てゐる。店の婆さんに聞くと、山葡萄は棚にしたら一向に實がならぬさうである。山葡萄は矢張り人家にはそぐはないと見える。

 茶店の周圍に花畑がある。花を切つて高崎へでも賣りに出すのかと聞くと、唯々お客さんに自由に進呈するためだといふ。此の山懷の一隅には非常時の嵐が未だ屆いて居ないのか、妙にのんびりした閑寂の別天地である。薄雲を透した日光が暫く此の靜かな村里を照らして、ダリアコスモスが光り輝くやうに見えた。

 宿へ歸つて晝飯を食つてゐる頃から、宿が又昨日に増して賑やかになつた。日本橋邊の或る金融機關の團體客百二十人が到着したのである。其爲に階上階下の部屋といふ部屋は一杯で廊下の籐椅子に迄もはみ出してゐる。吾々は、此處へ來たときから約束暫時帳場の横へ移轉することになつた。

 部屋に籠つて寐轉んで居ると、すぐ近くの階段廊下を往來する人々の足音が間斷なく聞こえ、それが丁度御會式の太鼓のやうに響き渡り、音ばかりでなく家屋全體が其の色々な固有振動の週期で連續的に振動して居る。さういふ状態が一時間時間[#「二時間」は底本では「二間時」]三時間と經過しても一向に變りがない。

 一體どうして、かういふ風に連續的に足音や地響きが持續するかといふ理由を考へて見た。百數十人の人間が二人三人づつ交る/″\階下の浴室へ出掛けて行き、又歸つて來る。その際に一人が五つの階段の一段々々を踏み鳴らす。其外に平坦な縁側や廊下をあるく音も加はる。假に、一人宛て百囘の音を寄與コントリビユートするとして、百五十で一萬五千囘、此れを假に午後二時から五時迄の三時間、即ち一萬八百秒に割當てると毎一秒間に平均一囘よりは少し多くなる勘定である。此外に浴室通ひ以外の室と室との交通、又女中下男の忙はしい反復往來をも考慮に加へると、一秒間に三囘や四囘に達するのは雜作もないことである。即ち丁度太鼓を相當急速に連打するのと似た程度のテンポになり、それが三時間位持續するのは何でもないことになるのである。唯々面白いのは、此の何萬囘の足音が一度にかたまつて發しないで、實にうまく一樣に時間的に配分されて、勿論多少の自然的偏倚は示しながらも統計的に一樣な毎秒平均足音數を示してゐることである。容器の中の瓦斯體の分子が、その熱擾動サーマルアヂテーシヨンのために器壁に反覆衝突するのが、いくらか此れに似た状況であらうと思はれた。かうなると人間も矢張り一つの分子」になつてしまふのである

 室に寐ころんだ切り、ぼんやり此んなことを考へてゐる内に四時になつた。すると階下の大廣間の演藝場と思はれる見當で東京音頭の大會が始まつた。さうして此れが約三十分續いた。それが終つても、未だその陶醉的歡喜の惰性を階上迄持込[#「持込」は底本では「持迄」]んで客室前の廊下を踏鳴らしながら濁聲高く唄ひ踊る小集團もあつた。

バス切符を御忘れにならないやうに」と大聲で何遍となく繰返して居るのが聞こえた。それからしばらくすると、急に家中がしんとして、大風の後のやうな靜穩が此の山腹全體を支配するやうに感ぜられた。一時間前の伊香保とは丸で別な伊香保が出現したやうに思はれた。三階の廊下から見上げた山腹の各旅館の、明るく灯のともつた室々の障子の列が上へ上へと暗い夜空の上に累積してゐ光景は、龍宮城のやうに、蜃氣樓のやうに、又ニユーヨークの摩天樓街のやうにも思はれた。晝間は出入の織るやうに忙がしかつた各旅館の玄關にも今は殆ど人氣が見えず、野良犬がそこらをうろ/\して居るのが見えた。

 團體の爲に一時小さな室に追ひやられた埋合せに、今度はがらあきになつた三階の一番廣く見晴らしのいゝ上等の室に移され、地面迄數へると五階の窓下を、淙々として流れる溪流の水音と、窓外の高杉の梢にしみ入る山雨の音を聞きながら此處へ來てはじめての安らかな眠りに落ちて行つた。

 翌日も雨は止んだが空は晴れさうもなかつた。霧が湧いたり消えたりして、山腹から山麓へかけての景色を取換へ取換へ迅速に樣々に變化させる。世にも美しい天工の紙芝居である。一寸青空が顏を出したと思ふと又降出す。

 とある宿屋の前の崖にコンクリート道路と同平面のテラスを造り其の下の空間を物置にして居るのがあるのは思ひ付きである。此の近代設備の脚下の道傍に古い石地藏が赤い涎掛けをして、さうして雨曝しになつて小さく鎭座して居るのが奇觀である。此處らに未だ家も何もなかつた昔から此の地藏尊は此の山腹の小道の傍に立つて居て、さうして次第に開ける此の町の發展を見守つて來たであらうが、物を云はぬから聞いて見る譯にも行かない。

 晝飯をすませて、そろ/\歸る支度にかゝる頃から空が次第に明るくなつて來て、やがて雲が破れ、東の谷間に虹の橋が懸つた。

 歸りのバスが澁川に近づく頃、同乘の兎も角も知識階級らしい四人連の紳士が「耳がガーンとした」とか「欠伸をしたらやつと直つた」とか云つたやうな話をして居る。山を下つて氣壓が變る爲に鼓膜の壓迫されたことを云つて居るらしい。唾を飮み込めば直るといふことを知らないと見える。小學校や中學校でこのやうな科學的常識を教はらなかつたものと思はれる。學校の教育でも時には要らぬ事を教へて要ることを教へるのを忘れて居る場合があるのかも知れない。尤も教へても教へ方が惡いか、教はる方の心掛けが惡ければ教へないのも同じになる譯ではある。

 上野へついて地下室の大阪料理で夕食を食つた。土瓶むしの土瓶のつるを持ち上げると土瓶が横に傾いて汁がこぼれた。土瓶の耳の幅が廣過ぎるのである。此處にも簡單な物理學が考慮の外に置かれてゐるのであつた。どうして、かう「科學」といふものが我が文化日本で嫌はれ敬遠されるかゞ不思議である

