北京五輪が中国人に与えた「夢」を潰せ
2008/08/26/Tue
北京五輪閉会式。中国が語る「和」とは中国の影響下での「和」以外にない
■北京五輪は中国強硬派路線の勝利
当局に反抗する人々を拘束し、汚職や経済格差への不満の声を抑えて北京五輪を開催した中国政府。こうした高圧的な統治手段はチベット人やウイグル人の強烈な怒り引き起こすが、中国政府は激しい弾圧を加えることになる、とAFPの記事は伝えている。
それによると、唐文方・米ピッツバーグ大教授は「五輪は共産党の正当性に対し、民意と団結支持を強国にする絶対的な力をもたらした」と指摘する。
香港の中国問題研究家である林和立氏は「強硬手段で安全問題を解決することを主張し続けてきた人々が今回の五輪での勝者だ。この警察国家メカニズムはさらに根を深く下ろし、これからもより多くの予算と権力を獲得して行くだろう」と見ている。
フィナンシャルタイムズの北京駐在アナリスト、ラッセル・レイ・モーゼス氏も「強硬派の闘争勝利で、五輪は『彼らの五輪』になった。これは『中国を育むには管制が強いほど成功する』との強硬派の主張を支えることになる」との分析だ。
■国内弾圧の強化は対外膨張のため
「今後は政治の自由化などない。これが中国人の敵への報復手段、所謂「秋後算帳」(秋が過ぎたら清算してやる)だ…外国人がみな去り、海外メディアが中国に集中しなくなったとき、彼らは厳しい報復手段を採用するだろう」と林和立氏。モーゼス氏は「そのような強硬手段はチベットや新疆だけではなく、全国的なもとなるだろう」とも予測する。
実際に中国政府はそのような方向に動いている。九月は、ウイグル人にとっては断食月(ラマダン)だが、こうしたイスラム教の伝統風習こそ一党独裁の障害として、中国政府の撲滅対象。世界ウイグル会議によると、中国政府はその期間、四十日間にわたる「厳打」(厳格に犯罪に対して打撃を加える)を行う計画だ。また同会議は八月二十四日、すでに五百名以上のウイグル人が逮捕されたと伝えている。
このような五輪の成功による中国の強硬路線への自信強化は、五輪開催前から世界の人々が予測、警戒してきたとおりであるが、所詮各国政府にとっては「他人事」でしかないようだ。しかし日本を含む周辺諸国は、これを他人事などと見ていてはならない。なぜなら中国国内での権力基盤固めは、今では対外膨張の準備作業に過ぎないからだ。
■実現に向かう中国人の「夢」とは
「百年来の悲しみと別れを告げる」が五輪開催に対する中国官民の願望だった。つまり「中国が落伍しているのは百五十年前からの帝国主義の中国侵略のため。再び富強を目指して世界に冠たる中国の地位を取り戻そう」との強烈な願いがあったのだ。
そして現在中国国内では、その願いは五輪の成功によって「達成された」と喧伝され、多くの人民はそれに陶酔している。「達成された」とする最大の根拠は、やはり世界の国々による五輪開催への協力だろう。どの国の政府も中国を大国と認め、その人権弾圧などを問題することなく、「翼賛」「奉賛」した。そしてそれが中国官民に大きな自信を与え、「いよいよ中華振興に乗り出す段階に至った」との認識を抱かせている。「中華振興」とは「中華帝国再建」。つまり中国が世界の中心となって影響力を行使し、各国をつき従えさせると言う中国人の夢。「一つの世界。一つの夢」と言う五輪スローガンを思い出そう。
これもまた、ナチスドイツのベルリン五輪の例を引き合いに出しつつ、早くから予測されていた展開であるが、各国政府は耳を傾けることはなかったようだ。なぜなら多くの国は、早くも中国が着々と推し進めてきた翼賛体制に組み込まれているからだ。
■日本国民は中国のアキレス腱を攻めろ
福田首相が七月の胡錦濤主席との会談で、「北京五輪で大変だろうから、その話は無理せずにやっていただいていいから」として、東支那海ガス田に関する国家主権の問題の協議を、五輪開催以降に先送りすると自ら申し出たことなどは、日本がかつての「中華帝国の朝貢国」よろしく、中国翼賛体制下に置かれている証左である。
中国が民衆を束ねて強国化の道を進むことができるのは、こうした日本政府などの奉仕によるところが大なのだ。
ところで、日本国民にはこうした状況を打開する方法がある。それはチベット人、ウイグル人、さらには民主運動家、キリスト教徒、貧民など、中国の人権弾圧の被害者救援の声を上げ、政府を動かし、国際世論を動かすことだ。中国が五輪期間中、懸命に覆い隠したものを暴き続けるのだ。
北京五輪の閉幕は、中国によって中華振興のスタート地点と位置づけられているが、日本国民はそれを中国のアキレス腱攻撃のスタート地点とするべきだ。
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