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はてなキーワード: アンソロジーとは

2024-12-08

遺書の傑作集〈アンソロジー

目次

5……はじめに

8……物語なし。登場人物なし。

10……落選者展

14……できることをできるって言うのはほら吹きとは違うね。

20……暗望

28……バイロンども

33……芸術家のすることは仕事とは呼べない。

40……誰も来ない。誰から電話もない。

42……芝居が退屈になったら、客は劇場を出るべきだ。

50……消耗熱のような赤

57……一緒に寝るために。

59……飛び越えるためには幅の広すぎる川のそばに 身軽だった少年たちが今、眠る

65……でも、お友達はどこにいるの、パパ?

77……聖母マリアは何歳だったのか?

80……コレッジョ性。

84……女子店員レベル哲学レヴィ=ストロースサルトル哲学の大半をそう切って捨てた。

90……皿洗い。

92……生ごみ

94……そうです、ヴァージニア

98……写真術は芸術ではない。

106……驚くべきことではないが。

118……安らかな死に半ば恋した。

120……非直線的。不連続コラージュ的。寄せ集め。

135……土曜に死んで、日曜に埋葬

140……しかし行け、そして耳を傾ければ彼女が呼びかけるだろう。

146……あるいは、人間性質についての論文

159……誰でもないのが私の名前。皆は私を誰でもないと呼ぶ。

164……芸術家現実を許容しない

168……キルケゴールはいつも学友にいじめられていた。

177……白い馬がこちらへやって来る音が聞こえる。

190……消極的能力

194……私は今日死ねる。もしもその気になれば、わずかな努力で。もしもその気になることができるなら。もしも努力が出来るなら。

198……時間の始まりの四五分前は何時何分だったのか?

202……さようなら、そして、思いやりを大切に。

209……あとがき 墓の中には手紙が届かない。

2024-12-05

文フリ発行アンソロジー寄稿したが場違いだった

先日行われた文学フリマで発行された某アンソロジーに私は寄稿した。

きっかけはTwitterで「公募エッセイ募集します」というツイートを見たから。ただのエッセイ集ではなく、ひとつテーマが決められているエッセイ集であり、「面白そうだな」「ちょうど書きたいことがあるな」と思って参加することを決めた。

限られた文字数制限の中、決められたテーマに沿ったエッセイ執筆し応募した。そしてありがたいことに掲載が決定した。内容次第では掲載出来ないと書かれたいた中でその連絡はすごく嬉しかった。特に報酬はなくアンソロジー献本1冊のみだったが、読みたい本を頂けるだけで非常にありがたかった。

自分文章が載らなかったとしても購入したいと思っていた。なんでもない、自分となんら変わりない人間の考えていることや人生だったりをエッセイブログを通して読むことが元々好きだった。同じテーマでみんなは何を書くのか、気になって仕方が無かった。「匿名掲載することも可能」と応募要項に書かれていたこから、かなり癖のあるエッセイが読めるのではないかと密かに期待していた。(特に尖っていなくても大抵面白いと思って読むが)

文学フリマ開催2週間ほど前に、企画アカウントからイベントに向けた告知ツイートがされた。

見てみると、告知画像に私の名前は無かった。たくさん並んだ執筆者の名前最後に「他」と書かれていただけ。

たくさん参加者がいたんだなくらいにしか思っておらず、特別自身名前アピールたかったわけでも無かったので、この時点では不思議に思っていなかった。

この告知ツイートの直後、企画主催者から「出来れば告知ツイート拡散してほしい」という旨の連絡が届いた為、自身アカウント引用ツイートした。

告知画像自分名前が載っていないのに「このアンソロジー寄稿しました」というのはなんだかおかしい気がしたが、なるべく多くの人の手に渡って欲しいと思ったので喜んで協力した。

企画アカウントの方で参加者と思われる方の宣伝ツイート(「寄稿しました」「是非お手に取ってください」等)がリツイートされて回ってくる。しかし私の告知ツイートリツイートされることは無かった。まぁ見逃してるのかな、別に告知の宣伝を全員分リツイートしなくてもいいしな、とあまり深刻に考えていなかった。

リツイートされているアカウントをふと眺めていると、全て告知画像名前が載っているアカウントばかりだった。リツイートされたアカウントひとつずつチェックすると、全て1万人以上フォロワーがいるアカウントだった。

一方私のアカウントは、日常ツイートするだけのフォロワー数3桁のアカウント

恥ずかしくて消えてしまたかった。

それから「力になれば」と思って告知ツイートを何度かしたが、もちろん企画アカウントリツイートされることはなかった。その間も万単位フォロワーがいる、名前掲載されたアカウントばかりが企画アカウントリツイートされていた。

動けば動くほど、恥ずかしかった。

文学フリマ当日、アンソロジー完売したらしい。それは非常に嬉しく思ったが、なんだか恥ずかしくてあまりちゃんツイートは見れなかった。

文学フリマ開催日から数日後、企画主催者から献本が届いた。恥ずかしく思ってはいたが、本自体は楽しみに思っていたので読み進めていく。そして異変に気付く。

自分が応募した際に規定されていた文字数制限を大幅に超えて執筆している人ばかりなのだ

おや、と思いつつもエッセイ自体面白かった為、あまり気にせず読み進める。6人のエッセイを読んだが、どれも文字数制限を大幅に超えている。

そして7人目のエッセイを読み進める。公募募集時に「自分語りに留まらないエッセイを書いて下さい」という注意書きがあったにもかかわらず、このエッセイ自分語りだらけで、なんならテーマにも沿っていなかった。

まり面白くないなと思いつつ最後まで読んだ。そして最後文章は以下の通りだった。

"普段文章なんか全然書かない。お金貰わなきゃ一生書かなかったと思うから、今回この機会貰えて嬉しかったすw"

ああ、なるほど。

本当に自分場違いだったんだ、と理解した。

企画主催者自分の好きな著名人文章を書いて貰う為の口実として作られた企画だったんだ。

本をパラパラとめくると、企画主催者お金を渡して文章を書かせたであろう十数人には、来歴についてのページが用意されていた。映画監督写真家小説家など。何年生まれでどの大学を出た、こういう大きな仕事をしている等、書店で売られている本に掲載されているような紹介ページが個々に用意されていた。

一方自分掲載されているページを見た。もちろん後ろから数えた方が早い位置掲載されており、名前のみの掲載だった。

恥ずかしいというよりも、やるせなさがあった。

私はこのアンソロジーを、一読者として楽しみにしていたのに、「私が好きなクリエイター文章を書かせるためのきっかけ」でしかなかったことをハッキリとわかってしまった。

企画主催者公募エッセイ募集したのは、本のボリュームを出したかたからであって、「このテーマで色んなエッセイを読みたい」という気持ちから募集ではなかったのだ。企画主催者特に著名人でもなんでもない素人の書いた文章に、ページを割きたくはなかったんだろう。

公募募集時の「自分語りに留まらないエッセイを書いて下さい」という注意書きも、素人自分語りは聞くに堪えないが、自分の好きなクリエイター自分語りなら大いに結構というスタンスだったのであろう。

別にお金を貰いたかったわけでもないし、来歴ページを用意して欲しかったわけではない。献本を頂けただけでも非常にありがたく思っている。

言語化が難しいが、すごくやるせなくなってしまった。

せめて、せめて自分から頼んでお金を積んで文章を書いて貰った人にはそうとわからないようにして欲しかった。参加者全員平等に扱って欲しかった。

「このテーマ文章を書きたい!」という強い気持ちがあるわけでもない、ただただお金を貰って文章を書いている人ばかりのアンソロジーだとわかってしまってから、ひどく陳腐ものに見えてしまって以降この本を読めていない。