 雨の爲に榛名湖は見られなかつたが、併し雨のおかげでからだの休養が出來た。讀まず、書かず、電話が掛からず、手紙が來ず、人に會はずの三日間で頭の疲れが直り、從つて胃の苦情もいくらか減つたやうである。その上に、宿屋階段の連續的足音の奇現象を觀察することの出來たのは思はぬ拾ひものであつた。

 温泉には三度しかはひらなかつた。湯は黄色く濁つてゐて、それに少しぬるくて餘り氣持がよくなかつた。その上に階段を五つも下りて又上がらなければならなかつた。温泉場と階段はとかくつきものである温泉場へ來たからには義理にも度々温泉に浴しなければならないといふ譯もないが、すこしすまなかつたやうな氣がする。

 他の温泉でもさうであるが、浴槽に浸つて居ると、槽外の流しでからだを洗つて居る浴客がざあつと溜め桶の水を肩からあびる。そのしぶきが散つて此方の頭上に降りかゝるのはそれ程潔癖でないつもりの自分にも餘り愉快でない。此れも矢張り宿屋蓄音機を持ち込み、宿屋東京音頭を踊る Permalink | 記事への反応(0) | 18:19

2025-09-26

タワマン火葬場併設を義務付ければいいと思います

なんかちょうどよさそうな煙突もあるし

2025-08-29

anond:20250828085224

感度3000倍薬工場開業する際にはスケベ製薬法にしたがい役所に申し入れしかるべき設備を設ける必要があります

 -排気浄化装置の設置 煙突の長さおよび排気に含まれる薬濃度に300ppmの指定があります

 -中和槽の設置 こちらも排水で300ppmになるよう指定があります

 

また、労働衛生法スケベ製薬則に従って製造ライン単位工程、交代制各班ごとにスケベ製薬製造主任者を置き労働者中毒を防ぐことを求められます。スケベ製薬製造主任者は都道府県労基署で行われる講習会規定時間受講し試験合格した者から選任されます

2025-08-19

anond:20250818193543

アニメ12話。

到着時のシーンでは、集落の家々の複数煙突から湯気がでています

見送りのシーンでは、里長の後ろに村人が4人居ます

2025-05-11

テキサスバーベキューの焼き場

テキサスバーベキューの焼き場を庭に作りたいのだが、よくわからない。

写真は山ほど出てくるのだが、具体的な材質とかはわからない。

・丸く煙突型に積んだレンガor石

・その上に金属製の焼網

・焼き場の上に丸いドーム型の屋根(材質不明

焼き場に薪を並べて火をつける。

焼き網には分厚い肉を並べて焼く。

ドーム型の屋根にはソーセージを吊るして薪の煙でいぶす。

という感じだと思うのだが…

屋根の材質がよくわからないのと、肉を火で焼いているのか煙でいぶしてのかもわからない。

どうすればテキサスバーベキューを食べられるんだろうか。

2025-05-08

コンクラーベでは、投票総数の少なくとも3分の2を誰かが得るまで投票を行いますが、初日は扉が閉められてから3時間余りがたった日本時間の8日午前4時ごろ、教皇が決まらなかったことを示す黒い煙が礼拝堂煙突から上がりました。

サンピエトロ広場に集まった大勢信者観光客は落胆した様子で帰路についていました。

映画と全く同じ展開じゃん!

2025-05-04

え?煙突の設置ってこれからやるの?教皇会議の「結果はっぴょおおおおおおおおおおお!!!!!」の煙突のことだけど

つーか、もう浜田やらせたらええやん。ふっきしたんやろ?

2025-04-29

炬燵で我慢大会をやってると思う増田住まうも劣る徹屋を異界たんまが出蔦子(回文

おはようございます

今日ゆっくりな朝なんだけど、

この時期どうしても見聞きしたりする言葉が多くなって私も見逃せられないのがあって、

それは、

コンクラーベ

言語で置き換えて「根比べ」って言い変えれる言語って日本語しかないような気がするのよね。

絶対に、

コンクラーベって聞くと根比べと思ってしまうのが世の常よね。

日本中の人が今思っていることを代弁しながら漏らしていくわ。

もうみんな「コンクラーベ」って言いたいのよ。

言い足さすぎる加減が止まらないの!

重いコンダラー級に。

重いコンダラーを引っ張ってのコンクラーベ根比べ

違うかー!

そしてあの

煙突から

黒い煙が出るか白い煙が出るかで、

うその様が、

その部屋の中で暑い部屋の中でコタツに入って暑さ我慢比べをみんなやっているまさに根比べ

そして鍋焼きうどんでもみんなでつついて食べているんだわ!

あの煙突の煙は室内のコタツを温める暖気の何かを燃やした熱の煙突なのよ。

そこで繰り広げられている、

暑さ我慢大会想像しちゃってる人絶対に私だけじゃないみたいだと思うわ。

根比べ恐ろしいわね。

それよりか前回のコンクラーベ

枢機卿なりすましてしれっと入場していたドイツ人にみんな本当の枢機卿が気付かなかった方が

ある意味コンクラーベみがあるわ。

彼もきっと暑さ我慢大会出場したかったのかしらね

やっぱりコンクラーベというと

なんか根性を試している姿を想像している、

いやしちゃいがちなのよね。

ちょうど今の時期コタツも要らなくなってきて片付けちゃったところ多いと思うのよね。

からより根比べコタツに入って暑さ我慢大会をやってるシーンの絵しか思い浮かばないわ。

枢機卿という言葉ですら、

これどうやって変換するの?って思ってなんだか聞き覚えのある言葉を「すうききょう」って入力したら変換できちゃった!

