信用できない中共の震災日本への「愛」/御用学者・劉江永に駁す
2011/04/30/Sat
■宣伝される「中共の日本への支援」の数々
「中国網」とは中国の対外宣伝機関である国務院新聞局が指導するポータルサイトだが、その日本語版は四月二十五日、「大愛に国境なし、苦難を分かち合おう」と題する一文を掲載し、中共が現在、震災に見舞われた日本への支援に乗り出していることを強調している。
書いたのは清華大学現代国際関係研究院副院長の劉江永氏。しばしば日本のメディアにも登場する、中国の著名な日本専門家で、日中友好21世紀委員会中国側委員も務める。
劉江永氏は中国の著名な日本専門家だ
文章によると、中国はこれまで、「大愛に国境はなく、苦難は共に分かち合う」として、次のような支援を日本に与えてきたという。
―――地震発生当日、温家宝国務院総理は直ちに菅直人首相に電報を打ち、中国政府を代表して日本政府と日本国民に心からのお見舞いを伝え、必要な援助を提供する意向を表明した。
―――前日の3月10日には雲南省盈江県でM5.8の地震が発生したばかりで、政府と国民は救援活動に忙しかったにもかかわらず、少しもためらうことなく日本の被災地に援助の手を差し伸べた。
―――中国赤十字会の第一陣救援物資はすでに日本へ発送され、中国と台湾の国際救援隊が直ちに日本に派遣され、被災地域で救援活動に参加した。
(※劉氏は台湾の救援隊を中国の救援隊の一部と看做している)
―――3月13日、呉邦国全人代常務委員長は横路孝弘衆議院議長と西岡武夫参議院議長にメッセージを送り、全人代常務委員会を代表し、心からのお見舞いと震災犠牲者に対する深い哀悼の意を伝えた。
―――3月14日、胡錦濤国家主席は天皇陛下宛てに電報を送り、中国政府と中国人民を代表して、心からのお見舞いと犠牲者への深い哀悼の意を伝え、日本国民が一日も早く困難を乗り越え、郷土再建に立ち向かうことを祈念した。
―――また、胡主席は中国政府と人民は引き続き必要な支援を行うと表明した。18日、胡主席は自ら北京の日本大使館を訪れ、震災犠牲者を弔問した。
―――中国政府は日本の急場を救うために、緊急無償援助としてガソリン、ディーゼルオイルを1万トンずつ輸送。また、福島第一原発の冷却作業のため、アームの長さが62メートルのポンプ車を提供した。香港の芸能界のスターたちも自発的に大規模なチャリティーイベントを開催し、被災地への義援金を集めた。
■「恫喝」が効かない日本には「宥め」を
それから劉氏は、以下のように日本側を称える。
―――私たちは2008年の四川大地震の際、日本政府と国民から送られた救援支援と救援物資を忘れることはない。巨大な自然災害を前に、人道主義の大きな愛は国境を越え、実際の救援活動として実を結び、中日両国民の間にある心の溝を埋めたに違いない。
―――巨大な自然災害を前に、民族に関係なく助け合い、国籍に関係なく心を配り合うのは、人類の大愛、大義だ。被災地にいた中国人は日本の支援を受けて、難を逃れることができた。
―――混乱せず整然と秩序を保って震災に対処した日本国民の姿は、私たちに深い感銘を与えた。中国は日本が地震対策、救援活動で示した長所を参考にすべきだ。
―――日本政府には国民を導いて震災に打ち勝つ能力があり、強靱で勤勉な日本人は必ず郷土を再建することができると私たちは信じている。
そしてその上で、次の如く結ぶのだ。
―――来年は中日国交正常化40周年を迎える。振り返ってみると、中国の現在の発展は日本との友好協力関係と切り離すことはできない。未来の中日関係も今度の震災救援活動や郷土再建と緊密なつながりがある。
