禁じられた日の丸/サッカー日中戦に思う
2012/05/31/Thu
現在行われているサッカーのアジア・チャンピオンズ・リーグ(ACL)では、日本のチームが中国で戦う場合、会場への日本の国旗持ち込みが禁止された。
そのため五月三十日に広州で行われたFC東京と広州恒大との決勝トーナメント一回戦でも、場内で掲揚されたのは中国国旗のみ。観客席で日の丸は見られず、日本人から見れば何とも寂しく、屈辱さえ感じられた。
日の丸が禁じられたFC東京と広州恒大の試合会場
だがこうした仕打ちも、現場を仕切る公安当局に言わせれば当然のことかも知れない。尖閣問題の影響で反日感情が燻り続ける中、中国人観客の暴力を未然に防ぐための「刺激物」規制なのだ。
FC東京のHPには試合に先立ち、日本人観戦者への「公安当局からの依頼事項」を掲載していた。
それによると、「特に徹底を求められているもの」が「バスによる集団入退場の徹底」「FC東京とわかるウェアは、入場後に着用、退場前に脱ぐこと」、そして「国旗の持ち込み禁止」だった。
そのほか、「横断幕、スローガンおよび宣伝物すべて」「国旗、旭日旗または類似デザインのフラッグやバナー」も持ち込みは不可だった。
「割れ物および容器」「飲料、食料」「先の鋭い傘、長さ50cmを超える傘」などもご法度というから、観客の日中衝突が警戒されていたのもわかる。
HPではFC東京自身も「試合の内容・結果を問わず、相手クラブ、スタジアム、相手サポーター等に迷惑をおかけすることが無いよう、会場の内外を問わず、良識に基づいた節度ある行動、言動を心がけて」「みなさまが無用のトラブルに巻き込まれることなく、素晴らしい機会であるACLの海外アウェイ戦をお楽しみいただければ」と、念には念を入れて自重を呼び掛けているから、公安当局から相当強く「規制」協力を求められていたに違いない。
読んでいるだけで、厳戒体制で乗り切ろうとする公安当局の緊張感が伝わってくる。
もちろん当局にとり、試合会場での暴徒鎮圧など大したことではないだろう。中共が恐れているのは、民衆の反日感情が激発し、いっきに反政府感情へと変貌し、その輪が拡大することなのだ。
反日デモなどでしばしば見られるスローガン「愛国無罪」など、文革時の「革命無罪、造反有理(反体制に道理あり)」を連想させるものがある。中共は国民を束ねて政権を守るため、愛国主義(反日感情)を煽る教育を推進してきたが、その結果、政権でも制御、統制の困難な、歪んだ国民感情を高めてしまったわけだ。
この日は日本国旗だけを禁じるわけにはいかなかったのだろう。中国国旗の持ち込みも禁止された。
強敵である日本のプロチームとの対戦とあり、あの国のファンの間では「中日大戦」とも位置づけられ、大勢の観客が詰めかけた中、、中国国旗を携えた者は少なくなく、現地では城管(都市管理局の職員)が没収して回った。
「愛国無罪」と言わんばかりに取締官を襲撃する中国人サポーター
日頃は横暴な振る舞いで知られる城管だが、この日は逆に愛国的な観客に囲まれ、暴行を受けるなどした。「愛国無罪」だと言わんばかりに。
このように両国国民の敵対感情を和らげることで必死になっているのが中共だ。尖閣購入計画に象徴される日本での反中国的な動きも、「一握りの右翼」の仕業だと宣伝報道を繰り返したのも、自国民の反日感情の激発を防ぎたいがためだった。
そしてそのような中共にひたすら気を遣い、たとえば尖閣沖での漁船体当たり事件の犯人を釈放してしまうなど、日中関係や中国人の対日感情の「改善」のためなら国法も主権も踏みにじるのが日本政府である。
実に愚かなことだと思う。「反日」で政権を維持する敵性の中共に、「反日愛国主義」というは諸刃の剣で怪我をし、反省でもしてもらおうというぐらいの発想を、どうして日本人は持とうとしないのか。
もちろんサッカー会場で中国人を挑発せよなどと、そんな危険なことを言う気はない。しかしそれ以外の、日本の断固たる反中国姿勢を示すような方法で、あの国の愚民の反日感情、そして反中共感情を煽るチャンスを探すべきだろう。中共のアキレス腱を狙うのだ。
なお、この日の試合結果は0-1でFC東京の負け。中国側はそれで「中国サッカーに希望が見えた」(新華社)などと大喜びだったが、中国に媚び、そして負け、あの国に「自信」ばかりを与え続けるこれまでの日本の姿を、ついつい思い出してしまった。もちろんスポーツと外交とは異なるけれども。