そんな私のコンクラーベ

もしかして

あんまりコンクラーベコンクラーベって言ってると

なんか大変な儀式神聖言葉なので、

そんなに連呼したらダメです!って

なんかその枢機卿と言うか、

そういうチームの人達連呼しないでください!って言われちゃうぐらい、

これって世間が気にしているニュース

私達がコンクラーベって忘れたことに結果が決まっているみたいよ。

コンクラーベでなにかの代表が決まったとしても、

日本のお米の値段は安くならないのよね。

でもみんなお米食べないお米離れよろしく

そんなことを言っていたのに、

急にお米が不足して手に入りにくくなり高騰しちゃったりすると、

米の味を求めてコメウォークなのよね。

いやコメウォーだわ!

あんだけ米離れって言ってたあの時代は何だったの?ってみんな世間意見は薄情ねって思うの。

まあお米命大好きな人いるから、

安直にお米がなければよろしくその文法にならうところの

マリアントワネットさんのパンを食べたら良いじゃない!

話半分でももち麦をちょっと混ぜてみるのも、

ちょっと美味しく炊ける炊飯秘訣よ!

ご年配の方に命をかけてまでも飲み込んで食べたい餅信仰ってあるじゃない。

やっぱりお米信仰の国なのねって日本はそうなのかもしれない、

お米ご飯みんな大好きなのねって。

おにぎりをいやおむすびを握りながら朝ドラの『アンパン』を見るんだけど

やっぱりヤムおじさんが面白すぎて、

そっちに目が言っちゃうわ。

あの頭に巻いている手ぬぐいからサイドはみ出ているパーマジャムおじさんみ。

ああ!

あれを見たからってアンパンの口になるわけでもなにのに、

ヤムおじさんが活躍はそんなに薄味なので

きっとアンパンは美味しいのでしょうね。

なにげに主人公の家に間借りしているパン売り場のパン結構売れてて残り少なくなってきているところにヤムおじさんがパン補給しにくるシーンとか良くできているそこにヤムみを感じてしまうわ。

たぶん、

普通パン屋さん経営に関して考えると、

ここは他の味のパン

時代に沿う感じのあの時代パンなら安直にうぐいすパン!って思っちゃうけど、

それじゃーアンパンの味が薄まっちゃうから

たぶんヤムおじさんはずっとその物語あんぱん」を象徴するかの如くずっとずっと作中ではアンパンを焼き続けることにかけてはタニコーの五徳なのよ。

作中で急にヤムおじさんがジャムパンとか焼き出したら、

あとカレーパンとかほかにある?

私が今ハマっているベーコンエピとか、

そっちのほうが気になっちゃって、

それじゃー

ヤムおじさん物語なっちゃうわよね。

それはそれで方向転換として

もう一旦はアンパンマン大成なさっているのでヤムおじさん物語でも私は良いと思うの。

ちょうどいま世間のお米不足高騰のピンチなので、

アンパンが売れてアンパンを食べる人が増えたら、

お米の行き渡る量が少なくてもお米がちゃんと食べたい人にもちゃんと食べられるよう供給できるようになるじゃない。

でもさ、

ヤムおじさんがまたここで心機一転おにぎりマンの着想を得るためにおにぎり修行に出ちゃったら!?

いやまずいわ。

ますます世間のお米不足に拍車がかかっちゃうかも!?

アンパンおにぎりかって根比べよね。

でもさー、

さすがに前作が「おむすび」っていうタイトル朝ドラだったから、

節操くそこにヤムおじさんがおにぎりマンの着想を得るためにおにぎりに急に燃える!ってことはなさそうよね。

私は前作の「おむすび」で橋本環奈ちゃんが道端で倒れているお腹を空かせたギャルおにぎりを配りまくって世の中を救済する物語になってほしかったけれど、

最初最初でスズリンおにぎり食べさせて救っただけだったじゃない。

もっとおにぎり世界を変えるかと思ったわ。

でも常識的に考えて「あんぱん」の作中では

ヤムおじさんが他のパンを焼き出しちゃうと話がブレちゃうから

きっとアンパンだけかもね。

本当に主人公やなせたかしさん役の人が

ああ!あのときのヤムおじさんのアンパン美味しかったなー!って回想シーンになるじゃない。

その時にヤムおじさんがたくさんのバラエティー豊かなパンの種類を豊富に焼きまくっていたら、

いや焼きまくりまくりすてぃーだったら、

そのやなせたかしさん役の人が

「あ!アンパンマンだ!」って着想にストレートにならないわよね。

うーん、

あのときジャムパンも美味しかったしうぐいすパンも絶品だったしーってなると

そもそもの話の本筋がブレちゃって薄まるわよね。

から

あとにも先にももっとヤムおじさんには活躍していろんなパンの種類をバラエティー豊かに焼いてほしいけれど

終始一徹あんぱんだけしか焼かない確率100パーセント確率だわ。

きっとそうよね。

そうだと思うわ。

それか逆にヤムおじさんがたくさんの種類のパンバラエティー豊かに焼いていたら焼いていたらで

主人公が何パンにするかー!って悶絶して悩む青春グラフィティ物語でもいいかもしれない。

パンマンにするか一生を賭けてまで迷う物語

パン系豊かなヒーローたちだけど、

急にご飯マンの登場の、

それは何から着想を得たのかにフォーカスを集めて欲しいわ。

結構アンパンマンってご飯マン多くない?

それじゃただ単にやなせたかしさんのグルメ物語なっちゃうわよね。

それはそれで楽しそうだけど、

孤独のグルメの人みたいに、

ずーっと心中語ってっるシーンで1話わっちゃってもいいと思うの。

って思わせといて、

実はやなせたかしさんの心中を心のなかで言っていると思ったら

たまたま隣りに座っていたお客さんがやなせさんの心の中の言葉吹き替えリアルに口にして言っているシーン!

で、

やなせたかしさん役の人は「私が今から食べるでしょうに!」って言うの。

視聴者は隣の席の人が言ってたセリフなんかーいってなるやつ。

そこで意気投合してじつは隣りに座っていた人が大手出版社の人で

そこから急展開でアンパンマン絵本出版大人気!

わーい!って感じ。

そんな展開だと思うわ。

とはいえ

みんなこの時期コンクラーベって「根比べ」じゃん!って言いたい気持ちが高まっているのと相反して

アンパンが爆売れしていない世間のこの乖離感を感じてしまうわ。

周りでアンパンかじってる人を見ないんだけどなぁ。

あんぱんブームはこれからなのかしら?