テーマが魅力的で期待していたばっかりにガッカリしてしまった。

所詮趣味同人活動なので、別にこの企画主催者のようなやり方があってもいいと思うが、一参加者として良い気持ちではなかったということをここに残しておく。

2024-10-26

月刊漫画ガロ史上最も重要漫画10

anond:20241012181121

 ガロは書く人も居なさそうなので、元読者の義務感に駆られて書いてみた。リアタイで読んでいたのは80~90年代の一部なのでいろいろ偏っているとは思う。選択基準としては、漫画史的な重要性や、後世に与えた影響を優先した。バックナンバー単行本アンソロジー、関連書籍(が多いのもガロの特徴ではある)などの知識も動員したが、記憶に頼って書いているので誤謬などはご容赦。むしろ先達から突っ込みが欲しいです。なお、ガロ分裂後のアックス誌の作品にはここでは触れない。

カムイ伝白土三平

 まずはなにを差し置いてもこれ。そもそもガロという雑誌の創刊自体長井勝一による「カムイ伝」を掲載する媒体を作りたいという並外れた理由によるもので、「ガロ」という奇妙な誌名も作中人物の「大摩のガロから取ったものだった。どちらかと言えば現在では「読まれない」作品になりつつある印象なので当時の熱狂を図るのは難しいが、漫画史的には「どうやら漫画という媒体歴史的社会的な諸問題を描き得る(と読者に思わせた)」点がエポックだったのではないかと思う。今であればそんなもん当然だろうと思われるかもしれないが、所詮我々はこのような巨人の肩の上にいる。

ねじ式つげ義春

 つげ義春ガロ誌に発表した短編は悉くが傑作なのでとても一本に絞りきれるものではなく、作品の完成度からすればむしろゲンセンカン主人」や「赤い花」ではないかとも思うのだが、後世に与えた影響の大きさを考えればこれを選ばざるを得ない。「見た夢をそのまま描いた」という誤解を受けることも多い本作だが、実のところは多種多様コラージュや巧みな漫画技法に満ちていて、きちんとした作為の下に統制して作り上げられた「シュール」の傑作であることがわかる。

赤色エレジー林静一

 若い男女の同棲破綻物語と描けば無数の類例が思い浮かぶが、1970年の発表当時には極めて新しかったはずである。なにしろ婚前交渉などという言葉が現役だった時代だ。主人公職業アニメーターというのも新しく、しゃれていたのではあるまいか。この作品の画期は、漫画に「俺たちの等身大青春(あるいはそのように夢想したいもの)」を持ち込んだ点だったのではないかと思う。林静一洒脱な絵は上村一夫などによる後続作に比べても洗練されていて、今見ても色あせない。

ピクルス街異聞(佐々木マキ

 漫画(に限らず表現)とはなにものかを描かなければならないのだというドグマがまだ有効だった60年代漫画から意味というものを完全に取り去ってしまった佐々木マキの一連の作品センセーショナルであったらしい。画風はおそらく杉浦茂系譜にあるのだが、もはやナンセンスという言葉も不適当だと思われるぐらいに徹底して意味物語排除されている。その衝撃は若き日の村上春樹にもはっきりと影響を与えたらしく、のちに佐々木村上著作の挿画を担当することになる。

寺島町綺譚(滝田ゆう

 簡素な絵でナンセンス漫画を濫作していた滝田ゆうが、心機一転、自らが少年時代を過ごした戦前私娼街・玉ノ井の風景をおそろしく緻密な絵柄で描き出した。「三丁目の夕日」的なノスタルジアものの先駆ではあるが、最終回戦火は玉ノ井の街を焼き尽くして終わる。ここに描かれているものは、卓抜した記憶力と画力により再構築された、失われて二度とよみがえることのなかった風景なのである

マッチ一本の話(鈴木翁二

 ここまでは疑いなく殿堂入り作品が並ぶが、ここから判断に迷う。70年代ガロから永島慎二宮谷一彦を外してはいけないかもしれないのだが、活躍のメインはガロ誌ではなかった作家だし、やはり当時の熱狂現在から嗅ぎ取るのは少々難しい。安部慎一花輪和一古川益三(のちのまんだらけ社長)の諸作品も思い浮かぶけれど、ここでは作品の強度と詩情、卓抜した画力を取って敢えて鈴木翁二で。

ペンギンごはん湯村輝彦糸井重里

 これも当時の衝撃をいま追体験するのは難しいのかもしれないが、ヘタウマ不条理がどっさり詰め込まれた本作が半世紀近く前のものと考えるとやはり衝撃的だし、こういうギラついた脳天気さは、結局は80年代「軽チャー」の苗床になったのではないかと思わされる。

少女椿丸尾末広

 80年前後ガロにはニューウェーブカテゴライズされる作家も少なからずいて、例えば川崎ゆきお蛭子能収ひさうちみちお、奥平イラなどが挙げられるのだが、個々の作品への愛着はさておいて結局のところ今に至るまで強い影響を与え続けているのはむしろニューウェーブ埒外にいた丸尾末広ではないかと思う。圧倒的な画力漫画のみならず演劇音楽にも影響を与えたし、世代を超えたファンも多い。なお本作の初出はガロ誌ではないのだが、代表作として外せないのと単行本青林堂だったのでご容赦を。

タケオの世界根本敬

 80年代ガロではこの人の名前も外せない。「過激な」作風と言われ「特殊漫画」を自称他称もしている人ではあるけれど、実のところは非常に息の長い物語を紡ぎ出せるストーリーテラーでもあり、日本近代史や土俗性を容赦なくぶち込んでやるから覚悟しろよというぎらついた野心も垣間見える。その試みがもっとも巧くいった作品の一つが本作。水爆投下とともに発射された精子自我を持つ話です……と書くと面白そうでしょ?

道楽者の海(逆柱いみり

 ガロ最末期の90年代から一人と考えて、古屋兎丸山野一ねこぢるなども思い浮かんだけれど、漫画表現の圧倒的な強度に鑑みて本作を選んだ。この地上には存在しないはずなのによく知っている風景がどこまでもどこまでも展開される。いつかうなされながら見た夢が、ここに具現化されているという驚き。「ガロがなければ世に出ることのなかった」作品の一つの頂点であると思う。逆柱作品はどれをとっても傑作なのに単行本の多くは絶版で、とんでもないプレミアが付いてたりする……。

追記

個人的にはつげ忠男の大ファンで、実際「無頼の街」「河童の居る川」など傑作も数多いのだが、漫画史的重要性を優先して涙を呑んだ。

赤瀬川原平言及に迷ったけど、ガロ誌での漫画作品(『お座敷』など)よりも、その外での活躍が多かった人という印象なので選外に。ガロ系の作家ではこういう人も多いのですが。

・「ガロにおける有名作家」という問題もある。水木しげる矢口高雄池上遼一といったビッグネームもあれば、のちのどおくまんも一度作品掲載しており、末期ガロにも吉田戦車のような意外な面々が顔を覗かせる。珍しいところでは、SPA!誌で掲載を断られたゴーマニズム宣言の回を小林よしのりガロに持ち込んで掲載された例がある。

ガロ出身で他誌で活躍することになる人も多い。上記の他、新しい世代では花くまゆうさく福満しげゆき東陽片岡古泉智浩あたりか。

80年代ガロでかなり迷ったのは、トラバでも言及のある久住兄弟泉晴紀泉昌之渡辺和博などの面々。このあたりのナンセンス作品群はわりと影響も大きかったようなんだけど、作品単体でどうこう言えるものが思い当たらなかったので除外。

つりたくにこやまだ紫杉浦日向子近藤ようこといった女性作家たちの極めて良質な作品についても言及しておきたい。特に津野裕子は最末期のガロに、寡作ながら優れた作品を残した作家で、機会があればぜひ一読をお勧めします。

・その他、この10選に選ぶには及ばないけれど間違いなくその人にしか描き得ない作品を残し、ガロという媒体がなければ目にすることもなかったであろう作家たちについても、その名をリスペクトしておきたい。淀川さんぽ、とま雅和、谷弘兒、三橋乙耶、菅野修、等々……。

さら追記(含ブコメ反応)

 思いのほかガロ漫画への反応が良くて嬉しい!