―――中国政府と人民は引き続き日本に援助の手、友好の手、協力の手を差し伸べていく。巨大な自然災害を前にし、私たちは家族だ。
こうして「日中友好」の大切さを感動的に強調するのがこの一文なのだが、ここで思い出したいのが昨年十二月八日、産経新聞に掲載された劉氏の寄稿だ。
尖閣諸島沖での中国漁船体当たり事件で悪化した日本国民の対中感情に、中共はよほど狼狽したのだろう。この御用学者は日本の中国に批判的な保守派層(産経新聞読者)に対し、次のような呼びかけを行っているのだ。
「日本国内では、今回の事件に対する中国の反応が激しすぎたという批判がある。しかし、中国からすれば、一歩も引けない深刻な立場に追い込まれたことを理解してほしい」
「もし船長が起訴されれば、日本が釣魚島における法律執行権を持って、領有権をさらに強調し、『棚上げ』の現状を変えてしまう。中国政府は抗議措置をとり、強いメッセージを発信しなければ、事態は一層深刻になりかねないと考えたのだろう」
散々圧力を掛けながらも恫喝が効かない相手には、宥めに出るのが対人コントロール術の常套だろう。この文章などはまさにそれだ。
今回の震災日本への支援にしても中共は、依然として改善されない日本国民の反中感情を和らげる手段と位置づけられていることは間違いない。そして再び中共の意思に従い、劉氏はこの「大愛に…」の文章を書くことになったのではないか。
異例とされる胡錦濤主席の日本大使館への弔問だが、そこまで関係改善を急ぐのか
■真理より中共の宣伝に従う中国の御用学者
それにしても劉氏の産経への寄稿はひどかった。何としてでも尖閣諸島は中国領土だと日本国民に信じ込ませたかったらしく、下のような大胆な嘘を平然とついていた。
「1885年、日本の明治政府は、秘密調査の結果、釣魚島列島は清国(中国)領であり、無主地ではないことを知り、占領することを躊躇した。しかし明治政府は94年に甲午戦争(日清戦争)を仕掛け、馬関条約(下関条約)の交渉に先立つ95年1月、釣魚島の占領を内密に決定した。以上の歴史的事実は、日本外交文書第18巻と第23巻に詳しく記録されている」
劉氏はこのように書くが、実際には『日本外交文書』第十八巻にも第二十三巻にも、日本政府が尖閣諸島は「清国領であり、無主の地ではないことを知」っていたなどとは書かれていないのだ。
劉氏には産経紙上で大嘘を書いた前科がある
学者が尊敬と信頼を受けるのは真理の探究を使命とするからだが、中国の御用学者はただたんに中共の政治宣伝の道具にしか過ぎないのである。だから私は劉氏から、「大愛に国境なし」「日本に友好の手を差し伸べていく」と言われても、有り難味というものを感じないのだ。
そしてそれよりも、「この日本向けのリップサービスの裏に、いったいいかなる企みが隠されているのか」と疑ってしまうわけである。
■中共に「愛」はないー日本人は警戒を
「大愛に国境はなく、苦難は共に分かち合う」とアピールした劉氏だが、この人物は中共が過酷な殖民地支配を加えるチベット、東トルキスタン(ウイグル)や、侵略併呑目標である台湾に対しては、一かけらの「愛」もなく、冷酷そのものである。たとえばそれらの自由、独立を願う日本人に対しては、公然と中共の恫喝を代行している。
「近年、日本の右翼勢力は台湾独立問題で挫折したため、チベット独立、新疆独立の問題をさらに重視するようになった。この勢力は新疆独立勢力との連絡が緊密だ。拠点や人数は少ないが、しかし勢力を保っている」(〇九年七月、中国各紙)
「チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世の訪日や新疆ウイグル独立派の活動への対応を中国国民は注目している。日中で信頼関係をつくれなければ、(鳩山由紀夫・民主党代表の)東アジア共同体の構築は無理だ」(〇九年八月三十一日、日経新聞)