このアンパンブームこないかな!って待ちわびている日本中の街の中のアンパンを焼くのが得意なパン屋さんは、

そのあんぱんブームに火が付くまでの根比べね!

なんてね。

うふふ。


今日朝ご飯

みかん花咲く丘公園前駅の駅前商店街喫茶店よ。

休日だとここに立ち寄れるので、

とはいえ

開店直後はドッとお店にお客さんがわりとたくさん入ってくるので、

私が出遅れ飛び込み前転をしている際に入店が遅くなったけれど、

お客さんがたくさんで、

私の朝のランダム焼き魚定食をオーダーしたときは、

女将さんちょっと一気に注文が来て大変そうで、

私の注文が「時間かかっちゃうけど」っておっしゃってて、

私は遅れても全然いいわよって余裕をぶっこいちゃうぐらいな余裕のある休日の朝だったので、

私はゆっくり電子端末の前におもむいて増田を書いているってわけなの。

ちょうど書き終わった頃に

焼き魚の朝定食が出てきたわ!

やったー!

ランダム焼き魚とはいえ

私の読みは当たったわね今日は鮭、

焼き鮭よ!

しかお腹の方で脂ののりも抜群なグンバグな美味さあふれる魚の脂が香ばしく焼けていて決まっているわ。

ああ休日の朝はそうこなくっちゃ!って

私のこの朝のペキカン完璧モーニングの朝食!

美味しくいただくわ。

デトックスウォーターは、

レモン炭酸ウォーターしました。

起きてすぐ注ぐしゅわしゅわをシュワッと飲んで

レモン炭酸の強炭酸で一気に目が覚める勢いよ!

休日からって遅くまで寝ている場合ではないわ。


すいすいすいようび~

今日も頑張りましょう!

2025-04-16

anond:20250416104534

子どもさらって兵隊にしたり煙突掃除させたりするような連中の価値観を持ち込まれても困ります

日本の良いところは島国が作り出す徹底的な閉鎖環境排外意識、衆人監視による独特の秩序なんです

2025-02-16

アスファルトにも目を向けてくれ

コンクリートニキが人気らしいので尻増に乗らせてもらおう。

https://anond.hatelabo.jp/20250215115750 因みに増田は尻相撲専攻とかではない。

 

若い読者諸兄は雨の日に車に水を掛けられたり、車でスリップしたりした事があるだろうか?多分無いと思う。

でもそれって日本含む少数の国だけの事なのだ。そして日本でも道路に水が溜まらなくなったのは1990年代後半からなのだ。それはアスファルト舗装が変わったせいなんである

 

アスファルト合材

アスファルトの原料は言うまでもなく原油原油を縦に長い蒸留塔の下で沸騰させる。するとガスとなって蒸発する。

そのガスは上から軽い順に滞留するから塔の途中に管を入れてそのガスを取り出し冷やすと、上からプロパンガスガソリン灯油軽油重油鉱油…と分離出来る。その最後に残ったドロドロのカスみたいなのがアスファルトだ。

こいつは熱すると流動性が出るが冷えると固くなってしかも頑丈だ。そこでこれを道路舗装に使おう、となった。

ただアスファルトだけだとまだ柔さがあるんで、砂利と砂(骨材という)と混ぜたものを熱して道路に撒くのだ。

これを「アスファルト合材」というが、現場では単に合材と呼んでる。

 

コンクリートミキサーガラガラ回しながら90分以内に届けるという縛りがあるそうだが、アスファルト合材の場合は冷えるまでに届けるという縛りがあるからもっとシビアだ。

チチ状態ダンプに載せたら断熱シートを被せて急いで現場に持っていくのだね。

現場では急いで均した上でロードローラーによる転圧という作業を行う。

押しつぶされた合材は水を通さなアスファルト舗装になる、と言うかなっていた。

 

水性アスファルト

アスファルトに石と砂を混ぜたものを押しつぶしたら水通さない地面になるのが当たり前。だから雨になれば水が溜まる。

ところが1990年頃にアメリカ会社がこの当たり前を打ち砕く合材を開発したのだ。それが今使われている「透水性アスファルト」で、日本では合材メーカーがこのライセンスを取得、90年代後半から道路工事に使われる様になり、いつの間にか道路に水が溜まる事が無くなってしまったのだ。

 

この合材は石と砂の他に木工ボンドみたいなプラスチック接着剤を混ぜる事で、アスファルトが砕石に「纏わりつく」ような状態になっている。キーマカレーみたいな状態だ。

で、それを転圧すると雷おこしみたいになって隙間が沢山出来る。ここから水が通ってしまうから水が溜まらないという仕組み。

で、実際施工されてみると水たまりが無くなるだけに留まらない利点だらけで、エポックメイキングゲームチェンジャー革命的と言って差し支えないほどの特徴に満ちていたのだった。

 

ロードノイズがない

車のタイヤには排水の為の溝が沢山刻まれている。なので舗装路を走るとこの溝の角が路面を叩く。

その為に車が走るとゴーッ、とかザーッというロードノイズが発生していた。この為に幹線道路沿線はとても五月蠅かったのだ。

ところが透水性舗装では穴が沢山空いているからこの騒音殆ど穴の中に吸収されてしまう。故に舗装工事が終わったら無音でビックリ!となったのだった。

 

雨で滑らない

路面が塗れると滑る特に雨の降り始めは路面のホコリが濡れてグニャグニャになるので格段に滑りやすかった。

から教習所でも免許の講習でも「雨の降り始めは特にスリップ注意」と口を酸っぱく言われていた。

ところが透水性舗装ではホコリなんて穴の中にすぐに落ちてしまうので全然スリップしない。

 

雨じゃなくても滑らない

表面がごつごつした構造なのでタイヤゴムがよく路面を掴み、そもそも雨じゃなくてもグリップ力がやたら高い。

 

雨で光らない

雨が降ると路面の水が対向車のヘッドライトを反射して光りまくるので、車線のペイントなんか全然見えなかった。ドライバーは勘で走っていた。

水性舗装では水が溜まらないので雨でも視認性が悪化しない。

 