90年代ガロ文章ページが(文章ページのほうが……)充実してた感があり、呉智英四方田犬彦など結構な面々が連載していた。

投稿ページの「4コマガロ」も相当(雑誌カラー的な意味で)レベルが高く、ここ出身の有名作家福満しげゆき

・同時期にやっていた「ガロ名作劇場」という好企画があって、90年代半時点では入手困難だった作家を含め、ガロ出身の名作家を回顧的に紹介してくれた。林静一「まっかっかロック」なんてものすごい衝撃受けたし、楠正平や勝又進なんてこんなことでもなければまず読むことができなかった作家だったと思う。

ねこぢるはやはり入れるべきだったかなーという迷いは今でもあり、代わりに削るとすればペンギンごはん鈴木翁二か。リアタイ勢だったんだけど初読の際の衝撃は今でも覚えていて、90年代サブカル的にはわりとよくあった「無邪気な残酷さ」が普遍性を持ち得た希有な例だったんじゃないかと思う。(その点では山田花子には自分は少々点が辛い)

・>ビレヴァンいけば売ってる? >なんか漫画系のサブスクはこういうのの乗っかってどんどんセット売りとかして欲しいよな。

 これは本当にそう思うところで、ガロの名作群はとにかく作品へのリーチが困難。古川益三作品なんてマジで読めないし古書には衝撃的な値が付いてたりする。電書にするにしたってタダじゃないのは分かってるけど、なんとかならんかな。

・>「ガロ」はフォロワー・影響度では計れない作家作品が多すぎて。簡単に真似されるような作品ガロ的ではないとも言えるし

 これも本当に同感で、孤立峰みたいな作家が多すぎるんだよなー。熱を込めて語られるけれど模倣はされない、って、表現としてはすごいことなんだけど。

・>ちびまる子ちゃんクラスメイト名前ガロ作家名前から取ってると聞いたときは「へー」となった

 これモデルになった某作家さんはスゲエ嫌がってるみたいですね(伝聞)

2024-10-22

漫画単行本の表紙に原稿料が払われない問題について

なんかtwitter(X)でまたこの手の議論が再燃してたので、思うところを書いてみる。

個人的には「表紙の原稿料くらい払ってあげなよ」と思うけど、払わないのもまた理屈としてはわかる。

まず一般的に、漫画編集部がどんな時にお金を払い、どんな時に払わないのか、以下にざっと整理する。

(※勿論例外もあるが、古くからある出版社の多くはこのようなシステムになっていると思う)

漫画雑誌の表紙には原稿料が支払われる

漫画雑誌の表紙絵などを依頼される場合、当然、原稿料が支払われる。勿論連載原稿にも原稿料が支払われる。

アンソロジーコミックなどの表紙には原稿料が支払われる。

アンソロジーコミックなど、自著以外の単行本の表紙イラストを依頼されて描いた際にも、ちゃん原稿料が支払われる。

③自著の単行本の表紙、本文の描きおろし修正作業などには原稿料は支払われない。

???

今、③が問題になっている。

なぜ③で表紙の原稿料が支払われないのか?

ロジックとしては簡単で、「自著の単行本絡みの書き下ろし報酬はすべて著者印税に含まれる」ということになっている。

これは小説出版を例に取るとわかりやすい。

書き下ろし小説出版する場合書き下ろしの本文原稿からといってその原稿に「原稿料」は出ない。印税がもらえるだけ。すべての報酬印税くるまれている。

ただし、「雑誌」に連載した場合印税とは別に原稿料がもらえる(これはマンガ家も同じ)。

ちなみに小説単行本の表紙や挿絵担当するイラストレーターは、勿論「原稿料」をもらえる。だが「印税」はもらえない。

そういう仕組になっている。

要するに、印税が発生する仕事原稿料は発生せず、原稿料を貰うような仕事には印税は発生しない、という感じになっている。

雑誌の表紙絵などを描いて原稿料をもらい、その時の原稿単行本表紙に流用する」という裏技ならある。

これで間接的に単行本の表紙に原稿料を発生させることが出来る。

ただ、これも売れている作家から出来るような方法かもしれない。

「いやいや、そもそもなんでちょっとお金ケチるんだよ。商品大事パッケージ部分なんだから普通に表紙に追加のお金出せよ」と感じるかもしれない。

もっともで、実際払ってるとこだってある。

ただ、問題は「お金が絡む制度会社全体で変える難しさ」だ。

もし単行本書き下ろし原稿料を払うようにするとなると、その編集部(もしくは出版社)が取引するすべての作家に同じ待遇を始める必要がある。

一人だけ特別に払うというのは難しくて、場合によっては出版時に交わす契約書の文面を修正する必要も出てくるかもしれない。

今後制度が変わるにしても、編集部の垣根を越えて(あと更に上層部の人とかも含めて)コンセンサスをとるのに時間がかかると思う。

から、現状はとりあえず

「既に表紙の原稿料を払ってくれるのが判明してるところ」を選んで仕事をするしかないと思う。

最近できた新しい出版社編集部は、最初から古い出版社とは違う方式でやっているから、

表紙絵にも普通に原稿料を払うシステムになってたりする。

しかし、そうやって仕事先を選べる作家というのも、結局「力のある作家」に限られる……。

追記原稿料定義解釈について)

 原稿料って原稿に支払われるお金じゃなくて原稿をお借りすることに対する原稿使用料が本当のところだからでしょ 雑誌アンソロ

これはそう。勘違いされやすいけど、出版社が言う原稿料というのは「依頼料(請負料)」じゃなくて「掲載使用料レンタル料)」みたいな扱いに近い(だから雑誌とかアンソロなど、他者著作物寄稿する時に発生する)。

から、もし自著の単行本の表紙原稿出版社からお金を払ってもらおうという場合、それは「いわゆるいつもの原稿料」とは全然別の名目として払われる可能性がある。(宣伝協力の謝礼金とか?)