つまり中共への服従を拒む周辺諸民族や、それを支持する日本人は、「大愛」の対象外となるわけだが、そうした「大愛」など真の「愛」とは言えないだろう。
四月九日、海保巡視船が鹿児島県沖のEEZ内で違法操業していた中国漁船を拿捕して船長を逮捕、中国領事館が担保金を支払ったため、翌日に釈放するという事件があったが、劉氏は香港の文匯報に対してこう語っている。
「日本では核危機が未解決で余震も収まらず、復興もいまだ着手されていないなか、中日間の構造的矛盾はわずかに緩和された。しかし解決はまだだ。日本国内の極右勢力は偶発事件を利用し、民衆の情緒を煽動していることに警戒するべきだ」
要するに、日本の右翼勢力(つまり中国と日本の上下関係を受け入れない勢力)が船長逮捕事件を受け、反中感情を煽っていると強調し、自らは中国人の反日を煽っているのだ。
そしてその一方で、「それに対し、中国側は十分に思想的準備を行い、主権領土問題上の原則を堅持するとともに、長期的な視野に立ち、人道援助を継続し、両国の民間感情を改善し、中日関係を発展させ、震災復興における両国の協力のあり方を探るべきである」などとし、日本国民の籠絡を通じ、日本を中国に歯向かわない国に仕立て上げてしまおうと訴えているのである。
劉氏は「大愛」の一文中、「天災は非情だが、人には情がある。苦しいときにこそ、真の情がわかる」と書いている。そこでもし日本人が、「日本が震災で苦しんでいる最中、国家海洋局のヘリが海自の護衛艦に異常接近するという挑発行為こそ、中共の日本に対する『真の情』か」と非難すればどうなるだろう。
海上自衛隊へのこの挑発が中共の「真の情」の表れだ
おそらく劉氏は「お前は極端な右翼だ」と言い返してくることだろう。
劉氏に「大愛に国境なし」とまで言わせ、日中関係の改善を急ぐ中共だが、そもそもこれが望む「関係」とは、中国と日本の上下関係である。日本が反中感情、対中警戒心を拭い去り、中国には楯突かなくなることを中共は「関係改善」と呼んでいるのだ。
中共のいう「愛」なるものに警戒を。
【過去の関連記事】
産経掲載―中国御用学者・劉江永氏「尖閣」論文の大嘘を暴く
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1362.html
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台灣青年反共救國團 (被捕滿一個月, 要求釋放艾未未)記者會
時間: 5/3 (下周二) 9:20am(準時)
地點: 立法院中興大樓103室 濟南路1段3-1号
主辦: 台灣青年反共救國團
協辦: 田秋堇立委辦公室/台北律師公會人權保護委員會/國際特赦組織/台灣人權促進會/台灣教授協會/鄭南榕基金會/財團法人陳文成基金會/投資中國受害者協會/台灣圖博之友會/台灣醫社 (其他人權團體/藝術界人士在陸續聯絡中…)
出席: 田秋堇立委 /林保華/高為邦/名画家施並錫教授 ( 反共團理事長 林保華敬邀 )
說明: 中國著名藝術家、活躍異見人士 艾未未,於四月二日離開北京來香港與台灣時,在機場被捕, 從此人間蒸發了一個月。此事震動國際,因他是國際知名人士,是中國人權進一步惡化的顯著標誌。艾未未被捕在中國與香港也引起强烈反響,台灣豈可沈默無聲!本團鄭重請求馬政府, 基於維護自由民主人權的普世價值, 立即向中國當局交涉放人!尊重自由民主人權!! 釋放艾未未! 釋放劉曉波! 釋放冉雲飛! 釋放胡佳! 釋放黄!釋放所有異議人士!!
