中国人観光客誘致に勤しむ沖縄県の属国根性
2011/11/30/Wed
経済振興策の一環として中国人観光客の誘致に懸命な沖縄県。昨年同県を訪れた中国人客は約二万五千人で、前年の四割増だそうだ。そして今年、ついに政府をも動かし、沖縄さえ訪問するなら三年内に何度でも使用できる数次ビサを、七月一日から中国人客に発給させるに至った。
しかし何とも無防備なものである。
中国政府が、例えば併呑を目指す台湾に対し、自国民を観光客としてせっせと送り込むのはなぜかと言えば、そのようにして台湾経済の対中依存度を高め、あるいは観光客を名乗る工作員を浸透させるなどで、その国への影響力を拡大したいからである。
それと同じように中国は当然のことながら、日米軍事同盟の対中国最前線である沖縄をも影響下に置こうとしているわけだから、県としても政府としても、中国人客の沖縄入りだけには何らかの規制を設けなければならないはずだ。だが政府は普天間基地の移設問題解決のためもあり、後先を考えることなく、県の要望を快く受け入れてしまった。
七月二十八日には北京との間の定期便第一便が那覇空港に到着。それに乗ってやって来た中国人客への歓迎式典が開かれ、仲井真弘多県知事や沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)の安里繁信会長らが出席しているが、航空自衛隊基地に隣接する那覇空港への定期便の増加は、中国の工作員にもさぞや好評なことだろう。
北京からの定期便歓迎式典。中国の武樹民駐福岡総領事(左3)と握手する仲
井真弘多県知事(左4)
さて、そのOCVBだが、これは「沖縄観光の強力かつ効率的な推進体制を再構築するため、観光とコンベンション分野を統合一元化し、平成8年4月に発足した「官民一体型」の県内唯一の推進母体」(HP)だという。
最近も「中国本土向け観光情報発信強化業務」を開始するなどと伝えられるが、それが運営する沖縄観光情報サイト「おきなわ物語」の中国語版に載るの沖縄史の説明文には大きな問題がある。
それを日本語に翻訳すると、下のようになる。
「先史時代を経た後の十世紀前後に沖縄各地には多くの親族集団が形成され、後に北山、中山、南山の三大勢力が長期間闘争を続け、ついに一四二九年に沖縄は統一され、琉球王国の歴史の幕が開いた。琉球王国は中国と密接な往来があり、中国からの冊封使を迎え入れ、東南アジア各国と日本本土との中間貿易で繁栄し、十七世紀の初めに薩摩藩の侵略を受けても、なお中国と冊封関係を維持したのだが、薩摩藩の統治は日増しに強化されていった。一八七九年、明治政府によって四百五十年間の琉球王国の歴史は終わり、沖縄県が設置された。第二次世界大戦末期に日本で唯一の地上での戦場になり、戦後の二十七年間は米軍に統治され、一九七二年にようやく日本に復帰した。最近は日本で沖縄ブームが起こり、観光客が増加しつつある」
このように沖縄が中国の冊封国だったこと、つまり琉球国王が中国皇帝によって外臣に任命され、その証として朝貢を行なうなど、中国の属国だったことを、盛んに強調しているのだ。
だが下の日本語版での記述を見てみよう。そこでは「冊封」の「さ」の字も出てこないのである。
「15世紀になると島々が統一され琉球王国が興りました。琉球王国は、中国や日本、朝鮮さらに東南アジア諸国との交易を行い、海洋国家として大きな発展を遂げます。江戸時代(18世紀の初め)には、内実は薩摩藩と江戸幕府の支配下に置かれますが、以後も周辺諸国との交易は続き、その交易によって独自の文化が形成されていきます」というようにだ。
しかも「明治以降は沖縄県と改められ正式に日本の領土となりますが…」ともあり、明治以前から日本の版図だったことも、きちんと示しているのである。
むしろ中国語版の記述は、中国で最近流行の沖縄の帰属先をめぐる「愛国主義」的言論に通じるものがある。
軍事評論家として中国軍強硬派の意見を代弁し続ける彭光謙少将は最近、人民日報(電子版)に掲載の「琉球群島は日本の属しない」と題する同氏とのインタビュー記事で、「琉球王国は明朝初年以来、五百年間にわたって中国の属国となった。日本は何度も琉球を併呑しようとしたが、果たせなかった」と発言している。
「琉球王国は・・・中国からの冊封使を迎え入れ・・・十七世紀の初めに薩摩藩の侵略を受けても、なお中国と冊封関係を維持したのだが、薩摩藩の統治は日増しに強化されていった」と書いたのがOCVBの中国語版だが、とてもよく似ているではないか。
このように中国人に迎合しようとすればするほど、向こうの愛国主義の主張と近い内容になってしまったのだろう。
こういったものが中国側に誤ったメッセージを送ることになるのだが、これは一つの象徴的な事例である。
台湾では中国への属国意識を深める国民党政権が中国人の観光を容認し、その誘致に力をいれているが、沖縄県も基本的には同じ心理で誘致しているらしい。
近代国家意識が生まれる前の時代ならともかく、現代においては属国根性など、祖国や同法を裏切る許すべからざる愚行でしかない。
そうした卑しい心理は往々として、中国の利益誘導工作などで扶植、拡散されるもの。相当の工作が、これまで沖縄に対して加えられているのだろう。