自著の単行本原稿料が発生するというのは原稿料定義ちょっと変な話になってしまうので、支払いの名目を工夫して建付け上の整合性をとる感じになると思う。

一方で、作家にとって原稿料って「労働時間対価」的な感覚が強いから、こういう話を聞いても「いや何をいってんの?」ってなるのもわかる。

2024-10-12

anond:20241012022534

ワイが大学生の頃、一九九六年には、TSアンソロジー本が古本屋で売られていて、

その本と出会ったときの衝撃は大きかった。自分性癖は間違いなくこれだ!ってね。

普通エロ本屋では見かけたことがないし、同人誌即売会でも見たこと無かったので、相当マイナージャンルだと思う。

あれから30年近く経って、今でこそTS本は探せば見つかるようになったけど、やっぱり、マイナー存在なんじゃないかね。

と思う。

2024-09-11

地雷を踏みすぎなのよ。黙認度合いを超えてる

から見ると同じに見えるかも知れないけど、実は今までに築かれてきた「黙認できるライン」をだいぶ踏み越える行為をやっちゃってるので、詳しい人は呆れ混じりに「いわんこっちゃない」と言っているんだと思う。

ブコメあんまりキレてるとも読めなかったけどまぁそれは感じ方。


ハイキューの話ではなくて、一般論としてこんな風に整理出来る。もちろん黙認出来るラインはそれぞれ違うのは前提として、

禁忌

これはやっちゃうと確実にまずいと言うのはこんな感じ。

大手出版社だったら、作者の意向がどうであっても容認出来ないんじゃないかな。

  1. 公式コンテンツを無許諾で、そのまま複製利用するのは当然駄目。(引用範囲ならよし)
  2. 作者、あるいは広くても出版社が持っている範囲内の権利を超えている(例えば、アニメ画像を使ってしまうとか。Copyright制作委員会が入るようなコンテンツ
  3. 出資者ビジネスを直接的に犯す(グッズはこれに当たるのでかなり厳しい)
  4. 有償権利許諾している相手がある行為を許諾を得ずにやる
  5. 商用などビジネスで行う組織的な動き

と言うところで、今回の件は、記法では2,3,4にひっかかってる。1は分からんけどロゴの警告が出てるのでもしかしたら。5番目はアウトに見えるけど、今回警告で住んでるのは商用ビジネスと見做してなくて、過失だとして対処しているからじゃないかなー。

2番については、最近制作委員会の中で幹事会社に一任する形で広く戦略的に黙認するケースも多いから一概には言えないけど、ハイキューのケースは映画会社とかアニメ文化が違う人たちの権利が絡んできてるから容認したい人たちが説得しきれなかった可能性があると思う。

それから、これが重要なんだけど、創作など、クリエイティブ行為が絡まない奴は厳しく当たるケースが多いね

ヤバイランキング

一般論なので例外はいくらでもあるよ。これは概ね作者がファンアート同人活動に友好的な場合だよ。

↑↑↑許可・黙認される↑↑↑

↓↓↓ヤバイ・怒られる↓↓↓

じゃあどうしたらいいの?

https://anond.hatelabo.jp/20240910133623

こっちに書いた。

あくまでもファンファン活動の高まり自然にと言う体裁にしよう。

そんで、自治体ならそれを実績に予算を取りにいってくれ。

2024-08-15

anond:20240815171014

少なくともペドフィリア差別に反対しまタグがバズった昨年時点では「Q+にペドフィリアが含まれるか否かについはLGBT運動家の中でも意見割れている」と纏められる程度に「ペドフィリアクィアに含める人間一定数いる」と捉えられてただろ。

https://www.bookbang.jp/review/article/763764

小出版社「ころから」が、「ペドフィリアを含むあらゆる内心の自由について、いかなる制限もなく保障されるべきだと考えております」との告知を掲げた。目を疑うべき事態である

あらましはこうだ。昨年8月、ころからは『イン・クィアタイム』というアジア系クィア作家アンソロジー翻訳出版し、作家の王谷晶に帯文を依頼した。ところが、王谷がペドフィリア差別発言をしていると本書訳者村上さつきとその連帯者が指摘し、帯文の撤回要求したのである。王谷の「『LGBTQのQにペドフィリアが含まれる』はデマだ」というツイート糾弾されたようだ。

2024-07-30

おすすめ小説

漫画アニメおすすめ死ぬほどブクマついてるのに小説の話は見ないな


いろんな作家が一気に読める小説アンソロジー(短編集)をおすすめしてほしい

事情で今探してるので

2024-07-01

anond:20240701211925

同僚が趣味で描いてたのがメガネ女子アンソロジーだと判明した時のトラウマを思い出しました。

もう二度とメガネ掛けて出社しねーよ、と誓って以来の生きづらさよ。

2024-05-18

nmmnの話だからこっちでするだけの話

多分わかる人もいると思うんだけど自界隈の炎上の話。

反差別思想の中の1部の人達が、とある配信者(反差別主義者ではない)の、反差別nmmn同人アンソロジー作ったのを表垢に公開した話についてのことなんだけど、別に悪口とか反差別主義者全体を責める意図は無いし書いた人たちに対して思うことなだけなんだけど

反差別アンソロなのにnmmn創作かい人権侵害コンテンツでやってる矛盾に誰も気が付かなかったんですか…?界隈ルール云々思想が云々以前にそれがスゲー気になる

2024-05-15

なぜ自分思想キャラ押し付けるのか

今日FA界隈が燃えた。

詳しい内容は伏せるがものすごく簡潔に説明すると、”実在する人物”の二次創作反差別を暗に訴えているアンソロジー制作された。

アンソロジー参加者は数十人。

みんな、プロフィールには虹の旗や、それに関する思想を表示していた。

かに差別は許されるべきではない。揺るがない事実だ。

でも、なぜ、自分思想倫理を、”実在する人物”の二次創作で、訴えるのか。

海外ゲームにハマっているときにも似た事情に遭遇した。

公式では同性愛ではないキャラBLを描いて(ここまでは別になんとも思わない)

それに付け加えて「LGBT自由!」という主張を攻撃的に行って、公式すらをも否定しており、自分意見にそぐわないアカウント空リプ悪口をこぼす。

それで、ゲームキャラの年齢やマイノリティが変更された例がある。

だが、今回の件は”実在する人物である故に悪質だ。

その元となった人のネタや振る舞いに否定的な人間がいた。

存在している人間思想をゆがめ、ガワだけをはぎ取り、中身を自分自身の都合の良い妄想で固める。

すべてに対してのリスペクトをまったく感じられない。

はっきり言って、二次創作腐女子が嫌いだ。

なぜそこまでわがままにふるまえる。なぜ自分たちを正当化できる。

なぜ自由を求めるくせに「どうして自由であるか」を考えられない。

せっかくその「人物」が積み上げてきたものを、強自己主張人間たちが荒らして無下にするこの状況があまりにも悲しい。

つの間にか「二次創作」を「ファンアート」と呼ぶようになった。

アーティスト側も大歓迎なところや、実際に使用する人たちも増えてきた。

からといって、向こう側に「一人の人間」がいることを忘れてはいけない。

anond:20240515161324

話が分かりづらくて申し訳ないです。

厳密に言うと、ファンによって、推し動画投稿者を使ったアンソロジーが作られて、その内容が反差別戦争反対を訴える政治的な主張を伴うものだった上、全世界に見られるオープンアカウントでそれを堂々と発表していた、といえば伝わるでしょうか。

推し政治的思想表現に使われた話

本当に気分が最悪だから吐き出させてほしい。

レインボーフラッグ掲げてる一部のファンたちによって、推し実在している人間)たちを使った、反差別を主張するアンソロジーが発表されてた。

ちなみに本人たちは一切反差別だとか、LGBTだとか、そういった政治的なことは動画内で主張したことない。100%捏造

100歩、いや1000歩譲って鍵をかけてくれて身内で楽しんでるならいいのかもしれない……けど、実態

もっと政治色強めにしたら良かった笑」

フェミニズムを主張した」

「(作品宣伝のあと)人を殺すな!!」

と鍵をかけてないオープンアカウントでする始末。終わってる。何だこれは。

勿論オープンアカウント宣伝するものから、「〇〇はこういう活動をする人なのか」と勘違いされているケースを見られて、収集がつかなくなりはじめている兆しが見える。

その人を推す界隈の大半のファンは、推し実在している人間で、ちゃん自分なりの思考をしていて、立場があって、それに基づいて行動した上でやりたいことをやっている、要は画面越しにいるだけで自分たちと変わらないただの人だと理解している(と信じたい)。決して他の人間主義主張のために利用される着ぐるみではないのだ。

「この人は〇〇な行動を取るから、〇〇な思想だろう!」と勝手に決めつけることは、レインボーフラッグを掲げる彼ら彼女らにとっては人権侵害ではないのだろうか。自分主義主張が正しければ、他の人(本人やその他のファン)はどうでもいいのか?

