「八田與一」像に献花した台湾独立派の心―台南・「孫文」像引倒し事件の後日談(附:台湾チャンネル報道動画)
2014/02/28/Fri
国民党が「中華民国の国父」と位置付ける中国の革命家、孫文。同党は台湾に亡命後、この人物をますます神格化し、その三民主義を人民に対する統制のイデオロギーとした。学校の教室にはその肖像が掲げられ、お札や硬貨まで孫文像だらけ。孫文の銅像まで各地に立っている。もちろん狙いは台湾人の「中国人化」だ。国民党に忠誠を尽くす「愚民化」と呼んでも過言ではなかった。
かくして台湾人は台湾とは縁もゆかりもない外国人を、自分たちの国父として崇め奉ったのだから、洗脳とは恐ろしいものだ。
そして民主化後の現在も、国民党の馬英九政権は、台湾史の教科書にも強引に孫文の名を登場させるなど、再び洗脳教育を強化しようとしており、一方中華人民共和国も孫文を台中が共に拝すべき「中華民族」の偉人に祭り上げ、中国統一を呼び掛けている。
こうした中国人勢力の宣伝攻勢の中、台湾は中国の一部ではなく、台湾人の国であるべきだとの怒りが、心ある台湾人の間で高まっている。
そしてそのような義憤に駆られ、立ち上がったのが台湾独立運動団体である公投護台湾連盟だ。二月二十二日、台南市の湯徳章記念公園に建つ孫文像をロープで引き倒したことは、本ブログでも詳報した通りだ。
10数人がロープで引っ張るや、瞬く間に600キロの銅像は台座から落ちた
国民党勢力は激怒し、馬英九総統も「粗暴で野蛮な行為であり、文明的な台湾人のやることではない。台南市は厳重に刑事責任を問うべきだ」と訴えた。
しかし「粗暴で野蛮」と言えば、「文明的な台湾人」に洗脳を施し、そして抵抗する者には容赦ない弾圧を加え、そして今や中国とも歩調を合わせ、台湾の中国化を推し進める国民党こそ野蛮の極みだろう。
中国政府も「台独分子のやり方は人心を得られない。両岸同胞による共同批判を受けること必定だ」(国務院台湾弁公室報道官)と非難したが、しかし「人心を得られない」どころか、多くの台湾人がこれに快哉を叫んだ。
「ROC OUT」(中華民国は出て行け)と書かれ、引き倒された孫文の銅像。左は公投護台湾連盟のリーダー蔡丁貴教授。
右は同メンバーで写真提供者の陳建斌氏
台南市は倒された銅像を他所へ移転させるべく保管中だ。現地の国民党の議員らは民衆を動員して抗議で騒いだが、そもそもその公園は「国民党の神様」が鎮まるには相応しくない場所だ。なぜならそこは一九四七年の二・二八事件の時、台湾人虐殺のために派遣された国民党の軍隊が、無辜の市民を処刑した場所だからだ。
当時ここで真っ先に殺されたのは台南市のリーダーだった弁護士の湯徳章氏である(父親は日本人)。「台湾万歳」を叫び、縦容として死についた同氏を記念し、この公園名があるのである。
公園内に建つ湯徳章氏の銅像
さて公投護台湾連盟だが、その翌日にはメンバー八十人が台南市郊外にある烏山頭ダムの畔に建つ八田與一氏(日本時代の土木技師)の銅像に献花を行っている。
メンバーの一人はメディアに対し、こう語った。
「八田與一の台湾に対する貢献は多い。ダムを作り嘉南平野の灌漑事業を行った。彼こそが台湾の英雄だ。それに対して国父孫中山(孫文)は、中国への貢献があるだけだ。教科書には載っているが台湾人にはなじみがない」
八田與一氏の銅像と墓。台湾人によって大切に守られている
これには国民党勢力は黙っていなかった。台湾紙中国時報は「八田は絶対に台湾の英雄ではない」と題する論評を掲げ、こう批判した。
―――はっきりいって「賊を父とする」(敵を恩人と見る)であり、ストックホルム症候群だ。
―――たしかに八田は台湾の発展に貢献したが、否定できない歴史の真相を言えば、彼は殖民侵略政府を代表して働いたのであり、その貢献のほとんどは日本政府の台湾支配に有利なものだった。
―――台湾の民族感情を安定させるためだったとも言える。孫中山先生について「ただ中国に貢献しただけ」というのは言論の自由があるので勝手だが、しかし誠意を以って教えてたいのは、歴史の真相は歴史の真相だということ。
これでは反論にもなっていない。「ただ中国に貢献しただけ」は、それこそ「否定できない歴史の真相」だからだろう。
八田氏などに象徴される日本の台湾への「貢献」が「殖民侵略」のためだったとは、如何にも中国的で幼稚な見方であり、ここでは一々取り合わないが、しかし「殖民侵略」というのであれば、それは国民党の台湾支配のことである。
宗主国の歴史上の人物に対する崇拝を住民に強要するなど、まさに殖民地政権の典型的なやり口ではないか。
八田氏像への献花は、中国人にはついに理解できない台湾人のやさしく寛大な心の表れであり、そしてそれはまた、野卑な反日を強要する国民党イデオロギー支配への「文明的な台湾人」の反撃でもあるのだろう。
【過去の関連記事】
戦う台湾独立勢力―国民党・洗脳支配の道具「孫文銅像」を引き倒し!(附:現地映像)14/02/23