( 聯絡人: 反共團執行長 林楊月清 0920-080-320 ) (反共網站: twyac.org )
喜安幸夫氏『日中海上決戦―尖閣・沖縄侵攻を阻止せよ』出版記念講演会
(台湾研究フォーラム第145回定例会)
演題:日中対立―日本がとるべき道
中国の尖閣を狙う動きは序幕に過ぎない。あの国の目標は沖縄全体であり、そしてその次が日本全体。したがって日本の選択肢は中国の属国になるか、それともそれを跳ね返すかの二つのみ。そのいずれをとるべきかを、このたび近未来日中戦争シュミ レーションシリーズ最新作『日 中海上決戦―尖閣・沖縄侵攻を阻止せよ』を上梓した喜安幸夫氏に語っていただく。
■講師略歴(きやす・ゆきお)昭和19年中国天津市生まれ。昭和44~47年に台湾大学政治研究所に留学。平成4~17年まで『台湾週 報』編集長を務める。平成10年、『台湾の歴 史』で第七回日本文芸家クラブ大賞ノンフィクション賞受賞。平成13年、第三十回池内祥三文学奨励賞受賞。主な著作は、評論・研究部門では『台湾島抗日秘史』『アジアの反逆』など多数。小説では『日本中国開戦-激震襲う台湾海峡』 『新日中戦争-尖閣諸 島を奪回せよ!!』『日中激戦2010- 東シナ海艦隊決戦』のほか、時代小説も多数。日本文藝家協会、日本文芸家クラブ会員。日本李登輝友の会、台湾研究フォーラム会員。
【日 時】5月8日(日)、午後2時~4時
【場 所】文京区民会議室5F会議室C
※文京 シビックセンター内。文京区民センターではありません。
(交 通)東京メトロ「後楽園駅」丸の内 線(4a・5番出口)南北線(5番 出口)徒歩1分/都 営地下鉄「春日駅」三田線・大江戸線(文京シ ビックセンター連絡口)徒歩1分/JR 総武線「水道橋駅」(東口)徒歩9分。
【参加費】会員500円/一般1000円
会場では『日中海上決戦―尖閣・沖縄侵攻を阻止せよ』(学研バブリッシング刊・990円―税込) の販売 とサイン会も行います。
【懇親会】閉会後、会場付近で。会費3000円(学生1000円)
【申し込み】E-mail:[email protected]
FAX: 03-3868-2101
【問合せ】090-4138-6397
● 会場では23年度会費を受け付けます。新会員 も募集します。年会費2000円。会員は毎月の定例会参加費(1000円)が500円になります。
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「中国網」とは中国の対外宣伝機関である国務院新聞局が指導するポータルサイトだが、その日本語版は四月二十五日、「大愛に国境なし、苦難を分かち合おう」と題する一文を掲載し、中共が現在、震災に見舞われた日本への支援に乗り出していることを強調している。
書いたのは清華大学現代国際関係研究院副院長の劉江永氏。しばしば日本のメディアにも登場する、中国の著名な日本専門家で、日中友好21世紀委員会中国側委員も務める。
劉江永氏は中国の著名な日本専門家だ
文章によると、中国はこれまで、「大愛に国境はなく、苦難は共に分かち合う」として、次のような支援を日本に与えてきたという。
―――地震発生当日、温家宝国務院総理は直ちに菅直人首相に電報を打ち、中国政府を代表して日本政府と日本国民に心からのお見舞いを伝え、必要な援助を提供する意向を表明した。
―――前日の3月10日には雲南省盈江県でM5.8の地震が発生したばかりで、政府と国民は救援活動に忙しかったにもかかわらず、少しもためらうことなく日本の被災地に援助の手を差し伸べた。
―――中国赤十字会の第一陣救援物資はすでに日本へ発送され、中国と台湾の国際救援隊が直ちに日本に派遣され、被災地域で救援活動に参加した。
(※劉氏は台湾の救援隊を中国の救援隊の一部と看做している)
―――3月13日、呉邦国全人代常務委員長は横路孝弘衆議院議長と西岡武夫参議院議長にメッセージを送り、全人代常務委員会を代表し、心からのお見舞いと震災犠牲者に対する深い哀悼の意を伝えた。
―――3月14日、胡錦濤国家主席は天皇陛下宛てに電報を送り、中国政府と中国人民を代表して、心からのお見舞いと犠牲者への深い哀悼の意を伝え、日本国民が一日も早く困難を乗り越え、郷土再建に立ち向かうことを祈念した。
―――また、胡主席は中国政府と人民は引き続き必要な支援を行うと表明した。18日、胡主席は自ら北京の日本大使館を訪れ、震災犠牲者を弔問した。