それこそ、ヨーロッパでおこった絵画を塗りつぶすような抗議活動と何も変わらないと思う。それとも、ああいった反差別フェミニズム、そういったことを主張する界隈では極端な行動を取ることを是とされているのだろうか?

もしそうだったとしても、本人がそれを見て「すばらしい!」と思ってくれると考えたのか?本当にそう思うなら、あなたが見ている推しあくまあなたが作り上げた推しであって、幻であると断言させてほしい。

政治的主張は、どうあがいてもクローズドにはならない。オープンになってしまう。

少し前に、二次元キャラクターレインボーフラッグを持たせていた作品が流れて炎上していたが、あれも作品キャラクター公式で(公式であったとしてもだが)LGBTQ+に当てはまるわけでもないのにオープンに主張していたからだろう。

少なくとも私は不快だった。あの絵にいるキャラクターは、キャラクターではなく、レインボーフラッグと同等程度のオブジェ一種しかなかったから。

色々なことを前提として、考えてみてほしい。

Q.〇〇は反差別主義である、と(誤解されかねない)投稿を、数名のファンが行なっていました。さて、〇〇はどうなるでしょうか?

A.反差別主義だと誤解される可能性がある。

Q.では誤解されないようにするために〇〇はどうすればいいでしょうか?

A.誤解される要因になるものを省かなければならない。

Q.省くというのは?

A.ファン活動ファンが関わることができるコンテンツ制限する

あくまで一仮説でしかないが、ありえない話ではない。この場合普通に活動しているだけのファンや本人が結局は尻拭いをしなければいけなくなる。

こんなことがあっていいのだろうか?

健全活動しているファンは、推すための活動不自由になる。FA感想から新規客を呼び込めていた本人も、制限によって不自由にされるのだ。

今挙げたルートとは異なるかもしれないが、いずれにしても「界隈、本人にとっていいことはない」のはお分かりいただけるだろうか。

から一部の人は直接「鍵をかけてくれ、本人たちや関係ない人に見せないでくれ」と注意したり、他のファン達も苦言を呈している。みんなそんなことを望まないからだ。

それなのに本人たちは「nmmnルールを守れって、大多数の思考に流されてる自分たちの怖さに気付いたほうがいいよ」といって、スルーしている。ルールを守れということの根底に、本人たちの思想人権尊重しろという思いがあることに気付きやしない。

きっとこのまま作品についての投稿を下げることも言及することをやめることもないのだろう。大事になっても。他のファンが巻き込まれても。

本人たちがもしも否としても、きっと張本人たちはこういうだけだろう。

反差別に反対だなんて。そんな酷い人たちとは思いもしなかった。幻滅した。差別主義者だ」

どうしたらいいんだこんなの。手のつけようがわからない。

誰か助けてくれ。

2024-05-11

ブルアカもそうだけど、ソシャゲアニメアンソロジー方式キャラにわちゃわちゃさせるだけでいいんだよ

今やってるブルーアーカイブもそうだけどさ、

あらゆるソシャゲに言えるがストーリーなんかどうでもいいんだよ!

  

一話完結のアンソロジー方式で人気キャラを毒にも薬にもならねえ脚本で動かせばいいだけ

ファンが求めてるのはそれだけ。推しキャラが動いてるのを見たいだけなの!

  

良いストーリー見せないと新規客がこない、とか考えてるかもしれないけど、

ソシャゲなんかにハマる低能12話も連続したストーリー理解できるほどの知能はない!

ソシャゲ自体が人気でかわいいキャラが人気声優の声でかわいいこと言ってれば、

このキャラ気になるからゲームやってみよう、人気あるしってなるから心配すんな!

  

それでブルーレイにでも貴重アイテムコードをつければいい!

あとは勝手ファン同士がアイテム持ってる持ってないで煽りあいしてくれるから売れる

winwinだろ!

2024-04-10

息子への誕生日プレゼント

先日、息子の誕生日だった。

うちは母子家庭なのであまりお金がなく、誕生日用のケーキやらごちそうを用意するのでやっとだった。

息子は小さい時からまり物欲がなく、ただ猫が大好きだった。

一緒にお出かけする日にはよくペットショップに出掛け、一緒にたくさん猫を眺めた。

私も猫は好きで、だから本当は、余裕があれば猫を引き取って一緒に暮らしたいなと思っていた。

でも今は余裕がない。

猫好きな息子のために、今回の誕生日プレゼント増田投稿してある猫の話を集めて印刷してそれを一冊の本にした、増田の猫アンソロジーにした。

息子はそれをとても喜んでくれたので、今ここで感謝言葉を述べたくて投稿しました。

増田さん、ありがとう

2024-01-31

anond:20240131151416

同人とかアンソロジー本とかに詳しくない子が、最初同人誌とかアンソロジー本が公式グッズだと誤解するのもあるあるだな。

から無知な奴が本物と誤解するからみたいなロジック同人実写化区別する理由にはならん。

2024-01-07

ニュース誤報

石川県地震自販機壊した犯罪があったとの誤報があった。

それで思い出した。昔ひぐらしの作者(か制作陣)がなんかの事件逮捕されたって誤報があった。

実際にはひぐらしアンソロジーコミックを描いてた人の一人が逮捕されたってオチなのだけど、ニュースではひぐらしの作者(か制作陣)が犯人だと報じられてた。

それで俺は頭がオカシイので何故かテレビ局電話をかけて、逮捕されたのはひぐらしの作者(か制作陣)ではない。アンソロジー先の人は制作陣は選べないでしょって説明をしようと思い立った。

で速攻で電話したのだけど、向こうも慣れたもので、また頭オカシイ奴が電話かけてきたよって丁寧な応対だったが、話の途中から真面目な応対に変わった。すぐに担当部署に連絡するらしい。

1時間弱で誤報は訂正されて、ひぐらしの作者(か制作陣)が犯人ではなくなっていた。具体的にはひぐらしへの言及記事から消えた。

俺以外にも連絡した奴が居たのか、ネットで騒がれて自分で再取材して誤報と判明したのか、それはわからないけど。

そのニュースは共同だか時事だかの配信記事だったらしく、配信元の記事が訂正されたのか他のニュースメディア記事修正され始めた。

ただ、見た目全体の3割くらいは最初誤報のまま訂正されなかったり、中途半端な訂正だったりした。

ニュースメディアお客様相談係は普段から頭のオカシイ奴の相手をしていて、話を聞いてくれないかと思いきや、誤報と思われる事象には割とちゃんと向き合っている。

それにしても俺はなんであの時電話したのだろう。あの頃のニュースメディアは何故かひぐらしを実際の事件に関連付けようとしていて、それが許せなかった気がする。

2024-01-04

[]2023年後半に読んだ本

7月

読書11冊、ただし一部拾い読み)

山室信一キメラ 満州国肖像 増補版」★★

鈴木貞美満洲国 交錯するナショナリズム」★

ジャン=アンリファーブル「完訳 ファーブル昆虫記 第8巻 上」

渡邊大門宇喜多秀家と豊臣政権

福田千鶴「江の生涯 徳川将軍家台所役割

ジャン=アンリファーブル「完訳 ファーブル昆虫記 第8巻 下」

諏訪勝則黒田官兵衛 「天下を狙った軍師」の実像

坂野徳隆「風刺漫画で読み解く 日本統治下の台湾

地球の歩き方 E03 イスタンブールトルコの大地 2019-2020 【分冊】 1 イスタンブールとその近郊」

「A20 地球の歩き方 スペイン 2024~2025 (地球の歩き方A ヨーロッパ) 」

宮下遼物語 イスタンブール歴史-「世界帝都」の1600年』★★★

漫画

田中圭一うつヌケ」

ヤマザキマリとり・みきプリニウス12

美術

今月はなし。旅行の準備で忙しかった。

先月たくさん行ったしこれでOK

満州国については通史でしか知らなかったので、こうして改めて本で読み返すと得るものが多い。

8月

読書(14冊)