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2312.html
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【台湾チャンネル】第20回、映画「KANO」が描く日本時代の台湾人の栄光・「孫文銅像」引き倒し事件の背景[桜H26/2/27] 孫文銅像引き倒し事件については14:12~
http://youtu.be/jf9z5k3y5t0
公開日: 2014/02/27
今回は、日本統治時代に甲子園で準優勝に輝いた台湾代表の嘉義農林学校・野球チームを描いた台湾映画「KANO」へのフィーバー現象を紹介し、この作品に対する台湾人の思いの一端を探るとともに、「中華民国の国父」と神格化される孫文の銅像を台湾独立派グループが引き倒した事件を取り上げ、その背景にある台湾の思想危機の問題を考察します。キャスター:永山英樹・謝恵芝
【台灣電影「KANO」描述日本時代台灣人之榮耀・「倒孫銅像」事件的背景】
本節目使用日語和台灣的語言, 傳播日本與台灣之間的交流情報。
第20集介紹日治時代進軍甲子園,榮獲亞軍之台灣棒球代表隊「KANO」電影大受歡迎的現象,探索台灣人寄望這部電影的情懷;對照台灣獨立派團體拉倒受到神格化的「中華民國國父」孫文銅像之事件背景,深慮台灣的思想危機問題。 主播: 永山英樹˙謝惠芝
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■台湾 2・28 時局講演会
日時 平成26年3月2日(日) 14時00分~16時30分 (13時30分開場)
場所 京王プラザホテル 南館4階 錦の間
http://www.keioplaza.co.jp/
講師 蔡焜霖(蔡焜燦氏の実弟)
演題 「台湾の白色テロ 1950年代 ― その実情と現代における意義」
※ 使用言語:日本語
参加費 1,000円 (学生無料)
懇親会
時間:17時00分~19時00分
場所:住友新宿ビル(三角ビル) 49階 「番屋」
会費:4,000円
主催 台湾独立建国聯盟日本本部 TEL 03-3351-2757
■第2回 誰にでもできる台湾料理講座
【日時】3月9日(日)11時30分~14時30分
【場所】 文京福祉センター6階料理教室
(東京都文京区音羽1-22-14)
http://www.city.bunkyo.lg.jp/gmap/detail.php?id=1757
交通:地下鉄有楽町線「護国寺駅」または「江戸川橋駅」徒歩8分(いずれの駅からも600メートル。音羽通り沿い)
【講師】 謝恵芝さん(「台湾チャンネル」キャスター)
張馨文さん(通訳官、文化講師)
【献立】 台湾風水餃子など台湾の家庭料理を数点。
【定員】50名
【参加費】会員、一般ともに1000円
【申込み】必須
準備の都合がありますので、3月7日まで下記へお申し込みください。
[email protected]
【主催】台湾研究フォーラム
【問合せ】070-6484-2624
かくして台湾人は台湾とは縁もゆかりもない外国人を、自分たちの国父として崇め奉ったのだから、洗脳とは恐ろしいものだ。
そして民主化後の現在も、国民党の馬英九政権は、台湾史の教科書にも強引に孫文の名を登場させるなど、再び洗脳教育を強化しようとしており、一方中華人民共和国も孫文を台中が共に拝すべき「中華民族」の偉人に祭り上げ、中国統一を呼び掛けている。
こうした中国人勢力の宣伝攻勢の中、台湾は中国の一部ではなく、台湾人の国であるべきだとの怒りが、心ある台湾人の間で高まっている。
そしてそのような義憤に駆られ、立ち上がったのが台湾独立運動団体である公投護台湾連盟だ。二月二十二日、台南市の湯徳章記念公園に建つ孫文像をロープで引き倒したことは、本ブログでも詳報した通りだ。
10数人がロープで引っ張るや、瞬く間に600キロの銅像は台座から落ちた
国民党勢力は激怒し、馬英九総統も「粗暴で野蛮な行為であり、文明的な台湾人のやることではない。台南市は厳重に刑事責任を問うべきだ」と訴えた。
しかし「粗暴で野蛮」と言えば、「文明的な台湾人」に洗脳を施し、そして抵抗する者には容赦ない弾圧を加え、そして今や中国とも歩調を合わせ、台湾の中国化を推し進める国民党こそ野蛮の極みだろう。
中国政府も「台独分子のやり方は人心を得られない。両岸同胞による共同批判を受けること必定だ」(国務院台湾弁公室報道官)と非難したが、しかし「人心を得られない」どころか、多くの台湾人がこれに快哉を叫んだ。
「ROC OUT」(中華民国は出て行け)と書かれ、引き倒された孫文の銅像。左は公投護台湾連盟のリーダー蔡丁貴教授。
右は同メンバーで写真提供者の陳建斌氏
