中国軍拡の真目的ー日本が報じない総参謀長発言
2008/02/29/Fri
日中防衛交流の一環で斎藤隆統合幕僚長が二月二十六日に訪中した。この防衛交流における両国の目的は相互信頼の情勢にある。そして信頼醸成のために大きな課題となっているのが中国側の軍事力増強の透明化だ。
実際に斎藤統幕長自身、訪中に先立て香港のフェニックステレビのインタビューを受け、「この訪問を通じ自衛隊と人民解放軍との信頼関係、友好関係を進めたい」とする一方、「中国は政治面、経済面で地域の大国となっており、各国が不安や懸念を抱いていることは疑いない事実。このような懸念を払拭させるために、中国側が軍事政策や軍事費を透明化することを希望する。そうしなければ友好関係は深められない」と語っている。
翌二十七日、斎藤統幕長は陳炳徳総参謀長と「参謀総長会談」を行った。報道によると、中国側は「友好」気分をめいっぱい盛り上げつつ、斎藤統幕長の「大歓迎」を演出したようだが、肝心の懸案事項に関する話し合いの結果についてはあまり詳報がない。
それでも明らかになったのは、会見で陳総参謀長が、日米が共同で開発を進めているミサイル防衛(MD)が台湾海峡情勢に影響を及ぼすことに憂慮を示したことである。
これに対して斎藤統幕長は「ミサイル防衛と台湾は全くリンクしていない」(共同)、「あくまで専守防衛政策の一環」(時事)などと説明し、日本側の考えに理解を求めたらしい。そのときの状況は「日中制服組トップの間でMDに対する受け止め方に開きがあることを印象付けた」(共同)ものだったらしい。その一方で斎藤統幕長は会談後、「(日本側の立場は)ご理解していただけた」と記者団に語ったそうだ(同)。
だいたい日本での報道はこの程度のものだったが、メディアはずいぶん簡単に片付けるものだと思う。なぜなら陳総参謀長の発言はきわめて重大なものだからだ。
会見後、陳総参謀長はフェニックステレビに対し、次のように述べている。
「(日本側が中国の軍拡を憂慮している問題で)中国の軍の近代化は台湾問題を解決するためのもの。我々は平和統一を主張しているが、陳水扁が台湾を祖国の領土から分裂させようとするなら、軍事的手段でこの問題を解決することになる。…このように話して斎藤統幕長の懸念を解消させた」
「(日米のMDでの協力強化は台湾問題解決への挑戦だの問題で)彼らは実際には台湾を自分たちの防衛システムに組み込んでいるし、共同戦略目標にも(台湾問題の解決を)掲げている。だが斎藤統幕長は『そのような問題はない』と言った。『問題がない』なら私は嬉しい。しかし実際にこの問題はあるのである。台湾は中国の領土なのだ。中国の領土を彼らに守ってもらう必要などない」
※他の報道によると、斎藤統幕長から訪日を求められたことに触れ、「今年は無理だ。陳水扁が騒ぎを拡大しているため、台湾問題に対応しなければならないからだ」と答えている(三月の台湾の国民投票の実施を指すのだろう。この発言はそれを妨害するための恫喝メッセージだ)。
これを見てもわかるように、陳総参謀長は、最重要事項である中国の軍拡の目的をはっきりと明言しているのである。それは台湾問題の解決だ。すなわち台湾に対し、軍事力で恫喝し、必要とあればそれを行使して、そこを併呑すると言うことだ。もちろんそれには、台湾を防衛している日米の戦力への対抗も含まれている。いや、中国軍がいちばんの敵としているのは台湾軍ではなく、それよりも大きな力を擁する日米安保体制だと言うべきだ。だからその軍拡の現況を見ても、すでに台湾攻略に必要なレベルを上回っている(米本土に照準を合わす核ミサイルの開発、配備はその象徴だ)。
中国が「軍の使命は台湾解放以外にない」と初めて明言したのは昨年、胡錦濤主席によってだが、そのようなことは少なくとも北方の脅威だったソ連の崩壊以降のこの国の軍事的動向を見れば、早くから明らかになっていることである。
日本のメディアはこれまで、なぜかそのことをはっきりと伝えようとしないできた。そして今回も同様だ。陳総参謀長がはっきりとこのことを日本側に伝達しているにもかかわらずにである。
「日本の政府は、そのような中国の軍事政策に、いかに対処して行くかを具体的に国民に対して説明を行うべきだ」と訴えるのがメディア本来の仕事だが、それを敢えて行わないのは、政府とともにメディアもまた、中国がもっとも嫌う「中国脅威論」の火消し役を担っているからである。「中国に嫌がることはしない」は福田首相ひとりの政治的信条などではなく、媚中派全体の合言葉、行動規範となっているのである。
こうした「情報隠蔽」のおかげで国民は、いまだに中国軍拡の目標、野心は不透明のままだ。要するに「中国軍の不透明さ」には、こうした日本の媚中勢力が絡んでいるのだ(彼らはすでに中国の一部か)。
以上のように、中国はかつてのナチスドイツと同様、領土の膨張に全力を投入する国なのである。それであるならば四月に日本を友好訪問する胡錦濤主席は現代のヒトラーと言うことになるが、それを知らされない国民は、ふたたび政府、マスコミが煽る日中友好熱に躍らされることになるのだろうか。