小笠原弘幸「オスマン帝国 繁栄衰亡の600年史」★★★

釘貫亨『日本語の発音はどう変わってきたか 「てふてふ」からちょうちょう」へ、音声史の旅』

今井宏平「トルコ現代史 オスマン帝国崩壊からエルドアン時代まで」★★

Jam「多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ」

維羽裕介、北國ばらっど、宮本深礼、吉上 亮「岸辺露伴は叫ばない」 

北國ばらっど、宮本深礼、吉上 亮「岸辺露伴は戯れない」

Jam「続 多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。 孤独も悪くない編」

田澤 耕「物語 カタルーニャ歴史 増補版-知られざる地中海帝国の興亡」★

今井むつみ秋田喜美「言語本質: ことばはどう生まれ進化たか

安藤 寿康 『能力はどのように遺伝するのか 「生まれつき」と「努力」のあいだ』

ジャン=アンリファーブル「完訳 ファーブル昆虫記 第9巻 上」

杉本智俊「【図説】旧約聖書考古学

杉本智俊「【図説】新約聖書考古学

ジャン=アンリファーブル「完訳 ファーブル昆虫記 第9巻 下」

美術

「デイヴィッド・ホックニー展」

イスタンブールバルセロナ旅行

旅先の歴史についての本や、旅先でも読めるくらいの軽さの本を読んでいる。岸部露伴地中海を飛び越える飛行機の中で楽しんだ。

言語学の本を少し含んでいる。

なお、イスタンブールドルマバフチェ宮殿には美術館が併設されており、そこにも行ったのだが流し見だった。今回の旅行テーマ絵画ではなく建築だったからだし、軍事博物館のイェニチェリの演奏を聞きたかたからだ。

9月

読書17冊+α)

長谷川修一「聖書考古学 遺跡が語る史実

福田 千鶴御家騒動大名家を揺るがした権力闘争

北國ばらっど「岸辺露伴は倒れない 短編小説集」

エマヘップバーン「心の容量が増えるメンタルの取扱説明書

ジャン=アンリファーブル「完訳 ファーブル昆虫10巻 上」

柞刈湯葉人間たちの話」★★

柴田勝家アメリカンブッダ

ジャン=アンリファーブル「完訳 ファーブル昆虫記 第10巻 下」★★★

柴田勝家走馬灯セトリは考えておいて」

下村智恵理「AN-BALANCE:日本非科学紀行 第S4話 露出狂時代

柞刈湯葉「まず牛を球とします。」

飯村周平『HSP心理学: 科学的根拠から理解する「繊細さ」と「生きづらさ」』

きい著、ゆうきゆう監修「しんどい心にさようなら 生きやすくなる55の考え方」。

堀晃 他「Genesis されど星は流れる元日SFアンソロジー

小川楽喜「標本作家」★

ブアレム・サンサル「2084 世界の終わり」

小川一水 他「Genesis 時間飼ってみた 創元日SFアンソロジー

人間六度スター・シェイカー」

漫画

荒木飛呂彦岸辺露伴 ルーヴルへ行く」

美術

トルコ共和国建国100周年記念 山田寅次郎展 茶人、トルコ日本をつなぐ」

柞刈湯葉柴田勝家も一度読んでから「しばらくは読まなくていいかな」と思ってしばらくしてから読みだした。柞刈湯葉表題作普段クールというか知的アイディアを軽やかに扱う感じではなく、意外な側面に驚かされた。柴田勝家Vtuber文化と死後のアーカイブ肯定的表現していたのが大変面白い

ブアレム・サンサルはもう何年も前にWIERD誌が紹介していたので読書メモに載せていたので読んだ。数歩遅れて読むことなどよくあることだ。僕は最先端を追うことにそこまで興味がない。

10

読書11冊)

十三不塔「ヴィンダウス・エンジン

フレドリック・ブラウンフレドリック・ブラウンSF短編全集1 星ねずみ

塩崎ツトム「ダイダロス

柴田勝家「ヒト夜の永い夢」

フランチェスコ・ヴァルソ (著), フランチェスカ・T・バルビニ (編集)「ギリシャSF傑作選 ノヴァヘラス」

オラフ・ステープルドンスターメイカー」★★

宮澤伊織 他「Genesis この光が落ちないように」

高水裕一「時間は逆戻りするのか 宇宙から量子まで、可能性のすべて」

奥本大三郎ランボーはなぜ詩を棄てたのか」★

フレドリック・ブラウンフレドリック・ブラウンSF短編全集2 すべての善きベムが」

トーマス・S・マラニー「チャイニーズタイプライター 漢字技術近代史」★★

SFが多くを占めた。面白いが徐々に飽きてくる。新人賞作品は読んでいるそのとき面白いんだけど、新しい思考の枠組みや発想に触れて、それが後まで自分に影響を与え続ける作品ってのは少ないのかも。

逆に星新一の源流の一つ、フレドリック・ブラウンなんかは、古びたアイディアと今でも色褪せないアイディアの両方がある。

タイプライター歴史面白く感じられた。あとは、純文学が少し恋しい。

他に読みたいのは歴史の本かなあ。それか、第二次世界大戦舞台とした小説か。「火垂るの墓」とか「野火」とかいい加減に読まないとと思っている。

美術

「第75回正倉院展」於・奈良国立博物館

11

読書(9冊)

池田利夫訳・注「堤中納言物語 (笠間文庫―原文&現代語訳シリーズ) 」

フレドリック・ブラウンフレドリック・ブラウンSF短編全集3 最後火星人

成美堂出版編集部いちばんわかりやす家事のきほん大事典」

池澤夏樹=個人編集 日本文学全集10巻「能・狂言説経節曾根崎心中女殺油地獄菅原伝授手習鑑/義経千本桜仮名手本忠臣蔵」★

フレドリック・ブラウンフレドリック・ブラウンSF短編全集4 最初タイムマシン

森万佑子「韓国併合-大韓帝国の成立から崩壊まで」★★

紀田順一郎日本語大博物館悪魔文字と闘った人々」★★★

木村光彦「日本統治下の朝鮮 - 統計実証研究は何を語るか」☆

エリック・H・クライン「B.C. 1177 古代グローバル文明崩壊」☆

美術

特別展やまと絵 -受け継がれる王朝の美-」。

永遠の都ローマ展」。

冊数が少ないのは池澤夏樹日本文学全集がぶ厚かったためだ。

日本語の活字についてや、日本植民地政策について読み始めたのは、先月の中国語タイプライターの本に、日本製の中国語タイプライターについての記述があったためだ。

12

読書(14冊)