台南市は倒された銅像を他所へ移転させるべく保管中だ。現地の国民党の議員らは民衆を動員して抗議で騒いだが、そもそもその公園は「国民党の神様」が鎮まるには相応しくない場所だ。なぜならそこは一九四七年の二・二八事件の時、台湾人虐殺のために派遣された国民党の軍隊が、無辜の市民を処刑した場所だからだ。
当時ここで真っ先に殺されたのは台南市のリーダーだった弁護士の湯徳章氏である(父親は日本人)。「台湾万歳」を叫び、縦容として死についた同氏を記念し、この公園名があるのである。
公園内に建つ湯徳章氏の銅像
さて公投護台湾連盟だが、その翌日にはメンバー八十人が台南市郊外にある烏山頭ダムの畔に建つ八田與一氏(日本時代の土木技師)の銅像に献花を行っている。
メンバーの一人はメディアに対し、こう語った。
「八田與一の台湾に対する貢献は多い。ダムを作り嘉南平野の灌漑事業を行った。彼こそが台湾の英雄だ。それに対して国父孫中山(孫文)は、中国への貢献があるだけだ。教科書には載っているが台湾人にはなじみがない」
八田與一氏の銅像と墓。台湾人によって大切に守られている
これには国民党勢力は黙っていなかった。台湾紙中国時報は「八田は絶対に台湾の英雄ではない」と題する論評を掲げ、こう批判した。
―――はっきりいって「賊を父とする」(敵を恩人と見る)であり、ストックホルム症候群だ。
―――たしかに八田は台湾の発展に貢献したが、否定できない歴史の真相を言えば、彼は殖民侵略政府を代表して働いたのであり、その貢献のほとんどは日本政府の台湾支配に有利なものだった。
―――台湾の民族感情を安定させるためだったとも言える。孫中山先生について「ただ中国に貢献しただけ」というのは言論の自由があるので勝手だが、しかし誠意を以って教えてたいのは、歴史の真相は歴史の真相だということ。
これでは反論にもなっていない。「ただ中国に貢献しただけ」は、それこそ「否定できない歴史の真相」だからだろう。
八田氏などに象徴される日本の台湾への「貢献」が「殖民侵略」のためだったとは、如何にも中国的で幼稚な見方であり、ここでは一々取り合わないが、しかし「殖民侵略」というのであれば、それは国民党の台湾支配のことである。
宗主国の歴史上の人物に対する崇拝を住民に強要するなど、まさに殖民地政権の典型的なやり口ではないか。
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今回は、日本統治時代に甲子園で準優勝に輝いた台湾代表の嘉義農林学校・野球チームを描いた台湾映画「KANO」へのフィーバー現象を紹介し、この作品に対する台湾人の思いの一端を探るとともに、「中華民国の国父」と神格化される孫文の銅像を台湾独立派グループが引き倒した事件を取り上げ、その背景にある台湾の思想危機の問題を考察します。キャスター:永山英樹・謝恵芝
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第20集介紹日治時代進軍甲子園,榮獲亞軍之台灣棒球代表隊「KANO」電影大受歡迎的現象,探索台灣人寄望這部電影的情懷;對照台灣獨立派團體拉倒受到神格化的「中華民國國父」孫文銅像之事件背景,深慮台灣的思想危機問題。 主播: 永山英樹˙謝惠芝
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■台湾 2・28 時局講演会
日時 平成26年3月2日(日) 14時00分~16時30分 (13時30分開場)
場所 京王プラザホテル 南館4階 錦の間
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講師 蔡焜霖(蔡焜燦氏の実弟)
演題 「台湾の白色テロ 1950年代 ― その実情と現代における意義」
※ 使用言語:日本語
参加費 1,000円 (学生無料)
懇親会
時間:17時00分~19時00分
場所:住友新宿ビル(三角ビル) 49階 「番屋」
会費:4,000円
主催 台湾独立建国聯盟日本本部 TEL 03-3351-2757
■第2回 誰にでもできる台湾料理講座
【日時】3月9日(日)11時30分~14時30分
【場所】 文京福祉センター6階料理教室
(東京都文京区音羽1-22-14)
http://www.city.bunkyo.lg.jp/gmap/detail.php?id=1757
交通:地下鉄有楽町線「護国寺駅」または「江戸川橋駅」徒歩8分(いずれの駅からも600メートル。音羽通り沿い)
【講師】 謝恵芝さん(「台湾チャンネル」キャスター)
張馨文さん(通訳官、文化講師)
【献立】 台湾風水餃子など台湾の家庭料理を数点。
【定員】50名
【参加費】会員、一般ともに1000円
【申込み】必須
準備の都合がありますので、3月7日まで下記へお申し込みください。
[email protected]
【主催】台湾研究フォーラム
【問合せ】070-6484-2624