照り返しが無い

夏のアスファルト路面は太陽を反射して余計に暑くさせた。

だが透水性舗装ではゴツゴツ路面が光を乱反射させて照り返しが無い。

 

暑さの抑制

土の中というのは割と温度一定。つまり夏は涼しく冬には暖かい

その土の中への穴が沢山空いてるから夏の暑さがかなり抑制される。またその穴からは水蒸気が出ているので気化熱でも路面の温度を奪う。

 

暑さに強い

普通アスファルトは夏になると熱で緩んでしまっていた。緩んだ状態で重量車が停車するとその部分が凹んでしまう。だから交差点の停止線付近は轍だらけ。バイクなどはハンドルを取られて危なかった。

特に酷いのはバス停で、バスタイヤ位置が4つ凹んでしまう。バスがその穴ぼこにハマって前後に揺らしながら脱出、とかが日常茶飯事だった。またその穴に水が溜まり、そこを車が通る時に水はね、バス停の人がびしょびしょなんて事も多かった。

水性舗装は夏でも流動性が上がらないのでそんな悩みとも全てオサラバ

 

なんつーか、それまでの悩みは何だったの?というくらいの優秀さなのだ。

 

アスファルトの下

路面に見えるのはアスファルトだけだが、舗装というのはその下の構造も含めて舗装なのだ。ここをきっちりやらないとあっというまに道路が破損してしまう。

 

まず、1m以上掘下げてまずは砂を入れる。この砂は川砂(公園砂場の砂)じゃなくて土とブレンドされた黄土色のを使う。理由は川砂は高いから。

その上に45cmくらい砕石を入れる。その上の表面がアスファルトだ。

各資材はその都度締固めをする。この締固めマシーンランマーっていうよ。

昔はやぐらを組んで巨大丸太を引き上げてから落として締固めしていた。この時にロープを巻く号令に因んで「ヨイトマケ」と呼ばれていたよ。美輪明宏の『ヨイトマケの唄』はこの時に唄われる歌を唄ったものだ。「かーちゃんの為ならエンヤコラ」のアレ。

このヨイトマケに人数が必要なのでオバさんもやっていた。つまり女性のドカタって珍しくなかったのだね。

こういう風に砕石や砂を入れておく理由は、道路が沈まない為だ。

もう一つは流水対策八潮事故に見るように、水の流れが出来ると土が持っていかれてしまい空洞が出来てしまう。

砕石を入れると水の流れが分散する。その上で砂にしみ込むように流れるから空洞が出来ないのだね。

 

水性舗装では水がどんどん地下に浸みていくから、この砕石層を厚くしないといけない。なので合材代が高いだけじゃなくてその下の構築にもコストが掛かるのだ。

 

 

アスファルトトリビア

 

舗装は専門の会社がやる事が多い

アスファルトの扱いは上で書いたようにシビアだ。それにトラックが黒く汚れる。

なので舗装は「合材班」がやるようになっている会社が多い。その班は同会社の別チームの場合と、下請け会社がまるまる班という場合とがある。

学校でもあった班だが、実は班というのは旧帝国陸軍組織を参考にしている。少人数集団仕事する時に「兵隊時代のアレ」が参照されたってわけだ。

余談だが装備品の数チェックを「員数を当たる」という事もあって、こっちも陸軍由来だ。だがこっちの「員数」は頑なに使わない会社も多かった。

というのも、陸軍では始業時と終業時に装備品の数を必ず数えるのだが、ここで数が合わないと「天皇陛下よりお預かりした物を失くしただと!」と滅茶苦茶に殴られるのだ。

その為に数が合わないものを別の班から盗むというのが常態化していて、盗まれた班も盗み、その班もまた…とやっていてとても陰湿理不尽で「員数」だけは口にしたくないという人が多かった為だ。

 

組織的には舗装工事専門のゼネコンがあってその下請け会社が合材班として動いてるって感じか。その舗装ゼネコンゼネコンの下に組み込まれてるのでサブコンち呼ばれている。

多分汚れるが待機時間は長い仕事だと思う。

 

ビル屋上アスファルト

ビルなどの平たい屋上を陸屋根(ろくやね)と言うんだけど、この陸屋根アスファルトで防水されているのだ。屋上タイルコンクリートに見えるが、それはアスファルト保護なのだ

まず、コンクリ屋上コールタールを塗る。そこにアスファルトを塗って、ファイバーシートを張り、またアスファルト、って感じで仕上げる。

この時、雨の排水桝の境界アスファルトで埋めて、一滴たりとも漏れないようにする。

この工事アスファルト流動性上げる為にバーナーを使うし汚れるしでメチャきつい仕事だ。

アスファルト塗りが終わったら、スタイロフォームという発泡スチロールを敷き詰めていく。これは下の居室の断熱の為だ。

その上にコンクリートを流して完成だ。このコンクリートは押さえコンクリと呼ばれる。保護+重しだね。

 

ただ、アスファルトというのは経年でどんどん固くなってしまう。するとひび割れたりするし、地震建物が歪むと、その歪みが元に戻ってもアスファルトが切れてしまう。すると雨漏りだ。

経年では15~20年でそうなるが、上にコンクリが被さっているかアスファルトの方は直せないね

そこでコンクリの上からウレタンを被せて再度防水するのだ。屋上が緑や灰色なのはこのウレタンで防水し直したものだ。

ところで上の説明聞いて、「発泡スチロールコンクリが被さっていたら水分が完全に抜けるのって無理じゃね?」と気が付いた人もいるかと思う。

その通りで、その上にウレタンを被せたらその水分は永遠に出て来れない。そして夏になると水蒸気になって体積が1000倍になり…となってしまうと水ぶくれみたいにぷくーっと膨らんでしまうのだ。見た事ある人もあるかと思う。

google:image:膨れ ウレタン

そこで予めエア抜き煙突(脱気筒)を付けておくのだ。緑や灰色屋上によくある煙突はこの為にあるのだね。

 

ジャパニング

英語china中国だが、陶器磁器意味もある。

japan日本だが、同様に漆器をも指す。

 