ジョン・ウィルズ「1688年 バロック世界史像」

伊高浩昭 「チェ・ゲバラ 旅、キューバ革命ボリビア

後藤謙次10代に語る平成史」

麻田雅文シベリア出兵 近代日本の忘れられた七年戦争

楊海英「日本陸軍とモンゴル 興安軍学校の知られざる戦い」☆

塚本康浩「ダチョウはアホだが役に立つ」

重松伸司「海のアルメニア商人 アジア離散交易歴史

小倉孝保中世ラテン語辞書を編む 100年かけてやる仕事」★★

澤宮優、平野恵理子「イラストで見る昭和の消えた仕事図鑑」☆

カムラクニオ「こじらせ美術館」★

宗美玄(ソン・ミヒョン)「女医が教える 本当に気持ちのいいセックス」★★★

泉健太郎「ウンチ化石学入門」

土屋健「こっそり楽しむうんこ化石世界

木村泰司「人騒がせな名画たち」

美術

なし

読んだのは全体的に近現代史が多い。

第二次世界大戦についての本は通史を何度か読んだが、テーマごとに読むとまた面白い歴史技術史とか思想史とか文学史とかの別の軸で見直さないと立体的に見えてこない。とはいえ、少しは立体的に見えたとしても、知らないことが無数にあり、出来事すべてを頭の中に残しておくのは難しい。歴史は誰と誰が知り合いかとか、活躍した時代以降にどう生きたかがわかってくると更に面白くなるんだろうが、あいくそこまで行っていない。

ダチョウの本は父親に薦められた。

12月は当たりが多く、上位3冊を選ぶのに悩んだ。ほぼすべてがオススメ

来年から方針を変えて、すべての本を★1つから5つまでの段階で評価してもいいかもしれない。

まとめ

一年を通してみると、「昆虫記」のウェイトが大きく、それから第二次世界大戦の本を多く読んでいる。それに並んで平安時代江戸時代などを扱った新書が多い。外国歴史の本は少ないが、旅先のイスタンブールバルセロナ歴史を扱った本が印象深い。

SF新人賞を数年分まとめて追いかけるのが習慣なのだが、もう少し純文学を読みたい。学生岩波新潮古典ばかり読んでいたのにどうしてだろう。

人権関係で読みたい本が多数ある。とはいえ、悲しい気持ちになるので元気のある時にしか読めないし、いつ元気になるかは予測ができない。

詩集は少ない。「智恵子抄」くらい。

ここ最近美術展に行っていないなと思いきや、振り返るとほぼ毎週行っている月があったので、まとめてみるのは大事だ。秋以降は少なかったが、これは理由がわかっている。

以上。

面倒なので来年も書くかはわからない。


2022年に読んだ本

[読書]2023年前半に読んだ本

2023-12-27

文春スキャンダルを予告した漫画

松本人志文春砲を予告していた漫画があるとSNS拡散されている。そのページはネットで読める。出典はコアマガジン社の実録ゴシップ漫画である

悲惨芸能界不幸大全 性被害死亡事故、最悪な業界 (コアコミックス) | アンソロジー | マンガ | Kindleストア | Amazon

https://www.amazon.co.jp/dp/B0CLGB66BP

 

なんとマンガ図書館Zでも公開されている。広告付きで無料で読める。

【全巻無料悲惨芸能界不幸大全 性被害死亡事故、最悪な業界 - アンソロジー | 男性向け漫画が読み放題 - マンガ図書館Z

https://www.mangaz.com/book/detail/223911

 

発行日は2023年9月。上半期の芸能スキャンダルの裏側を紹介すると同時に、下半期に起こりそうな芸能人のスキャンダルを予想している。その予想の1つが松本人志セックススキャンダルだった。スピードワゴン小沢らしきキャラも出てくるので、当事からすでにゴシップ記者の間では有名な話になっていたんだろう。

2023-12-18

書いたな、俺の前で、ニッチ同人合同誌の話を!

https://note.com/loseheroine_wsd/n/n2b8cdb169664

まとめ

古参ジャンルには、「広告概念合同」、「メディアミックスアンソロジー」、「映画ポスターパロディ合同」のように他メディアテーマにした合同誌や、「プレ遣合同」(小さな漁港にあるプレハブ拠点艦娘たちを示す「プレハブ分遣隊」という共通概念がどうやらあるらしい。何?)、「艦娘化合同」、「終末物語合同」(ネット上で調べた限り初出はC92らしいが、カタログ上には掲載されている)、「ミステリ合同」といった特定世界観ジャンルを共有する合同誌が存在するが、新参ジャンルには存在しない。新参ジャンルの合同誌は、こう言ってよければテーマ常識的だ。

さらに注目したいのが、性癖合同誌に登場するキャラクターだ。

性癖合同誌は有名なキャラクターカップリング製作される傾向にある。たとえば、サービス開始時点では存在しなかった艦これ海外艦や、ラブライブ!シリーズの続編であるラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』、『ラブライブ!スーパースター!!』が中心の性癖合同誌は調査した全8回のコミケには存在しなかった。

(中略)

そのほかのコンテンツでも、性癖合同誌にはコンテンツ初期に登場したキャラクターばかりが登場する。

ほーんなるほど面白いじゃないですか丁度手元に艦娘化合同誌があるので見てみようじゃないですか

https://imgur.com/a/NDbncRf

アイオワビスマルクじゃねえか

まあ4年近く前の同人誌情報なんて中々ネット上に残ってないですよねと言おうとしたら駿河屋に表紙画像貼られているしなんなんだ

仮に"中心の"が主題だったとしても「このキャラクターカップリングで〇〇を見たい」という同人と「単に〇〇を見たい」という同人を同列に語ってる時点で片手落ちですし

…と「実物見て語ってないよね」と言って話を終わらせても良いのですが今手元にある艦娘化合同誌2冊とゴムボート化※合同誌2冊をみて本当に"性癖合同誌にはコンテンツ初期に登場したキャラクターばかりが登場する"のか見てみましょう

上記記事でも非エロ合同として記載されているコレ、字面だけ見たら「艦娘ゴムボート漂流してるシチュエーションだけ揃えたんかな」みたいな印象を受けますが…

Pixiv百科事典なんか見てもらえば察してもらえると思うんですけど状態変化・人体改造系のGが付くタイプR-18ジャンルです。これが非エロなわけねえだろ真面目に見てんのか

検証

最近」の定義曖昧なのでキャラクターを挙げていっても何とでも言えてしまう(最近じゃないだろ、とか直近で改二が来てるのは最近じゃないのか、とか)ので初手からどうしようもないのですが…

"サービス開始時点では存在しなかった艦これ海外艦"というところを挙げていらっしゃるので、丁度表紙にもあるアイオワ実装(2016年5月)をひとつ区切りとして見ていきましょう(ビスマルク実装がそれなりに早いので今回は例外します)

言うて7年前なのですが今回見るのが最新で2019年の本なので艦これサービス開始から丁度半分の期間となるということでご容赦を…

また今回は改二を無視して純粋実装時期だけを見ています

ということで

に分類して見ていこうと思います

対象
結果
2013年4月9人(長門/加賀/鳳翔/飛鷹/吹雪/如月/島風/朝潮/電)9人(金剛/利根/那智/那珂/球磨/島風/鳳翔/朝風/ヴェールヌイ)12人(長門/陸奥/山城/鳳翔/妙高/青葉/古鷹/天竜/竜田/初霜/雪風/時雨)19人(長門/陸奥/高雄/愛宕/摩耶/鳥海/利根/筑摩/天竜/由良/球磨/五十鈴/島風/村雨/子日/初春/初霜/霞/潮)
2013年4月2016年5月4人(伊19/伊58/鈴谷/春雨)6人(ビスマルク/伊19/鈴谷/磯風/萩風/嵐)4人(大和/矢矧/初風/明石)16人(鈴谷/熊野/夕張/阿武隈/香取/鹿島/浜風/清霜/海風/浜風/浦風/ビスマルク/プリンツ・オイゲン/Z3/飛行場姫/戦艦棲姫)
2016年5月3人(アイオワ/ウォースパイト/浦波)5人(ウォースパイト/ガリバルディ/ジョンストン/タシュケント/水無月)7人(神威/峯雲/ネルソン/ウォースパイト/アークロイヤル/ゴトランド/ジャーヴィス)
その他ケーニヒスベルク(戦艦少女R)/アーノ(サモンナイト)テイルレッド/レイセン(東方Project)/ポートランド(アズールレーン)/インディアナポリス(アズールレーン)/カードファイト!!ヴァンガードより若干名

