AKB「中国の台湾」発言が台湾で波紋―実は日本全体の問題だ
2016/04/30/Sat
■中国の台湾人アイドルバッシング事件
韓国のAKB48のような女性アイドルグループTWICEの台湾人メンバー、周子瑜さん(16)が一月に中国でバッシングを受けた。昨秋、韓国のテレビ番組で台湾の中華民国旗を手にしたため、「台湾独立派」などとネット上で激しく叩かれ、番組出演を取り消されたりしたのだ。
そのため彼女は謝罪ビデオを公開し、脅えるような表情で次のように語った。
「中国はただ一つ。海峡両岸は一体。私は常に中国人であることに誇りを持っていますが、国外での活動で中国人としての言行に誤りがあり、事務所と両岸のネットユーザー感情を傷つけました」と。
そして「とてもとても申し訳ありません。中国での一切の活動を中止、真剣に反省します。何度も何度も謝罪します。ごめんなさい」と。
中華民国の国旗を持ったがため中国にバッシングされ、謝罪声明を読まされる台湾
人アイドルの周子瑜さん
もちろんこれは、中国市場を失うのを恐れた所属事務所に言わされたものだ。これを受け中国側は満足だ。中央テレビ(CCTV)は周さんの出演を許した。
一方台湾朝野は、かよわい自国の少女をここまで追い詰めた中国への反撥が広がった。公開謝罪が行われたのはちょうど総統選挙の投票日の前日で、蔡英文候補だけでなく他の中国寄り候補まで中国批判をしたのは、それほど世論が中国側の横暴に怒っていたためである。
■台湾メディアも速報したAKBメンバーの失言
さて、日本では、ニッポン放送が四月二十九日に放送した「AKBのオールナイトニッポン」で、AKB48のメンバーの小嶋真子さん(18)が、「中国の台湾」と発言したそうだ。
なんでも「今度私は中国の台湾、行くんですー」と話し、他のメンバーも、そうだと頷いていたとか。
なぜ台湾が「中国」なのか。ネット上では日本、そして台湾へと批判の声が広がり、それを受け台湾のマスメディアまでが速報するとの事態になっている。
そうした報道で私もこの件を知ったのだが、「AKBメンバーが“中国の台湾”へ行くと言っている」(自由時報)との見出しに、思わず「中国による周子瑜事件の再来か」と身構えてしまった(台湾のネット上でも同様の反応があったようだ)。
もっとも実際にはそんな話ではなく、単に台湾を中国の一部だと勘違いしていただけの模様。台湾人も、中国側が周子瑜さんにしたような陰湿な報復はしないはずだ。
しかしそれでも考えなくてはいけない。なぜ彼女はこんな大間違いを犯したのかを。
■一人の一少女の勘違いが問題なのではない
単に十代の少女の勘違いというだけなら問題は小さいかもしれない。だが今回の原因はそもそも日本全体にあるのだろう。「中国の台湾」といった誤った認識や印象は早くからこの社会で定着してしまっている。
だから今回、これを聞いた聴取者(もしかしたら番組スタッフも含め)、多くは問題視しないばかりか違和感すら持たなかったことだろう。
たしかにネット上で問題視されはしたが、それは一部の有識の士達に限られた話だ。もし「オーストラリアのニュージランド」「インドのスリランカ」など発言したら、今頃番組が謝罪を表明するなどで大騒ぎになっていると思うが、「中国の台湾」ではそうならないというのが日本なのだ。
そのことは過去の数えきれないほどの同様の事例で実証されている。
■日本人に刷り込まれた「中国の一部」という印象
日本人の多くは、台湾が中国の支配を受けていなことは認識していても、しかしその一方で「台湾は中国の一部」との印象がしっかりと刷り込まれているため、「中国の台湾」と聞かされても反撥しにくくなっているのだ。
「周子瑜さんボイコット」という卑劣な手法を用いてでも、「中国の一部だ」との虚構宣伝に執念を燃やすのが中国という国であるが、そうした宣伝工作に日本人は早くから洗脳されてしまっているというわけだ。
洗脳されていると言えばマスメディアも例外ではない。だから私は十数年間、彼らの「台湾は中国の一部」とする報道を糾す活動に取り組んでいるのである。
「中国の台湾」との発言が台湾で批判にさらされている。しかし問題は日本社会全体にあるはずだ
■中国の台湾侵略を正当化する言葉だ
このように「中国の台湾」は、小嶋真子さん一人の間違いではないのである。
たとえば「チャイニーズタイペイ」(中国の台北)なる呼称を用いる日本のスポーツ中継も、同じ過ちを繰り返しているわけだ。
中国が国際競技会を政治利用し、「中国はただ一つ。海峡両岸は一体」とのデマ宣伝を世界に押し付けようとして生まれたのが「チャイニーズタイペイ」。こんなものに日本人は反撥しないでいいのか。
そう考えると「中国の台湾」も、いかに危険な言葉であるかがわかるはず。要するに中国の台湾侵略を正当化するための宣伝文句なのだから。
「それは間違いだ」「台湾は台湾人の国。中国の侵略を受けるべきではない」との認識を、日本人はしっかりと確立するべきだろう。子供達にもしっかりと教えるべきだ。
まずは、台湾ではなぜあの発言に反撥があり、報道まで行われたかというところから考えたらいい。
ところで話は変わるが、今回の失言に関して番組は訂正や謝罪をするだろうか。中国でも展開したいAKBサイドとしては、「中国の台湾」を否定しては周子瑜さんの二の舞にもなりかねない。だからこの際は台湾の尊厳より中国の利益を優先するだろうか。
注目したい。