―――中国政府は日本の急場を救うために、緊急無償援助としてガソリン、ディーゼルオイルを1万トンずつ輸送。また、福島第一原発の冷却作業のため、アームの長さが62メートルのポンプ車を提供した。香港の芸能界のスターたちも自発的に大規模なチャリティーイベントを開催し、被災地への義援金を集めた。
■「恫喝」が効かない日本には「宥め」を
それから劉氏は、以下のように日本側を称える。
―――私たちは2008年の四川大地震の際、日本政府と国民から送られた救援支援と救援物資を忘れることはない。巨大な自然災害を前に、人道主義の大きな愛は国境を越え、実際の救援活動として実を結び、中日両国民の間にある心の溝を埋めたに違いない。
―――巨大な自然災害を前に、民族に関係なく助け合い、国籍に関係なく心を配り合うのは、人類の大愛、大義だ。被災地にいた中国人は日本の支援を受けて、難を逃れることができた。
―――混乱せず整然と秩序を保って震災に対処した日本国民の姿は、私たちに深い感銘を与えた。中国は日本が地震対策、救援活動で示した長所を参考にすべきだ。
―――日本政府には国民を導いて震災に打ち勝つ能力があり、強靱で勤勉な日本人は必ず郷土を再建することができると私たちは信じている。
そしてその上で、次の如く結ぶのだ。
―――来年は中日国交正常化40周年を迎える。振り返ってみると、中国の現在の発展は日本との友好協力関係と切り離すことはできない。未来の中日関係も今度の震災救援活動や郷土再建と緊密なつながりがある。
―――中国政府と人民は引き続き日本に援助の手、友好の手、協力の手を差し伸べていく。巨大な自然災害を前にし、私たちは家族だ。
こうして「日中友好」の大切さを感動的に強調するのがこの一文なのだが、ここで思い出したいのが昨年十二月八日、産経新聞に掲載された劉氏の寄稿だ。
尖閣諸島沖での中国漁船体当たり事件で悪化した日本国民の対中感情に、中共はよほど狼狽したのだろう。この御用学者は日本の中国に批判的な保守派層(産経新聞読者)に対し、次のような呼びかけを行っているのだ。
「日本国内では、今回の事件に対する中国の反応が激しすぎたという批判がある。しかし、中国からすれば、一歩も引けない深刻な立場に追い込まれたことを理解してほしい」
「もし船長が起訴されれば、日本が釣魚島における法律執行権を持って、領有権をさらに強調し、『棚上げ』の現状を変えてしまう。中国政府は抗議措置をとり、強いメッセージを発信しなければ、事態は一層深刻になりかねないと考えたのだろう」
散々圧力を掛けながらも恫喝が効かない相手には、宥めに出るのが対人コントロール術の常套だろう。この文章などはまさにそれだ。
今回の震災日本への支援にしても中共は、依然として改善されない日本国民の反中感情を和らげる手段と位置づけられていることは間違いない。そして再び中共の意思に従い、劉氏はこの「大愛に…」の文章を書くことになったのではないか。
異例とされる胡錦濤主席の日本大使館への弔問だが、そこまで関係改善を急ぐのか
■真理より中共の宣伝に従う中国の御用学者
それにしても劉氏の産経への寄稿はひどかった。何としてでも尖閣諸島は中国領土だと日本国民に信じ込ませたかったらしく、下のような大胆な嘘を平然とついていた。
「1885年、日本の明治政府は、秘密調査の結果、釣魚島列島は清国(中国)領であり、無主地ではないことを知り、占領することを躊躇した。しかし明治政府は94年に甲午戦争(日清戦争)を仕掛け、馬関条約(下関条約)の交渉に先立つ95年1月、釣魚島の占領を内密に決定した。以上の歴史的事実は、日本外交文書第18巻と第23巻に詳しく記録されている」
劉氏はこのように書くが、実際には『日本外交文書』第十八巻にも第二十三巻にも、日本政府が尖閣諸島は「清国領であり、無主の地ではないことを知」っていたなどとは書かれていないのだ。
劉氏には産経紙上で大嘘を書いた前科がある
学者が尊敬と信頼を受けるのは真理の探究を使命とするからだが、中国の御用学者はただたんに中共の政治宣伝の道具にしか過ぎないのである。だから私は劉氏から、「大愛に国境なし」「日本に友好の手を差し伸べていく」と言われても、有り難味というものを感じないのだ。
そしてそれよりも、「この日本向けのリップサービスの裏に、いったいいかなる企みが隠されているのか」と疑ってしまうわけである。
■中共に「愛」はないー日本人は警戒を
