新華社記者に反論しなかった藤村修官房長官ー尖閣問題で戦う気はあるか
2012/07/31/Tue
藤村修官房長官の七月二十七日の記者会見では、中国国営新華社通信の女記者が、尖閣問題で執拗に噛み付いた。
その模様は中国のメディアが比較的に詳しく伝えているので、それを日本語に訳そう。
記者―日本の一部の政治家が尖閣を買おうとしていることに、中国国内では不満の声がある。中日の戦略的互恵関係に影響を与えないと思うか?
藤村―不満の声があるとは聞いているが、あそこは国際法上、歴史上、日本の固有の領土であると重ねて申したい。
記者―「固有の領土」の定義は?
藤村―歴史上も法理上も日本に属すると言うこと。
記者―それでは歴史上、何年(帰属している)?
藤村― 一八九五年に我が国に編入するという閣議決定がなされた。これは歴史的事実の一つだ。
記者―百年?百年で「固有の領土」になるのか?中国にはもっと古い歴史資料があるとされる。明代にまで遡ることができるが、これについてどう答える?
藤村―あなたの質問には答えたくない。日本政府の見解は、一八九五年に日本の領土に編入されたというもの。これは一つの歴史事実だ。
この「質問攻め」について産経新聞は「質問回数は7回に及んだ。(中略)新華社は官房長官の記者会見にオブザーバー参加が認められているが、質問が出るのは極めてまれ。中国側が首相発言に神経をとがらせている証左といえそうだ」と報じる。
この「首相発言」とは、野田佳彦首相がその前日、「尖閣諸島を含め領土、領海で周辺国による不法行為が発生した場合は、必要に応じて自衛隊を用いることも含め、毅然として対応する」とした発言のことだが、おそらく記者は上からの指令を受け、藤村長官から、中国側に有利となる妥協的な言辞か何かを引き出そうと狙ったのではないか。
特にここでは「百年で固有の領土になるのか」との質問に注目したい。
七月十一日の朝日新聞紙上で、日本の尖閣諸島の領有権を疑問視する発言を行い、中国では一気に有名となった孫崎享元外務省国際情報局長も、そこで次のように述べていた。
「よく『日本固有の領土』と言いますが、わずか100年ほどの領土を『固有』と呼べるでしょうか」
記者はこの孫崎発言を参考にしたのか。それとも孫崎氏も記者も中共から同じことを言わされているのか。
いずれにせよ「百年では固有の領土にならない」との印象操作が、中共側によって試みられているように思える。
だからこそ残念に思うのは、このような妄言に対し、藤村長官がはっきりと反論しなかったことなのだ。
なぜ「固有の領土たることに時間的条件などない」「百年では固有の領土とならないのなら、建国から百年に満たない国はみな固有の領土がないことになる。たとえば建国してわずか六十三年の中華人民共和国など」と切り返さなかったのか。
「中国にはもっと古い歴史資料がある。明代にまで遡ることができる」(明の時代の文献に尖閣諸島に関する記述が見られる)と言うのは、「釣魚島は中国人が発見した」とする中国側の領有権の根拠を述べたものだった。
したがってこの時こそ、そうした中国の誤った主張に対する日本側の反論のチャンスだったのだ。
ところがなぜ藤村長官は、「国際法的に見て、古い歴史資料など、中国の尖閣に対する実効支配の根拠にはならない」と答えず、「あなたの質問には答えたくない」などと言って議論を避けたのか。
事実捏造を好む中国メディアの報道につき、実際に藤村長官が「あなたの質問には答えたくない」と話したかどうかの真偽は不明だ。
だが少なくとも反論をしなかったため、そう発言があったと報じられ、あたかも藤村長官が議論から逃避したかのような印象を、中国人には与えてしまった。
中国を刺激したくないと言う一心から、「尖閣問題棚上げ」癖が出てしまったか。中国から野田内閣一の親中派(つまり中国には弱腰)と看做される藤村長官を、記者が狙い撃ちしたと言うのなら、その目論見はある程度は成功したことなろう。
官房長官がこんな出鱈目な主張で散々攻撃を受けるなど、日本政府は完全にあの国から侮られている。もし中国外交部の記者会見なら、向こうの報道官はもっと毅然(傲然)として反論し、相手の口を封じているところだ。
この日の会見で、ロンドン五輪での日本人選手の活躍を称え、エールを送った藤村長官だが、なぜ自身は国のために戦おうとしないのか。
*******************************************
ブログランキング参加中
運動を拡大したいので、
よろしければクリックをお願いします。
↓↓
モバイルはこちら → http://blog.with2.net/link.php
link.php
その模様は中国のメディアが比較的に詳しく伝えているので、それを日本語に訳そう。
記者―日本の一部の政治家が尖閣を買おうとしていることに、中国国内では不満の声がある。中日の戦略的互恵関係に影響を与えないと思うか?