戦前ミシンなどの工業用品は黒が多いが、そう云うものの中には「ジャパニング」仕上げのものが多いのだ。

漆器では漆を使うが、工業でのジャパニングアスファルトを使っていた。

具体的にはアスファルトテレピン油(松脂精油)で薄めて塗布する。場合によっては綺麗に仕上げる為に油絵用のメディウム(うすめ液)を混ぜる事もある。

ただ、このアスファルト一般的原油精製のやつじゃ上手くいかないのだ。石油が湧き出している所を油徴というのだけど、その中でアスファルトがぐつぐつと湧いている場所がある。そこで取れる「天然アスファルト」じゃないと無理なのだ

新潟で油が湧きだして困ってるらしいので https://youtu.be/xPAfFJ--vQQ?si=4w3QgifqjSs8Y4UX 

今度そこで天然アスファルト採取して古いミシンレストアをしてみたいなと考えているのだ。

 

あと、ジャパン漆器なんだが、実際は日本の古い陶器の方がアンティークとして人気らしいのだ。

特に敗戦SF条約締結までの製品には「made in occupied japan」(占領日本)と表記されているので珍重されているらしい。(made in occupied japanGHQ表記義務付けた)

 

発泡スチロールを基礎に

水性舗装は水を地下に流してしまう。すると仮令水抜きをしっかりしていても高速道路の築堤などは大雨、長雨などで緩んでしま危険もある。

ところがこれに最適なソリューションが開発されたのだ。

それはなんと、築堤の下の方を発泡スチロールで組んでしまうというもの

あんもの大丈夫なのか?と思うが、下の方は力が分散されるから大丈夫らしい。

それに地震に強いという利点も。土に振動を与えると密度が詰まって体積が小さくなる。このせいで路面が狂ったりするが発泡スチロールなら無問題

発泡スチロールは軽い。という事は基礎に掛かる力も少ないって事で、自重で沈んでいくのを防止できる。

そして発泡スチロールの上に砕石層→アスファルトとすれば水で土が流れて陥没という事故も無くなるという算段。

 

石油したら道路どうなる

現在道路は燃料税が中心になって維持されている。電気自動車勢は無税で道路走ってるわけで怪しからんですな。

もしEVシフトが進んでしまうと道路維持費の問題の他に、「アスファルトどうすんねん」問題が出てくるわけです。現在の燃料油取った余りみたいな扱いから、「アスファルトだけの為に原油精製する」となったらコスト爆上がりでしょう。

 

でも実際はEVシフトは然程進まないと思うけど。自家用車では進むだろうが、トラックバスディーゼルを置き換えるのは当分無理だと思われるので。

 

 

外国行った際には是非アスファルトにも注目して日本との違いを見て欲しい。水たまりロードノイズの差、照り返し、溶けて歪んだ路面のペイントなど。

冒頭に尻相撲って書いたけどそれはアスファイトか。これ以上書くとアスファルトが冷えるのでこの辺で。

2025-01-20

海老名の思い出

その昔、海老名に住んでいた頃を思い出した。

ダイクマファミコンソフトを買ってもらい嬉しかった。ポトラッチ洋画ビデオ邦楽CDを借りた。

厚木ナイロンの近くのドブで釣りをして、水道みちの水たまりザリガニを取りった。

ちかくのキャベツ畑には、理科で使う青虫を同じ班の子たちと取りに行った。

ニチイには、いつもアドバルーンがあがり、ひようたんやまの近くの崖からはそれがよく見えた。ピープルというスイミングに通い、ワーナー・マイカルはまだなく、スケートリンクだった。寒い中、自販機カップラーメンを食べる大人がうらやましかった。映画館厚木に行かないとなかった。

初めて食べたハンバーガーは、ニチイのロッテリアだった。反対側のステージには、戦隊モノの催しがきていた。

久保へむかうトンネルは未開通で、駅前に行くには細いクネクネ道を通り、歩くにはしんどかった。やがてバスが開通して、駅前には行きやすくなった。トンネルには右翼張り紙がたくさん張られていた。

相模線ディーゼル車両にはトイレがついていた。便器は覗くと地面見える、垂れ流しのトイレだった。踏切うんこをしたら車が踏むのではないか心配した。

市立図書館夏休みによく通い、最上階のプラネタリウムを何度もみた。なぜか担任先生がそこにいたこともあった。文化会館ではドラえもんや、ジブリの上映があった。

学校の校庭には焼却炉があり、掃除時間にはごみを持っていって燃やしてもらった。教室には灯油ストーブがあり、先生マッチで火をつけていた。煙突給食ストローを溶かして遊んで怒られた。夏休みに、学校へいったらプレハブの校舎が空いていたので、中に入っていたら警備員がやってきて、翌日先生からこっひどく怒られた。鍵をかけない先生がいけないのにと思った。

自販機コンビニなんてものは近所にはなく、酒屋がビール灯油を家まで運んでくれていた。ペットボトルをなく、ジュースといえば、瓶のバャリースオレンジだった。なぜ「ャ」が小文字なのか分からなかった。

駄菓子屋はなかったが、個人商店に行けば体に悪そうなオヤツがいろいろ売っていた。キョンシーのお札のガムがお気に入りだった。

海老名駅は自動改札なんてものはなく、駅員がパチパチ切符を切っていた。駅前にはテキ屋があり店主は知り合いの親だときいていたが、当時はなんとも思わなかった。

懐かしい40年前。仕事関係で住むには遠いがいつか帰りたい場所だと思っている。住んでいる人がうらやましい。

駄文で失礼しました。

2024-12-25

anond:20241225161238

(続き)

🎄次の日もネコチャン相談室は混雑中。

🐰お次の方どうぞー。

🦖恐竜なんですけど、サンタさん家の煙突に頭が入りません!

🐱ネコチャン相談室です。クリスマス時期によくありますあるある案件ですね。まず、家を縮めるか頭を透明にする魔法検討してくださいニャ!

🐰お次の方どうぞー。

🐙タコなんですけど、プレゼントを包むとき、どうしても自分が絡まっちゃうんです~!