「大愛に国境はなく、苦難は共に分かち合う」とアピールした劉氏だが、この人物は中共が過酷な殖民地支配を加えるチベット、東トルキスタン(ウイグル)や、侵略併呑目標である台湾に対しては、一かけらの「愛」もなく、冷酷そのものである。たとえばそれらの自由、独立を願う日本人に対しては、公然と中共の恫喝を代行している。
「近年、日本の右翼勢力は台湾独立問題で挫折したため、チベット独立、新疆独立の問題をさらに重視するようになった。この勢力は新疆独立勢力との連絡が緊密だ。拠点や人数は少ないが、しかし勢力を保っている」(〇九年七月、中国各紙)
「チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世の訪日や新疆ウイグル独立派の活動への対応を中国国民は注目している。日中で信頼関係をつくれなければ、(鳩山由紀夫・民主党代表の)東アジア共同体の構築は無理だ」(〇九年八月三十一日、日経新聞)
つまり中共への服従を拒む周辺諸民族や、それを支持する日本人は、「大愛」の対象外となるわけだが、そうした「大愛」など真の「愛」とは言えないだろう。
四月九日、海保巡視船が鹿児島県沖のEEZ内で違法操業していた中国漁船を拿捕して船長を逮捕、中国領事館が担保金を支払ったため、翌日に釈放するという事件があったが、劉氏は香港の文匯報に対してこう語っている。
「日本では核危機が未解決で余震も収まらず、復興もいまだ着手されていないなか、中日間の構造的矛盾はわずかに緩和された。しかし解決はまだだ。日本国内の極右勢力は偶発事件を利用し、民衆の情緒を煽動していることに警戒するべきだ」
要するに、日本の右翼勢力(つまり中国と日本の上下関係を受け入れない勢力)が船長逮捕事件を受け、反中感情を煽っていると強調し、自らは中国人の反日を煽っているのだ。
そしてその一方で、「それに対し、中国側は十分に思想的準備を行い、主権領土問題上の原則を堅持するとともに、長期的な視野に立ち、人道援助を継続し、両国の民間感情を改善し、中日関係を発展させ、震災復興における両国の協力のあり方を探るべきである」などとし、日本国民の籠絡を通じ、日本を中国に歯向かわない国に仕立て上げてしまおうと訴えているのである。
劉氏は「大愛」の一文中、「天災は非情だが、人には情がある。苦しいときにこそ、真の情がわかる」と書いている。そこでもし日本人が、「日本が震災で苦しんでいる最中、国家海洋局のヘリが海自の護衛艦に異常接近するという挑発行為こそ、中共の日本に対する『真の情』か」と非難すればどうなるだろう。
海上自衛隊へのこの挑発が中共の「真の情」の表れだ
おそらく劉氏は「お前は極端な右翼だ」と言い返してくることだろう。
劉氏に「大愛に国境なし」とまで言わせ、日中関係の改善を急ぐ中共だが、そもそもこれが望む「関係」とは、中国と日本の上下関係である。日本が反中感情、対中警戒心を拭い去り、中国には楯突かなくなることを中共は「関係改善」と呼んでいるのだ。
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主辦: 台灣青年反共救國團
協辦: 田秋堇立委辦公室/台北律師公會人權保護委員會/國際特赦組織/台灣人權促進會/台灣教授協會/鄭南榕基金會/財團法人陳文成基金會/投資中國受害者協會/台灣圖博之友會/台灣醫社 (其他人權團體/藝術界人士在陸續聯絡中…)
出席: 田秋堇立委 /林保華/高為邦/名画家施並錫教授 ( 反共團理事長 林保華敬邀 )
說明: 中國著名藝術家、活躍異見人士 艾未未,於四月二日離開北京來香港與台灣時,在機場被捕, 從此人間蒸發了一個月。此事震動國際,因他是國際知名人士,是中國人權進一步惡化的顯著標誌。艾未未被捕在中國與香港也引起强烈反響,台灣豈可沈默無聲!本團鄭重請求馬政府, 基於維護自由民主人權的普世價值, 立即向中國當局交涉放人!尊重自由民主人權!! 釋放艾未未! 釋放劉曉波! 釋放冉雲飛! 釋放胡佳! 釋放黄!釋放所有異議人士!!
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中国の尖閣を狙う動きは序幕に過ぎない。あの国の目標は沖縄全体であり、そしてその次が日本全体。したがって日本の選択肢は中国の属国になるか、それともそれを跳ね返すかの二つのみ。そのいずれをとるべきかを、このたび近未来日中戦争シュミ レーションシリーズ最新作『日 中海上決戦―尖閣・沖縄侵攻を阻止せよ』を上梓した喜安幸夫氏に語っていただく。
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