県内の反日反米意識の高まりも、そうした工作と無関係ではあるまい。そうした意識が親中意識と表裏一体に見えることからも、そう感じる。
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台湾研究フォーラム平成23年 忘年会
本会は今年、日台関係の強化を訴え、定例講演会、時局問題集会等々さまざまな活動を展開して参りました。
日本と台湾とで形成される第一列島線が中国膨張主義の攻略ターゲットとされているがため、「生命共同体」と呼ばれる日台ですが、この両国の政権に 中国の強い影響が及んでいる今日、本会に課せられた使命の重さを思わずにはいられません。
そこで一年の終わりを迎えるに当り、今後の活動のますますの拡大を期し、下記の要領で毎年恒例の忘年会を開催します。
会員、非会員とを問わず、志を同じくされる皆様の奮ってのご出席をお待ちいたします。
※なおこの日は午後から、新宿駅西口で「台湾を中国領土と表記する教科書是正要求」の署名活動を行いますので、あわせてご参加ください(詳細は後日)。
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日 時 12月10日(土)午後5時00分~7時30分(中締め)
場所 三平酒寮別館4階 電話 03-3352-5351
(JR新宿駅東口、アルタビルの裏。ラーメン屋と100円ショップの間)
特別スピーチ 連根藤氏(台生報発行人)
「激動する東アジア情勢と台湾総統選挙」
会費 3500円(飲み放題)
申し込み(必須) 準備の都 合上、12月8日までに下記へお願いします。
E-mail:[email protected]
FAX: 03-3868-2101 電 話:090-4138-6397
● 会場では23年度会費を受け付けます。新会員も募集します。
年会費2000円 会員は毎月の定例会参加費(1000円)が500円になります。
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それと同じように中国は当然のことながら、日米軍事同盟の対中国最前線である沖縄をも影響下に置こうとしているわけだから、県としても政府としても、中国人客の沖縄入りだけには何らかの規制を設けなければならないはずだ。だが政府は普天間基地の移設問題解決のためもあり、後先を考えることなく、県の要望を快く受け入れてしまった。
七月二十八日には北京との間の定期便第一便が那覇空港に到着。それに乗ってやって来た中国人客への歓迎式典が開かれ、仲井真弘多県知事や沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)の安里繁信会長らが出席しているが、航空自衛隊基地に隣接する那覇空港への定期便の増加は、中国の工作員にもさぞや好評なことだろう。
北京からの定期便歓迎式典。中国の武樹民駐福岡総領事(左3)と握手する仲
井真弘多県知事(左4)
さて、そのOCVBだが、これは「沖縄観光の強力かつ効率的な推進体制を再構築するため、観光とコンベンション分野を統合一元化し、平成8年4月に発足した「官民一体型」の県内唯一の推進母体」(HP)だという。
最近も「中国本土向け観光情報発信強化業務」を開始するなどと伝えられるが、それが運営する沖縄観光情報サイト「おきなわ物語」の中国語版に載るの沖縄史の説明文には大きな問題がある。
それを日本語に翻訳すると、下のようになる。
「先史時代を経た後の十世紀前後に沖縄各地には多くの親族集団が形成され、後に北山、中山、南山の三大勢力が長期間闘争を続け、ついに一四二九年に沖縄は統一され、琉球王国の歴史の幕が開いた。琉球王国は中国と密接な往来があり、中国からの冊封使を迎え入れ、東南アジア各国と日本本土との中間貿易で繁栄し、十七世紀の初めに薩摩藩の侵略を受けても、なお中国と冊封関係を維持したのだが、薩摩藩の統治は日増しに強化されていった。一八七九年、明治政府によって四百五十年間の琉球王国の歴史は終わり、沖縄県が設置された。第二次世界大戦末期に日本で唯一の地上での戦場になり、戦後の二十七年間は米軍に統治され、一九七二年にようやく日本に復帰した。最近は日本で沖縄ブームが起こり、観光客が増加しつつある」
このように沖縄が中国の冊封国だったこと、つまり琉球国王が中国皇帝によって外臣に任命され、その証として朝貢を行なうなど、中国の属国だったことを、盛んに強調しているのだ。
だが下の日本語版での記述を見てみよう。そこでは「冊封」の「さ」の字も出てこないのである。
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しかも「明治以降は沖縄県と改められ正式に日本の領土となりますが…」ともあり、明治以前から日本の版図だったことも、きちんと示しているのである。
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日 時 12月10日(土)午後5時00分~7時30分(中締め)
場所 三平酒寮別館4階 電話 03-3352-5351
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