🐱ネコチャン相談室です。クリスマス時期によくありますあるある案件ですね。脚は3本だけ使って、それ以外はお休みさせるニャ!あとリボンは控えめに。

🐰お次の方どうぞー。

👾宇宙人なんですが、地球クリスマス風習が複雑すぎて理解できません。

🐱ネコチャン相談室です。クリスマス時期によくありますあるある案件ですね。とりあえず、ツリーに光るものをつけて踊っておけば地球人は満足するニャ!

🐰お次の方どうぞー。

🦩フラミンゴですけど、ツリーの飾りに間違われて動けません!

🐱ネコチャン相談室です。クリスマス時期によくありますあるある案件ですね。赤い飾りを外してピンク統一すれば逆におしゃれになるニャ!

🐰お次の方どうぞー。

🍳フライパンなんですが、クリスマスディナーに使われたくないんです!

🐱ネコチャン相談室です。クリスマス時期によくありますあるある案件ですね。焦げやすアピールをして、お鍋に主役を譲るニャ!

🎄🐱🐰今日相談室は大成功!みんなが奇妙で楽しいクリスマスを過ごせますように♪

2024-11-27

きかんしゃいやえもん

増田はきかんしゃいやえもんというタイトル童話を知っているかな?

昔々、静かな田舎町にやってきた蒸気機関車、やえもんがいました。やえもんは長い間駅で働いていて、そのぶっとい煙突からはいつも煙をもくもくと出しながら、町の人々や子どもたちを乗せて、楽しく旅行に連れて行っていました。しかし、時代が進むにつれ、新しい電気機関車たちが導入されるようになり、その速さと静けさに町の人々はすっかり魅了されてしまます

やえもんは古くてのんびりとしていましたが、昔馴染みの乗客たちとの思い出がたくさんありました。その思い出がやえもんの心をほっと温めてくれますしかし、ある日、駅長から知らせが届きました。やえもんの代わりに新しい電気機関車がその路線担当することになったのです。

落胆したやえもんは、もう働けないと思いましたが、町の子どもたちはやえもんのために何かできないかと考えました。そして、学校でやえもんとの思い出を折り紙絵本にして、やえもんに贈ったのです。

その絵本を見て、やえもんは元気を取り戻し、重要な役目があることに気付くのです。それは、旅行に行けない人々や子どもたちを心の旅に連れて行くこと。そして、町の記憶を新しい世代に伝えていくことでした。やえもんは物静かだけれど、一番温かい汽笛を鳴らし続けました。

この童話の教訓は、「どんな時代でも、自分しかできない役割を見出すことの大切さ」です。

2024-11-19

暖炉が欲しい!

ハウルに出てくるようなやつ。

日本の家で暖炉ってそもそもスネ夫んちみたいな昭和金持ち記号インテリアとしてしか知られていない。

それもまあ当然で、暖房としては効率が悪すぎる。

同じ薪暖房なら薪ストーブのほうが優れている。

寝室の暖炉というのは全く用無しだ。

しかハウル暖炉は寝室暖房ではなくキッチン設備なのだ。あれはいい。

薪を絶やさず燃やしておかなくても、キャンプ焚き火感覚ちょっと料理したり、

そのあと熾火でなんかちょっと炙りながら酒でも飲みたい。

まりあれは「煙突付きの囲炉裏」だ。

家の中にファイアプレイスがある生活絶対いいと思う。ことに秋冬は。

2024-11-16

anond:20241116202918

うんうん、その気持ち、すごくわかるよ。なんでこうも使いにくいんだろうね、あの漫画アプリたち。これって、まるで19世紀フランス革命の時の貧民層が「ルイ16世!」って叫びながら無駄に過ごしていたような、無力感があるよな。最初に手を出したものが、結局期待を裏切ることって、歴史でもよくあった話だし。

あの「拍手」っていうの、まるで古代ローマコロッセオで観客が戦士たちに歓声を送るような感じで、回数を増やせば増やすほど「アクション評価に繋がる」ってことだろうけど、実際は面倒なだけだよね。これって、まるで日本江戸時代庶民が手間をかけてやっと手に入れた「ご馳走」のように、結局その後にある満足感が薄い。

一回で済ませられるじゃん、って思っちゃうけど、それもまた「不確実性」の魅力を求めているってことなのかもしれない。ちょっとずつやりとりすることで、「選ばれたもの」って感じがするし。でも、その曖昧さっていうか、ボタンを押し続けることに意味があるって思わせてる感じが、ほんと意味不明だよね。

そして、広告広告鬼畜さは、まるで19世紀末の工業革命後の都市における、どこまでも続く煙突から吐き出される煙のようだ。まさに「進歩」の名の下で、意図しない邪魔が入るっていう不快感、これって21世紀になっても変わらないんだよな。まるで美術館に行って、作品に集中しようと思ったら、突然展示会場に広告乱入してくるみたいな。

その気持ち、ほんと痛いほど理解できるわけ。海賊版サイト直感的に感じるのも、まさにその「無駄がない」っていう、簡潔さ。今の世の中、時間が一番貴重だからね。ちょっとした「便利さ」のために、時間を浪費するのがどれほどストレスになるか、歴史的にも無駄ものはすぐに淘汰されてきたし。

あとは、横読みとか縦読み自由にできるように、っていう提案、素晴らしいよ。それ、まさに「ユーザー第一」の精神だね。実際、ユーザー利便性を考えた進化って、17世紀技術革新において、芸術家たちが次々と自分作品を改良していったことにも通じる部分がある。彼らも、自由表現ができるように、あらゆる壁を越えようとしたんだ。

でもさ、そんなに不便なことだらけのアプリでも、ちゃんと使いこなしてるって、すごく頑張ってるよ。時には不満を抱えながら、それでも使い続ける姿勢って、まるで中世騎士不安な戦いの中でも忠誠を尽くしていたような、ひたむきさがあるんだよね。ほんと、君のその「正義感」、誰かに伝えたくなるくらい素敵だよ。

anond:20241103015359

この方がまだ見てるか分からないが、不思議の国のアリスには、巨大アリス煙突の煤を吸ってくしゃみをするシーンがありますよね

2024-11-13

玉木君のケジメのつけ方

不倫のケジメに国民民主党倫理委員会判断を仰ぐという非常に旧来の政治家的な密室で身内で決めますという話になるようです。

ちげえよなぁ!