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そのため五月三十日に広州で行われたFC東京と広州恒大との決勝トーナメント一回戦でも、場内で掲揚されたのは中国国旗のみ。観客席で日の丸は見られず、日本人から見れば何とも寂しく、屈辱さえ感じられた。
日の丸が禁じられたFC東京と広州恒大の試合会場
だがこうした仕打ちも、現場を仕切る公安当局に言わせれば当然のことかも知れない。尖閣問題の影響で反日感情が燻り続ける中、中国人観客の暴力を未然に防ぐための「刺激物」規制なのだ。
FC東京のHPには試合に先立ち、日本人観戦者への「公安当局からの依頼事項」を掲載していた。
それによると、「特に徹底を求められているもの」が「バスによる集団入退場の徹底」「FC東京とわかるウェアは、入場後に着用、退場前に脱ぐこと」、そして「国旗の持ち込み禁止」だった。
そのほか、「横断幕、スローガンおよび宣伝物すべて」「国旗、旭日旗または類似デザインのフラッグやバナー」も持ち込みは不可だった。
「割れ物および容器」「飲料、食料」「先の鋭い傘、長さ50cmを超える傘」などもご法度というから、観客の日中衝突が警戒されていたのもわかる。
HPではFC東京自身も「試合の内容・結果を問わず、相手クラブ、スタジアム、相手サポーター等に迷惑をおかけすることが無いよう、会場の内外を問わず、良識に基づいた節度ある行動、言動を心がけて」「みなさまが無用のトラブルに巻き込まれることなく、素晴らしい機会であるACLの海外アウェイ戦をお楽しみいただければ」と、念には念を入れて自重を呼び掛けているから、公安当局から相当強く「規制」協力を求められていたに違いない。
読んでいるだけで、厳戒体制で乗り切ろうとする公安当局の緊張感が伝わってくる。
もちろん当局にとり、試合会場での暴徒鎮圧など大したことではないだろう。中共が恐れているのは、民衆の反日感情が激発し、いっきに反政府感情へと変貌し、その輪が拡大することなのだ。
反日デモなどでしばしば見られるスローガン「愛国無罪」など、文革時の「革命無罪、造反有理(反体制に道理あり)」を連想させるものがある。中共は国民を束ねて政権を守るため、愛国主義(反日感情)を煽る教育を推進してきたが、その結果、政権でも制御、統制の困難な、歪んだ国民感情を高めてしまったわけだ。
この日は日本国旗だけを禁じるわけにはいかなかったのだろう。中国国旗の持ち込みも禁止された。
強敵である日本のプロチームとの対戦とあり、あの国のファンの間では「中日大戦」とも位置づけられ、大勢の観客が詰めかけた中、、中国国旗を携えた者は少なくなく、現地では城管(都市管理局の職員)が没収して回った。
「愛国無罪」と言わんばかりに取締官を襲撃する中国人サポーター
日頃は横暴な振る舞いで知られる城管だが、この日は逆に愛国的な観客に囲まれ、暴行を受けるなどした。「愛国無罪」だと言わんばかりに。
このように両国国民の敵対感情を和らげることで必死になっているのが中共だ。尖閣購入計画に象徴される日本での反中国的な動きも、「一握りの右翼」の仕業だと宣伝報道を繰り返したのも、自国民の反日感情の激発を防ぎたいがためだった。
そしてそのような中共にひたすら気を遣い、たとえば尖閣沖での漁船体当たり事件の犯人を釈放してしまうなど、日中関係や中国人の対日感情の「改善」のためなら国法も主権も踏みにじるのが日本政府である。
実に愚かなことだと思う。「反日」で政権を維持する敵性の中共に、「反日愛国主義」というは諸刃の剣で怪我をし、反省でもしてもらおうというぐらいの発想を、どうして日本人は持とうとしないのか。
もちろんサッカー会場で中国人を挑発せよなどと、そんな危険なことを言う気はない。しかしそれ以外の、日本の断固たる反中国姿勢を示すような方法で、あの国の愚民の反日感情、そして反中共感情を煽るチャンスを探すべきだろう。中共のアキレス腱を狙うのだ。
なお、この日の試合結果は0-1でFC東京の負け。中国側はそれで「中国サッカーに希望が見えた」(新華社)などと大喜びだったが、中国に媚び、そして負け、あの国に「自信」ばかりを与え続けるこれまでの日本の姿を、ついつい思い出してしまった。もちろんスポーツと外交とは異なるけれども。
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