藤村―不満の声があるとは聞いているが、あそこは国際法上、歴史上、日本の固有の領土であると重ねて申したい。
記者―「固有の領土」の定義は?
藤村―歴史上も法理上も日本に属すると言うこと。
記者―それでは歴史上、何年(帰属している)?
藤村― 一八九五年に我が国に編入するという閣議決定がなされた。これは歴史的事実の一つだ。
記者―百年?百年で「固有の領土」になるのか?中国にはもっと古い歴史資料があるとされる。明代にまで遡ることができるが、これについてどう答える?
藤村―あなたの質問には答えたくない。日本政府の見解は、一八九五年に日本の領土に編入されたというもの。これは一つの歴史事実だ。
この「質問攻め」について産経新聞は「質問回数は7回に及んだ。(中略)新華社は官房長官の記者会見にオブザーバー参加が認められているが、質問が出るのは極めてまれ。中国側が首相発言に神経をとがらせている証左といえそうだ」と報じる。
この「首相発言」とは、野田佳彦首相がその前日、「尖閣諸島を含め領土、領海で周辺国による不法行為が発生した場合は、必要に応じて自衛隊を用いることも含め、毅然として対応する」とした発言のことだが、おそらく記者は上からの指令を受け、藤村長官から、中国側に有利となる妥協的な言辞か何かを引き出そうと狙ったのではないか。
特にここでは「百年で固有の領土になるのか」との質問に注目したい。
七月十一日の朝日新聞紙上で、日本の尖閣諸島の領有権を疑問視する発言を行い、中国では一気に有名となった孫崎享元外務省国際情報局長も、そこで次のように述べていた。
「よく『日本固有の領土』と言いますが、わずか100年ほどの領土を『固有』と呼べるでしょうか」
記者はこの孫崎発言を参考にしたのか。それとも孫崎氏も記者も中共から同じことを言わされているのか。
いずれにせよ「百年では固有の領土にならない」との印象操作が、中共側によって試みられているように思える。
だからこそ残念に思うのは、このような妄言に対し、藤村長官がはっきりと反論しなかったことなのだ。
なぜ「固有の領土たることに時間的条件などない」「百年では固有の領土とならないのなら、建国から百年に満たない国はみな固有の領土がないことになる。たとえば建国してわずか六十三年の中華人民共和国など」と切り返さなかったのか。
「中国にはもっと古い歴史資料がある。明代にまで遡ることができる」(明の時代の文献に尖閣諸島に関する記述が見られる)と言うのは、「釣魚島は中国人が発見した」とする中国側の領有権の根拠を述べたものだった。
したがってこの時こそ、そうした中国の誤った主張に対する日本側の反論のチャンスだったのだ。
ところがなぜ藤村長官は、「国際法的に見て、古い歴史資料など、中国の尖閣に対する実効支配の根拠にはならない」と答えず、「あなたの質問には答えたくない」などと言って議論を避けたのか。
事実捏造を好む中国メディアの報道につき、実際に藤村長官が「あなたの質問には答えたくない」と話したかどうかの真偽は不明だ。
だが少なくとも反論をしなかったため、そう発言があったと報じられ、あたかも藤村長官が議論から逃避したかのような印象を、中国人には与えてしまった。
中国を刺激したくないと言う一心から、「尖閣問題棚上げ」癖が出てしまったか。中国から野田内閣一の親中派(つまり中国には弱腰)と看做される藤村長官を、記者が狙い撃ちしたと言うのなら、その目論見はある程度は成功したことなろう。
官房長官がこんな出鱈目な主張で散々攻撃を受けるなど、日本政府は完全にあの国から侮られている。もし中国外交部の記者会見なら、向こうの報道官はもっと毅然(傲然)として反論し、相手の口を封じているところだ。
この日の会見で、ロンドン五輪での日本人選手の活躍を称え、エールを送った藤村長官だが、なぜ自身は国のために戦おうとしないのか。
*******************************************
ブログランキング参加中
運動を拡大したいので、
よろしければクリックをお願いします。
↓↓
モバイルはこちら → http://blog.with2.net/link.php
link.php