見てもらえばわかると思うんですが"コンテンツ初期に登場したキャラクターばかりが登場する"というのはあっても弱い相関しかない、「参加者に依る」としか言いようがないというものなんですよね

4誌中3つ埋まっているウォースパイトなんか全員同一人物が描いてますし(つまり一見関係ない同人誌渡り歩いて買うような増田のような人間参加者側にもいるということです)、

そもそも艦これ関係ないやんというキャラクターが出てきてますし…まあ、こういうのよくあるんですよ

一度でも手に取ってもらえれば流石に無茶言ってるだろうというのもわかると思うのですが、こればっかりはどうしようもないですね

やっぱりこういう齟齬が生まれしまう原因って、一つ一つの本を実物としてではなくひとつ知識として捉えてるせいなのではないかと思うのですよ

数年分のコミケカタログ全部見て集計したんですって?素晴らしいじゃないですか!

ただ、そういう"文字通りの"カタログスペックだけを見て分析していくのもよろしいのですが、せっかくなのだから実物を見て糧としていきませんか?

たとえ「コミケ時代の終わり」がこれから来ようとも、少なくとも今は生きているのですから!!

追記

高度に発達した性的嗜好は非性的な嗜好と区別できなくなる(少なくとも性的ものを除外・制限ゾーニングすることが困難になる)

この手に類すること…「フェティシズム極致において性行為はむしろ不純物だよな」ということは常々考えてるんですよね

増田普段自分エッチだと思う妄想文をインターネットの海に放流しているのですが(今回全部艦これ本だったんでそういう話しかしてないけど別にお船二次創作ではないです)、

別に裸も行為もない文章を本当にR-18として出してもいいのか…?」という意識に苛まれながら投稿してたりしますね

まあ面倒くさくなったら無駄に脱がせて成人向けということにしたりするんですけど

それはそれとして件の合同誌はゴムちんぽとゴムまんこが合体(比喩)したり合体(物理)してる上そもそも表紙にR-18とハッキリ書いてあるので非エロなわけがないです

手に取ろうと言うならC103で買う予定の合同誌のひとつくらい教えてやったらどうだ

コミケ醍醐味は目当ての二次創作を買う瞬間ではなく、自分の知らない分野の島を散策している時にある気がする。

と原文にはありますがこれには基本的同意でして、増田10ちょっとサークル買いの参加状況確認以外一切事前情報収集せずに突撃して、全探索して(企業ブースへは行きませんが)色々漁る…というかたちで毎回やってるのでほぼ予定が無いんですよね

例の艦娘化合同の新作が夏に出てたのを今更把握した(マジで情報収集しないのでこれ書いてるときに初めて知った)ので例に挙げたからには買いに行けよ、とアドバイスできるくらいでしょうか

後確定してるのは…夏に買った首チンコ合同の第二段くらいですかね…

仮にカタログ集計の際にこれがあったとするならば普通にブルアカ判定されてそうなんですが、「ブルアカオリジナル」と書いてある上に実際3人がオリジナル描いてるやつですね

そういうのもあるのかという経験のためにみんなもニッチな合同誌、買おう!

2023-12-10

大学生の頃の話

もう何年も前の話。

私は大学生の時、当時の文学部所属していた。

それは本来文学部から派生したもう一つの文学部のようなもので、今にして思えばサークルと呼ぶには少し禍々しさがあった。

その文学部には女性しか入れず、不文律として”処女であること”が条件だった。

私は入部後にそれを知り、そして除籍にはならなかったのはつまりそういうことだ。

回生になると彼氏が出来た。

私にとっては初カレで、そして彼氏が出来たということは、つまりそういうことだ。

二人で連れ添って学内を歩き、何度か部長とすれ違ったことがある。

私は焦り、挨拶しようか誤魔化そうかもごもごとしていると部長はその切れ長の目で私を一瞥し、何も言わずに通り過ぎて行った。

その年の文化祭文芸部では同人誌を出すのが常だった。

小説アンソロジー。各々が一篇を執筆し、それを編み込んだ一冊。

私は時間がなく参加できなかった。しかし当然、一冊を購入した。

読むとどれもが独特の視点であって面白い

部長は何を描いたんだろう?と期待して読むと、唖然とした。

そこには一人の女性顛末思弁的に描き、女性は最終的に悲劇的な結末に陥っていた。

端的に言えば、地獄に落ちていた。

その女性モデルは明らかに私だった。

私は退部した。

それから部長とすれ違うことがあっても、声をかけることはなかった。

その後、あの文芸部がどうなったのかは知らないし、知ろうとも思わなかった。

出来るだけ距離を取ろうとしていたのだから仕方がない。

でも最近になってたまに思う。

部長は今、どうしているんだろうか。

年末大掃除を早めに始め、当時の小説を見つけては手に取り、ふとそう思った。

2023-11-10

かつて本当に島本和彦は2人いた

島本和彦先生アシスタントゲッサン編集部マンガ持ち込みしたところ「島本和彦は2人要らないッ」と強めに言われる → 最初はムッとしたが編集さんから渡された名刺を見てすべてを悟る

https://togetter.com/li/2255702


島本和彦アシスタントが持ち込みして編集に「島本和彦は2人要らない」と言われたエピソードがバズってたけど、まさに「歴史は繰り返す

から40年近く前に炎の転校生連載当時の島本和彦アシスタント出身島本和彦のようなタッチ島本和彦のようなノリで島本和彦のような漫画を描いてデビューした漫画家がいた。

その名は藤原昌幸

島本和彦遺伝子藤原昌幸85年のデビュー作「我が名は雷だー!!」

http://ikesanfromfrneore.blog64.fc2.com/blog-entry-317.html

詳しくはこちらのサイトを読んでいただきたい。

藤原昌幸デビュー作「我が名は雷(らい)だー!!」はシリアスタッチでくだらないギャグを堂々とやる初期の島本和彦作風模倣した、というか完全に「島本和彦コピー」のような漫画だった

セリフしから書き文字文体吹き出し集中線タッチまで何から何まで当時の島本和彦を真似ていた。

その後、コミックコンプで同じように初期島本和彦作風継承した「刑事剣士カリバー」を連載し単行本も出てたので覚えてる人は覚えているかもしれない。

島本和彦遺伝子藤原昌幸が描く熱血ヒーロー刑事剣士カリバー

http://ikesanfromfrneore.blog64.fc2.com/blog-entry-2400.html



今回の「島本和彦は2人要らない」の話がバズってんのに誰も藤原昌幸の事を思い出す人間がいないのがちょっと悔しいので

島本和彦は2人要らないかもしれないが、確かに島本和彦が2人いた時代があった事をみんな思い出してもらいたかった。

島本和彦本人は炎の転校生終了以降、暗黒時代突入して5年もの間低迷した後、「仮面ボクサー」そして「逆境ナイン」で確固たる作風確立させて誰の追随も許さなくなった(真似しようとしてもできなくなった)

藤原昌幸富士原昌幸改名してスーパーロボット大戦アンソロジーを描いたりスパロボゲストメカスレードゲルミル)のデザインとかやったりし、今でも同人活動をしている、




そして・・・現在アオイホノオ」作中の焔燃のアシスタントマウント武士」として登場している。

https://pbs.twimg.com/media/FteVor4aUAMsf2X.jpg

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