台湾の悲哀!「中国人」扱いされた女子プロテニス選手
2013/09/30/Mon
中国の寧波チャレンジャーテニスでの出来事。女子ダブルスに出場した台湾のプロテニス選手、詹詠然は九月二十四日の試合に出場する際、その国名を中国語で「中国台湾区」と、二度にわたってアナウンスされた。この台湾ならびに詹詠然に対する侮辱事件は台湾国内で大きく報道され、国民間で怒りの声が上がった。
主催側から中国人扱いにされながらも優勝を果たした台湾の詹詠然選手(左)
詹詠然自身はこの日、フェイスブックでこう振り返る。
―――私に鮮明な政治手的立場はないし、政治に特別な興味もない!だが「中国台湾区の詹詠然選手を歓迎する」とのアナウンスを聞かされた時は心から不愉快だった。「私は“台湾”人であり、“中華台北”の代表として出場している!わざと国籍を言い間違えないで!
―――審判長には抗議しているが、もし再び同じことをするなら、さらに上の方に私の立場を訴えなければならなくなる!
そして最後に「このコメントが政治問題に発展し、騒がれることは望まない。ただ私の考えを言いたいだけ」と付け加えている。騒ぎにしたくないと願いつつも、そうとう腹に据えかねているのが伝わってくる。
詹詠然がフェイスブックで書いたコメント。祖国を否定された悔しさが書き綴られている
しかし、翌二十五日にはアナウンスが改められたようだ。次のように報告している。
―――各界からの関心に感謝したい。今日の試合では「中華台北」に直された。そして順調にベスト四に進むこともできた。明日は決勝戦へと勝ち進みたい!
何よりのことではある(ちなみに詹詠然は二十七日、優勝を果たしている)。
しかし詹詠然や多くの台湾国民が気付いていないのは、なぜ中国がアナウンスを変えることができたかである。
それは「中華台北」は「中国台湾区」は同義であり、中国にはいずれも受け容れることができるからなのだ。
前者は英語の「チャイニ―ズタイペイ」の中国語訳であり、後者は同じく「チャイニ―ズタイワン」の中国語訳なのである。
台湾では「中華台北」の「中華」は「中華民国」の略称と定義されているが、それは魯迅の小説『阿Q正伝』で描かれる阿Qの精神勝利法(負けているのに勝っていると思い込む)に似ている。なぜなら国際社会のほとんどは、そのような定義は通用しない。
まず中国は中華民国の存在を認めず、台湾は「チャイナ」(中華人民共和国)の領土の一部と位置付けていることは言うまでもない。この国が「中華台北」の呼称を許容する所以はここにある。
また、ごく一部を除く各国政府も中華民国を承認しておらず、台湾を中国の領土とは認めていないものの、しかし「チャイナ」と言えば、「中華人民共和国」と受け取らざるを得ない。
さらに言えば、世界の人々の多くは「中華民国」の国号すら聞いたことがなく、「チャイナ」はやはり「中華人民共和国」以外にない。
。
「中華民国」代表としての誇りを胸に奮闘する詹詠然には気の毒ではあるが、これが国際社会の否定すべからざる現実なのだ。
中国の圧力によって、オリンピックを含む国際競技大会には「チャイニースタイペイ」との呼称でしか参加できない台湾。台湾人選手が健闘すればするほど、「中国の台北(台湾)」という中国のプロパガンダを利するという仕組である。
これこそ台湾の悲哀である。「スポーツに政治を持ちこみたくない」との詹詠然の切実な思いは理解できる。だがそもそもこうした呼称問題は、すぐれて中国が突き付けるところの政治問題なのである。
このことを台湾国民はよく理解しなければならない。
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主催側から中国人扱いにされながらも優勝を果たした台湾の詹詠然選手(左)
詹詠然自身はこの日、フェイスブックでこう振り返る。
―――私に鮮明な政治手的立場はないし、政治に特別な興味もない!だが「中国台湾区の詹詠然選手を歓迎する」とのアナウンスを聞かされた時は心から不愉快だった。「私は“台湾”人であり、“中華台北”の代表として出場している!わざと国籍を言い間違えないで!
―――審判長には抗議しているが、もし再び同じことをするなら、さらに上の方に私の立場を訴えなければならなくなる!
そして最後に「このコメントが政治問題に発展し、騒がれることは望まない。ただ私の考えを言いたいだけ」と付け加えている。騒ぎにしたくないと願いつつも、そうとう腹に据えかねているのが伝わってくる。
詹詠然がフェイスブックで書いたコメント。祖国を否定された悔しさが書き綴られている
しかし、翌二十五日にはアナウンスが改められたようだ。次のように報告している。
―――各界からの関心に感謝したい。今日の試合では「中華台北」に直された。そして順調にベスト四に進むこともできた。明日は決勝戦へと勝ち進みたい!
何よりのことではある(ちなみに詹詠然は二十七日、優勝を果たしている)。
しかし詹詠然や多くの台湾国民が気付いていないのは、なぜ中国がアナウンスを変えることができたかである。
それは「中華台北」は「中国台湾区」は同義であり、中国にはいずれも受け容れることができるからなのだ。
前者は英語の「チャイニ―ズタイペイ」の中国語訳であり、後者は同じく「チャイニ―ズタイワン」の中国語訳なのである。
台湾では「中華台北」の「中華」は「中華民国」の略称と定義されているが、それは魯迅の小説『阿Q正伝』で描かれる阿Qの精神勝利法(負けているのに勝っていると思い込む)に似ている。なぜなら国際社会のほとんどは、そのような定義は通用しない。
まず中国は中華民国の存在を認めず、台湾は「チャイナ」(中華人民共和国)の領土の一部と位置付けていることは言うまでもない。この国が「中華台北」の呼称を許容する所以はここにある。
また、ごく一部を除く各国政府も中華民国を承認しておらず、台湾を中国の領土とは認めていないものの、しかし「チャイナ」と言えば、「中華人民共和国」と受け取らざるを得ない。
さらに言えば、世界の人々の多くは「中華民国」の国号すら聞いたことがなく、「チャイナ」はやはり「中華人民共和国」以外にない。
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「中華民国」代表としての誇りを胸に奮闘する詹詠然には気の毒ではあるが、これが国際社会の否定すべからざる現実なのだ。
中国の圧力によって、オリンピックを含む国際競技大会には「チャイニースタイペイ」との呼称でしか参加できない台湾。台湾人選手が健闘すればするほど、「中国の台北(台湾)」という中国のプロパガンダを利するという仕組である。
これこそ台湾の悲哀である。「スポーツに政治を持ちこみたくない」との詹詠然の切実な思いは理解できる。だがそもそもこうした呼称問題は、すぐれて中国が突き付けるところの政治問題なのである。
このことを台湾国民はよく理解しなければならない。
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