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実際に斎藤統幕長自身、訪中に先立て香港のフェニックステレビのインタビューを受け、「この訪問を通じ自衛隊と人民解放軍との信頼関係、友好関係を進めたい」とする一方、「中国は政治面、経済面で地域の大国となっており、各国が不安や懸念を抱いていることは疑いない事実。このような懸念を払拭させるために、中国側が軍事政策や軍事費を透明化することを希望する。そうしなければ友好関係は深められない」と語っている。
翌二十七日、斎藤統幕長は陳炳徳総参謀長と「参謀総長会談」を行った。報道によると、中国側は「友好」気分をめいっぱい盛り上げつつ、斎藤統幕長の「大歓迎」を演出したようだが、肝心の懸案事項に関する話し合いの結果についてはあまり詳報がない。
それでも明らかになったのは、会見で陳総参謀長が、日米が共同で開発を進めているミサイル防衛(MD)が台湾海峡情勢に影響を及ぼすことに憂慮を示したことである。
これに対して斎藤統幕長は「ミサイル防衛と台湾は全くリンクしていない」(共同)、「あくまで専守防衛政策の一環」(時事)などと説明し、日本側の考えに理解を求めたらしい。そのときの状況は「日中制服組トップの間でMDに対する受け止め方に開きがあることを印象付けた」(共同)ものだったらしい。その一方で斎藤統幕長は会談後、「(日本側の立場は)ご理解していただけた」と記者団に語ったそうだ(同)。
だいたい日本での報道はこの程度のものだったが、メディアはずいぶん簡単に片付けるものだと思う。なぜなら陳総参謀長の発言はきわめて重大なものだからだ。
会見後、陳総参謀長はフェニックステレビに対し、次のように述べている。
「(日本側が中国の軍拡を憂慮している問題で)中国の軍の近代化は台湾問題を解決するためのもの。我々は平和統一を主張しているが、陳水扁が台湾を祖国の領土から分裂させようとするなら、軍事的手段でこの問題を解決することになる。…このように話して斎藤統幕長の懸念を解消させた」
「(日米のMDでの協力強化は台湾問題解決への挑戦だの問題で)彼らは実際には台湾を自分たちの防衛システムに組み込んでいるし、共同戦略目標にも(台湾問題の解決を)掲げている。だが斎藤統幕長は『そのような問題はない』と言った。『問題がない』なら私は嬉しい。しかし実際にこの問題はあるのである。台湾は中国の領土なのだ。中国の領土を彼らに守ってもらう必要などない」
※他の報道によると、斎藤統幕長から訪日を求められたことに触れ、「今年は無理だ。陳水扁が騒ぎを拡大しているため、台湾問題に対応しなければならないからだ」と答えている(三月の台湾の国民投票の実施を指すのだろう。この発言はそれを妨害するための恫喝メッセージだ)。
これを見てもわかるように、陳総参謀長は、最重要事項である中国の軍拡の目的をはっきりと明言しているのである。それは台湾問題の解決だ。すなわち台湾に対し、軍事力で恫喝し、必要とあればそれを行使して、そこを併呑すると言うことだ。もちろんそれには、台湾を防衛している日米の戦力への対抗も含まれている。いや、中国軍がいちばんの敵としているのは台湾軍ではなく、それよりも大きな力を擁する日米安保体制だと言うべきだ。だからその軍拡の現況を見ても、すでに台湾攻略に必要なレベルを上回っている(米本土に照準を合わす核ミサイルの開発、配備はその象徴だ)。
中国が「軍の使命は台湾解放以外にない」と初めて明言したのは昨年、胡錦濤主席によってだが、そのようなことは少なくとも北方の脅威だったソ連の崩壊以降のこの国の軍事的動向を見れば、早くから明らかになっていることである。
日本のメディアはこれまで、なぜかそのことをはっきりと伝えようとしないできた。そして今回も同様だ。陳総参謀長がはっきりとこのことを日本側に伝達しているにもかかわらずにである。
「日本の政府は、そのような中国の軍事政策に、いかに対処して行くかを具体的に国民に対して説明を行うべきだ」と訴えるのがメディア本来の仕事だが、それを敢えて行わないのは、政府とともにメディアもまた、中国がもっとも嫌う「中国脅威論」の火消し役を担っているからである。「中国に嫌がることはしない」は福田首相ひとりの政治的信条などではなく、媚中派全体の合言葉、行動規範となっているのである。
こうした「情報隠蔽」のおかげで国民は、いまだに中国軍拡の目標、野心は不透明のままだ。要するに「中国軍の不透明さ」には、こうした日本の媚中勢力が絡んでいるのだ(彼らはすでに中国の一部か)。
以上のように、中国はかつてのナチスドイツと同様、領土の膨張に全力を投入する国なのである。それであるならば四月に日本を友好訪問する胡錦濤主席は現代のヒトラーと言うことになるが、それを知らされない国民は、ふたたび政府、マスコミが煽る日中友好熱に躍らされることになるのだろうか。
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