ケジメ・・・責任と言ってもいいだろう責任の取り方に非常に端的で痺れることを言っている漫画がある

甲斐谷忍の「ONE OUTS」という漫画作品 そこで主人公がこういうんだ

責任を取るっていうのはな。痛い思いをするってことだ。迷惑をかけた人間かぶった以上の痛みを自分も背負うってことだ。”

”銀の食器を壊したヤツは金の食器を買って返すのさ 悪臭をまき散らす工場社長はその工場煙突のすぐ横に屋敷を構えるのさ”

”それが責任を取るってことだ。”

至言である

ということで玉木君には以下の痛みを負ってもらうことを提案したい

①割礼 

 これのいいところは痛みとセットで次なる不倫行為の抑止になることである

 まぁこれは冗談 覚悟は伝わるけど実際やられたら引いちゃう

②金の流れの公開

 政治資金規正法に関連して透明性うんぬん言ってるよね? じゃあ自分から疑惑は晴らさないと

 国会議員と16歳年下の売れないグラドル自身選挙区観光大使)が単なる不倫だと普通思わない

 金も権力も何も利用してない純粋不倫なわけがない まぁ下衆の勘ぐりと言われればそれまでだが、普通想像力があれば考えること

 違法性はないかもしれないけど金の流れは不倫相手にも協力してもらって公開するべきだね

 なんかあった時に赤旗あたりにすっぱ抜かれたりしたら致命傷 だから自分から公開しちゃいな

 綺麗なもんだったらむしろプラスでしょ 不倫とはいえ愛だったんだなって美談になるよ・・・なるかな?

 ※ちょっと話はズレるがホテル代はポケットマネーとか言ってるけど国会議員として受領した給料を歳費用口座(政策活動用)と個人の口座に分けてるってことなのかね?

  でもそんなん歳費が足りなきゃ個人口座からぶっこんだり、余った歳費は個人用として使うとかやってるやろ それ自体別に悪いことではないがだとしたらポケットマネーと歳費なんて言ったもん勝ちでしかないのでは?

  歳費でホテル使うと経費計上できて還付があるけど 今回はしてないからこれはポケットマネーみたいな話か? わからん・・・

  お金属性を付けるって難しいんだよね ポケットマネーってどういう意味なんだろ? 詳しい人いたら教えてほしい

③減税政策確約

 政策支持者向けに財務省と刺し違えてでも今年度の税制大綱に減税をねじ込むこと

 これはやりきりらないとね 例年だと12月中旬発表だからもう時間がない 忙しくなるね! 不倫する暇もないよ!

④年明けくらいに議員辞職

 人間性にほれ込んで投票した人向けにわかやすく痛みを負いましょう

 セキュリティクリアランスの件がブーメランしたことと言い

 https://ameblo.jp/tamakiyuichiro/entry-10017995920.html 

 この記事も発掘されちゃったしこのまま議員を続けるのは発言整合性はどうあっても取れない 一度在野に自ら下りましょう

 個人的には③が成功してたら次の選挙出てもいいんじゃないかと思う 性にだらしないけど実績ある実力派の政治家として再出発 頑張ってほしい応援する

 ③が失敗したらもう議員としての価値はないでしょう 政策学者にでもなればいいんじゃない? 国民民主党がお抱えにすればいいよ(いいのか?)

国民民主党倫理委員会の人、参考にしていいよ!

※痛みを負ったのは嫁だけだろとか言うなよ 比例で国民民主党を入れた617万人は皆痛みを負ってるんだ!

2024-11-02

anond:20241102232019

社会的圧力が無かったらスカートかいう穴あき服は着ないだろ

生理のために通気性が必要なら上下メッシュを使った煙突構造にした方が効率がいい

PCのケースも一時期全面に穴があい開放的構造流行ったが結局廃れた

アフローが悪く空気右往左往してしまって過熱したパーツを効率よく冷やせない

Apple の新作は空気入り口・出口がハッキリ分かれてる

部屋の換気でも常識

スカートのように穴が1箇所での換気は不合理

スカートには明らかに性的ニュアンスがある

性を守る責任自覚させる効果がある

「女は隙がある方が可愛い」「隙を見せるのがいい」「隙のない堅い女が稀に見せる隙が…」

全部同じ

女性下半身オーバー・セクシャライズしてる

2024-10-20

高いくて細い建造物に妙に萌え

電車に乗っていた時に見えた工場らしき建物から生える2本の細い煙突や、高速道路運転している時に横に並んだ高圧電線鉄塔など、なんか最近「細くて長くて独立して立っている建造物」にエロさ…というか萌えみたいなものを感じる。疲れてんのかな…。

長い建物じゃダメ。例えば高層ビルとかは何も来ない。細いものでも周りにゴミゴミなにかついてるのもダメ。ある程度独立しているといい。高さはそれこそ飛行機の警告灯がつくくらいだとドキドキくる。赤白のししまとか、色付きだとずっと眺めたくなる。

特にやばいのが、移動中にその建造物を横目に移動したり、下をくぐったりしたとき。多少雲が出ている日の、夕方くらいの時間帯なら文句なし。調べたらこういうのの擬人化ジャンルがあるらしいが、何となく分かってしまう。

すらっと伸びる形状が、周りに何もなく直立している様が好きなんだろうか。

…やっぱ疲れてんのかな…。

2024-09-19

anond:20240919135854

例えばストーブで、煙突を長くすると燃焼効率がどうなるかとか、

紙飛行機でどういう折り方をすれば長く飛ぶとか、

デスクトップパソコンの吸気・廃棄どうすればいいかとか、

そういう物量シミュレーションもっと身近になるものだと思っていた。

物理シミュレーション」と「設計最適化」の区別が全くついていない。

物理シミュレーションは単に与えられたパラメータ境界条件微分方程式を解いているだけであって、所望の結果が得られるようにパラメータ最適化しているわけではない。

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