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韓国のAKB48のような女性アイドルグループTWICEの台湾人メンバー、周子瑜さん(16)が一月に中国でバッシングを受けた。昨秋、韓国のテレビ番組で台湾の中華民国旗を手にしたため、「台湾独立派」などとネット上で激しく叩かれ、番組出演を取り消されたりしたのだ。
そのため彼女は謝罪ビデオを公開し、脅えるような表情で次のように語った。
「中国はただ一つ。海峡両岸は一体。私は常に中国人であることに誇りを持っていますが、国外での活動で中国人としての言行に誤りがあり、事務所と両岸のネットユーザー感情を傷つけました」と。
そして「とてもとても申し訳ありません。中国での一切の活動を中止、真剣に反省します。何度も何度も謝罪します。ごめんなさい」と。
中華民国の国旗を持ったがため中国にバッシングされ、謝罪声明を読まされる台湾
人アイドルの周子瑜さん
もちろんこれは、中国市場を失うのを恐れた所属事務所に言わされたものだ。これを受け中国側は満足だ。中央テレビ(CCTV)は周さんの出演を許した。
一方台湾朝野は、かよわい自国の少女をここまで追い詰めた中国への反撥が広がった。公開謝罪が行われたのはちょうど総統選挙の投票日の前日で、蔡英文候補だけでなく他の中国寄り候補まで中国批判をしたのは、それほど世論が中国側の横暴に怒っていたためである。
■台湾メディアも速報したAKBメンバーの失言
さて、日本では、ニッポン放送が四月二十九日に放送した「AKBのオールナイトニッポン」で、AKB48のメンバーの小嶋真子さん(18)が、「中国の台湾」と発言したそうだ。
なんでも「今度私は中国の台湾、行くんですー」と話し、他のメンバーも、そうだと頷いていたとか。
なぜ台湾が「中国」なのか。ネット上では日本、そして台湾へと批判の声が広がり、それを受け台湾のマスメディアまでが速報するとの事態になっている。
そうした報道で私もこの件を知ったのだが、「AKBメンバーが“中国の台湾”へ行くと言っている」(自由時報)との見出しに、思わず「中国による周子瑜事件の再来か」と身構えてしまった(台湾のネット上でも同様の反応があったようだ)。
もっとも実際にはそんな話ではなく、単に台湾を中国の一部だと勘違いしていただけの模様。台湾人も、中国側が周子瑜さんにしたような陰湿な報復はしないはずだ。
しかしそれでも考えなくてはいけない。なぜ彼女はこんな大間違いを犯したのかを。
■一人の一少女の勘違いが問題なのではない
単に十代の少女の勘違いというだけなら問題は小さいかもしれない。だが今回の原因はそもそも日本全体にあるのだろう。「中国の台湾」といった誤った認識や印象は早くからこの社会で定着してしまっている。
だから今回、これを聞いた聴取者(もしかしたら番組スタッフも含め)、多くは問題視しないばかりか違和感すら持たなかったことだろう。
たしかにネット上で問題視されはしたが、それは一部の有識の士達に限られた話だ。もし「オーストラリアのニュージランド」「インドのスリランカ」など発言したら、今頃番組が謝罪を表明するなどで大騒ぎになっていると思うが、「中国の台湾」ではそうならないというのが日本なのだ。
そのことは過去の数えきれないほどの同様の事例で実証されている。
■日本人に刷り込まれた「中国の一部」という印象
日本人の多くは、台湾が中国の支配を受けていなことは認識していても、しかしその一方で「台湾は中国の一部」との印象がしっかりと刷り込まれているため、「中国の台湾」と聞かされても反撥しにくくなっているのだ。
「周子瑜さんボイコット」という卑劣な手法を用いてでも、「中国の一部だ」との虚構宣伝に執念を燃やすのが中国という国であるが、そうした宣伝工作に日本人は早くから洗脳されてしまっているというわけだ。
洗脳されていると言えばマスメディアも例外ではない。だから私は十数年間、彼らの「台湾は中国の一部」とする報道を糾す活動に取り組んでいるのである。
「中国の台湾」との発言が台湾で批判にさらされている。しかし問題は日本社会全体にあるはずだ
■中国の台湾侵略を正当化する言葉だ
このように「中国の台湾」は、小嶋真子さん一人の間違いではないのである。
たとえば「チャイニーズタイペイ」(中国の台北)なる呼称を用いる日本のスポーツ中継も、同じ過ちを繰り返しているわけだ。
中国が国際競技会を政治利用し、「中国はただ一つ。海峡両岸は一体」とのデマ宣伝を世界に押し付けようとして生まれたのが「チャイニーズタイペイ」。こんなものに日本人は反撥しないでいいのか。
そう考えると「中国の台湾」も、いかに危険な言葉であるかがわかるはず。要するに中国の台湾侵略を正当化するための宣伝文句なのだから。
「それは間違いだ」「台湾は台湾人の国。中国の侵略を受けるべきではない」との認識を、日本人はしっかりと確立するべきだろう。子供達にもしっかりと教えるべきだ。
まずは、台湾ではなぜあの発言に反撥があり、報道まで行われたかというところから考えたらいい。
ところで話は変わるが、今回の失言に関して番組は訂正や謝罪をするだろうか。中国でも展開したいAKBサイドとしては、「中国の台湾」を否定しては周子瑜さんの二の舞にもなりかねない。だからこの際は台湾の尊厳より中国の利益を優先するだろうか。
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